三秋縋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレまったく予想できないラストだった。
人生の幸福は命の長さではない。
頭では分かっていても、やりきれない切なさが残る。
それでもこれは、ある意味とても救いのある幸福な物語の閉じ方だった。
最後の三日間。
二人がどんな時間を過ごしたのか描かれていないことが、何よりいい。
想像の余白がそのまま余韻になる。
そしてこの作品、あとがきがすごい。
実は本編より刺さった。
そこでは「馬鹿」について語られる。
不幸な自分をアイデンティティにしてしまった「馬鹿」。
自己憐憫は唯一の楽しみである。
その馬鹿も「死の直前になって、初めて治るだろう」と語られる。
その理由があまりに残酷で美しく、胸が震え -
Posted by ブクログ
やるせない。
国民がみんな『システム』を腕に装着し生活する世界線。
国家管理のスマートウォッチみたいなもの?
健康管理ができるのはすごくいいと思った。独居老人とか。
でも、それだけではない。「自殺リスク」まで測れてしまい、それを止めるために「サクラ」が派遣される。
少しでも自殺を考えていたら、まわりからの好意や善意がすべてニセモノに見えてしまいそうで怖い。
好意、疑惑、思いやり、策略、色んなものが交じって何人もが命を落とした。やるせない。
もし国家でこんなものを採用するのであれば、絶対に民間にバレないシステムにしないと!
派遣される「サクラ」さんは、日当出るのかな?と、ふと疑問に。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「あの時彼女は本当はどう思ってたの?」の極地を描こうとしているのかなと思った。手錠とプロンプター、サクラ妄想といった特殊な設定はあるものの、皆人間関係において嘘(と意識しないにせよ)や演技を日常的に纏っていない人間はいない。我々の生活と地続きである感触がした。
サクラの存在によって真の友情が破壊されてしまい主人公の数年も暗いものとなってしまったが実は…?と言う話。真相は終盤にかけて怒涛の勢いで明かされるが、澄香も霞も死なないでほしかった…。とくに霞は主人公が救えたのではないかと思うのはお花畑思想すぎるだろうか。両親の影の薄さ(主人公や姉妹の)は異常。娘の命をはなから諦めてる父親に腹が立った。