務台夏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“ルート66”別名「マザーロード」
20世紀アメリカポップカルチャーを象徴する大陸横断道路。
古くはスタインベック『怒りの葡萄』で農民たちが西へ向かい、最近ではディズニーアニメ「カーズ」の舞台となる。
1985年に廃線となる。
既にいくつかの作品で“クール・ビューティー”で独自の世界を進むニューヨーク刑事マロリー。
児童失踪事件を追うとともに、ベールに包まれた自分の父の秘密を辿る、マロリーの“旅”でもある。
スタインベックの農民たちと、行方不明の子を探す親たちの集団の心理が被る。
少しまわりくどい展開に我慢が必要だったが、エンディングが良いので救われる。 -
Posted by ブクログ
ここ最近、読む本を選ぶときの基準になるのはタイトルと内容であって、著者はあまり気にしないことが多い。でも何かピンときた場合は、ちゃんとその名前を心に刻んでおくことにしている。そして一番新しく刻まれた名前が、この本の著者であるピーター・スワンソンだ。
なんか邦題に惹かれちゃう(結局タイトルなのか)。
大学の卒業式を直前に控えたハリーは、父親が遊歩道の崖から転落して死んだという知らせを受ける。急いで実家に戻った彼を迎えたのは、悲しみに暮れる美しい継母のアリスだった。
当初は事故かと思われていた父の死は、死体の状況から他殺の可能性が出てきた。更に葬儀には、父親の愛人だという若い女性が現れる。
父親を殺害する動機をもつのは誰なのか、調べ始めるハリーやその周りの人たちにも危険が近づく。
・・・こっちが【現在】の章。
【過去】の章の最初では、アル中の母親と二人暮らしのアリスの子ども時代が描かれる。【現在】の章では何も見えてこない彼女の人間性が徐々に明らかになってくると、やっぱりあの美しいハリーの継母は、何か訳ありの人間なんじゃないかと思う。
現在と過去がどこで交わるのか、読んでいてそれが待ち遠しかった。
『今起きている犯罪は、実は過去が糸を引いている』という設定がわたしは好きなので、これは結構楽しめた。
終わり方は・・・どうだろう。
語らなければ嘘をついていることにはならないかもしれないが、意図的な沈黙は紛れもない罪だ。はたから見れば悪いことでも、本人にとっては「だって自分のせいじゃないし」って思ってることは確かにある。だけど自分がしたことを言わないということは、それが悪いという自覚があるからだ。
だから仕方がない。
報いを受けたのだ、あの人は。
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ネタバレ「償いの雪が降る」の続編だったので。
大学を卒業しAP通信社の記者となったジョー。
父親と同じ名を自分につけたと母親から聞いていたジョーは、
同姓同名の男性の不審死を知らされ、彼の写真が自分と似ているのを認めて、
父親ではないかと事件の起こった町へ向かう。
父親は殺されたと判るが、異母妹は事件の時から意識不明、
容疑者は異母妹の恋人らしい。
父親の兄も町を訪れ、遺産目当てで異母妹の後見人になろうとして、
ジョーを追い払おうとする。
ジョーは容疑者と接触して情報を聞き出そうとするが…。
前作は大学の課題のために知り合った元服役囚という、
いわば他人の事件だったが、
今回はジョーの父親が殺された事件で、
自分自身に関わる事件だった。
しかも、AP通信社の記者として書いた記事が訴えられ解雇寸前、
恋人ライラは司法試験直前、
弟は新しい職場にストレスを感じて不安定と、切迫感は高い。
とはいえ、早い段階から「遺産」というお金がちらついた点や
(最終的に受け取らないことになるだろうな、とは思っていたが)、
弟の後見をめぐって母親と争った過去の部分がちょっと長すぎると感じた点、
記事への訴訟があっさり解決した点、
前回の被害者の日記の暗号解読同様、遺言の真偽の判断が簡単すぎる点と、
不満もあったが、
母親が薬物中毒から更生して和解し、ライラとも仲直りができて良かった。
母親が更生会のミーティングで、
寒い日にジョーが弟にコートをとってきて着せた話をしていた場面が、
ちょっと感動的だった。 -
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ミステリー専門の書店を経営するマルコムの元に、FBIの女性捜査官グウェンが訪ねてくる。彼が昔ブログに載せた、完璧な殺人による犯罪小説のリストに基づき、本当の殺人が行われているのではないかというのだ。その小説は下記の8殺。おっと冊の変換が。。。
①A・A・ミルン「赤い館の秘密」
②アントニイ・バークリー「殺意」
③アガサ・クリスティー「ABC殺人事件」
④ジェームス・ケイン「殺人保険」
⑤パトリシア・ハイスミス「見知らぬ乗客」
⑥ジョン・D・マクドナルド「溺殺者」
⑦アイラ・レヴィン「死の罠」
⑧ドナ・タート「シークレット・ヒストリー」
有名な作品ばかりなのだろうか。わたしは残念ながら2冊しか読んだことがない。
捜査官でありながら、どこか影があるように感じられるグウェンと、最愛の妻を自動車事故で失くし、未だ立ち直ることができないマルコム。
この二人がコンビを組んで、このリストに基づいて殺人を続ける犯人を追う。
ラストにハラハラする場面はあるものの、この話は概ね静かに淡々と進んでいく。常に薄暗く、なんとなく埃っぽい古い紙の湿った香りが漂ってくるようだ。
その根底にあるのは、マルコムの行き場のない哀しみだ。愛の遺産が眠る場所を心に抱えたまま、彼が選んだ最後の選択は、わたしが予想していたものだった。
余りにも寂し過ぎると思う。 -
Posted by ブクログ
ピーター・スワンソンを読んだ2作目。
大のお気に入り作家というのではないので、立て続けに読んではいないのですが、広く振り返ってみて、けっこういいなと感じている今日この頃(笑)
ロンドンに住む若い女性ケイトは、ボストンに住む又従兄のコービンがロンドンに来る機会に、半年間、部屋を交換することにした。
ケイトはなぜか子供の頃から不安感が強い少女だったのだが、恐怖に取りつかれるのも無理のない事件にも遭遇していた。
訪れたアパートメントは凝った造りで、新たな地でしばらく平穏に暮らせると思ったのも束の間、隣室に住んでいた女性オードリーが殺される事件が起きる。
知り合ったばかりの人たちはそう悪い人に見えないが、言っていることが本当なのかどうかはわからない。
この中の誰かが犯人ではないのか。
ヒッチコックのスリラー映画を思わせるような、たたみかけるような恐怖。
こんな感じ易いヒロインはどれほど生きづらい事だろう。
「そしてミランダを殺す」は誰にも共感できない話だったので、それに比べると、ヒロインにも同情するし、いい人も存在する(笑)
ひととき、夢中になって楽しめました☆ -
Posted by ブクログ
ネタバレ事前情報なにもなしに読んだのだけど、ずっとホラーじゃないかってドキドキしていました。
なんでそんなにホラーを疑ったかというと、多分、タイトルの「還る」って表記なんじゃないかな。
いかにも「よみがえり」見たいじゃないですか。(個人の感想です)
普通に「帰る」にしてくれれば、怖くなかったのに。
でも200ページまで読んでも、誘拐された少女たちの話が見えてこない。
あくまでも親や警察など、大人の話で。
なので前半しばらくびくびくしながらも退屈でした。
少女たちの状況が見えてくるにつれて、目が離せなくなりました。
たった10歳の少女たちが、自分の知っていること、できることを総動員して、二人で生きて帰ろうとする。
ところが、警察は一連の誘拐事件のパターンでは、一人はすぐに殺される、もう一人はクリスマスの朝に殺されるので、生きているはずの一人だけは早く救い出そうというスタンス。
え?
死体も上がっていないのに、いつものパターンでひとりは死んでいるはずって、決めつけちゃうの?
タイムアウト。
もう一人も殺されたであろうことにショックを受けて飲んだくれる警察署長。
マジか。
ちゃんと探してくれよ。
これはフィクションだからなのでしょうか。
それとも、アメリカの捜査ってそんなものなんでしょうか。
それに引き換え少女たちは本当に健気で痛々しくて。
心も体も傷だらけで、それが癒えることは当分ないのだろうけれど、それも含めて自分を受け入れて成長してほしいと思ったよ。