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架空の青春の記憶を植えつけられた青年は、その夏、実在しないはずの幼馴染と出会う。これは、始まる前に終わっていた恋の物語。『三日間の幸福』や映画化作品『恋する寄生虫』の著者による最新作、待望の文庫化。電子書籍版の限定特典として、単行本版のさい書店で限定配布されたスピンオフ特別掌篇「聖地巡礼」を収録!
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Posted by ブクログ
実在しないはずの幼馴染という一文の不思議さで手に取りました。実際内容はサスペンス的であり、恋愛小説でもあり、SFでもあって、もし自分が主人公ならどうなっていたか?どうしていたか?。前半と後半の視点の変化にも惹きつけられ、切なく、とにかく自分には異彩を放つ作品でした。
義憶を買える世界。 与えられた義憶は幸せかもしれない。不幸な過去を変えられるかもしれない。幸せとは、不幸とは、そして記憶や運命について。 とても面白い作品でした。
三秋縋さんの本の中で1、2を争うくらい感動した。映画化して欲しいとも思った。この手の話を作るのが上手いなと思った。
記憶というのは曖昧で、自浄作用で人知れず美化されがちである。私自身、今までの人生は何だかんだ良いものだったんじゃないかと思い込んでしまっている。 そして本物語の義憶も似たようなもので、都合の良い記憶を勝手に当て嵌め、何だかんだ幸せだったという思い出に作り替える自己満足である。しかし、当然のことなが...続きを読むら、この義憶には自己満足意外にも利用法があった。果たしてあなたの記憶はあなたが自分で都合良く整理したものか?はたまた、他人に操作されたものか? そしてその真実を知ったとき、その記憶を信じるかどうか。どこまでも曖昧な記憶に真実と妄想を隔てるものはなく、最後は「どちらが好みか」で選ぶしかない。 ただ一番大事なことは、その選択の先にあるものであり、必ずしも選択をする必要はないのである。 曖昧な事柄に触れているからこそ本書は難解で面白かった。
偽りであっても本物であってもここまで想える相手がいるのは幸せなんだと思う。 二人とも救われたとても優しい嘘に心温かくさせられました。 僕はハッピーエンドだとおもっているけど三秋さんの作品は辛いのに最後には登場人物がとても幸せそうでいつも気持ちがぐちゃぐちゃにされる。「君の話」も心に刻まれた大切な作品...続きを読むになりました!
読み進める手が止まらなくて、ワクワクしてページをめくった。 B面からは最後までずっと切なくて、読後もしばらくは忘れられない切なさだった。心が温かくなるけど、痛さもあった。
儚く美しい呪い
私は読書家ではないですが、ページをめくる手が止まらず、1日で読み切ってしまいました。それほどに人生観を変えた作品です。 読み終わった後、数日間余韻が残り続け、胸が苦しみました。私はこの本を捨てることもできないまま、本棚で表紙を見る度に苦しみ続けるのでしょう。 「私ね、こういうのって、一種の呪いだと思...続きを読むうの。」
#泣ける #切ない #感動する
読み進め手が止まらなかった。 登場人物が少ないからこそ世界に千尋くんと灯花しか居ない感覚で読むことができる。 三秋縋の書く死は透き通っているように感じる。 読み終わった時、心が空っぽになって澄んだ気持ちになった。
一本の映画を観終え、観客席で吐息をもらして立ち上がるのが緩慢になるような読後感でした。 エターナルサンシャインのような雰囲気を感じて余計にそう思えてしまったのかもしれません。 今作も他の三秋さんの作品同様に落とし穴の中で安寧を見出してしまう退廃的な人間に刺さる内容でした。 最近物語ばかり読ん...続きを読むでる自分に対して「こんなことしてて意味あるのか?」と疑問を感じていました。そんな疑問のなか本作を読んで自分の人生で欠落しているものを補うために読んでいることに気付き、さらに物語の終わりに疑問へのひとつの解答を得たように感じました。本当に三秋さんの作品は自分にとって劇薬であり、定期的に接種しないと現実をもがけないんですよね。それが毒であるとはわかってるんですけど。
紹介文にある通り、出会う前から続いていて始まる前に終わっていた恋の物語でコンセプトがおもしろいし、記憶の消去、補充に関する話でそう遠くない将来存在し得えそうで自分だったらこの薬を飲んであの忌々しい記憶を消してしまうのかなと想像しながら読んだ。
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