務台夏子のレビュー一覧

  • ルート66 下

    Posted by ブクログ

    (上巻より)

    マロリーがイリノイ州の若い警官に、
    彼女にしては、懇切丁寧に我慢強く「仕事」を教えていた場面は感動的だった。

    いつも人と関わらない、関わる気もない、
    関わった場合は脅迫か暴力か毒舌のマロリーが、
    ルートの自動車修理工やキャラバンの子ども達とそれ以外の関係にあったのが良かったのかも。

    0
    2017年04月06日
  • ルート66 上

    Posted by ブクログ

    今回の作品は良かった。
    理由はよくわからない。

    舞台が、マロリーの地元ニューヨークでないことか。
    追い詰める相手がFBIや子供捜索団を率いるリーダーといった強者だからか。
    マロリーのルーツを探る旅だからか。
    破たんしたと思ったチャールズとの関係がそうでなかったからか。
    ラストがハッピーエンドだったからか。

    (下巻へ続く)

    0
    2017年04月06日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    目次より
    ・いま見てはいけない
    ・真夜中になる前に
    ・ボーダーライン
    ・十字架の道
    ・第六の力

    ゴシックサスペンスの小説『レベッカ』で有名な、ダフネ・デュ・モーリアの短編集。

    全体像が見えないことによるドキドキ感は健在で、「どういうこと?どういうこと?」と手さぐりで読み進めていくことの快感。

    特に表題作の「いま見てはいけない」は、なんとなく結末が想像できるのではある。
    けれど、押し寄せる不安で、結末を確認しないではいられない。
    ただ、カタルシスを得られるかと言えば、それはない。
    この短編集全体がもやもやを抱えたまま沈んでいくような読後感。

    「ボーダーライン」はアイルランド問題、「十字架

    0
    2016年12月31日
  • クリスマスに少女は還る

    Posted by ブクログ

    少女二人が力を合わせて無事の脱出を祈るように読んでいたが最後の最後に、えっ、そうきたか…どんでん返しくらうとは…マジか~ 
    女目線で読むと、ルージュ派(赤毛)or アーニー派(金髪)どっちに惹かれるかってとこですが、私はアーニーかなw アリとも元さやに戻ったようで…って、えっ戻ってなかった?花ことば「友達でいよう」か ん~、アーニーよ、それでいいのか⁉

    0
    2016年11月22日
  • クリスマスに少女は還る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    分厚くて、読みきれるのか心配になったけど、癖のある登場人物ばかりのわりにスラスラ読めた。職業倫理を守りすぎ!もう少し融通を利かせれば…と思ってしまった。記念品の隠し場所は、犯人の残忍さが現れていて、吐き気がした。自分より弱い者に手を出すなんて、本当に許せない。
    結末は、驚いて読み返した。犬への合図が犯人に届かなかったのは、そういうことか!と納得。
    サディーもルージュもアリも、そしていつの間にかアーニーも好きになっていく不思議な物語だった。

    0
    2016年08月29日
  • 愛おしい骨

    Posted by ブクログ

    ミステリーなんだけど愛の話だった
    かと言ってミステリー要素がおざなりになっているわけでもないのでそこも良かったです。
    町の情景、そこに住む人たちの様々な人生やその真実の描写もどこか幻想的?というか情緒があって素敵でした。
    あと町の人が割と独創的な人達ばかりでちょっと笑いました。

    0
    2016年07月31日
  • レイチェル

    Posted by ブクログ

    美しいレイチェルに心奪われていくフィリップ青年の揺れが如実に表され、時に同情、同意しながらもゾクゾクとさむけを感じるようなところも。

    0
    2016年02月17日
  • レイチェル

    Posted by ブクログ

    デュ・モーリア作のもうひとつの「レベッカ」とも呼ばれる作品。
    今回も状況の描写が素晴らしく、登場人物と同じ場で物語を見ているような気持ちにさせる。

    両親を亡くし、従兄アンブローズによって育てられるわたし。
    アンブローズはイタリアで結婚し急逝する。アンブローズからの便りに、ただならぬものを感じるわたしは、彼の妻であるレイチェルを憎む。
    そんな折、レイチェルがわたしの暮らす屋敷にやって来る。

    「レベッカ」と同じくイギリスの上流家庭と言える裕福な家族の物語。
    タイトルともなっているレイチェルは、魅力溢れる女性だが、それだけではないように思わせる謎を秘めている。そういうところも「レベッカ」に似てい

    0
    2015年12月19日
  • クリスマスに少女は還る

    Posted by ブクログ

    アカン、外国語文学を読めるスキルをもっと磨かなアカン。背景の理解に時間がかかるし、それでもなお理解し切れていないところもあるし。会話分も、日本語なら言外に含まれた微妙なニュアンスまで汲み取れるところが、表面通りの内容しか理解出来ん。結果、主人公たちの感情の機微が追い切れず、最期に準備されたタネ明かしの醍醐味も、存分に味わえたとは言い難い。あり得ない話なんだけど、十分な存在感を持って彼女は存在し、感動と仰天のクライマックス。人気作品というのも納得の充実作とは思うんだけど、上記理由で個人的ベストな作品とは思えず。残念です。頑張ります。

    0
    2015年12月15日
  • クリスマスに少女は還る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    少女が二人誘拐された。
    一人は副知事の娘で超がつくほどの美少女。
    もうひとりは、中の上くらいの家の女の子。しかし、とにかくユニーク、ホラー映画マニアで悪趣味ないたずらもしょっちゅう、およそ正反対の二人だが無二の親友。
    実はこの町では10年以上前から何度も類似の事件が起きている。美少女が誘拐され、クリスマスの朝に凌辱された遺体が発見されるというおぞましい未解決事件。
    さらに犯人は捕まっているものの類似事件が過去にあり、その被害者は今回の事件を担当することになるハンサムな警察官の双子の妹。
    双子と言っても、二人はありえない一卵性双生児の兄妹で離れがたく結びついていた。
    彼が優秀な子供たちが集められ

    0
    2015年08月24日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

    Posted by ブクログ

    この中には5編の短編がおさめられているが、一番好きなのは「十字架の道」。好みで評価は別れると思うけど、すべて私は好みです。この人の作品はもっと読みたい。

    0
    2015年08月20日
  • クリスマスに少女は還る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    *クリスマスを控えた町から、二人の少女が姿を消した。十五年前に双子の妹が殺された刑事ルージュの悪夢が蘇る。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れ―。一方、監禁された少女たちは力を合わせ脱出のチャンスをうかがっていた…。巧緻を極めたプロット。衝撃と感動の結末。超絶の問題作*

    まさかこういう話だったとは!原題「 囮の子」もいいけど、この邦題には唸らずにはいられない。
    「みなさんはあの子を愛さずにはいられなくなるわ」。その言葉通り、ホラー映画フリークの超問題児でやんちゃ過ぎる、勇敢で健気なサディーに心底魅惑された。これは、「少女たち」の救済と贖罪の物語。そして、クリスマスに少女は還る。

    0
    2015年05月23日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

    Posted by ブクログ

    『レベッカ』が大好きなので短編集も読んでみた。日常の生活や人間関係における心の機微や、ありきたりなようで意外な人間模様を、鮮やかにまたシニカルに描き出す傑作揃いだった。「十字架への道」で前歯が折れてしまった夫人をいたわる大佐が印象的。日々の生活をこうもドラマチックに描かれると、私の人生もそう捨てたものではないような気がしてくるから不思議だ。

    0
    2015年04月08日
  • クリスマスに少女は還る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サディーのお母さんの「みなさんはあの子を愛さずにはいられなくなるわ」の言葉は、読者にとってもその通りだ。冒頭の登場シーンのサディーの印象はちっとも良くないのに、読み終えてみれば一番魅力的なキャラクターは間違いなくサディー。前半を乗り切れば彼女が活躍する中盤からは本当に面白い。
    主人公格の一人美貌の青年警察官ルージュ・ケンダルにそっくりで一心同体の双子の妹スーザンの存在はルージュが少女誘拐の捜査にのめり込む重要なファクター。彼ら双子にまつわる表現にはなにやら背徳的な雰囲気(果たして一般的米国人は妹にAIMMなどと書くものなのか!?)を感じたが別になんでもなかった。考えすぎか。
    ルージュが警察官と

    0
    2015年07月15日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

    Posted by ブクログ

    これを読みながらずっと「レベッカ」を思い出していた。「昨夜、わたしはまたマンダレイに行った夢を見た」という冒頭の一文から、ミステリアスで繊細な物語は始まっていた。ここに収められた短篇にも、「レベッカ」と同様の叙情が漂っている。そのストーリーテリングを堪能できる一冊。

    「レベッカ」では、謎めいた物語に引き込まれるのと同じくらい、舞台となるマンダレイという土地や、そこに建つ邸宅などに魅せられたように思う。奥深く、底の知れない気配が立ちこめていた。本書でも、「真夜中になる前に」のクレタ島や、「十字架の道」のエルサレムなど、その土地こそが主役なのではないかとまで思わせる舞台が、それぞれ異なる魅力を持

    0
    2015年01月21日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

    Posted by ブクログ

    ・ダフネ・デュ・モーリア「いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫)は表題作を含めて全5作、約420頁の短篇集である。最近の文庫は活字が大きいといつても、単純平均で80頁ある。長めの短篇といふところであらう。いかにもデュ・モーリアといふ感じの作品が収められてゐる。やはりおもしろい。
    ・巻頭の表題作「いま見てはいけない」は「赤い影」として映画化されてゐる作品である。未視感といふのであらうか。いや、起きるべき未来が見えてしまつた、あるいはまだ起きてゐない出来事を見てしまつたことから起きる悲劇である。ヴェネチアに滞在中のジョンとローラの夫婦にイギリス人老姉妹が関はつて事件が起きる。

    0
    2015年01月11日
  • いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集

    Posted by ブクログ

    誰が正しいのか、誰を信用していいのか、自分の見たものを信じていいのか、足元の地面がぐらぐらするような不安感がたまりません。。。

    「いま見てはいけない」が一番よく出来てる気がする。
    解説は、デュ・モーリア作品と映画との関連をきちんと語っていて親切だと思う。

    0
    2014年12月03日
  • 天使の帰郷

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マロリーの過去がわかる、という意味では面白かったが、
    仲間割れというか、マロリー、チャールズ、ライカ―の三人が腹を探り合うところが、どうも楽しくない。

    また猫が出てきたが、扱いが可愛くないし、
    マロリーに対抗できる強烈な個性の老女オーガスタも
    エキセントリックだし、なんだか。

    また宗教が悪者だし。

    0
    2015年04月21日
  • 死のオブジェ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    残念ながら、前作の猫は出てこなかった。

    屋上での籠城とか、フェンシングの戦いとか、
    たまにディテールについていけなくなることがあるが、
    おおむね面白かった。

    ラストでチャールズが勇気を振り絞って告白したのに、
    マロリーが逃避行?とは、
    次回作がどうなることやら。

    0
    2015年04月21日
  • アマンダの影

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前作よりだいぶ面白かった。
    が、それは猫が登場したからかも。
    古いバージョンなのか、表紙も猫でかわいかったし。

    ストーリーとしては、いきなり幕開けで主人公が殺されたが、
    そのショッキングさが生かされていな感じ。
    判事をやりこめて、少女を救い出して、
    事件解決以外も大活躍で、胸がすっとするが、
    チャールズをもうちょっと大事にしてあげて。

    次作にも、この猫が登場すると良いんだけど。

    0
    2015年04月21日