三秋縋のレビュー一覧

  • 恋する寄生虫

    Posted by ブクログ

    三秋ワールドの素晴らしさを言葉で表すのは難しい。
    強いていえば、「100パーの彼女」を描くのが抜群に上手く、またそれをどこまでも自覚的に書いているのが良い。 さらにそれが胸を打つ巧みな情景描写によって美しく飾られているのが素敵。
    今回のヒロイン達にしても悶えてしまうほどのキラーフレーズの数々がたまらなかった。

    孤独な生を送る2人が、寄生虫のはたらきによって運命的で作為的な恋に落ちる話。
    思考も恋情も脳内物質の働きにすぎないのであれば、それが虫やウイルスによるものであろうと本質に変わりはないのだと思う。主観こそが世界を構成する全て。
    終わり方は心残りがあるが、あえてあのエピローグを書くことにこ

    0
    2025年12月15日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    死を通して生を逆照射する


    若いときに読みたかった。自分の出来ることとできないことを早く知ることができたと思う。
    凄く面白い。考えさせられる。若いときでは反発してしまって読めなかっただろうけれど。自ら地獄を作り出す馬鹿とはまさに自分のことだと思い知ると頭が痛い

    0
    2025年12月08日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    あなたのいない長い年月よりも、あなたがいる三日間を選ぶ。とても美しい愛だと思った。
    他人には見えないはずのミヤギをだんだんと周りが受け入れていって理解者ができていくところもいい。死ぬ間際になったから世界が優しくなるわけではない、と作中では言いつつ自分が変われば世界は優しくなることはあるのだと。人間なんだかんだ一生懸命で幸せそうな人には甘いのかもしれない。

    作者の後書きもいい。『馬鹿』とは『自分が幸せにならない』と思っていること。

    0
    2025年12月06日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    小説にハマったきっかけの本。
    シンプルに感動するからオススメ。
    とにかく感動したい人は読んでみてもいいかも。

    0
    2025年12月02日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    自分の人生、命について深く考えさせてくれた。
    「こんなにも素晴らしい世界に住んでいたのに」なんて死ぬ間際に思うことがないように、後悔がないように生きていきたい。
    どんなに自分は不幸だと思っていても、それはただの自分の思い込みにすぎないわけで。どんな人間にも愛してくれる人は必ずいるし、チャンスはいくらでもある。何かをきっかけに人は必ず変わることが出来る、そんなことを思わせてくれる作品だった。
    クスノキとミヤギ、2人の心情の変化が非常に上手く書かれていたし、作品にすごく入り込みやすかった。伏線回収も完璧。自分が上手くいっていない時はもちろん、逆に上手くいっている時にも読んでみたいと思った。人はい

    0
    2025年11月28日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    【自分自身の残りの人生について考えさせられた】
    残りの人生を売ってしまった。その彼は、絵を書くことが好きだったが、全員に好かれる絵を書こうと思うと、絵を嫌いになってしまった。自分が好きな絵を書くこと。

    そして、何か特別な事をしようとするのではなく、目の前の事に対して「堅実に行う」。これが人生をよりよくしてくれる。

    身近な人のSOSを感じ取ることもできる。特別な事をしてやろうと思うのではなく、堅実な事を行う。

    【活かせる事】
    ・生きれる日数が決まっている→必死に生きようとするし、人生に意味を見出そうとする。
    =
    ・作業の締切を決めている→その時間までに必死に終わらせようとする。

    ・目の前

    0
    2025年11月28日
  • 君の話

    Posted by ブクログ

    実在しないはずの幼馴染という一文の不思議さで手に取りました。実際内容はサスペンス的であり、恋愛小説でもあり、SFでもあって、もし自分が主人公ならどうなっていたか?どうしていたか?。前半と後半の視点の変化にも惹きつけられ、切なく、とにかく自分には異彩を放つ作品でした。

    0
    2025年11月27日
  • 君に贈る15ページ

    Posted by ブクログ

    15周年に掛けた作品や単純に短編小説として書いている作品が入り混じっていて楽しく読んだ。

    綾崎隼先生の「15年後もお互い独身だったら結婚しようねと約束した二人の物語」がよかった。

    0
    2025年11月21日
  • さくらのまち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あらすじを知らずに読んでみたら、お勧めする人が多いのも納得の、すごい作品だった。読み終えてもぐるぐると登場人物たちの未来や、自分だったらどうしたか、考えてしまった。まず設定に驚いた。でも監視社会がもっと進んだらこんな世界もありえないとは言えず恐ろしい。
    知らない番号から主人公のもとに、過去のトラウマに関係のある女性が自殺したと告げる電話がかかってくるところからストーリーが進み始めるので、彼女に何があったのか、そもそも主人公とどんな関係にあったのか、どう展開していくのか予想がつかずどんどん読み進められる。だんだんとこの世界の仕組みが明らかになっていき、いくつも衝撃の事実が浮かびあがる。とにかく悲

    0
    2025年11月14日
  • 君の話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    胸が苦しくなる作品だった。
    孤独な2人の愛の物語,
    後半、灯花がいなくなってしまった所から、
    千尋と灯花ふたりの視点での物語を読んで、胸がギューっと苦しくなった。

    言葉にするのは難しいけれど、
    孤独の苦しみと記憶の儚さ大切さ偉大さを感じた。
    自分の身に記憶が無くなることなんてないし、
    友人も彼氏も両親もいて人間関係も良い
    些細な出来事を心に刻むことは特になく、
    ただ、毎日を過ごしている。うーん、なんというか
    この本を読んで日記をつけようと思った。

    最後の灯花に記憶を話すシーンでは大号泣。

    この作品の色々な方の感想を読んでいたら、
    1つの映画を読み終わったようなと書いてあった
    ほんとにその

    0
    2025年10月16日
  • 恋する寄生虫

    Posted by ブクログ

    脳に新種の寄生虫を宿してしまった少女と青年のお話?
    自分の行動は本当に自分の意思で行っているのかと少し怖くなりました。

    0
    2025年10月08日
  • 君の話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夏の終わりに読み返そうと決めていた一冊です。
    〈百パーセントの相手と出会えていないなら、その相手をつくってしまえばいい〉
    ということで、孤独な少女と孤独な少年の、出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた、恋の話。

    すべてを読み終えてから冒頭の引用に戻ると、すごくしっくりくる。若き天才義憶技工士の灯花による、どこまでも切実で独りよがりで愛おしい最初で最後のたくらみに胸が苦しくなった。
    最後から二つの章がそれぞれ「君の話」「僕の話」と題されているのだけど、ここで物語がひっくりかえる感じは、悲しくもあり救いでもある。
    真相を明かさずに閉じてしまったとしても、それはそれでメリーバッドエンドの余

    0
    2025年10月08日
  • いたいのいたいの、とんでゆけ

    Posted by ブクログ

    何度も読んでいるがラストシーンをいつも忘れてしまう幸せな脳味噌のおかげですごく楽しめた。ドブ川でのセリフは霧子と同じ類の"落とし穴"に落ちたことがない人は共感出来るんだろうか。似た境遇を経験した人なら分かると思うけどあれは間違いなく救い。あとどの作品もそうだけど三秋作品は作者の妄想と思想がふんだんに詰め込まれていて面白い。小説として面白いのが正義でで作者の思想なんて不要だとは思っているけど、それが明らかに全面に出ていてもそれが邪魔になってない。

    0
    2025年09月08日
  • 君の話

    Posted by ブクログ

    義憶を買える世界。
    与えられた義憶は幸せかもしれない。不幸な過去を変えられるかもしれない。幸せとは、不幸とは、そして記憶や運命について。
    とても面白い作品でした。

    0
    2025年08月17日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    めっちゃ良かったーーー
    声出して笑っちゃうところもあるし最後はポロッと涙流れちゃうし!!最初は三日間の幸福って意味分からなかったけど読み終わったらほんとにぴったり!!

    2人が出会えて良かった!

    0
    2025年08月13日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    めちゃくちゃ良かった。結末を描かないのも想像が広がって良い。中学高校辺りで読んでたらこんな出会いを夢見てしまうかも…笑

    0
    2025年08月10日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    別れが連れてくる美しさに溢れている小説だった。三秋先生の小説は初めて読んだが、登場人物の心境の変化を書くのが上手すぎる。言葉の端々から夏の匂いを感じて胸が詰まった。

    0
    2025年08月09日
  • 恋する寄生虫

    Posted by ブクログ

    すごく、久しぶりにこんな初心な小説読んだ!読んだ後にスターティングオーヴァーの主人公となんか真逆だと思った。

    0
    2025年08月07日
  • さくらのまち

    Posted by ブクログ

    表紙の絵が全てを物語っているような気がします。
    雪降る町の中で微笑む少女。後ろには踏切が見えています。あの時の踏切か‥‥。
    一冊まるまる、こんな雪の降る灰色の空のような、どんよりとした雰囲気です。文章一つ一つが、開けっぴろげではなく抑えられていて、主人公達が中学生とは思えない重さ、灰色感を演出しているのです。
    中学生の頃の親友と好きな人。どちらも唯一無二の存在で、出逢えたことが奇跡で、いなくなるなんてことは想像することさえ辛い。
    自分にとってのそんな存在が、偽りのものだったとしたら‥‥中学生じゃなくたって、大人だって気が狂ってしまうほど苦しい。
    なんて残酷な設定なんだ、と思いつつ読んでいたので

    0
    2025年08月06日
  • 三日間の幸福

    Posted by ブクログ

    生きる上で大切なのはお金か、時間か、寿命か、多方面で考えさせられる本だった。タイトルの意味を最後に知ることができたのも素敵だった。

    0
    2025年08月06日