務台夏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マロリーのシリーズ、9作目。
(もう10作目も刊行されています)
マロリーの重要な面が明らかになるので、初期作品を読んでいる方は必読ですよ。
ニューヨーク市警のキャシー・マロリーは、天才ハッカーにして、見た目は完璧でクールな美女。
幼い頃はストリート・チルドレンだったため、ごく普通の感情が理解できず、善悪の判断も危ういのでは、と周りに心配されていました。
そんなマロリーが突然、失踪。
マロリーの部屋には見知らぬ女性が残され‥
マロリーは改造したフォルクスワーゲンで、ルート66を爆走。
じつは、古い手紙をたどりながら、という旅でした。
シカゴからロサンジェルスへ向かうルート66は、マザーロードとも呼ばれている。
道路に沿って事件が多発、行方不明の子供を持つ親たちのキャラバンが、手がかりを求めて移動している最中。
相棒のライカーは、必死でマロリーの後を追います。
謎の手紙の文面、マロリーの行動、ライカーの視点と移り変わりつつ、二重三重に絡み合う事件。
真相は、果たして‥?! -
Posted by ブクログ
だんだん分厚くなるマロリーシリーズ…登場人物の名前がこんがらがって何度も一覧をひっくり返した。
ネズミの大群に襲われた老女に怖気をふるったあと、袋に入れて吊された被害者の惨状に犯人への怒りを…感じようにも無理がある。どいつもこいつも最低な奴だった。
初耳のウィリアムズ症候群なる病気、その特異な症状と、ココの不憫さ!
マロリーに西海岸で何があったのか読者は全く知らされないままに、怒濤のように「断食芸人」を追い、権力闘争の罠をくぐり抜け、過去の出来事をたどり、追及し、復讐し…というマロリーについていく。疲れたーでもまたまた楽しめましたね。そして靴ひもを懸命に結んだココ、ホタルのやさしい灯りに眠ったココ、どうか幸せに暮らしてと願わずにいられない。
マロリー、今度はどんな事件?会えるのが待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
マロリーのシリーズ、8作目。
とある屋敷内で起きた事件と、58年前にそこで起きた怪事件を捜査するマロリー。
キャシー・マロリーはニューヨーク市警に所属するが、天才ハッカーでかなり自由な立場というか、普通の人の手には負えないユニークなキャラ。
完璧な美貌だが本人は自覚していないという。
兄のような存在の相棒ライカーと、署には内緒でやっている仕事のパートナーのチャールズに心配されつつ、突き進んでいきます。
由緒あるウィンター邸に、保釈中の犯罪者が侵入?
邸内には、70歳の老婦人と小柄な姪しかいなかった。
58年前、9人もの犠牲が出た大事件は未解決のまま。
老婦人は以来行方不明だったネッダで、事件のときは12歳の少女だった‥
今度の事件とどんな繋がりがあるのか、ないのか。
誰も解決出来なかった事件に取り組んだマロリーが、ついには一刀両断するのか?
構築力のあるストーリーと、スタイリッシュな描写で~強引に読ませます(笑)
チャールズは、姪の方のビッティと顔見知り。
子供の頃に天才だった者同士なのだ。
マロリーを崇拝するチャールズは一歩踏み出したらしいが、感情を持たないとまで言われるマロリーに対して、これが危険水域だったかも?という。
幼いころの悲惨な経験から、ほとんど表情を変えないマロリー。
けれども、ぜんぜん感情がないってわけではもちろんないので、さてどうなるでしょうね?
実は優しいと言うほど甘くはないけど、彼女なりの潔さとちょいツンデレがあるんですよ(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次より
・いま見てはいけない
・真夜中になる前に
・ボーダーライン
・十字架の道
・第六の力
ゴシックサスペンスの小説『レベッカ』で有名な、ダフネ・デュ・モーリアの短編集。
全体像が見えないことによるドキドキ感は健在で、「どういうこと?どういうこと?」と手さぐりで読み進めていくことの快感。
特に表題作の「いま見てはいけない」は、なんとなく結末が想像できるのではある。
けれど、押し寄せる不安で、結末を確認しないではいられない。
ただ、カタルシスを得られるかと言えば、それはない。
この短編集全体がもやもやを抱えたまま沈んでいくような読後感。
「ボーダーライン」はアイルランド問題、「十字架の道」はキリスト教をもっと知っていれば理解が深まったのだろうか。
私の中で消化不良のまま残されている。
「第六の力」
映画化作品が多いデュ・モーリアだけど、これについては清水玲子で漫画化を希望。
絶対合うと思うんだ、彼女の作風と。
オカルトと科学の融合?混濁?
濃密なイギリス臭漂う作品集。
全部違う作風なのに、全部イギリスだったわ。 -
Posted by ブクログ
デュ・モーリア作のもうひとつの「レベッカ」とも呼ばれる作品。
今回も状況の描写が素晴らしく、登場人物と同じ場で物語を見ているような気持ちにさせる。
両親を亡くし、従兄アンブローズによって育てられるわたし。
アンブローズはイタリアで結婚し急逝する。アンブローズからの便りに、ただならぬものを感じるわたしは、彼の妻であるレイチェルを憎む。
そんな折、レイチェルがわたしの暮らす屋敷にやって来る。
「レベッカ」と同じくイギリスの上流家庭と言える裕福な家族の物語。
タイトルともなっているレイチェルは、魅力溢れる女性だが、それだけではないように思わせる謎を秘めている。そういうところも「レベッカ」に似ている。
設定は似ているが、「レベッカ」の方が個性の強い登場人物が多いように感じる。
本書のわたしは若い男性。
このわたし、フィリップが何とも言えない。
レイチェルを毛嫌いしていたのに、会ってすぐに心酔してしまう心変わりの早さ、身勝手で我儘、衝動的というか軽率に思うまま行動してしまう思慮の浅い男。
ここまで愚かな人物だと、読みながらイライラとして楽しい。
意外とも言えるラストが唐突にやってくる。
「レベッカ」のときと同じように突然終わってしまう物語に茫然とする。まさに糸がプツンと切れるように終わる。
レイチェルは結局、悪女だったのか聖女だったのか。答えがはっきりと書かれていない。
こういった終わり方は好き嫌いの別れるところだと思う。
わたしは「レベッカ」のときと同じく、想像を膨らませ、読み終わるとじんわり余韻を感じられるところが良かった。
まだまだ他の作品も読んでみたくなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白いというので、読んでみた。
参った!本当に面白い!
主人公フィリップの父親代わりであった従兄アンブローズが、レイチェルという女性と結婚する。
その後、すぐにアンブローズは病に犯され、フィリップは彼を看取ることなく亡くなってしまう。
その原因はレイチェルにあるとし、憎悪さえ抱いていたフィリップだが、彼女との対面の夜、そうした気持ちは一転してしまう。
そして、レイチェルとフィリップの生活が始まるのだが……という話。
フィリップの右往左往ぶりが、見ていて滑稽なくらいで、ちょっとは頭を冷やしなさいよ!と言いたくなるほどのバカ御曹司っぷり。
しかし、そんな私自身がフィリップのフィルターマジックにやられ、レイチェルに対する感情を二転三転させられることもまた、面白い。
結局、彼女は何者なのだろう?
分かりそうで、分からないままに物語は終わる。
ファムファタル、恐るべし。。。
坂道の連続で、分量のある本なのに、ほんとうに一気読みしてしまった。すばらしい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少女が二人誘拐された。
一人は副知事の娘で超がつくほどの美少女。
もうひとりは、中の上くらいの家の女の子。しかし、とにかくユニーク、ホラー映画マニアで悪趣味ないたずらもしょっちゅう、およそ正反対の二人だが無二の親友。
実はこの町では10年以上前から何度も類似の事件が起きている。美少女が誘拐され、クリスマスの朝に凌辱された遺体が発見されるというおぞましい未解決事件。
さらに犯人は捕まっているものの類似事件が過去にあり、その被害者は今回の事件を担当することになるハンサムな警察官の双子の妹。
双子と言っても、二人はありえない一卵性双生児の兄妹で離れがたく結びついていた。
彼が優秀な子供たちが集められている学校の寮に入り、離れてしまい妹を救えなかったその時から彼は心に穴を抱えて生きている。
さらに、顔の半分に傷跡がありながらも魅力的な謎の女性博士が現れ、過去の事件も今回の事件も同じ犯人、つまり拘留されている神父は無罪だと主張する。
さらには二人ずつ誘拐されているうちの、一人が犯人の真の目的であり、もうひとりは囮や手段であるため、本命を手に入れた犯人はすぐさま一人を殺す、この場合は美少女はまだ生きているが、もう一人の親友は殺されていると断定する。
しかし、少女たちは二人で犯人の隠れ家から逃げ出そうと手を取り合い模索していた。
この話の魅力の八割はホラーマニアのサディーの活躍に尽きる。
彼女はいい子キャラではない。冒頭は言葉をあまりしゃべられない少年をひどくからかったり、結果的にけがをさせたりしている。
けれど、その少年も彼女の魅力に引っ張られているということが中盤でわかる。
グウェンを溺愛し、彼女に悪影響を与えると引き離したグウェンの娘の友達としては賛成しかねるが、彼女のことが好きだった。
主人公ルージュや少女たちの通う学園の校長はルージュに容疑をかけられたときに、もし自分が少女を恋人に選ぶ嗜好があるならサディーを選ぶという。
サディーの母親が断言するように、皆が彼女を好きになるという魅力的なキャラなのだ。
さらに、その親友グウェンも自分ならサディーを見捨てて逃げてしまうかもと自責の念に囚われたりしながら、必死で脱出方法を考えるやはり勇敢な子供なのだ。
子供だけではない、登場人物はそれぞれ個性的だ。
過去の被害者であるルージュは事件を追いながらも、娘を奪われた怒りですべてを破壊してしまった父の過ちを調べ、母や己の再生へ向かって歩き出す。
他も最初はやな奴と思った人間が実はけっこうロマンティストだったり、強いと思っていた人が過去の傷に苦しめられていたりとミステリーとしてより群像劇として楽しめる。
無実の罪を着せられ、牢獄で性的な虐待を受けた神父の人物造形もすばらしい、普通は彼の心境のうつりかわりなどスルーしてしまうだろう。
ただ、あまりに登場人物が多すぎて混乱してしまうのも確かだ。
犯人もだいたい途中で見当がつく。しかし、犯人の書き込みがほかの人間に比べて希薄だ。
最後にタイトル、特に邦題はすばらしい。