あらすじ
脳に作用して究極の言語表現を可能にするインプラントTAPの使用者が死んだ。その事件に秘められた真相とは?変わりゆく世界、ほろ苦い新現実……世界最高のSF作家が贈る名作全10編。
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Posted by ブクログ
やっぱイーガン面白いです、、短編集どれも質が高い〜〜
新・口笛テスト
一話目からストライク笑。毎回思うんだけど、イーガンって結構音楽とか美術とか好きだよね笑
…曲が人々の心の中でなんらかの消費財や企業名としっかり結びつけられてしまったら、曲そのものを楽しむときになにかが失われてしまうことは確実だ。…(p.20)
…いまでもほかの音楽に耳を傾けることはできるが、いちばん忘れようのない曲でさえ、自力では思いだすのがむずかしくなっていて(「山の王の宮殿で」や「ワルキューレの騎行」を数小節口笛で吹けといわれても、応じられなかっただろう) (p.26) - チョイスこの2曲なんだという!
ユージーン
発想のひとひねりがすごい。天才の子供を遺伝子操作で産めるかもという時に、未来からその天才の子供が干渉してきて、全てが潰れる話
銀炎
パンデミックの設定も面白いし、それがスピ/科学の批判に繋がるのが面白かった
要塞
社会派なイーガンマジで好き
森の奥
これまた発送のひとひねりに唸った一作。殺されると思っていた男が、いつか自分と同じ思いを抱えた人間は自分であると信じる認識改変をした後、自分と全く同じ感情を持った殺す側が死に、自分はその時誰なのか?という話
…ぼくはカーターを見おろし、足でそっとつつくと、ささやき声で。「きょう、だれが死んだんだ?答えろよ。きょう、ほんとうに死んだのは、だれなんだ?」(p.303)
TAP 表題作
…それは、自分の息子のことがわからなくなってしまったと感じたからではない。じっさい、そんなことはない。しかし、わたしたちがおたがいに、とにかく理解しあえているという事実が、突然、最高にいいかげんなまじないのように思えたのだ。(p.328)
「グレイスさんが、"現実"をどう定義していたか、知っているかい?」
「いいえ」
「ほかのあらゆるものが存在しないと立証できても、それでも立証できずに残る一万ビット」(p.343)
Posted by ブクログ
グレッグ・イーガンの初期作品。他の人の著作だったなら「おお!これはすごい!!」とか言うんだけど、その後イーガンが偉大なる作品群を続々と生み出して、ハードSFの極北まで飛んでいくことを思うと、本作品のスケール感は微笑ましく感じてしまう。
Posted by ブクログ
現代最高のハードSF作家と呼ばれているグレッグ・イーガンの初期短編集。元々は河出書房の「奇想コレクション」の一冊として日本オリジナル編集されたといういきさつもあり、SF風味の薄い「奇妙な話」系の作品も多く含まれています。一読しての印象は、
「イーガン、分かりやすい話も書けるんだ・・・」
ということヽ( ´ー`)ノ冒頭の「新・口笛テスト」は本当にシンプルなワン・アイディア・ストーリーのSFで、キャラクターの造形もわかりやすく、何だかイーガン読んでる気がしないなーと思いましたヽ( ´ー`)ノ
でも、読み進めると確かに「イーガン節」とでも言うべき独特の世界観が広がってきて、結局はあの手応え十分なイーガン作品なんだなー、という当たり前の感想に至りました。
鴨は、まだ数えるほどしかイーガン作品を読んだことがありません。正直なところ、まだまだ鴨には手が届かないです(^_^;ハードSFとしてのハードルの高さはもちろんのこと、感情移入しづらい人物造形や読者を放り出すようなストーリー展開といった「取っ付きづらさ」が、どうも苦手です。そんな鴨でも、それなりに楽しく読むことが出来ましたし、イーガンらしさもそれなりに堪能できます。コアなイーガン・ファンには、きっと物足りないと思うんですけどね。
鴨的に気に入ったのは「悪魔の移住」。イーガン、こんな作風もできるんだ!とちょっと驚きな、オフビートな文体が堪りませんですわ。まぁでも、ラストの救いの無さがイーガンそのものなんだよなー。