三秋縋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
突然鳴り出した公衆電話から始まるちょっと不思議なストーリー
いやあ、公衆電話、最近見ないよね
こちらは2015年の作品ということでね
10年前はそこら中に公衆電話、電話ボックスがあったんだよね
懐かしいわ〜
そして電話ボックスと言えば、チャララチャッチャチャ〜♪「もしもボックス〜」というわけでね
ドラえもんですよ!
「もしもの世界を叶えてくれる」不思議道具ですよ!
( ゚д゚)ハッ!
この作品も、三秋縋さんお得意のちょっと不思議な世界設定で繰り広げられる淡い恋の物語なんだが、主人公の男の子には顔半分を覆う痣があって、それがコンプレックスとなり好きな女の子をあきらめていたけど、公衆電話に突然かかってきた電話に出たことで、その痣が消え…という始まり
いやもうこれ絶対「もしもボックス」だわ
そして「もしも顔の痣が消えていたら〜」で始まる恋の物語は下巻に続く!
果たして大山のぶ代さんの登場はあるのか?!(絶対ないわ!どんな立ち位置やねん!) -
Posted by ブクログ
ネタバレ三秋縋さんの作品は、「恋する寄生虫」に続き、2作品目でした。話の展開が面白く、引き込まれていくような作品であったと振り返ります。
クスノキとヒメノのエピソードは、切なく、ヒメノもまたSOSを出していたところは、胸にジーンとくるものがありました。ヒメノは、本当はクスノキの前で死ぬつもりだったことは、恨みが出ていたことで、2人の関係がこじれた感じでした。ヒメノの助けの求めに応じなかったが、今こうしてクスノキが現れたことが、憎かったんだなと思いました。
その一方で、クスノキは、監視員のミヤギと交流をして、距離が縮まっていきますが、ミヤギが他の人から、見えない存在であるため、不審がられるところは、独特でした。
最後、クスノキは、ミヤギの借金をなくすために、奮闘しますが、ミヤギは突如クスノキの前から姿をくらまします。
と、思ったら、クスノキもミヤギも寿命を売り払い、残り3日間となったところで、ミヤギは、現実にいる人として、現れることになり、クスノキと最後を過ごすことになります。これが、タイトルにつながるのだとしたら、しみじみときました。
ミヤギが現れる場面は、「奇跡が起きた」というよりも、二人がお互いを選び合ったことが何より大きい場面だと感じました。
それまで主人公は、自分には価値がないと思い込み、人生を諦めていました。でも、ミヤギと過ごした時間の中で、「この人と生きたい」という気持ちが生まれます。
そしてラストでミヤギが現れた瞬間、「残り時間がどれだけ短くても、一緒にいることが幸福なんだ」という作品のテーマが一気につながります。 -
Posted by ブクログ
架空の青春の記憶を植え付けられた青年は、その夏、実在しないはずの幼馴染と出会う。これは始まる前に終わっていた恋の話。
『義憶』という架空の記憶を植え付けることで、過去を捏造することができる世界。虚構を憎む主人公の天谷千尋が、実在しない幼馴染に思いを寄せてしまい、その思いと葛藤する様がとても切なかったです。
なぜ架空の記憶を植え付けられたのか、また夏凪灯花は架空の人物なのかというミステリー要素もあり、ラストは思いがけない展開でした。
三秋さんの作品は初めて読みましたが、浮遊感のある世界観と三秋さんの文章がマッチしていて、とても良かったです。 -
Posted by ブクログ
三秋さんの新作が出たと聞き、本屋に駆け込んだのに一年以上読めてなかった。活字に苦手意識のある自分ダメだなあー、読も読も
最近また読書を始めて読むことにした。
決してハッピーエンドにはしないけど、残された者に生きる意味を見出してくれる核の部分が三秋さんの中でずっと一貫していて好きだな。
この物語ではサクラ制度があるけど、この世の中こういうことって透明化で行わられ続けていることだと思ってる。
自分の利益の為に誰かを欺いたり、演技したり。
もちろん誰も教えてくれないけど。
その上で自分はこの人を信じようとか、この人を好きだなと思えるかどうかっていうのは結局自分の軸次第だなっ思った。
相手がどんな人間であろうと、その人に対する自分の気持ちが揺らがなければ、人はまっすぐ向き合えるような気がします。
それは怖いことかもしれないし、勇気のいる事かもしれないけど、そうやって軸のぶれない自分を作ることが偽りだらけの世の中では大切なんじゃないかなと思いました。
単純に私が、美和さんサイドの考え方していて根本明るいからっていうのもあるけど。
久々に読む三秋さんの文章はやっぱりとても良くて、本当に空気感とか季節の匂いを感じました!
始めて読んだのは小学生の頃で、当たり前にその頃から価値観も考え方も変わっているはずだけど、これが好きだなあって思える感性が自分の中で健在だということが、とても幸せ! -
Posted by ブクログ
ネタバレこんな形で、本の題名が回収されるとは。
とても辛い話だった。なにか救われたのだろうか。
一体、どこまでが彼らの心に残った出来事だったのだろうか。
読み進める手が止まってしまうことが多かったけれど、彼らが触れ合った手の温もりを想像せずにはいられなかった。
とにかく描写が細かくて、とても感情移入できたからこそ、辛かったのだと思う。
辛い話だったけど、彼らの世界、存在を覗き見できて良かったと思う。三秋縋さんはすごい。
こんな悲しくて悔しくて、儚い落とし所があるんだ。
2人の中で幸せならそれでいいと思えた。
あとがきにあった「落とし穴の中で幸せそうにしている人」がまさにこの本のことだと思った。そしてなぜか、この落とし穴を愛したくなる気持ちになるのが不思議で、心が支えられた気持ちになったのは面白い体験だった。