新海誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分自身が被災したわけではありませんが、福島県の隣県に住んでいる私の記憶にも当時感じた異常事態への恐怖心は鮮明に脳みそへ刻まれています。
読んでいる最中、ずっとすずめちゃんの台詞の節々に、死が訪れることへの諦めのような雰囲気を感じていました。死ぬことを恐れないすずめちゃんの前で草太さんが「私たちは永らえたい」と言ってくれたことが嬉しかったです。すずめちゃんも草太さんと出会ってようやく、死を恐れてくれるようになってくれるんじゃないかと願ってしまいますね。
影のMVP芹澤さん、不器用だけどめちゃくちゃ優しくて面倒見が良くて情に厚い男すぎる。絶対先生になってくれよな。
環さんとすずめちゃんの自転車2 -
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Posted by ブクログ
映画が大好き過ぎて何度観たことか。
小説も2度目。
お母さんのところがすごくすき。
息子たちを愛してるけど依存したり、入れ込んだりすることなく独立してて素敵だなーって思うし、お母さんが靴が好きだから孝雄くんは靴職人になろうって思ったんだろうなと思うし、じぶんの世界に没頭する人になったんだろうなと思う。
あとは雪野先生の細かい気持ちが分かるのがとても良かった。
2人の会話から、彼女のかわいらしさがとても滲み出ていて、秋月くんに対しては素でいられるんだな、と言うのが垣間見れるのもすごくすき。
とにかく私はこの物語が本当にだいすき過ぎるので小説を久々に読んで、改めてそうだったのかーと思えるこ -
Posted by ブクログ
いろんな人物が切り替わりながらそれぞれの目線で物語を進めていく、すると相手の当時の感情が知れると同時に人物達のいつまでも交わらない歯痒さが読者自身の小説の読みを早めていく。
「どうか気づいてくれ、どうか繋がってほしい」と願いながら読み進めている自分がいることに気づいた時心が優しくなる。
文章構造は映画の俳優さんやアニメーションでは難しい表現、例えば「彼女は迷子のような微笑を浮かべた」は、この15文字程度の文中の単語を一つ一つ順番に想像、思い出しながら当てはめてみてやっと著者に近い表情になる。が、これを実際に顔一つで表現できるのかとなると…というふうに読んでいてもとてもクリアで面白かっ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ数ヶ月前に映画を観て、この小説版「君の名は。」を読み始めたのですが、第一章を読んでる最中に映画を思い出して鳥肌が立ちました。
今まで本を読んでいて、序盤に鳥肌が立つ経験なんかなかったので、よっぽど上手い小説家さんに書いてもらったのかなと思えば、なんと新海誠監督の書き下ろし。
文章も映画作りも上手だなんて本当に才能の塊だと思います。
小説版は映画版に比べてゆったりとお話を読み込んでいけるので、映画の時には気づかなかった登場人物のアレコレをたくさん発見できて、その一つ一つにいちいち感動してしまいました。
例えば、お金にうるさい三葉が高いお金を払って東京行きの新幹線に乗るなんて、めちゃくち