山岸真のレビュー一覧

  • ディアスポラ

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    とにかくスケールが圧倒的。
    それぞれのパートで用いられる個々のアイデアが非常に独創的でよく練られており、それだけでも楽しめたが、特に最後の1節、結末の感動は他の小説では絶対に味わえないものだったと思う。

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    2011年10月04日
  • ひとりっ子

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     この短編の中ではちょっと重めの話。別世界、人造人間、人間の定義などのテーマが深く書かれていた。オラクルと併せて読むのがオススメ。
     人造人間じゃなくても、子どもが何を基準に好き嫌いやら良し悪しを判断してるのかは興味深かったりする。
     先天的な要因が殆どという気もするので、もしその初期設定を自分で行えたらどう設定するかってのは考えてみるとおもしろいかも。
     実際の子どもに対する時も選択肢の中の最良であるものを選ばせたいと思うのが親心だけれど、それが最良かどうかは知る由もない。最良の物を追いすぎて選択肢が狭まることもしばしば。むずかしい。

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    2011年01月21日
  • ディアスポラ

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    理論が……理論が……わたしゃ、アホや。

    「ワンの絨毯」あたりまでは何とかイメージできたけど、そこから先は読みながら、WEBでいろいろと調べる(翻訳の山岸氏もそういう読み方もありと訳者後書きに書いている)。

    ラストが好きです。孤児が帰っていくところが。

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    2010年10月09日
  • 祈りの海

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    進みすぎたテクノロジーと、それに置いていかれた人の精神を取り扱う、イーガンならではのセンスが光る短編集。

    あらすじを語ること自体がネタバレになってしまうので、実にもどかしいのですが…。
    短編集の一話一話の密度が濃く、どれも考えさせられます。
    「ぼくになることを」を読んだショックは相当なものでしたし、
    「貸金庫」は今まで読んだSF小説の中で一番ほろりと来ました。

    紙面には、幾何学や量子力学の話題がばらばら出てくるので、一見読みづらいと思うかもしれませんが、そんなのは雰囲気作りの装飾です。本質はもっと分かりやすくて、不可解なところにあります。最初は苦痛に感じるかもしれませんが、是非読み通してみてください。

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    2010年08月29日
  • 順列都市〔上〕

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    とにかく好き。理屈じゃないんだ、理屈あっての小説だけどでも理屈じゃないんだ。「創造主が創造物に否定される」ってのはシビアながら笑いどころのような気もする。で、私の考え方は90年代生まれのママンに似ている…年上だから当たり前。

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    2010年08月20日
  • ディアスポラ

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    悶絶すほど難しい、が要所要所に見られる、人々の生き方に大きな感動がある。

    また、スケールが大きすぎるがゆえに、一人の人としての生き方が非常に良く描かれた作品だと思った。すべてを読み終え、最初のくだりを読み直した時、読んで良かったと強く感じた。一度目は理解に精一杯だったからだ。二度目は風景を感じた。再読が非常に楽しみだ。

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    2010年07月28日
  • 祈りの海

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    イーガンさんの短編です。
    キューティを読むたび、
    肉体は弱いもので魂だげ不滅だ
    っていう某映画の台詞が頭に浮かぶ。
    しかしながら、人間というやつは魂だけでは触れ合えなくてイレモノも必要なんです。
    だから貸し金庫の主人公は自分自身について彷徨い続ける。
    この人の物語からはプラトニック過ぎるというか、バカ正直すぎるものが詰まっている。数学者のさだめなのかな?

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    2010年06月08日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    ブラウンアイズ。
    カバーの絵が秀逸。
    最後のどんでん返し。
    ときどき出てくる丁寧な伏線。「寒さに恐怖を覚える」
    寒さに恐怖を覚えるのは、ロリンに助けてもらうため?
    ロリンはその恐怖の感情をテレパシーで知覚して助けに来てくれる。
    40年後、ドローヴとブラウンアイズ。
    ドローヴとブラウンアイズ、ブラウンアイズの両親はもう亡くなっているけど、ドローヴの両親もおそらく40年後、生きてはいないだろう。
    パラークシで二人の他に生き残っているのはストロングアームを始め、ごくわずかの人々。

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    2018年10月15日
  • 順列都市〔上〕

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    え、そんな展開!?そんな理屈!?

    という、意外性の連続な展開が非常に面白い。
    SFって世界設定の理屈付けがどれだけしっかりしていて、なおかつ驚愕を誘うものかがひとつの面白さの基準だと思うのだが、見事にそれを満たしている一冊。

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    2010年02月17日
  • 祈りの海

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    初イーガン。難しいけど面白かった。表題作「祈りの海」がすごい。科学と宗教の折り合いはいつの時代もつきにくいんでしょうね…。「貸金庫」「キューティ」も印象深かったです。

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    2009年12月14日
  • ディアスポラ

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    最初から最後まですばらしかった。
    文系の自分には科学的な話はまったくわかりませんが、そんなことは関係なく面白い。
    (解る人にはもっと楽しいのだろうな、と思うと羨ましいですが)
    たった二文字にこめられた作者の哲学に感動。

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    2009年10月04日
  • 順列都市〔下〕

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    後半の方が断然に面白い。
    結論も示唆的で考えさせてくれるものがある。
    何筋かに話が平行しているので、読み返した。

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    2009年10月04日
  • 順列都市〔上〕

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    被検体の時間をスライスしてシャッフルしてシミュレートするってことは未来を予測する処理が必要だと思うけど、その結果が対照標準と一致することはありえない気がする。

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    2009年10月04日
  • 順列都市〔下〕

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    21世紀半ば。仮想環境デザイナーのマリアは、到底実行不可能な規模の仮想世界の設計を依頼される…。
    宇宙と存在の本質を極限まで解体し、高度に数学的なハードSFでありながら、神学の極限に辿り着いてしまうイーガンの恐るべき名作。
    「順列都市」(1994)グレッグ·イーガン
    #読書好きな人と繋がりたい

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    2026年09月19日
  • 白熱光

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    こういう本は、書く方もスゴイけど、読んで理解する人たちがいるという方がよほどスゴイというか。いやまぁどういうこっちゃねん、て感じの理論の展開が、とりあえず読み終わって解説を読んで僅かに理解できたような、、いやできてないな。
    と言いつつも、なんか変な生命体が謎の生態系を築いている様子を想像しているとなんだか楽しげというか箱庭というか家でアリを飼ってみたり海老を飼ってみたりする感覚に近いというか。
    最終的に2個のストーリーが重なると思ったらそんな分かりやすい展開になるでもないところか完全に放置でいやはや、読者は完全なMに違いないよこれ。

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    2026年09月02日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    ネタバレ

     甘酸っぱいボーイミーツガール、迫り来る戦争の足音、秘匿される壮大な機密計画、時折挟まれる奇妙な下りなどSF、恋愛、戦争の要素が詰め込まれていて、ひと夏の青春小説からあのラストに繋がるとは思いもよらなかった。また戦争下における官軍と賊軍の対比が生々しかった。

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    2026年08月18日
  • しあわせの理由

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    手塚治虫の漫画のような、毎回示唆に富んだテーマを近未来を舞台に展開した小説です。本作は極めて高度な科学考証を基盤とする「ハードSF」であり、私としては専門的な文章が難しく、毎回テーマとしているところを汲み取れず、WEBで解説を読む始末でした。だいぶ難しいイソップ童話といったところでしょうか。内容を追うので精一杯でした。その中でも医療サスペンスの枠組みに近く、ストーリーがわかりやすかったのは「チェルノブイリの聖母」や「血を分けた姉妹」ですかね。
    純粋にSF要素を楽しむべく読むやりかたのほうがよかったのかな。何かを得ようとする読み方への限界を感じてしまった。またいつかリベンジしたいですね。

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    2026年06月20日
  • シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選

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    どこで見たか忘れてしまったが、、確か雑誌か何かで知った一冊。最近仕事でドローンを扱うことも多く、SF好きなので自然と購入。
    ショートSFならではの最後の続きを予見させるおわりにわくわくする。標題作では子供のいたずらのようなところから、ねずみ小僧的な海賊の姿が見えた時には続き読みたい...!と思った。
    エグザイルパークもプラゴミ島という将来ありえなくもない環境とオロクンの超能力じみた設定。オロクンはなんの比喩だろうか。保守的な政治か麻薬か、かりそめの平和か、なにかに依存する世界を揶揄するものだろうか。
    クライシスアクターズは陰謀論的な話で、気候変動を信じる信じないにしろ、とっている行動は同じで結局は環境活動に興じているというとんちのようなものにも感じた。形は違えど、親子はよく似ている。
    菌の歌、軍団(レギオン)は支配型の未来が成立した世界。SFといったらこのやりすぎ設定が面白いが、技術のゴールは平等な社会だとするとこれって社会主義的な思想に近いと感じる。一方で、渡し守のような、割り切った資本主義構造によって貧富の差が大きくなることも一種の将来として想像しやすい。いずれにしても完全に管理することが可能な技術が出来上がると社会は極端な方向へ向かってしまうような気がする。

    SFの面白さを改めて考えると私は読み始めのその世界を探っている感じが楽しい。どんな設定だろう、そういう常識の世界かーみたいな。そこにアイデアも感じるし、何を比喩しようとしているのか、フィクションだからこそストレートに感じる著者の意見が見える。
    インタビューにあったキムスタンリーの、「SFには予言と現在のメタファーの二つの働きがある」というのはまさにその通りだと思う。予言としてみたらトンチキな設定かもだけど、風刺する意味では現代そのものだったりする。抽象化・メタ化して現在を投影した世界がSFそのものであり、だからこそいろんな歴史・ 知見が入るし、知的好奇心もくすぐられる。そこが好きなんだなと改めて認識した。

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    2026年05月16日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    ネタバレ

    やばすぎた。
    そもそも主人公及び彼女をそこまで好きになれなかったので正直途中まではハマりきれていなかったのだが、終盤の怒涛の展開に度肝を抜かれた。そこが繋がってくるのか!!??完全にやられた………
    そして本当に最後の最後の伏線回収が衝撃すぎて信じられない気持ちよさ。そこが……………忘れてたよ…………

    階級差や戦争、ファンタジー、恋愛など、さまざまな要素が入っているからこそ、それで満足させるタイプの作品だと思ってどんでん返し的なものは期待していなかったのだが、まんまと、本当にまんまとやられた。大満足。
    最後2ページの快感。

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    2026年05月11日
  • 順列都市〔上〕

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    まだ上巻しか読んでいないが。

    イーガンの電子空間に人格コピーを作るという試みは先にディアスポラやゼンデギを読んでしまっていたのだけど、こちらで先に試みたためか、倫理的な問題について深掘りされている。のっけから本人のコピーがブチギレる展開は刺激的。その後は場面が未来に転換するので、つながりがイマイチ掴めないのだが、後半にピースがハマっていく。

    上巻のラストは衝撃的な告白で幕を閉じるが、下巻の触りではまたどんでん返しから始まる。下巻を読み進めるのが楽しみ。

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    2026年02月15日