【感想・ネタバレ】君の話のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年10月25日

 一本の映画を観終え、観客席で吐息をもらして立ち上がるのが緩慢になるような読後感でした。
 エターナルサンシャインのような雰囲気を感じて余計にそう思えてしまったのかもしれません。
 今作も他の三秋さんの作品同様に落とし穴の中で安寧を見出してしまう退廃的な人間に刺さる内容でした。
 最近物語ばかり読ん...続きを読むでる自分に対して「こんなことしてて意味あるのか?」と疑問を感じていました。そんな疑問のなか本作を読んで自分の人生で欠落しているものを補うために読んでいることに気付き、さらに物語の終わりに疑問へのひとつの解答を得たように感じました。本当に三秋さんの作品は自分にとって劇薬であり、定期的に接種しないと現実をもがけないんですよね。それが毒であるとはわかってるんですけど。

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儚く美しい呪い

ene
2024年04月08日

私は読書家ではないですが、ページをめくる手が止まらず、1日で読み切ってしまいました。それほどに人生観を変えた作品です。
読み終わった後、数日間余韻が残り続け、胸が苦しみました。私はこの本を捨てることもできないまま、本棚で表紙を見る度に苦しみ続けるのでしょう。
「私ね、こういうのって、一種の呪いだと思...続きを読むうの。」

#泣ける #切ない #感動する

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Posted by ブクログ 2024年03月07日

読み進め手が止まらなかった。
登場人物が少ないからこそ世界に千尋くんと灯花しか居ない感覚で読むことができる。
三秋縋の書く死は透き通っているように感じる。
読み終わった時、心が空っぽになって澄んだ気持ちになった。

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Posted by ブクログ 2023年08月13日

紹介文にある通り、出会う前から続いていて始まる前に終わっていた恋の物語でコンセプトがおもしろいし、記憶の消去、補充に関する話でそう遠くない将来存在し得えそうで自分だったらこの薬を飲んであの忌々しい記憶を消してしまうのかなと想像しながら読んだ。

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Posted by ブクログ 2022年10月02日

夏凪灯花とは一体、何者なのか。違和感を抱えて読み進めるうちに、次第に不器用な二人のやり取りから目が離せなくなった。
どこまでも切なく、穏やかな結末。
心に優しく灯るような、温かく愛おしい読後感だった。

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Posted by ブクログ 2022年08月30日

ナノマシンにより人の記憶を自由に変える事ができるようになった近未来。

人は現実に起きた嫌な記憶を消去したり、こうであった欲しかったという疑似的な記憶を脳に取り入れたりしている。

本書の主人公も家庭でも学校にも居場所や理解者のいない環境で育ち、現実と自分への嫌悪感から自暴自棄となり、過去の記憶を消...続きを読む去しようと決意する。

ナノマシンを飲んで記憶が消したはずが、業者の手違いで疑似の記憶を植え付けてしまった。

それはある少女との物語だった。
そしてそれは「過去」にのみ存在するはずだったが。。

前半はよくありがちな御都合主義で、こういう話かー。
くらいでふーんと読んでいたが、
中盤から後半の展開に引き込まれていった。

ここまで緻密に世界観を創り上げるのも凄いし
心の叫びのように文を積み上げていくのも凄い。

後半は読み始めると止められなくなる。

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Posted by ブクログ 2022年05月07日

記憶をインストールできるという発想が面白い。わたしも幼馴染の記憶が欲しいと、読んでいる間にずっと感じてた。いい思い出でも苦い思い出でも、思い出があるって素晴らしい。出会いを大切にしたい。

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Posted by ブクログ 2022年04月25日

今回も初めて読む作家、三秋縋の作品「君の話」。今回も読むきっかけはハヤカワJAの新刊書ということ。前回の上田早夕里に続いて、最近初めて読む作家にドはまりしそうなので、ちょっと敬遠していたのだが・・・はまりました。映画「恋する寄生虫」の著者なので人気作家で内容も面白いのかもしれないというバイアスもかか...続きを読むっていたかな。これでまたシリーズで読みたい作家が増えることになり、読書年間計画に影響が出そうな予感がする。ただでさえスタンバイ作品が多いこともあり、これでは睡眠時間を減らすしかないか?

結局は恋愛SFということになるのだが、それだけではなく面白い構成(男目線女目線の対比で前半後半を分ける)にも感心した。これは単なるネタバレなのだが、こんなに鮮やかなネタバレ、辻褄合わせ、後付け説明を久々に堪能した。推理小説だとネタバレは小説の最後の最後に凝集されるのだが、それとは異なり本作品の様にじわじわとばらされても何故か心地良かったな。

一つ一つのパーツにも目を引くものが多かった。「義憶」、発想は義足のような義肢、義眼と同じ「義」という漢字の利用、義であるが故の脱着可能な記憶も面白い発想。そして、その「義」がナノロボットを飲むと脳へ移動して記憶を改変する。寄生虫と同じ発想かもしれないが、ナノロボットを使うことで幾分SF度が増している。また記憶をデザインできたり消去できたり、だいぶこの頃は脳のメカニズムが解明されている時代設定、そのくせ日常は親子関係を除いて今とあまり変わらずアナログ要素が多い。まあ、パラレルワールドと思い込めばいいのか。そして記憶が徐々に無くなっていく病気。脳の解明、記憶の改変がこのレベルに達すれば、記憶がどんどんなくなり死に至るアルツハイマー系症候群など簡単に克服していそうなものだが、残念ながらこの世界でも完全に脳を制御できないという不条理。

本題である心に闇を抱える男女の葛藤は、闇が深い分だけドラマチックになる。ただ、この男の人格形成が複雑すぎて嫌になる、簡単に言えば面倒くさい奴。偶然に偶然が重なるほど話は面白くなるのは小説であるが故のこと。ネタバレに絡むので男女の話はこの程度に。

当分の間は、「恋する寄生虫」の本も映画も見ないようにする。本格的に三秋縋の作風にすがってしまうことを避けたいから。

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Posted by ブクログ 2022年02月07日

義憶のある世界に生きた、ひとりぼっちの二人の話。
丁寧な言葉を使うなーって印象。
レーテ、グリーングリーン、ヒロインとかの義憶のネーミングセンスが素敵。

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Posted by ブクログ 2022年01月30日

三秋縋の作品を色々読んだら、、もしかしたら彼はこの作品を書くために色々書いてきたのではないかと思う。
この切なさは、帯にある通り「出会う前に続いていて、始まる前に終わってしまう」ことにある。
だから、物語としては始まるはずのない出会いを、作中の「義憶」(オーダーメイド式の偽物の記憶)によって引き起こ...続きを読むしたとしたら、というSFの設定を用いて表現している。
物語りなんて所詮作りものだ、という引いた視点から、それでも没入してしまうことの喜びや切なさを感じられた。

筆者のメッセージはとても明快で、この世には誰かが誰かにとっての運命の人で、ヒロインもしくはヒーローで、もしかしたらライバルで、パートナーかもしれないということ。
そして、それを願わくば信じられるようになること、ということだろう。
それが筆者の祈りであり、願いだと思う。

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Posted by ブクログ 2022年01月29日

娘に勧められて読んだけど、面白かった。義憶(偽憶)の話。前半と後半で、「僕」と「私」の話がレコードのようにひっくり返る構成も良い。人はどんな記憶を持って生きたら、幸せなんだろう。

この作品についてヨルシカの2人とも対談してて、通底する世界を感じる。

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Posted by ブクログ 2022年01月28日

青春もので現実味がある作品かな、と思い手にとったら青春SFで少しびっくりしたが、今までにない恋愛の様子がえがかれていて、綺麗でうっとりしました(*´ `)
今の現代では起こらないであろう状況なのに、登場人物たちの心情や悩みは今の私たちでも共感できるところが多いと思いました

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Posted by ブクログ 2021年12月26日


優しい嘘のお話
嘘は人を傷つけるだけじゃなく幸せにもする

三秋さんの作品の主人公は素直じゃないところがとても魅力的 

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Posted by ブクログ 2023年08月13日

他の三秋さんの作品も好きで、本書も読みました。
特殊な設定なのに、違和感感じることなく入り込めます。
最後は優しい気持ちになれる1冊です。。

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Posted by ブクログ 2023年07月04日

途中までは近い将来こういう世の中になるんだろうか?とかこんな仕事が出来るのか?とかワクワクと想像したり、その一方早川書房だし薄ら寒いようなちょっと怖い話なのか?と思って読み進めていったら、孤独を抱えた似た者同士の男女のくすぐったい恋物語でした。
理想の青春、家族を持ち合わせてる人はどれくらいいるんだ...続きを読むろう?そこを埋めようと悪あがきしたり、妄想するのも自分らしさと思っていたけど、それさえも他人に委ねてお金で買える世の中になったら個性ってなんだろうなって考えてしまいました。

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Posted by ブクログ 2023年06月14日

・三秋縋さんらしい悲しく優しい話だった。
・他の作品同様、物語の前半で恋愛が進みつつ、いくつか謎が深まってゆき、後半でそれの解明とともに、恋愛心情が掘り下げられていく構成で、とても面白い。
・今まで読んだ三秋さんの作品と異なったのは、他は"悲しいハッピーエンド"という印象だったが...続きを読む、この作品は"幸せなバットエンド"という印象を受けた。

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Posted by ブクログ 2023年05月23日

ちょっと違うかも知れませんが、自分の青春時代に流行ったセカイ系作品を読み終わった後と同じ、なんとも言えない読後感を味わえました。主人公とヒロインにとっては世界以上に大切な出来事があったのに、世界は何も知らないし変わらないというこのモヤモヤ感が心地良いんですよね。SFガジェットの活かし方も素晴らしいで...続きを読むすし、この作品大好きです。

キャラもセリフも、設定も、ストーリーもめちゃくちゃ刺さったんですが、特に好きなところは、死の恐怖に直面した際に灯花が放った「私の死後、その死を嘆き悲しみ、一生消えない傷として心に刻みつけて欲しかった」という嘆き。その後、彼女のしたことを含めてあまりにも自己中心的な想いだと思うんですが、その気持ちも痛いほどわかってしまうこの独白に非常に胸を打たれ、一番惹き込まれたかもしれません。こういうキャラクターにとても弱いんですよね。

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Posted by ブクログ 2022年06月19日

三秋さんの本は(悪く言えば)どれも同じように、社会不適合な主人公とヒロインをめぐるお話で、本書も例に漏れず切なく悲しい(そしてより暗い)雰囲気をまとった物語である。ただ、何故かそこに引き込まれるのも事実で、本書のキーワードでもある「優しい嘘」が三秋さんの書く物語に共通する思想・魅力として読者の胸に訴...続きを読むえるのかもしれない。「義憶」という発想も面白い。(現実になったら中毒とか負の面が問題になりそうだが…)

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Posted by ブクログ 2022年04月16日

本を読んで泣いたのなんて、いつが最後だったか。

そんなに本物がいいのか。本物が偉いのか。本物信仰的なことに違和感を覚える。虚構だっていいじゃないか、本人がそれでいいんだったら。他人がそれに横槍を入れるのは野暮だ。

そもそも虚構、フィクションとはなにか、という話で。辻褄が合わないことばかりで、真面...続きを読む目な人間が馬鹿を見る。私たちの日常そのものがフィクションのようで、何が本当か分かりゃしない。

すべて灯花ちゃんの夢でした、みたいなお前に人の心はあるのか?みたいなエンディングでも個人的にはよかったです。

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Posted by ブクログ 2022年02月02日

とても優しい嘘のお話

三秋縋さんのお話はSF感があるのに違和感なく日常的に共感できるので苦しくなる

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Posted by ブクログ 2022年11月21日

中盤の中だるみでなかなか進まなかった
表現に少し癖あり
終盤はとんとん進むけど嘘が多くてよく分からなくなった

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Posted by ブクログ 2022年09月21日

三秋さんらしさ溢れる作品でした。
しかし、「地味で親しい友達もいない男子×THEヒロイン」という設定に若干の厨二病感を感じてしまい…
中高校生の頃であれば、今よりも楽しく読みたかもしれません。
寂しいけれど三秋さんの作品は卒業かな…。

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Posted by ブクログ 2022年06月23日

SF系の恋愛小説は最初少し抵抗があったのだけど、
読み進めると、深く面白みのある作品だった。

義憶を変えるなら、私もグリーングリーンを購入したいかな、、青春コンプレックスがあるし。

たとえ嘘でも、造られた義憶でも、実在しなくても、2人が愛し合っていて幸せならきっとそれは現実なのかなと思う。
人を...続きを読む想う優しい嘘って心が温まる。

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Posted by ブクログ 2022年05月08日

主人公のぬめぬめとした語り口が嫌になって何回か読むのをやめた本。割と暗めの話。

ただ、この本を読んで思ったことは
義憶を買える未来がくるかもしれないということ。

記憶の入れ替えが可能になれば脳の神経の負担が少なくなって、精神の病に罹る人も減るのではないかと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月28日

SF的な小説の読み方を知らなかったので、冒頭から「ギオク」が存在する世界の話が進み、ついていけず、頭の整理がつかず、数ページ二度読みをして、その世界の住人になりきる作業が必要だった。整理をつけながら読んだ。前半は、何度か読むのを諦めそうになったが、後半は、いろいろな展開があって、濃密で苦しくなったり...続きを読むして、世界に引き込まれ一気読みした。

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Posted by ブクログ 2022年01月14日

記憶を消去したり、架空の記憶を作る技士がいてそれを買える世界の話。初めての設定の話で、こういう体験ができる事が読書の醍醐味だなと思えた。話がB面に入り灯花目線になってからが、どんでん返しのようで引き込まれた。

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Posted by ブクログ 2021年12月09日


君の話/三秋縋

初めて読んだ三秋縋さんの小説です。

設定が変わっていて、義憶技工士によって
作られて義憶という嘘の記憶を買い求めて
自分の本当の記憶にする時代。

人は心の拠り所として、望む記憶を捏ったり、
記憶を消したりすることも選べて、
人は自分が望む記憶を手に入れれるように
なっていた...続きを読む

そんななか、主人公は記憶の中の幼馴染に
現実世界で出会って戸惑う。
義憶だと分かるので接触を拒むが、そうと
知りながらもどうしようもなく彼女に惹かれて
しまう。

義憶の中の幼馴染が現実に現れてしまった理由。

僅かな関わりから始まって、深く繋がってゆく、
あまりにも優しい優しい嘘の物語。

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