務台夏子のレビュー一覧
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ネタバレ『償いの雪が降る』に登場する弁護士ボーディ・サンデンの高校時代を描く青春ミステリ。
公民権法が制定されて間もない、まだ人々の意識に人種差別が色濃い時代。田舎町に住む少年ボーディの向かいに都会から越してきたのは、ボーディ家よりも裕福な黒人のエルギン家。一家の息子トーマスはボーディと同い年の少年で、彼よりも経験豊富で洗練されている。当初は衝突した二人だが次第に交友を深めていく。
ある日キャンプをしていた二人は、山林の中で行方不明になっていた女性の死体を見つけ、それが近頃話題になっていた横領事件の渦中にあった女性ということを知る。
時を同じくして、コープスと呼ばれる白人至上主義集団がエルギン家や彼らと親密なサンデン家を攻撃する事件も発生する。容疑者と思しき男を告発するも、その一族は地元の有力者ということもあり保安官はまともに取り合わない。
殺人事件の真相と憎悪犯罪が次第に重なり合っていく。
少年たちの青春の煌めきと人種差別の暗い影。他者を排斥することで纏まろうとする愚かしさや理不尽さ。ボーディ少年の視点で語られることで、様々な感情が綯い交ぜになる。自分の過ちに対する贖罪としてサンデン母子を見守るホークの生き様が胸を打つ。 -
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ネタバレピーター・スワンソンと言えば前に「アリスが語らないことには」を読んだが、あまり私の好みではなかった。なので今回どうかな?と思いつつ読んだが、これは面白かった!読む前に目次に目がいくが、最後に「アクロイド殺し」と書いてあったので、あーこれは所謂、信頼できない語り手なんだなと注意深く用心。でも中盤で語り手が真実を告白し(後で全てを告白したわけではないと分かったが)、どのように話が着地するのか全く予期出来なかった。結局、語り手は自分自身さえも信用できない、ギリギリの心理状態だった故に、読むこちら側も最後まで惑わされてしまった。実際、身近に実行犯が”本当に”いたなんて思いもしなかった。語り手の主人公はろくでもなかったが、嫌いではなかったので、あの終わり方はなかなか良かった。
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積読の中から1冊。いつかクリスマスシーズンに読もうと思っていたけど、結局、今。1999年初版との事。意外と古かった!
少女2人が誘拐され、行方が分からなくなってしまう事件。過去に双子の片割れを誘拐され殺された経験を持つ刑事ルージュが事件を追っていく。警察やFBIの連携の悪さにイライラしつつ(携帯電話もない時代だし余計に)、早く彼女たちを助けてあげてとハラハラしながら読んだ。一方で誘拐された少女たちグウェンとサディは、協力し困難に立ち向かう。
そして最後の最後でどんでん返し。あ〜これは思いもしなかった。クリスマスの奇跡だったのか。少しビターな結末でした。
中盤でルージュが事件を目撃したディヴィッド少年と、グラウンドで野球をするシーンが、いかにもアメリカっぽくて良かった。 -
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ボーディは田舎町で暮らす15歳の少年。父を亡くし母親と寂しい日々を送っている。高校に馴染めず、友達は一人もいない。静かすぎるその町で最近大事件が起きた。町最大の企業に勤める黒人女性が不審な失踪を遂げたのだ。捜査中の保安官が、ボーディが慕っている隣人のホークを訪ねてきた。女性はかつてホークの部下で、ふたりのあいだには噂があったという。思いがけない事件が、ボーディの日常に不穏な影を落とす――。現実に悩みながらも、少年は鮮やかに成長する。『償いの雪が降る』の著者による心震える青春ミステリ!
翻訳四作目。今回も良作。少年たちの一夏の冒険記かと思いきや、そうではありませんでした。 -
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苦労しながら大学を卒業したジョーは、AP通信社に記者として入社した。
上院議員のスキャンダルを記事にしたジョーは、議員から事実無根による名誉毀損で訴訟を起こされる。
会社からは法廷対策として情報源を明らかにするように要求されるが、秘密を守ると約束して情報を得たとの理由から明らかにすることは出来ないと、猪突猛進型のジョーはキッパリと断る。
職を失うかも知れない問題を抱えている時に、自分と同姓同名の男が殺されたとの情報を得る。
もしや会ったこともない実夫かも知れないとの興味が湧き、司法試験を直前に控えて勉強に励んでいるパートナーのライラに弟のジェレミーの世話を無理やり押し付け、殺人事件が起きた田舎の地へ向かう。
現地で殺された同姓同名の男は、多数の人々から恨まれたり嫌われていた問題の人物だった。
その男の情報を現地で集めていたところ、ジョーは警察から殺人の容疑者との疑念を持たれる。
そしてジョーはとんでもない状況に追い込まれ、ジェレミーとライラを失う事態になるかもしれないとの不安に駆られる。
とても複雑な人間関係が絡み合い、そこに突如湧いてきた大金の行方もジョーの意識を大きく動かし、生き方そのものを左右させるような状況が続く。
非常に困難な状況に嵌ったジョーだが、懸命に複数の殺人事件の解決に挑むことになる。 -
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ネタバレミランダやアリスより好きかも。ミランダはエンタメとしての面白さや話の完成度が高かったが、ダスティンは、ヘンとマシュー、時々マイラやリチャードで、いろんな視点で見られて面白かった。
リチャードの正体は、ミシェルの家に行こうとして行かなかったところで、もしかして実在していない?と思った。マイラは知ってたけど、黙殺してたんだろうな。
ヘンが信頼できない語り手ポジなのが面白い。ロイドよく付き合うな、結婚までするな、と思ったら浮気してた。その点、マシューが紳士的に見えるが、静かに狂ってる感じ。みんなちょっとずつ欠陥があって面白い。程度の差はひどくあるが。
これ映画化するなら、ヘンとリチャードの対決のところはもっとアクションがあっただろうなと思った。あっさりだったが、それで良かった。
そして最後のヘンとダスティンの繋がり。だからヘンは気にしていたのか。
彼女が彼を知る前。だからダスティンは死んだ。
マシューが自分の殺しの正当化は罪と罰の主人公的であるし、父親殺しであり、自分を殺す行為でもあって面白い。
面白かった。