新海誠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ1巻に引き続き、社会人になってから付き合った彼女(水野理紗)とのエピソードなど、映画のアニメーションでは無かった描写が加えられてて補完されてる感じ。
切なすぎて気付いたら涙が出てた。
印象的なセリフが多かったのでそれを読んだときに考えたことを。
理紗が貴樹に告げた言葉
「今の私は…幸せを願うことはできても
幸せにはしてあげられない」
女性が付き合ってる男性と別れる決心をする気持ちをすごく表してる気がした。そしてその後に続くのが
「だけどいつかまた違う形で出会って
全然違うお互いがいて新しい何かが始まったらいいな
約束じゃなくていつかまた
そう願ってもいいかな?」
という言葉なんだけど、正直以前の自分なら、だったら付き合ってればいいじゃん、という感想を持ったと思う。
だけど、この状況が“好きだけど別れる”ってやつなのか…と少しだけ理解できるようにはなったのかもしれない。
結婚を機に上京する明里が電車の中で昔を思い出して
“私はちゃんと思い出にできたよね?
ただ ただ あなたの幸福だけを祈れるぐらいに”
特に女性だったら、この言葉にもの凄く共感するのだと思うのだけど、どうしてこういう考え方になるのかイマイチ納得できない自分がいる。
いや、たぶん上の「〜幸せにはしてあげられない」と通じる部分があるのかもしれないけれど。
たしかに貴樹は女々しいんだと思う。
でもそれは、不器用だけど純粋な部分があることの裏返しなはずだから、好感持てるかな。どちらかというと。そして、どうにもならない気持ちをどう自分で処理したらいいか分からないんじゃないかって。
まぁただもうちょっとやりようはあったんじゃないかとは思うけどね。
そして、最終話に入る前の最後のシーン。
たぶんこれが事実上、貴樹が主人公の話の最後だと思うのだけど…
子供の明里が手を振ってるシーンの意味って、きっと明里がさよならを言ってるんじゃなくて、あの頃に縛られたままの貴樹がやっと明里とのことを思い出にできた、卒業できたってことなのかなぁと思った。
それに加えて、アニメーション本編や、監督のインタビューで語られた内容、秒速5センチメートルSpecial Edition(YouTubeで見られるやつ)からもいろいろ総合して考えた。
監督のインタビューでは、人の思いや気持ちは時と共に移り変わってしまう、それはどうしようもないこと、と答えてたのだけど…
『絶対に揺るがない何か』はちゃんと存在してて、それは大切に思う人と過ごした過去そのものなんだ。ってことなのかなぁと。
一緒に過ごした時間は確かで、それは絶対に揺るがなくて、今現在の気持ちとか感情とかと関係無く、その時抱いていた気持ちはいつまでも忘れずに心の中で温めていていいんじゃない?
というメッセージのように感じた。
これが、この作品を通して抱いた感想ということになるのかな。
でも、まだ自分の中で決着着いてない部分もあり…小説版も読む必要がありそう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画版のDVDを観たあと、この話が小説・マンガになってることをネット上で知って読んでみた。
なので感想は映画のものと合わせて。
個人的にはとても心に突き刺さる話。
DVDでアニメーションを観た時、よく分からなくてうまく表現できない気持ちになって、でも自分の心は確実にえぐられてて。
なぜ自分の心にこれほどまでに突き刺さるのかがよく分からなかった。
たいしてセリフも多くなく、心理的描写がそれほど詳しく語られるわけでもないのに。(絵はとてつもなく綺麗)
ましてや学生時代に似たような経験をしたわけでもないのに。
でもこのマンガ版「秒速5センチメートル」は原作の映画では描かれていなかった部分も描かれているので、映画を観た時に感じたよく分からなかった部分を補完でき、より各人物の気持ちを想像することができると思う。
以下、印象に残ったセリフを。
“君が遠ざかっていく
きっといつか僕は埋めようのない距離と時間に負けて
君の声も顔も忘れてしまうんだろう
それに抗う力はどうしたら得られるんだろう
どうすればまた君に会えるんだろうか”
別れの時の明里の言葉
「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う。ぜったい!」 -
Posted by ブクログ
また新たな解釈が自分の中に生まれた一冊。綺麗な文体で語られていて、情景がありありと浮かんでくる。
初恋なんて実らないものだし、力の無い子供ゆえにそれ以上先にも進めない。でも、初恋の記憶は意識・無意識問わず自分自身の中にしっかり刻まれていて、その後の人生を生きる糧にも鎖にもなりうる。
自分も多少は大人になって、過去を振り返ってみるとこんなにも生きてきたのか、と自分を褒めたくなる。
貴樹と明里の二人は、幼い頃は互いに満たし合う相互承認の関係だったが、大人になって自分で自分を肯定出来るようになった。二人とも「だいじょうぶ」だったのだ。
前を向きひた進むのもいいが、たまにはしっとりと過去を振り返りたくなる、そんな物語。 -
Posted by ブクログ
アニメをまず観ておくのが前提。
第1話ー桜花抄ーは完全に明里視点でここの話を読んだ時点でアニメ版の感慨に浸ることができる気の早い人は巻末のどちらも出せなかったりアカリとタカキの手紙を読んでしまっても良いかも。
第2話ーコスモナウトーは貴樹視点。タカキくんは花苗にひどいことをしたよね(´д`)。ここはアニメ通りまだ余裕の無い貴樹が居ることの確認か。
そして第3話ー秒速5センチメートルー二人の視点が交互に出てくる。より貴樹と明里の内面に触れられる事と思う。気になる人は読もう。
個人としては、ああ、僕は貴樹だと思うほど同調してしまうことが多く、単に切ないでは全く言い表せない感情が湧いた。
言葉というのはなんて不便なんだろう…