三秋縋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ちょっと違うかも知れませんが、自分の青春時代に流行ったセカイ系作品を読み終わった後と同じ、なんとも言えない読後感を味わえました。主人公とヒロインにとっては世界以上に大切な出来事があったのに、世界は何も知らないし変わらないというこのモヤモヤ感が心地良いんですよね。SFガジェットの活かし方も素晴らしいですし、この作品大好きです。
キャラもセリフも、設定も、ストーリーもめちゃくちゃ刺さったんですが、特に好きなところは、死の恐怖に直面した際に灯花が放った「私の死後、その死を嘆き悲しみ、一生消えない傷として心に刻みつけて欲しかった」という嘆き。その後、彼女のしたことを含めてあまりにも自己中心的な想いだ -
Posted by ブクログ
痣。 顔の右側に青白くあるそれのせいで僕の人生は醜く歪んでいた。
「賭けをしませんか?」 公衆電話の向こう側からの提案、それは自身の醜さのせいで諦めた初恋を叶えるというもの。 斯くして僕の痣は消えた。
1994年夏、三年ぶりに出会った彼女は自殺を図り、その顔には僕と同じ痣があった。
粗筋だけで面白い。 もちろん本編も面白い。
「痣」という大きなコンプレックスによって諦めた過去の恋を謎の電話主からの提案で取り戻しに行くというストーリー。 しかし初恋の彼女には自身と同じような痣が出来ていて、この提案が酷く残酷なものだと気付かされる。 痣を含め自分を素直に受け入れてくれた彼女、立場が逆になっ -
購入済み
綺麗で残酷で悲しいけど温かい、一言では表せない感情が湧いてきます。暗闇のなかで必死に光を探すような二人の生き方がすごく切ないです。すっとするような結末ではないけど、二人にとっては救われた最後だったのではと思います。
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購入済み
生きてますよ
2巻のレビューで書くことではないかもですが、発売から3年ほど経っても続刊の3巻は発売されてません
「楽しみなのに…どうして…もしかして、三秋作品に引きずられて作画担当のloundrawさんが自殺とかしているのでは…」とおもいましたが、ツイッターを更新してるので安心です
3巻楽しみにしてます -
購入済み
面白かったです。主人公が幸福だったのは三日間だけではなかったと思いました。登場人物たちが選択の際、迷いがないところが、読む側からしてもモヤモヤせずに軽く読み進められた気がします。
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Posted by ブクログ
ネタバレを避けるため、あえて本書のあとがきから引用させていただく。
あとがきより
最近、「サマー・コンプレックス」という造語に関する短い文章を書いたら、驚くほど大きな反響がありました。
世の中には「自分は一度として『正しい夏』を送ったことがない」という感覚を抱いている人たちがおり、彼らは夏を強く感じさせるものを見るたび、自分の夏と『正しい夏』とがかけ離れていることを痛感して憂鬱を味わっている……。
こうした傾向を僕は便宜的にサマー・コンプレックスと名付けたのですが、このとき何気なく使った『正しい夏』という一件捉えどころのない言葉が、一部の層の心を掴んだようでした。
多分、これは『正しい春