三秋縋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレジャンルとしては余命ものに分けられると思うが、他の同ジャンルの作品とこの作品が違うのは自ら死期を近づけている点である。そのため、諦めにかなり偏っている。多少は描かれるにしろ、通常の余命ものと比べると死期を悟ったがゆえの行動力や衝動性さまざまな葛藤や逡巡というのはあまり描かれない。しかし、ミヤギとの関係が発展していくにつれ、何をしたいかがはっきりとしてくる。無価値な30年よりも、自分だけが有意義な30日間よりも他人のために生きて残った3日間がクスノキにとっては価値のあるものだった。
ヒメノとの関係が深く描かれていくと思ったけど、そうでもなかった。 -
Posted by ブクログ
孤独と不安だらけの二人が
少しずつ心ひらいていくお話。
前半はめっちゃ暗くて
読んでるとこっちまでしんどくなるくらい。
でもその暗さがあるから
後半の変化がちゃんと心に響くし
二人の成長がまぶしく見える。
恋愛小説というよりは
「人とつながる怖さ」とか
「自分を認めるむずかしさ」を
じっくり描いた作品って感じ。
だから甘々な展開を期待すると
ちょっと物足りないかも。
心理描写がリアルで
キャラの気持ちがちゃんと伝わるし
共感できる人は多いはず。
展開は少し王道だけど
それでもページをめくる手が止まらない。
読後は切ないのにどこかあったかくて
考えさせられる余韻が残る。
暗めの物語や人間 -
Posted by ブクログ
うーん、怖い。ただただ怖い。『サクラ』は出会い系であったり、普通に存在するけど、このシステムがこのようなカタチで根付いていると、人間不信に陥ってしまうだろうなと思う。
尾上の元に一本の電話が入る。『高砂澄香が自殺しました』。高砂澄香とは、尾上がかつて一番愛した女性で、一番憎んだ女性だった。
高砂澄香が本当に死んだのかを確認するために昔住んでいた『さくらのまち』に戻り、澄香の家の前に行くと、そこに澄香と同じ顔をした女性が立っていた。
澄香の妹の霞だ。やがて、尾上は霞のプロンプターに指名される。プロンプターとは、自殺志願者に寄り添い、自殺をさせないようにする友だちのフリをする『サクラ』 -
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Posted by ブクログ
今をときめく作家による、15ページずつの短編集。斜線堂有紀の作品で本文最後に「仕掛けが分かった?」と聞かれ、うむむわからん、一番気になりました。わかったことといえば前半の世界狭いうちは使う文字に制限かけてあること、だから、「私」はなくて、「I」。「難しいかもよ」じゃなくて、「むずいかもだよ」。彼の名前は「 」。これは10文字、または空白入れて9文字なのかなぁとかなり考えたけど、思いつかなかった。「しゅうとう」「ねんどう」「ごとう」「うとう」/「しゅうじ」「しゅうと」「しゅんご」「しゅうご」とか?でも適当な名前じゃ意味はないしなぁ…。
されど世界の終わり 三秋