三秋縋のレビュー一覧

  • スターティング・オーヴァー

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    ネタバレ

    三秋縋さんの出版処女作。三秋さんらしい、特殊な設定の元で、主人公の内面を丁寧に描写することで、心の移り変わりを読者に届けているので面白かった。今でこそ、タイムリープものが流行っているから、既視感を抱いてしまいそうだが、10年も前だと新鮮だったのかな?
    内容的には、森絵都の『カラフル』を感じさせる内容で、ありきたりではあったものの、それを感じさせないくらいの表現と、読後感の良さが印象的。ちょっと中盤の内容が長すぎてだれそうではあったけど、全体的に面白かった。

    最近自分の読書の傾向を見ていると、どんでん返しや、オチがハッキリしていないものを読むと、飽きてしまうようなところがあるのかもしれない。ミステリーに手を出してみるかな。

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    2026年01月04日
  • 君の話

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    ネタバレ

    何故か懐かしさを感じるSFファンタジー。義憶の中だけに存在する幼馴染。そして新型ADには考えさせらせた。装丁もお気に入り。

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    2026年01月04日
  • スターティング・オーヴァー

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    「自分がもし10年前に戻ったら、嫌だった思い出を最高の思い出に変えていきたい」と思いながら読み始めていた。けど、たぶんそれは全部うまくいかないし、今までの選択をしなければ今の人生はなく、出会える人とも出会えてなかった、と考えると全てをやり直す必要はないのかなと思った。
    この本の内容をみると、全部やり直さないからと言ってまた同じ人生になるわけではない。今の選択を大事にして、一つずつ進んでいくことが大切なんだなと感じた。

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    2025年12月26日
  • あおぞらとくもりぞら 2

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    前半、物語が少し明るさをもって展開されます。お互いを振り回し振り回されて、どことなく楽しげで、目的を忘れそうになりました。中盤はあぁそうなるのか、と寂しい気持ちが込み上げてきます。そしてラスト。そこで終わり?となり消化不良は否めないが、三秋さんらしいといえばらしい。僕にはその後を想像するのは少し難しい、ハッピーエンドにはならないかなと。でもなるといいな。
    久しぶりに漫画を読みました。正直言うとこの物語は小説で読みたい、もしくは3巻以降も発売されるなどしてもう少しボリュームを持たせて欲しかったと思いました。

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    2025年12月10日
  • あおぞらとくもりぞら 1

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    面白い設定で理解もしやすく一気に読めました。
    三秋さんらしいちょっと暗めな世界観で物語が進んでいきます。キャラクターの真意がいまいち掴めないまま後半へ読み進めると少しずつ心の内が見えてくる。言葉数は少なめだけどお互いの気持ちを知ろうとしていく過程が好きです。後半にちょっと微笑ましい場面が出てきたり、効果がありそうでなかったりなさそうであったりするところも楽しめました。全体の内容が暗く重いものなのでこれから明るい未来になることは想像できないが、2巻でどういう展開が待っているのか結末はどうなるのか楽しみです。

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    2025年12月10日
  • 僕が電話をかけていた場所

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    著者の作品で1番良かった。淡々とした語り口が多い中、この作品は主人公の感情の揺れがリアルで共感までは行かないが寄り添えるものがあった。痛みと癒しのバランスが絶妙。

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    2025年12月09日
  • スターティング・オーヴァー

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    読書ハマって序盤に読んだ本だから思い出補正もあるけど、読み終わったあとの余韻が良かった。
    ラストも自分は良かったと思った。

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    2025年12月02日
  • 君の話

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    義億がもし世の中にあるのなら、というかAIで出てきそうな気がするが、それで救われる人も居ると同時に寂しいという気もするし、不思議な感情。
    騙されたほうがよいことも多いし、自分にはわからなくなって来たので⭐︎4つ。
    難しかったのかな。

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    2025年11月26日
  • 恋する寄生虫

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    孤独と不安だらけの二人が
    少しずつ心ひらいていくお話。

    前半はめっちゃ暗くて
    読んでるとこっちまでしんどくなるくらい。
    でもその暗さがあるから
    後半の変化がちゃんと心に響くし
    二人の成長がまぶしく見える。

    恋愛小説というよりは
    「人とつながる怖さ」とか
    「自分を認めるむずかしさ」を
    じっくり描いた作品って感じ。
    だから甘々な展開を期待すると
    ちょっと物足りないかも。

    心理描写がリアルで
    キャラの気持ちがちゃんと伝わるし
    共感できる人は多いはず。
    展開は少し王道だけど
    それでもページをめくる手が止まらない。

    読後は切ないのにどこかあったかくて
    考えさせられる余韻が残る。
    暗めの物語や人間ドラマが好きな人には
    ぜひ読んでほしい一冊。

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    2025年09月29日
  • さくらのまち

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     うーん、怖い。ただただ怖い。『サクラ』は出会い系であったり、普通に存在するけど、このシステムがこのようなカタチで根付いていると、人間不信に陥ってしまうだろうなと思う。

     尾上の元に一本の電話が入る。『高砂澄香が自殺しました』。高砂澄香とは、尾上がかつて一番愛した女性で、一番憎んだ女性だった。

     高砂澄香が本当に死んだのかを確認するために昔住んでいた『さくらのまち』に戻り、澄香の家の前に行くと、そこに澄香と同じ顔をした女性が立っていた。
     澄香の妹の霞だ。やがて、尾上は霞のプロンプターに指名される。プロンプターとは、自殺志願者に寄り添い、自殺をさせないようにする友だちのフリをする『サクラ』だ。

     中学生の頃、尾上には2人の友人がいた。澄香と鯨井という男子だ。その2人には心を許していた尾上だったが、2人とも自分のプロンプターではないかという疑問が生まれる。2人に疑問をぶつけたところ、あっさりと肯定され、以後、2人とは決別し、特に澄香への愛情は恨みとなり、澄香に果たせなかった恨みを霞で果たそうとする。

     それにしても、あまりに辛い結末。ただ、この世がこの物語と同じシステムで動いているなら、私もきっと尾上と同じ行動をしていたように思えてならない。この世の中で良かったとホッとする。とか思っていたら、周りの人たちが『サクラ』だったりして。

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    2025年09月29日
  • 恋する寄生虫

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    潔癖症で引きこもりの青年と不登校の女子高生の恋愛ものがたり。

    一見、恋愛に発展しなさそうな社会不適合の二人の出会いには、本作タイトルにある「寄生虫」が絡んでいた。果たして、二人の関係はどうなっていくのか・・・

    「恋」と「寄生虫」。なかなか無い発想をベースにストーリーが構築されていて、新鮮な驚き・興味に誘われるままに惹きこまれました。

    異色の世界観かと思いきや、甘酸っぱく切ない要素もしっかり押さえられていて、二人が出会ってからの展開も程よく上がったり下がったりして読者の心理を上手に乱されます。

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    2025年09月27日
  • 君に贈る15ページ

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    短いページ数の中でそれぞれの続きが読みたいと思わせる展開が多く、手軽さもありながら満足感があってよかった。

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    2025年09月01日
  • 君に贈る15ページ

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    今をときめく作家による、15ページずつの短編集。斜線堂有紀の作品で本文最後に「仕掛けが分かった?」と聞かれ、うむむわからん、一番気になりました。わかったことといえば前半の世界狭いうちは使う文字に制限かけてあること、だから、「私」はなくて、「I」。「難しいかもよ」じゃなくて、「むずいかもだよ」。彼の名前は「 」。これは10文字、または空白入れて9文字なのかなぁとかなり考えたけど、思いつかなかった。「しゅうとう」「ねんどう」「ごとう」「うとう」/「しゅうじ」「しゅうと」「しゅんご」「しゅうご」とか?でも適当な名前じゃ意味はないしなぁ…。
    されど世界の終わり 三秋 縋
    わたしたちの教室 佐野徹夜
    息継ぎもできない夜に 松村涼哉
    じゅうごしゅうねん、おめでとう 斜線堂有紀
    穴があったら入りたい 一条岬
    十五年後もお互い独身だったら結婚しようねと約束した二人の物語 綾崎隼
    いざ、さらば 村瀬健
    超能力者じゃなくたって こがらし輪音
    星空に叫ぶラブソング 青海野灰
    余白の隠れ家 古宮九時
    初恋灯籠 遠野海人
    世界が十五になる前に。天沢夏月
    見花 入間人間
    前略 十五の僕へ 時雨沢恵一
    朝の読書だ nyan 高畑京一郎

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    2025年08月31日
  • 君の話

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    作られた記憶である義憶を買うという世界の話。
    ある日、義憶により入り込んできた架空の少女が目の前に現れる。
    お互いが、お互いを騙し合う心寂しい二人に、本物の出会いと恋が訪れる綺麗なストーリー。悪くない。

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    2025年08月02日
  • さくらのまち

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    後輩激推し作家なので期待大だったのだけれどめちゃ面白かった。自殺しそうなメンタルケアを担当する人間が周囲から選ばれて任命される、というのはなかなか厳しい世界観。特殊な世界設定でのミステリが上手い。

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    2025年08月01日
  • さくらのまち

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    ネタバレ

    面白かった

    欺く側と欺かれる側
    そんなキャッチコピーに惹かれたが、それだけではなかった

    なにか信じるということ。本心だったり気持ちを聞く勇気、伝える勇気があれば起きなかったことが立て続けに尾上のもとにおきる。

    サクラではないんだなー。
    たしなに、自分も好かれようと演じている部分は少なからずある。それが本当の自分なのかと問われるとむ?とも思うが、そういう部分も含めて自分なのだと思いたい。

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    2025年07月06日
  • 君の話

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    ネタバレ

    偽の記憶…それはこうやって物語を読んでいることに近いのかも。想像する。妄想する。
    この二人はそれを現実にしていったのね~
    寂しい二人が築き上げた素晴らしい虚構
    せつないなぁ
    7歳の時に本当に出会えてたらよかったね

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    2025年10月29日
  • 君の話

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    SFっぽい感じかなと思ったら恋愛小説でした。
    恋愛ものがあまり得意ではないけど、物語が素敵だったので星4です。

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    2025年06月30日
  • さくらのまち

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    ★3.7
    咲いていたと思っていた桜は、咲いていなかったのかもしれない。
    ――そんな記憶と、信頼の崩れた痕がこの物語には残っている。


    人間関係なんてのはそもそも不安定で、システムはそれを可視化させたに過ぎない。

    政府が導入した「プロンプター」制度、通称"サクラ"。自殺リスクが高いと判断された人に、見守る役割が市民に割り振られる。
    善意のようで欺瞞か。
    救いのようで監視か。
    この制度は単なる物語装置にとどまらず、「信頼とは何か」を問う刃でもある。

    かつて裏切られた少女の死をきっかけに、故郷に戻った主人公・尾上。そこで出会ったのは、その少女の妹・霞だった。
    欺くつもりで接していた彼の心は、いつしか少しずつ浸食されていく。
    信じさせていたはずが、気づけば信じたい側にまわっていた――
    その構造的逆転こそが、この物語の本当の怖さかもしれない。

    たとえそれが"サクラ"だったとしても、心が本物だった瞬間は、確かにそこにあった。
    傷つくとわかっていても、孤独の底で誰かとつながりたくなる。
    その想いに理由はいらない。

    静けさに支配された、優しくて残酷な物語。
    嘘のようで、本当のようで、曖昧な輪郭の物語は、「つながり」の形だけはっきり残していく。
    喪失の中に、まだ咲くはずのなかった桜が、ほんの少しだけ風に揺れているように感じた。

    「さくらのまち」なんて、どこにもない。

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    2025年06月14日
  • 君が電話をかけていた場所

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    ネタバレ

    一年に一回づつ、夏は訪れる。そんな書き出しで始めるこの小説。

    三秋縋さんの『君が電話をかけてきた場所』

    主人公・深町陽介は、顔の右半分に大きな痣を持つ高校生。その外見から自信を持てず、また他人にも避けられてきた。そのため、中学生時代は不良として過ごしてきた。
    ある日、道を歩いている時に近くにある公衆電話が鳴る。受話器を取ると、謎の女性から「賭けをしませんか?」と持ちかけられる。その内容は、痣を消す代わりに、初恋の相手・初鹿野唯と恋人になってみせよ、というもの。賭けに乗った陽介の痣は消える。
    高校に進学した陽介は、痣がないこともあり、クラスに溶け込んでいく。隣の席の少女、荻上千草やサッカー部員永洞とも仲良くなる。そして、ある日初鹿野唯とも再会する。
    しかし、彼女は…


    夏と海辺の街を舞台とした三秋さんの作品、下巻に続きます。

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    2025年05月20日