山岸真のレビュー一覧

  • ひとりっ子
    相変わらず読みにくい部分もあるが、表題作はよかった
    表紙   6点田中 光   山岸 真訳
    展開   6点2006年著作
    文章   5点
    内容 698点
    合計 715点
  • ディアスポラ
    大変な大作。作者はもちろんのこと、読む方にも根気と体力が強いられる。
    好きな場面はヤチマが自身の精神を統合し、「ヤチマ=自分」と理解する場面。というか、それまでの分裂した自我と子宮プログラムの中での精神の産出の描写。嵐の中の船のような気分になるけれど、いつ、どうやって私たちが、自己という世界とのリン...続きを読む
  • ハローサマー、グッドバイ
    序盤はやや読むのに時間がかかってしまった(異星の設定になじめなくて)が、途中からどんどんテンポがよくなり、最後の急展開は一気に読んでしまった。読後感がすばらしい。
  • パラークシの記憶
    前作ハローサマー、グッドバイの記憶が薄れないうちに読むのがおすすめ!いろいろと新しい設定も増えていて、変化が楽しい。
  • ハローサマー、グッドバイ
    新しい出会いがあって、恋をして、親の考え方疑問を持って、子どもが子どもじゃなくなっていく。そのなかで国が傾いていく波にのまれていく。主人公たちの恋も想像していたかたちじゃなくて、新しかった。
  • 順列都市〔下〕
    分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
    表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
    展開   7点1994年著作
    文章   6点
    内容 725点
    合計 743点
  • 順列都市〔上〕
    分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
    表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
    展開   7点1994年著作
    文章   6点
    内容 725点
    合計 743点
  • 祈りの海
    『宇宙消失』に比べると格段に読み易いイーガンのSF短編集。
    悲し過ぎる「キューティ」
    LGBT。正常と異常の意味を考えさせられる「繭」
    決められた未来の罠、ミステリとして秀逸な「100光年ダイアリー」
    人類皆兄弟か!?人類史を辿る「ミトコンドリア・イヴ」
    宗教体験の「祈りの海」

    後者2つは解説を書...続きを読む
  • アロウズ・オブ・タイム
    物理法則も生物学的にも異なる世界の科学者たちの冒険譚。図解入りで世界観を説明したりと難しげだけれど、旧概念の束縛とか政治で苦労しちゃったりするのはフツーかな。
    最後の最後にえらくさっぱりとハッピーエンド的にもっていかれて拍子抜けした。

    破滅が予見された時に方舟的なもので一部が助かる、異星人や遠い未...続きを読む
  • しあわせの理由
    愛とは、幸せとは。人間として当たり前の本能や感情を、科学の面から考えさせられるよう(といっても全然寓話的ではない)だった。やはり表題作が印象に残った。
    世界観というよりは小さな設定ばかりだけれど、これらを元にした長編も作れそうな作り込みの良さだった。
  • ゼンデギ
    3D感覚で実際に自分がその場にいるかのようにゲームをプレイできる、オンラインゲームの高度進化版(ハンターハンターのGIを思い浮かべるとイメージしやすい)を軸にしたSFものだが、親子の絆などの要素も込められた物語。
    グレッグ・イーガンというと、現在SF作家の最高峰だったり、ハードSFの旗手と呼ばれたり...続きを読む
  • 順列都市〔上〕
    2016/09/07-2016/09/10
    星4.5

    「グレッグ・イーガンのSFがおもしろい」というのを風の噂で聞いたので読んだ。ハヤカワ文庫SFの中ではこれが最初の単行本だが、日本語訳されているイーガンの長編の中では2番目らしい。創元SF文庫から出ている『宇宙消失』が最初。Wikipediaによ...続きを読む
  • 順列都市〔下〕
     1994年発表、グレッグ・イーガン著。ソフトウェア化された意識〈コピー〉が一般化された世界。富豪のコピー達に、宇宙が消失しようとも永遠に生きられる方法を提示する男。N次元オートマトンを駆使した、膨張し続けるTVC宇宙(エリュシオン)内に、コピー達と彼らの住む街〈順列都市〉を作り、さらに簡略化された...続きを読む
  • しあわせの理由
    何て多才な人が存在するんだと唸らせられた短編集。生物学やら物理学など様々な理系分野に焦点を当てた作品だけでなく、ユーモア路線を突っ走った話も含めたりと、作者の懐の深さを感じられる。表題の「しあわせの理由」はどこか「アルジャーノンに花束を」を想起させる、自分自身の嗜好とは??思考とは何か??を考えさせ...続きを読む
  • しあわせの理由
    どちらかと言うと後味は悪い。だが、読んで良かったと強く思える作品でもある。
    SFとも哲学とも言える文章で、知識が無くても楽しめるがあったはほうが良い。

    感想はと言うと、不思議だとか複雑なような感じが率直に思い浮かぶ。
    考える機会を与えてくれる作品は多いが、
    単にこういうのはどうだとテーマを投げるだ...続きを読む
  • ハローサマー、グッドバイ
    漫画の「草子ブックガイド」に取り上げられていた本。登場人物は地球人ではないが、地球人によく似た人間。思春期の主人公と少女ブラウンアイズの恋愛と戦争とSF的設定がからむ。
    正直、草子ちゃんのお勧めがなければ手に取らなかったと思う。お蔭で、ある程度イメージが掴めて助かった。ブラウンアイズのセータ―やジー...続きを読む
  • ハローサマー、グッドバイ
    『バーナード嬢曰く。』で取り上げられていたので読んでみた(笑)

    読み始めた当初は,SF的設定を用いる意味が分からなかったが,最後まで読むと,なるほどと思わされる。
  • ディアスポラ
    初めてグレッグ・イーガンの作品を読んだ。想像以上にハードSFだった。最初から難しい。脳のシナプスを活性化させ、目から入ってくる文章から画像を生成し、脳みそに汗をかきながら読んだ。涙ぐましい努力(自分的には)の結果、最初の部分はかなり楽しめた。

    この最初の部分は、非常によくできていて、生命の誕生(コ...続きを読む
  • ひとりっ子
    ここに、ひとの感情を固定させることのできるインプラントがあるとしよう。インプラントは鼻孔に挿入された後、脳まで一直線に掘りすすみ、そこから放出されたウイルス大のロボットが適切な処置を施してくれるのだ。もちろん痛みはない。
    さて、ここで質問。あなたは夫婦間、あるいは恋人への愛情を例えば倦怠期による磨耗...続きを読む
  • しあわせの理由
    9編の物語から構成される短編集、医学、脳科学、量子力学、コンピュータなどの未来を見据えたシュツュエーションで展開するストーリーはとてもワクワク(ひとつだけ最後まで意味が良く分からないのもあった^^;)させられた。表題作「しあわせの理由」は脳外科手術により喜びや感動を失った男がそれを再び取り戻す話なの...続きを読む