山岸真のレビュー一覧

  • 順列都市〔下〕

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    ネタバレ

    上下巻あるうちの「下巻」。こちらに入ると俄然話が進んで一気に面白くなる・・・のだが、最後の半分は「順列都市」内の話になって、いきなり数千年ほど時間がたったりしてしまい、そこにいくともうSFと言うよりはファンタジーになってしまう。

    最初読んだ時にはエリュシオンと塵理論の話がさっぱりわからず(というか最初からわかる人は皆無だろう・・・)解説しているサイトを色々読んで、二回目をようやく理解。わからなかったのは、エリュシオンを動かしているハードウェアを停止しているのに「なんで数千年もエリュシオンは動き続けるのか?」ということ。。

    で、これを理解する・・というか解釈するためには塵理論が必要なんだけど

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    2014年07月22日
  • 順列都市〔上〕

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    ネタバレ

    タイトルからは全く内容を想像することが出来ないSF。上下巻に分かれており、上巻だけでは全く話をつかむことが出来ないし、どこに着地するのかを想像することもできない・・・・。

    あらすじはこんな感じ。
    近未来、人類は神経系を全てスキャンすることで、肉体がなくなった後もコンピューター上に「データ」として生き続けることが出来るようになった。コンピューター上の人格は現実とコミュニケーションをとることもできるし、企業に干渉することもできる。ただし、コンピューターを動かし続けるには資産が必要であり、それを手もっていないものはゆっくりとしか時間を過ごすことが出来ずにいた。
    主人公の女性プログラマーはそのような

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    2014年07月22日
  • 白熱光

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    知っているけど何を意味するか解らない単語、短いからテンポよく読めるのだけどなんだかビジュアルが浮かばない文章、最後まで構造の理解出来なかった奇数章と偶数章のふたつの物語、だけど、なんか心の動く読書体験でした。初めて聞いた曲の外国語の歌詞が全然、理解できなくてもジーンとしてしまった感じみたい…登場人物達がみんな「発見と探求」に向けて突き動かされているところが、このハードSFのメロディラインだと思いました。もしかしたら人類の発見して来た物理法則そのものがモチーフになっているところが基底音かな。

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    2014年04月13日
  • 祈りの海

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    収録されている短編のほとんどがテーマとしているのが、仮想現実におけるアイデンティティとは何か?で、テクノロジーによって代替可能になった、自己や他者の精神や肉体をとは何かについてなどの思索が語られる。アイデンティティを代替させるアイデアがいずれも面白く、それによる掘り下げも見事で哲学的な興味をそそるが、全体的に地味な印象。

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    2014年04月13日
  • ひとりっ子

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    ハードSF短編集。イーガンの短編集には珍しくあちこちに他作品との繋がりが見える一冊。とは言えもちろん単独で読めます。
    総合して見ると「人間とは、意識とは何か」ってテーマを起点にいろんな切り口からのアプローチ、って感じの一冊。ごくごく単純なワンアイディア短編あり、多世界解釈の分岐を絡めてタイトルまたいで込みいった中編あり。
    テーマには一貫性があるけど、書かれた時代が幅広いのもあって一編ごとのまとまり方はちょっとばらつきがあるかな。
    あと「プランク・ダイヴ」収録作「暗黒整数」に直接繋がる「ルミナス」収録もこの本。これが一番好き!

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    2014年03月28日
  • 白熱光

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    ちびっこ異星人が独自に科学水準を上げていく様は、アシモフの神々自身を彷彿とさせる

    イーガンにしては読みやすい

    解説が必須。解説を読んではっと気付くところがある

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    2014年01月04日
  • パラークシの記憶

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    「ハローサマー、グッバイ」の続編が出るなんて誰が予想しただろうか!が、続編が出たおかげで前作のあの読後に訪れる余韻がかなり薄まってしまった。もったいない。そして内容はいいのだから、このカバーはやめてほしい。前作と合わせてほしい。レジに持ってくのかなり恥ずかしいです、河出さん。

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    2013年11月17日
  • パラークシの記憶

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    待望の『ハローサマー、グッドバイ』の続編。前作の数百年後を舞台とし、幾つか追加設定も。青春恋愛SFとしては勿論、その世界ならではのロジックが活かされた異世界ミステリとしても傑作。

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    2013年10月16日
  • ディアスポラ

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    知性の進化の極み、だがそれが人の身には叶わないというのは悲しい。だが、おおいに考えられることだ。
    肉体を持たない意識はその時点で、人類とは呼べず、それが人間の精神構造を模倣したものであっても、AIと呼ぶべきだと思う。
    人類はAIを生み出すための存在でしかないのではないかとも思えてくる。
    未来の行く末について、思考が広がる作品を書ける。現代SF作家で、この人は最高峰だ。

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    2013年08月09日
  • ひとりっ子

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    特に携帯メールの予測変換の進化ときたら、あまりにもすばらしいものだから、面倒なメール返信のときにはついつい予測で表示される単語をそのまま繋げて送ってしまったりする。・・・でも、これって、本当に「ワタシ」が送ったメッセージなんだろうか。私の介在は最小限であり、携帯がメッセージを作ったと言っても良いのではないだろうか。
    こんな風に日常を取り巻くさまざまな事象が進化していくと、これまで当たり前だった「境界」がものすごく曖昧になる。どこまでが「自分」で「自分の意思」なのか、「生命」とか「人」と認識されるにはどんな条件が必要なのかとか、「選択した現実」と「選択しなかった現実」の差異とか。
    ・・・なんてこ

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    2013年03月21日
  • 祈りの海

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    がっちりSF読んだったー!!という満足感。
    私はSFは好きだけど、物理もテクノロジーも生命科学もサッパリなダメ読者なので、SF的なガジェットはよく理解できない部分が多い。
    それでも面白く読めるのは、解説等で言われているように「自分が何者であるか」というアイデンティティを核としているからだろう。様々な状況において、より自分らしく生きるためにはどうすべきか?ということを考えさせてくれるところがいい。

    「祈りの海」「百光年ダイアリー」「放浪者の軌道」「貸金庫」あたりが特に面白かった。

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    2013年01月09日
  • ひとりっ子

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    ルミナスが収穫。
    イーガン作品を読むなら、この作品を読んでからにした方が理解しやすい。

    お得意の、計算によってこの世界を決定する、という話だが、多少丁寧に説明してくれている。もちろん、よく分からないのだが。
    それにしても、1024ビット程度の演算を順序入れ換えて実行して演算結果が異なるって嘘臭いなー。何ビットでも嘘臭いけど。

    光で計算に最適なハードを作り出す、というアイディアは秀逸。ハードウェアの最適化。

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    2012年08月16日
  • 祈りの海

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    SFの短編集。
    読み終わった感想は、なんだか、頭が筋肉痛になったような感じがする。頭の中の、普段使ったことのない部分を使った感じ。11の短編が収められているが、僕自身がこれまでほとんどSF小説を読んだことがないので、ついていくのが結構大変な感じがするのだ。

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    2012年08月14日
  • 順列都市〔下〕

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    いやー、豪快な話でした。この作者の「宇宙消失」もSF的大ネタを、緻密かつサスペンスフルにまとめあげた名作でしたが、この「順列都市」も、サプライズの連続で堪能できました。
    セル・オートマトンとチューリング・マシンのアイデアは知っていましたが、これをVRなどと組み合わせてここまでスケールの大きな話に仕上げるとは。
    「宇宙消失」とは、ストーリーや世界観としてのつながりは全くないのですが、「人間の意識が宇宙に影響を与える」というテーマで結びついており、おもしろいと思いました。
    読み終えるとがまんできなくなって、早速「万物理論」も読み始めました。これもとても楽しみです。

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    2012年06月03日
  • 順列都市〔上〕

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    コンピュータの性能が上がり、脳のシミュレーションさえもが可能になった社会を舞台にしたSF。結構難しいところもあるが、やはりおもしろい。下巻がとても楽しみ。

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    2012年05月29日
  • ひとりっ子

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    久しぶりにイーガン読んだら難しかった。自分の知ってるイーガンっぽくないとも思った。収録されてる中にわりと古い作品があって、その頃のだと受ける印象が違うみたい。

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    2011年09月04日
  • 順列都市〔下〕

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    (*´д`*)すーほいSF作品だ。
    予想を遥かに超えてた!

    人間の想像力にもいろんなレベルがあるけど、これは凄い強度だと思いました。
    SF作家はすごいなぁ。

    ただ、何度読んでもわけがわからない部分もありました。

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    2011年05月05日
  • 順列都市〔上〕

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    生化学も物理もITもさっぱりな私でもなんだか面白かったです。人格をデータとして保存することで生き延びたと言えるのか?完璧な世界を作り上げることは可能なのか、意味はあるのか。いろいろ考えてしまいました。マリアとお母さんの会話が一番印象に残った。死を受け入れたことを神に(神が何を動かしたわけではないが)感謝する。その気持ちは一番美しく見えます。

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    2010年12月27日
  • ディアスポラ

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    これだけの宇宙を見せられて、人間ひとりひとりの物語に価値が見出せる人がいたら会ってみたい。
    価値はないけれど意味はあるよね。個人的に重きをおきたいのはヤチマの人間性について。人によって色々思うところがあるんじゃないだろうか。私は彼(彼女?)が『何の曇りもない笑顔』を浮かべられることと故郷を捨てて一人で真理を求め続けることから見える 無邪気さ を持っていることに大きな意義がある……気がする。引用したとこが心に残ったのは、ヤチマのセリフだからです。
    物理とか数学をやったことのない文系の人には読みづらいかも。でもわかるとこだけ読んでればおkです。
    あと5回くらい読んでちゃんと理解したい。

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    2010年09月26日
  • 順列都市〔上〕

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    ハードSF極北の一つ。上巻だけ読んでいる時は、設定と展開が斬新すぎて何が何だかよくわからなかった。下巻の訳者解説を読んで、そういう話だったのかと思って、上巻再度読み直し。それでようやくわかったような感じの名作。

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    2010年07月25日