務台夏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キャロル・オコンネルの作品で読んだことがあるのは『クリスマスに少女は還る』と『愛おしい骨』だけなので、このマロリーシリーズは読んだことがない。最初に感想を言うと、主人公であるマロリーの過去を知っていれば、もっと面白いんだろうな、と思った。マロリーはこの巻の前には、どうやら何か月か失踪していたようだ。クールビューティ&タフネスの女刑事という、いかにもアメリカらしい鉄板キャラ。結構この設定は好き。相棒のライカーはそんな彼女とは好対照で、ややお調子者のような感じ。そこそこ切れ者なのだが、なにぶんマロリーの能力が突出しているので、ライカーは損している。ただ彼がいないとマロリーの行動は謎が多すぎるので、物語を理解する上ではとても重要な人物。
ストーリーの展開は冒頭のショッキングな描写を除けば、いたって王道のミステリーという感じ。トリックより物語性を重視している。奇をてらう感じもなかったので、分厚い割には読みやすい。
事件は昼間の公園ではじまる。幼児たちを引率して広場を訪れていた老女が、突如として現れたネズミの群れに襲われて噛み殺された。
なぜ、こんなところでネズミが多量発生したのかを捜査していたところ、木の上に吊るされ、口をふさがれ拘束されていた瀕死の男をみつける。生きたままネズミにかじられていた男。この男がネズミの発生源だった。それをきっかけに同様に木に吊るされ、ネズミに齧られた二人の被害女性が発見される。
その後、別の事件で保護された少女ココがこの事件の目撃者であったことが判明する。しかし少女はウイリアムズ症候群と言う疾患を抱えていたため、証言をさせることが困難であった。
誰がこんな凄惨な事件を引き起こしたのか、その犯人像は…
快楽殺人だとすると、この3人で犯行が止まっているのが不可解だ。被害者に接点はあるのか…
マロリーやライカーの過去の活躍を知らなくても、今回の物語だけでも十分面白いのだけれど、その他の登場人物たちも、過去の作品からの流れで登場してくるので、読んでいないと絡みがよくわからないところもある。
1作目から読んでみたいが、これが10作目だからなぁ… 分厚いし、ためらう。
1作目から読んでいる人がうらやましい。 -
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マロリーのシリーズ、9作目。
(もう10作目も刊行されています)
マロリーの重要な面が明らかになるので、初期作品を読んでいる方は必読ですよ。
ニューヨーク市警のキャシー・マロリーは、天才ハッカーにして、見た目は完璧でクールな美女。
幼い頃はストリート・チルドレンだったため、ごく普通の感情が理解できず、善悪の判断も危ういのでは、と周りに心配されていました。
そんなマロリーが突然、失踪。
マロリーの部屋には見知らぬ女性が残され‥
マロリーは改造したフォルクスワーゲンで、ルート66を爆走。
じつは、古い手紙をたどりながら、という旅でした。
シカゴからロサンジェルスへ向かうルート66は、マザーロードとも呼ばれている。
道路に沿って事件が多発、行方不明の子供を持つ親たちのキャラバンが、手がかりを求めて移動している最中。
相棒のライカーは、必死でマロリーの後を追います。
謎の手紙の文面、マロリーの行動、ライカーの視点と移り変わりつつ、二重三重に絡み合う事件。
真相は、果たして‥?! -
Posted by ブクログ
だんだん分厚くなるマロリーシリーズ…登場人物の名前がこんがらがって何度も一覧をひっくり返した。
ネズミの大群に襲われた老女に怖気をふるったあと、袋に入れて吊された被害者の惨状に犯人への怒りを…感じようにも無理がある。どいつもこいつも最低な奴だった。
初耳のウィリアムズ症候群なる病気、その特異な症状と、ココの不憫さ!
マロリーに西海岸で何があったのか読者は全く知らされないままに、怒濤のように「断食芸人」を追い、権力闘争の罠をくぐり抜け、過去の出来事をたどり、追及し、復讐し…というマロリーについていく。疲れたーでもまたまた楽しめましたね。そして靴ひもを懸命に結んだココ、ホタルのやさしい灯りに眠ったココ、どうか幸せに暮らしてと願わずにいられない。
マロリー、今度はどんな事件?会えるのが待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
マロリーのシリーズ、8作目。
とある屋敷内で起きた事件と、58年前にそこで起きた怪事件を捜査するマロリー。
キャシー・マロリーはニューヨーク市警に所属するが、天才ハッカーでかなり自由な立場というか、普通の人の手には負えないユニークなキャラ。
完璧な美貌だが本人は自覚していないという。
兄のような存在の相棒ライカーと、署には内緒でやっている仕事のパートナーのチャールズに心配されつつ、突き進んでいきます。
由緒あるウィンター邸に、保釈中の犯罪者が侵入?
邸内には、70歳の老婦人と小柄な姪しかいなかった。
58年前、9人もの犠牲が出た大事件は未解決のまま。
老婦人は以来行方不明だったネッダで、事件のときは12歳の少女だった‥
今度の事件とどんな繋がりがあるのか、ないのか。
誰も解決出来なかった事件に取り組んだマロリーが、ついには一刀両断するのか?
構築力のあるストーリーと、スタイリッシュな描写で~強引に読ませます(笑)
チャールズは、姪の方のビッティと顔見知り。
子供の頃に天才だった者同士なのだ。
マロリーを崇拝するチャールズは一歩踏み出したらしいが、感情を持たないとまで言われるマロリーに対して、これが危険水域だったかも?という。
幼いころの悲惨な経験から、ほとんど表情を変えないマロリー。
けれども、ぜんぜん感情がないってわけではもちろんないので、さてどうなるでしょうね?
実は優しいと言うほど甘くはないけど、彼女なりの潔さとちょいツンデレがあるんですよ(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次より
・いま見てはいけない
・真夜中になる前に
・ボーダーライン
・十字架の道
・第六の力
ゴシックサスペンスの小説『レベッカ』で有名な、ダフネ・デュ・モーリアの短編集。
全体像が見えないことによるドキドキ感は健在で、「どういうこと?どういうこと?」と手さぐりで読み進めていくことの快感。
特に表題作の「いま見てはいけない」は、なんとなく結末が想像できるのではある。
けれど、押し寄せる不安で、結末を確認しないではいられない。
ただ、カタルシスを得られるかと言えば、それはない。
この短編集全体がもやもやを抱えたまま沈んでいくような読後感。
「ボーダーライン」はアイルランド問題、「十字架の道」はキリスト教をもっと知っていれば理解が深まったのだろうか。
私の中で消化不良のまま残されている。
「第六の力」
映画化作品が多いデュ・モーリアだけど、これについては清水玲子で漫画化を希望。
絶対合うと思うんだ、彼女の作風と。
オカルトと科学の融合?混濁?
濃密なイギリス臭漂う作品集。
全部違う作風なのに、全部イギリスだったわ。 -
Posted by ブクログ
デュ・モーリア作のもうひとつの「レベッカ」とも呼ばれる作品。
今回も状況の描写が素晴らしく、登場人物と同じ場で物語を見ているような気持ちにさせる。
両親を亡くし、従兄アンブローズによって育てられるわたし。
アンブローズはイタリアで結婚し急逝する。アンブローズからの便りに、ただならぬものを感じるわたしは、彼の妻であるレイチェルを憎む。
そんな折、レイチェルがわたしの暮らす屋敷にやって来る。
「レベッカ」と同じくイギリスの上流家庭と言える裕福な家族の物語。
タイトルともなっているレイチェルは、魅力溢れる女性だが、それだけではないように思わせる謎を秘めている。そういうところも「レベッカ」に似ている。
設定は似ているが、「レベッカ」の方が個性の強い登場人物が多いように感じる。
本書のわたしは若い男性。
このわたし、フィリップが何とも言えない。
レイチェルを毛嫌いしていたのに、会ってすぐに心酔してしまう心変わりの早さ、身勝手で我儘、衝動的というか軽率に思うまま行動してしまう思慮の浅い男。
ここまで愚かな人物だと、読みながらイライラとして楽しい。
意外とも言えるラストが唐突にやってくる。
「レベッカ」のときと同じように突然終わってしまう物語に茫然とする。まさに糸がプツンと切れるように終わる。
レイチェルは結局、悪女だったのか聖女だったのか。答えがはっきりと書かれていない。
こういった終わり方は好き嫌いの別れるところだと思う。
わたしは「レベッカ」のときと同じく、想像を膨らませ、読み終わるとじんわり余韻を感じられるところが良かった。
まだまだ他の作品も読んでみたくなる。