三秋縋のレビュー一覧
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ネタバレクスノキという人間が、自分と重なって見えた。
少しだけ世界を一歩引いた目で見て、周りの人間を冷めた目で見る。自分だけの違う世界が僕にも少しだけあって、その結果、何もない人間になっていた。
作者の言葉を借りるなら、「どうしようもない馬鹿」だった。
それでも、クスノキは絶望しながらも少しずつ変わっていった。
ミヤギという人間と関わりながら、クスノキが変化していく様は、少しだけ羨ましかった。
自分が拠り所にしていた人間に突き放されるのはどれだけ辛いことだろうか。
そんな時に支えになるものがあった時、どれだけ救われるだろうか。
クスノキもミヤギも残り三日を残して寿命を売った。
その時の人生には、値打ち -
Posted by ブクログ
ネタバレ「自分にとってはあまりに遠い存在、彼女に恋をする資格はない、これさえなければ心を射止めることができるかもしれないのに。」
現実においては「どうやっても変えられない事実」に絶望することはあると思います。
こと恋愛においては見た目が全てではないという風潮もある一方で、人の第一印象を決める「外見」が重要である事は否定できません。主人公は顔にある消えない大きな痣が原因で周りからは好奇の目や憐みの目に晒されており、それが足かせとなり好きな人への好意を伝えられずにいました。
実際に外見や身体的特徴が自分の望み通りになった場合に本当に相手は好きになるのか?というのは誰にも分からない話ですが、本作品ではそ -
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三秋ワールドの素晴らしさを言葉で表すのは難しい。
強いていえば、「100パーの彼女」を描くのが抜群に上手く、またそれをどこまでも自覚的に書いているのが良い。 さらにそれが胸を打つ巧みな情景描写によって美しく飾られているのが素敵。
今回のヒロイン達にしても悶えてしまうほどのキラーフレーズの数々がたまらなかった。
孤独な生を送る2人が、寄生虫のはたらきによって運命的で作為的な恋に落ちる話。
思考も恋情も脳内物質の働きにすぎないのであれば、それが虫やウイルスによるものであろうと本質に変わりはないのだと思う。主観こそが世界を構成する全て。
終わり方は心残りがあるが、あえてあのエピローグを書くことにこ -
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ネタバレあらすじを知らずに読んでみたら、お勧めする人が多いのも納得の、すごい作品だった。読み終えてもぐるぐると登場人物たちの未来や、自分だったらどうしたか、考えてしまった。まず設定に驚いた。でも監視社会がもっと進んだらこんな世界もありえないとは言えず恐ろしい。
知らない番号から主人公のもとに、過去のトラウマに関係のある女性が自殺したと告げる電話がかかってくるところからストーリーが進み始めるので、彼女に何があったのか、そもそも主人公とどんな関係にあったのか、どう展開していくのか予想がつかずどんどん読み進められる。だんだんとこの世界の仕組みが明らかになっていき、いくつも衝撃の事実が浮かびあがる。とにかく悲 -
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ネタバレ胸が苦しくなる作品だった。
孤独な2人の愛の物語,
後半、灯花がいなくなってしまった所から、
千尋と灯花ふたりの視点での物語を読んで、胸がギューっと苦しくなった。
言葉にするのは難しいけれど、
孤独の苦しみと記憶の儚さ大切さ偉大さを感じた。
自分の身に記憶が無くなることなんてないし、
友人も彼氏も両親もいて人間関係も良い
些細な出来事を心に刻むことは特になく、
ただ、毎日を過ごしている。うーん、なんというか
この本を読んで日記をつけようと思った。
最後の灯花に記憶を話すシーンでは大号泣。
この作品の色々な方の感想を読んでいたら、
1つの映画を読み終わったようなと書いてあった
ほんとにその -
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ネタバレ夏の終わりに読み返そうと決めていた一冊です。
〈百パーセントの相手と出会えていないなら、その相手をつくってしまえばいい〉
ということで、孤独な少女と孤独な少年の、出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた、恋の話。
すべてを読み終えてから冒頭の引用に戻ると、すごくしっくりくる。若き天才義憶技工士の灯花による、どこまでも切実で独りよがりで愛おしい最初で最後のたくらみに胸が苦しくなった。
最後から二つの章がそれぞれ「君の話」「僕の話」と題されているのだけど、ここで物語がひっくりかえる感じは、悲しくもあり救いでもある。
真相を明かさずに閉じてしまったとしても、それはそれでメリーバッドエンドの余