無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「賭けをしませんか?」と受話器の向こうの女は言った。 「十二歳の夏、あなたは初鹿野さんに恋をしました。しかし、当時のあなたにとって、彼女はあまりに遠い存在でした。『自分には、彼女に恋をする資格はない』。そう考えることで、あなたは初鹿野さんへの想いを抑えつけていたのです。……ですが、同時にこうも考えていました。『この痣さえなければ、ひょっとしたら』と。では、実際に痣を消してみましょう。その結果、初鹿野さんの心を射止めることができれば、賭けはあなたの勝ちです。初鹿野さんの気持ちに変化が起きなければ、賭けは私の勝ちです」
...続きを読むPosted by ブクログ 2017年03月27日
これさえなければ…という自分の欠点を消してもらう代わりに恋を成就させる賭けなんて、どこからどう見ても人魚というよりも悪魔。
でも、確かに“~さえなければ、~であればもう少し~になれるのに”とは何度も考えたことがある。
大事だからこそ自分は彼女に恋をする資格がないと考えるなんて、健気だがもどかしい。...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月26日
三秋さんの作人には毎回,人としての生を考えさせられるものがあります.この作品では,人の心の醜さを思い知りましたし,逆に心の綺麗さを思い知りもしました.私たちなんて外見だけで,本当は中身は同じなのに,その外見によって大きく生き方は左右され,その人の一生は決まってしまいます.『人は見た目が9割』て本もあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月08日
少年深町陽介と彼の幼なじみ初鹿野唯が、小学校から高校までの互いの時間軸の中、顔の痣に関する出来事の中で動くストーリー。
受話器の謎の女の賭けに乗るかたちで新生活をスタートさせた深町。不良だった中学時代の過去を捨て、平凡な高校生になるはずが…。
彼を取り巻く環境、関わる人物、そして変わってしまった初鹿...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。