三秋縋のレビュー一覧
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今をときめく作家による、15ページずつの短編集。斜線堂有紀の作品で本文最後に「仕掛けが分かった?」と聞かれ、うむむわからん、一番気になりました。わかったことといえば前半の世界狭いうちは使う文字に制限かけてあること、だから、「私」はなくて、「I」。「難しいかもよ」じゃなくて、「むずいかもだよ」。彼の名前は「 」。これは10文字、または空白入れて9文字なのかなぁとかなり考えたけど、思いつかなかった。「しゅうとう」「ねんどう」「ごとう」「うとう」/「しゅうじ」「しゅうと」「しゅんご」「しゅうご」とか?でも適当な名前じゃ意味はないしなぁ…。
されど世界の終わり 三秋 -
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★3.7
咲いていたと思っていた桜は、咲いていなかったのかもしれない。
――そんな記憶と、信頼の崩れた痕がこの物語には残っている。
人間関係なんてのはそもそも不安定で、システムはそれを可視化させたに過ぎない。
政府が導入した「プロンプター」制度、通称"サクラ"。自殺リスクが高いと判断された人に、見守る役割が市民に割り振られる。
善意のようで欺瞞か。
救いのようで監視か。
この制度は単なる物語装置にとどまらず、「信頼とは何か」を問う刃でもある。
かつて裏切られた少女の死をきっかけに、故郷に戻った主人公・尾上。そこで出会ったのは、その少女の妹・霞だった。
欺くつもりで接 -
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ネタバレ一年に一回づつ、夏は訪れる。そんな書き出しで始めるこの小説。
三秋縋さんの『君が電話をかけてきた場所』
主人公・深町陽介は、顔の右半分に大きな痣を持つ高校生。その外見から自信を持てず、また他人にも避けられてきた。そのため、中学生時代は不良として過ごしてきた。
ある日、道を歩いている時に近くにある公衆電話が鳴る。受話器を取ると、謎の女性から「賭けをしませんか?」と持ちかけられる。その内容は、痣を消す代わりに、初恋の相手・初鹿野唯と恋人になってみせよ、というもの。賭けに乗った陽介の痣は消える。
高校に進学した陽介は、痣がないこともあり、クラスに溶け込んでいく。隣の席の少女、荻上千草やサッカー部 -
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ネタバレ三秋縋 恋する寄生虫
高坂賢吾は強迫神経症だった。何かに触ったら手を洗わないと気が済まないし、外出したらシャワーを1時間は浴びないと落ち着かない。健全な社会生活は諦めていた。ではあるが優秀なプログラマーの才能があった彼は、クリスマスに発動するコンピュータウイルスをインターネットにばら撒く。
そんなところに、和泉という男が現れる。コンピュータウイルスの件を知っていると脅迫してくる和泉。高坂への要求はひとつ。不登校の高校生、佐薙ひじりと友人になれ、と。謝礼は払うといく。
ひじりに会いに行く高坂。金髪で大きなヘッドフォンをつけた娘であった。そして、そっけないひじり。しかし、彼女は、泉からの謝礼の半 -
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ネタバレ三秋縋 いたいのいたいの、とんでゆけ
湯上瑞穂は、小学生の頃から転校を機に日隅霧子と文通をしていた。ところが再会したいという霧子の誘いを断り、文通をやめてしまっていた。大学4年生のときに、親友の進藤を自殺で失い、瑞穂は人生に失望することになる。ある日、霧子に再会したいという手紙を出し、待ち合わせ場所に向かう。しかし、霧子は現れず、やけになり飲酒運転をしていた彼は、少女を轢いてしまう。しかし、その少女は、死の瞬間を「先送り」する能力を持っていた。死ぬまでに10日間の猶予を得たという。ただ、いずれ死んでしまう彼女の手伝いをし、彼女の復讐劇の片棒を担ぐことになる…
筆者の三秋さんも書いていますが -
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面白かった!!
初めの方は、寄生虫に関する詳細知識について
不快に思ったり、
強迫性障害を持つ主人公たちの背景などの暗い話に
とっつきにくかったりしたけど、
読み進めるうちに、その寄生虫の生態や仕組みが面白く感じたり、登場人物たちの心情が読み取れるようになった!
「操り人形でいることを操り人形自身が肯定したとき、それを自由意志による決断と呼べるか?そんなことは誰にもわからない。」
このフレーズを一例とする哲学的な問いかけもたくさんあって、それらに対しては大変興味を持つことができた!
そこからは物語に入り込むことができて
続きが気になって楽しみながら
どんどん読み進めることができた!
ただ、 -
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ネタバレまず題名から騙された。そっちなんね。ゆくゆくは桜も出てくるんだけど、そんなん普通テーマにしないよ。
そしてそんな設定というか世界をよくも考えつくな。あり得ないんだけど、ほんの少しの可能性を秘めた世界線。故に怖くもある。
自殺を止める為の人材、プロンプター。
偽りの親友、恋人設定、ノー天気な人間なら幸せなんだろうけど、自殺を考える人間が繊細なわけが無い。
そこへバレた日には当たり前に人間不信になるよ。
でも騙されたと思っていた親友、恋人は本物だった。ありがちなすれ違いなはず、尾上は歩み寄ろうとせず、澄香は天才過ぎてプロンプター制度を利用しようとして墓穴を掘る。霞も同様。
頭が良すぎて暴走した -
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偽りの記憶、義憶。そんなものがあるSF恋愛小説。そんな植え付けられた記憶によって巡り合う二人なんだからドラマチックなわけが無いと、思っていたんだが不思議と惹きつけられた。
運命の人を作為的に用意する、という状況から愛情が生まれるのか、そんなわけが無いと思う自分も否定された感覚に陥る。あり得た。
このまま死にたくない。
誰かに必要とされたいという思いは、やはり死ぬ間際に強くなるのだろう。それが全くの関わりのない赤の他人であっても。
もしもでも義憶を作って欲しいと思う自分はやはり寂しいのかも、もしくは現実逃避。でもそんな青い気持ちをも呼び起こしてくれた。