務台夏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
五篇からなる短編集。
「いま見てはいけない」
映画「赤い影」の原作。
幼い娘を亡くした夫婦がヴェネチアで老姉妹に会う。
妻は、亡くなった娘さんがあなたのそばにいると言われ、悲しみに暮れていたところを救われるが、夫はそんなことを言う老女を胡散臭く思う。
「真夜中になる前に」
絵を描くことを趣味とする教師が、ギリシャに旅行に出かける。
泊まったホテルでいかがわしい夫婦に出会う。
「ボーダーライン」
病床の父のもとに見舞いに行った娘の前で、突然父が亡くなった。
娘は、父と最後に見ていたアルバムに写っていた旧友を訪ねることにする。
「十字架の道」
エルサレムのツアー引率をする予定の牧師が病に倒れたため、代理を務める牧師をはじめとして、旅行客たちに次々と起こるハプニング。
「第六の力」
知能障害のある少女を使い、白血病で死期の近い青年の生命エネルギーをコンピューターに取り込もうとする研究者の物語。
翻訳が良くないのか、少し読みにくいがよく出来た短編だった。
映画にもなった「いま見てはいけない」は、不思議な雰囲気が漂い面白い。
是非、映画も観てみたいと思った。
「十字架の道」では、様々なハプニングも去ることながら、登場人物が特徴があり面白い。残念なのは、司祭と牧師がごっちゃになっているとしか思えない残念な翻訳。
「第六の力」は、揺れる心を描く作品が多い作家さんには少し異色な作品とも言える。サイエンスミステリーとでも言うのだろうか。
何となく不思議だったり嫌な感じだったりする作品集。 -
Posted by ブクログ
うーん、私には余り合わなかった。
いいな、と思う表現は度々あったのだけど、全体的に冗長に感じてしまった。
時間を掛けて小出しに読んでしまった所為もあると思うが、徐々に謎が解明されていくとか、謎が謎を呼ぶとか、そういう感じではなく、延々と冒頭部分が続いて、後の数十ページにパラパラパラッと全てが唐突に明らかになった感じ。これならこんなに長い話にしなくても良かったんじゃないかと思ってしまった。
正直、オーレンとイザベルの関係に関しては、どうでも良かった、というかむしろストーリーの邪魔に感じた。あの2人の関係をユーモラスと感じる人もいるだろうけど、私には「いい大人が馬鹿みたい」としか思えず。
セアラとスワンが痛ましかった。 -
Posted by ブクログ
シリーズの2作目らしい。初めての作家さんです。
最初から読んだ方が感情移入できるらしい。
中心になっているのは、アマンダ殺害の犯人探しなのだが
亡くした妻への思いが強すぎて、その亡霊と共にステージに立つ
伝説のマジシャンの話やら、超能力?でモノを飛ばす
少年との話なんかも紛れ込ませ、怪しい雰囲気も漂わせている。
一見関係ないような話なのだが、後半に向かうにつれ
この話が絡み合ってくるのですよ。
さすがに結末には驚きました。
ストーリーだけを考えると、面白いんだけど読みにくい。
やたらと比喩の表現が多くて、ストーリーの流れに乗れなかった。 -
Posted by ブクログ
最新作「吊るされた女」がとても面白かったので、シリーズ一作目から読むことにした。ヒロインの刑事マロリーがほれぼれするくらいクールでカッコイイ。それ以上に、ストリートチルドレンだった彼女を引き取って育てたマーコヴィッツ夫妻との温かな絆が胸を打つ。
本作冒頭でそのルイ・マーコヴィッツは捜査中に殺されてしまうし、妻のヘレンもすでにこの世の人ではない。でも、第六作である「吊るされた女」でも、この養父母の存在感はとても大きい。協調性などかけらもなく、我が道を行くマロリーだが、犯罪捜査においては頭の中に常にルイがいて彼女を導き、無償の愛を注いでくれたヘレンの思い出が彼女を支えている。
マロリーは、ちょっとあり得ないほど極端な設定のヒロインだ。尾行が不可能なほどのずば抜けた美貌に、コンピュータを駆使する天才的な頭脳、悲惨な生い立ちから来る人間的な感情や倫理観の欠如などなど。しかし、マーコヴッツ夫妻をはじめとした周囲の人たちの造型がとてもうまく、マロリーの魅力を際だたせている。「ミステリ史上もっともクールなヒロイン」という評に納得。
本作には「壊れた人たち」が何人も登場する。それぞれにぞっとするものがある。そのインパクトが強くて、ミステリとしてのストーリーを見失いそうになるくらいだ。このバランスの危うさと、プロローグの意味がわかりにくいことから、ここは厳しく★三つ。でもこのシリーズは「買い」です。 -
Posted by ブクログ
家政婦ハンナの求めに応えて20年ぶりに故郷に戻ってきたオーレン。夜、戸口の外に骨がこつんと置かれていた。それはここのところずっと続いていると言う。どうもその骨は森で行方不明になって亡くなった弟のものらしい。
そしてドアには内側から閉める3重の鍵が取り付けられていたり、家の車の鍵をハンナはなぜか戸棚の缶の中に閉まっておいたり。この家でいったい何が起きているのか。弟の死の真相はいったい?! 戸惑いを隠せない『10代の頃から熟女キラー』のオーレン!
序盤、それぞれの登場人物の行動の意味がよく分からないところが多くて、伏線だとしても回収されるときには覚えていないだろうな~と思ったのと、文章の人物の視点がホイホイ変わるのにしばらく慣れなかったのでモヤモヤしてあやうく積読行きになるところだった。
けれど読み進めるほどに、味が増してくる。主人公オーレン含めて全員怪しくなってくる。そして全てが愛ゆえの行動なのだと分かってくる。(殺人は例外だけれど。)
ひらひらワンピースを着た中年女性ポーク捜査官の狐の化かしあい、スーパー家政婦ハンナの活躍、ケイブル保安官とデイブ副保安官のダメダメっぷり、イザベルの怒りのもちの良さ…などなかなか面白かった。