あらすじ
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする。だが、到着した翌日に、アパートメントの隣室の女性オードリーの死体が発見される。オードリーの友人と名乗る男や、アパートメントの向かいの棟の住人の話では、彼女とコービンは恋人同士だが、まわりには秘密にしていたという。そしてコービンはケイトに、オードリーとの関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか? 見知らぬ他人に囲まれた、ケイトの悪夢の四日間が始まる。ミステリ界を席巻した『そしてミランダを殺す』の著者の衝撃作!/解説=川出正樹
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ご同情申し上げます。っていうぐらいに変な男を引き寄せ、事件に巻き込まれるケイト。
『ケイトが恐れるすべて』そう、まさしく外の世界の全てを恐れているケイト。
「これはわたしのせいなんです。彼らはわたしに寄ってくる。異常者はみんな。私は磁石みたいなものなの。」
嫉妬深く、狂気的な元彼はクレアを暗いクローゼットに閉じ込め、ライフルで自分の頭を吹き飛ばして自殺する。又従兄弟は殺人犯かも?の展開の中、どうやら又従兄弟の友達はサイコパス。クレアの新しい彼氏は覗き魔。
私は不幸を呼ぶ、、、と、生まれてからずっと不安障害に悩まされ続け、心理的にも身体的にも追い詰められていく事件が、距離と時間の巧妙な筋立ての中で、複雑に絡み合ってストーリーが展開されていく。
うらすじに「想像を絶する衝撃作!」とあるが、ほんと最高!!
ミステリ、スリラー、サスペンスの大ファンであるスワンソンの作品の設定や場面に、彼の愛読書が顔を出すのもスワンソン作品の魅力だ。
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面白かった!
ピータースワンソンはカメレオンみたいな作家さんだなあって思ってる。
昔、音大とか正規に学んだ人の方がバラエティに飛んだ曲を作れるものだ、なんて聞いたことがあって、それが正しいのかはわからないけど、この作家さんの作品を読むたびにそれを思い出す。
硬質で精緻な文章に、ピリッと効いた思いがけないアイデア。最後の着地があっちかな?それともこっち?と、最後まで予測できずにでも、読み終えてものすごく満足感があった。(特にその前にミランダを再読してたので、出てくる人の善人率の高さに少しほっとしたり)
それぞれ癖のある登場人物たちをうまく組み合わせての物語はほんとうに丁寧で、そつがないのに飽きさせない。いやー、いい読書だったなあ。
個人的にはコービンがすこし不憫だなあって。特に母親と兄に対しては少し、なんらかの懲らしめがあればいいのにって思ってしまった。しかも同じ結末のヘンリーがそこそこ満足して笑って幕を閉じてない?ちょっと悔しい。
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え、え!どうなる?
の連続で寝る間も惜しんで読みふけった本。
こういう本に出会える幸せを噛み締めつつ、
主人公の不幸せさに怖気を震わせながら。
ケイトは普通の女の子のはずだったのに何故か変な男を呼び寄せてしまうという磁力もある(本人が言うのだから間違いない)
又従兄のコービンという、殆ど見ず知らずの男性と半年間住まいを交換するなどと、住宅事情の悪い日本では考えられない、イギリス人とアメリカ人。この件については、まあ、不問とすることにしたとしても!
次々に判明する、(作者が案内してくれる)過去の事件の諸々。いちいち驚いていたのでは追いつかない変態たち…
「ミランダ」も「アリス」も読んだので、是非ともこれを読まねば!と思い。
変態たちの仕様も桁違い。
それにしてもスケールが違うのは私は普通に過ごしてるから?日本人だから?
Posted by ブクログ
怖い怖い怖いっ 不安と疑念と差し迫る恐怖がリアル!超良作サスペンスミステリー #ケイトが恐れるすべて
ロンドンに住む主人公ケイトが、アメリカに住む従兄と部屋を交換するところから物語は始まる。チャレンジングな新しい生活を求めつつも、もともと不安症持ちの彼女は憂いでいた。
そんな中、交換した部屋に到着した翌日に隣に住む女性が死体で発見されてしまう。誰が殺したのか… 同じアパートに住む人々、訪ねてくる人々、従兄、警察官たちが、さらにケイトを不安にさせていく。
強烈な登場人物たちが暗躍する描写がお見事、ズバリ面白い!
どんだけ変態なんだと。
ストーリーの組み立ても素晴らしく、少しずつ見えてくる事実が読み手すら不安にさせてくる。そして衝撃的な真相、殺るか殺られるか… こ、怖いっ
海外ミステリーですが決して読みづらくなく、サスペンスな展開にぐいぐい飲み込まれてしまいます。また重厚感がたまらないですね。海外文化や世界観にも触れられるところも最高です。洋画もいいですが、海外小説もおすすめですよ。
最後にケイトには優しく誠実な男性と幸せになってほしいと思いました。がんばってね。
「そしてミランダを殺す」も傑作ですが、自分はこちらの方が迫りくる感じが好きでした。最新作も読もうと思います。ミステリー好きには鬼おすすめの作品です!
Posted by ブクログ
面白かったー!
ずっと曇り空のようなもやもやした雰囲気で、主人公もなんだか影のある感じ。
一体誰が嘘をついているのか、話がどう進むのかわくわくしながら読み進めた。
ピーター・スワンソン好みかも。
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江戸川乱歩の人間椅子を彷彿させる変質者。そいつが強烈な殺意、と言うか殺して切り裂くことに喜びを感じるから始末に負えない。更にはそいつは初対面では好印象。
不気味な人物描かせたらこの作者は天下一品。
Posted by ブクログ
解説の言葉につきる一冊。
『そしてミランダを殺す』からの快進撃は横目で捉えていた。
『そしてミランダを殺す』は読んでいたが、その後は手付かずで、『8つの完璧な殺人』を読んでから俄然興味が湧いていた過去作の一つ。
「サスペンス・ルネサンス」とはよく言ったもの。
ここ数年のピーター・スワンソンとアリス・フィーニーの新世代サスペンスは正にルネサンス。
不穏さを軸にしつつも読みやすさ、視点切り替えの巧みさによる疾走感があり、めくるめく展開に翻弄されながらゾクゾクとドキドキが止まらない。
過去のトラウマもあって何につけ悪い方への妄想が膨らむ不安神経症のロンドンに住むケイトは、ボストンに住む従兄弟のコービンのロンドンへの期限付き転勤に端を発した半年間の住居の交換の誘いに乗る。
コービンの豪華で瀟洒なアパートに着いた矢先、隣室の女性が殺される事件が発生。
従兄弟は関係しているのか。。。
関係していないわけがない。
でもその関係性を明かしていく道程がサスペンスとして一級品。
ロンドンのコービンだけでなく、ボストン側にも何やら怪しげな人物を配置しつつ徐々に全体像が見えてくる。
解説の「一にアイディア、二に視点。(中略)物語とは、内容そのものと同じくらい、誰に、いかに語らせるかという点が重要なのだ。」に呼応する語り。
ただ、終盤もう一捻りくらい入れてくるかなと思っていたけど案外普通に終わった。
どんでん返しすればいいってものでもないけど、整えただけのエンディングだとちょっと物足りない。中盤までの引き込みは申し分ないので畳み方が課題かなと上から目線な全体的な感想。
ケイトが読む本、意識を寄せる本を通じて『8つの完璧な殺人』に見たミステリ愛を随所にちらつかせていて、あぁなるほどこの頃からあそこに至る気質は出していたのねと実感。
『ゴーン・ガール』、『ガール・オン・ザ・トレイン』読みたい。
次は『アリスが語らないことは』。
Posted by ブクログ
ピーター・スワンソンを読んだ2作目。
大のお気に入り作家というのではないので、立て続けに読んではいないのですが、広く振り返ってみて、けっこういいなと感じている今日この頃(笑)
ロンドンに住む若い女性ケイトは、ボストンに住む又従兄のコービンがロンドンに来る機会に、半年間、部屋を交換することにした。
ケイトはなぜか子供の頃から不安感が強い少女だったのだが、恐怖に取りつかれるのも無理のない事件にも遭遇していた。
訪れたアパートメントは凝った造りで、新たな地でしばらく平穏に暮らせると思ったのも束の間、隣室に住んでいた女性オードリーが殺される事件が起きる。
知り合ったばかりの人たちはそう悪い人に見えないが、言っていることが本当なのかどうかはわからない。
この中の誰かが犯人ではないのか。
ヒッチコックのスリラー映画を思わせるような、たたみかけるような恐怖。
こんな感じ易いヒロインはどれほど生きづらい事だろう。
「そしてミランダを殺す」は誰にも共感できない話だったので、それに比べると、ヒロインにも同情するし、いい人も存在する(笑)
ひととき、夢中になって楽しめました☆
Posted by ブクログ
緊迫感のあるサイコサスペンス・ミステリーで面白かったです!従兄弟としばらくの間、住居を交換して住むことになった主人公。交換した住居の隣人が亡くなったことを知りますが、なぜか被害者との関係を隠す怪しげな従兄弟。そして被害者の部屋を監視していた、これまた怪しげな隣人の存在。そして読み進めるに従って何かがおかしいと思わせるこの不安感、最後の展開に至るまでの緊迫感とすごく良かったです。
Posted by ブクログ
怖かった...夜中に家族が寝てから1人でリビングで読んでたから余計に。怖いけど、どうなるの?どうなるの?と気になりどんどん読み進んでしまった。
Posted by ブクログ
心配性の女、又従兄と部屋交換、引越し直後に隣人女死亡
被害者との関係隠す又従兄、向かいの覗き趣味の男、近所うろつく怪しい男
死体はんぶんこ、パラサイト
Posted by ブクログ
ミステリーよりもサイコホラー色が強い!
登場人物それぞれの視点から事件を見ていく展開です
本の半ばから、あれ?この人怪しい……??
と、何となく感じますが、この本は犯人の異常さなどのホラー?要素を楽しむ形になってます
犯人視点から書かれてる描写は本当に怖い……
ゾクゾクとする感覚を味わえます
おもしろかった!
役者さんも読みやすく書いてくれているのも良い
Posted by ブクログ
ピーター・スワンソン二作目。
誰が本当のことを言っているか、本当に起こっていることは何か、語られていることは真実か。
相変わらずこの作者の登場人物はみんな怪しい笑
ぐいぐい引き寄せられる感じは前作「ミランダ…」の方が上か。後半の展開は面白かったが、序盤が退屈すぎて…少し残念。
犯人のヤバさは前作を軽く超える。
一緒に暮らすスリルが好きなサイコキラーとか、ド変態すぎてどうしたらいいのかわからない笑
前作も今作も、呼吸するように人を殺める人物が多すぎる…外国こえー。
最後は一見ハッピーエンドか?と思ったけど、よくよく考えると窓の向かいから生活を監視していたやつですよ、その人。
Posted by ブクログ
気が付いたら怒涛の務台夏子さんヘビーローテーションだったw
そして次はダフネ・デュ・モーリアの『鳥』なんて読んでみようかなと思ったりしてこれじゃあまるで「僕って結構海外ミステリを訳者さんで選んでるみたいなところあるじゃない?(知るか)だって重要じゃない?誰が訳してるかで物語の雰囲気って変わってくるし」みたいな鼻につくタイプの海外ミステリファンみたいだ
もしフォローして下さってる人の中に海外ミステリを訳者さんで選んでる方がいらした場合はここまでのことは全て忘れて下さい(フォロー外さないで!)
でも訳者さんが重要だというのは激しく同意したい
鼻にはつくが同意したい
同じ作家さんでも訳者さんが違うとやはりちょっと違うな〜と思う
と同時に原書で読んだらどんな風に感じるのかなって思ったりもする
思ったりもするが実現に向けて努力するようなことはしない
ただぼんやりと思うだけ
なりたかったなぁ『英語が話せる人へ』なんちて
さて『ケイトが恐れるすべて』です
いやぁ面白かった
面白かったし良く出来てるなぁと思いました
そして、そうか『ミランダ…』も推理小説として読んじゃったからいまいちに感じたんだなと思いました
これ推理小説じゃないですね
犯人は誰?みたいなスタンスで読む話じゃないですきっと
不思議な違和感をケイトと一緒に恐怖し不安を募らせて行くのが正しい気がしました
Posted by ブクログ
そしてミランダを殺す、読んだことある気がしたけど覚えていないまま本作を。犯人は早めの段階で勘づいてしまったけど、全体としてよくまとまっていて、さくさく読み進められた。
Posted by ブクログ
こういうミステリーとサスペンス両方の側面を持つ小説大好き。出てくる登場人物次から次へとヤバいやつばっかで草。それぞれの視点から物語が紡がれていきストーリーが進んでいくのも◎メンタル抉られそうなくらいシリアスでサイコパス。先の展開がどうなるのか気になりすごく楽しくあっという間に読み終わってしまった…
この作家さんは初見でしたが他の作品も評価が高いので読んで見ようと思う。
Posted by ブクログ
ミランダ〜から早数ヶ月。無駄な寄り道が多いイメージの作家だが、今回は最後まで楽しく読む事が出来た。
又従兄弟のコービンと住居交換をしたケイト。
過去の男ジョージの黒い影に苦しみ、自分を変えるために踏み出した一歩のはずがーー。
翌日隣人オードリーが不審死を遂げる。彼女を取り巻くアランやジャック 悲劇の定番スパイス複数メンズの存在。このスリーメンズの発言はどれも興味深く、まるで「ダウト」をしているかのよう。
誰が真実を語り、誰が嘘を吐いているのか...主にこちらが読者の興味をそそるメインストリートとなるのだが、この侵食していくようなジワジワと進む前半とは打って変わって、終盤に入っての突如のギア変。THE サスペンスなスピード感は読者の休息を許してくれない。言ってくれればその前に睡眠を挟んだものを...寝不足だ...
酷いトラウマから抜け出そうとするケイト。
消して熱意や根性がある訳ではなくどこか「あわよくば...」な彼女の姿勢に第三者として不快な気持ちは持てど、そんなグラグラのメンタルに「リアル」を感じとても好感的なキャラクターとなった。
星の欠けた部分は、スリーメンズ達の行動だ。恋愛の仕方が嫌!!!ヒーローな自分に酔いしれてる感が堪らなく嫌!!!!でもこの嫌悪もまた楽しいから困った物だ。
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サスペンスが主食の貴方。是非、オードリーの不審死の真実とケイトの行く末にドキマギしながらこの作品を楽しんで下さいませ。
Posted by ブクログ
ロンドンに住むケイトは、又従兄のアメリカのボストンに住むコービンと、半年間、それぞれのアパートを交換し暮らすことになる
しかし、ケイトがコービンのアパートに到着した翌日、隣室の女性の死体が発見される…
ケイトは彼女の死にコービンが関係しているのではないかと疑い始めるが…
複数視点で物語は進み、その度に新しい事実が判明するが、見え方も違っていく…
しかし何よりも、登場人物が誰とて信用できず、読者は常に不安を感じる…
しかしそれがこの作品の面白さ!
そしてちょいちょい登場する猫のサンダースがいい仕事をしている…(笑)
でも謎解きとしては消化不良な感じかな…
なので帯にある『真相が明かされた瞬間、驚愕で震える!』というのは大げさかしらん…
でもケイトが味わう『ケイトが恐れるすべて』を現実には味わうことになったら、それはもう驚愕で震えあがるどころじゃないと思う…
しかし、ラストのケイトの選択には疑問が残る…
あの男、どうなん??…(笑)
Posted by ブクログ
サイコパス、変態が多すぎて世の中ってこんな人間ばかりなのか?って思ってしまう。
本来は安らぎの与えられる自宅が恐怖の場所になってしまう。知らない間に誰かが家の中に侵入してたとなるとゾッとする。
Posted by ブクログ
「そしてミランダを殺す」を読んでから、この作品を読む。そして~は最初から犯人の視点から物語が進むので、あまり面白く無かったが、今回は犯行には、まったく係わっていない人物の視点から語り始めたので、多少は面白いと感じたが、途中で早々に犯人が分かってしまう。これはそして~を読んでいるので、作者のワンパターンなトリックで、直ぐに気が付いてしまい興ざめする。
主人公を始め、精神的に問題の有る人ばかりが出てくるので、少し現実味が無い様にも思えるのだが、逆に世の中、本当はおかしな人ばかりなのかもしれない(笑)
前作同様、ミステリー初心者の方が読むのに丁度よい小説ですね。
Posted by ブクログ
導入はよかったのに、読み進むにつれて入れ替わり立ち替わり視点が変わり、同じ場面が何度も繰り返されるとさすがにまどろっこしく感じてしまった。
別の視点から見たら実は…という手法は好きだけど、今作ではあまりうまく活かせていなかったように思う。ただ冗長なだけというか説明過多というか。ケイトともう一人くらいに絞ったほうがよかったのでは。
ケイトはいつも最悪の事態を想像をしてはパニックを起こしそうになっている。それなのにホラーやサイコ作品が好きというのが不思議。
Posted by ブクログ
読みはじめて、、、あれ、なんかどこかで、、、と、思ったら、
そして、ミランダを殺すの著者と同じ人だった。
失敗したなぁ、、、、
あの、なかなかミランダ殺さない本と同じ人かぁ、、、、と、思ったら、案の定進みの遅いミステリーでした。笑
海外がこういうのが多いのかもかぁ?
近隣情報をモリモリ盛ってもって、やっぱり犯人はこの人。みたいな。笑
いや知ってたし、そうだよね。
伏線のような伏線じゃないような。
帯に、真相が明かされた瞬間驚愕で震える!
って書いてあったけど、これは誇大広告で訴えられるわ。
淡々と始まって、だよねーで、終わった。
ただ、一つ言えるのは。
こんな淡々と始まって終わるのに、読める!!!!伏線みたいな顔した日常の描写はとっても臨場感があって、まるでわたしが住んでるようでした!笑
ミステリーとしてはイマイチだけど、読み物としては楽しめる!そんな一冊!
Posted by ブクログ
主人公のわりにケイトがあまりストーリーの役に立ってないというか関係ないというかただそこにいただけというか。
信用できない語り手ばかりでどういう展開になるのか気になって読み進めるも意外と普通で衝撃度は低め。
中盤で大体の真相がわかって後半は答え合わせみたいな感じだけど、猫がいいアクセントになってたりケイトが病んでるせいだと思われた不可解な出来事が実はヘンリーの仕業だったりと退屈せずに最後まで読めた。