三秋縋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
メディアワークス文庫創刊15周年記念アンソロジー。
「1人15ページ」という制約のもと、15名の作家がそれぞれの物語を紡ぐ。
この15という枠は単なるページ数だけでなく
多くの作家さんが「15」というモチーフとしても回収しています。企画としての統一感が心地よい。短いからこそ、作家ごとの語り口や発想の癖が読メル一冊。
斜線堂有紀、綾崎隼以外は初読。改めてレーベルの層の厚みを思いますね。
掌編とも言える分量の中で、特に印象に残ったのは綾崎隼「十五年後もお互い独身だったら結婚しようねと約束した二人の物語」。
設定自体はどこかで見聞きしたような“ベタ”なものながら、その王道を真正面から引き受けてロマンに昇華していく語りが魅力的。この作家さんは 他の作品もロマンチック。
もう一つは時雨沢恵一「前略、十五歳の僕へ」。
こちらもモチーフ自体には既視感があるものの、15ページという制約の中に過去と未来の感情を
想定外な落とし所で読めました。
お題のあるアンソロジーって好き。 -
Posted by ブクログ
やるせない。
国民がみんな『システム』を腕に装着し生活する世界線。
国家管理のスマートウォッチみたいなもの?
健康管理ができるのはすごくいいと思った。独居老人とか。
でも、それだけではない。「自殺リスク」まで測れてしまい、それを止めるために「サクラ」が派遣される。
少しでも自殺を考えていたら、まわりからの好意や善意がすべてニセモノに見えてしまいそうで怖い。
好意、疑惑、思いやり、策略、色んなものが交じって何人もが命を落とした。やるせない。
もし国家でこんなものを採用するのであれば、絶対に民間にバレないシステムにしないと!
派遣される「サクラ」さんは、日当出るのかな?と、ふと疑問に。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「あの時彼女は本当はどう思ってたの?」の極地を描こうとしているのかなと思った。手錠とプロンプター、サクラ妄想といった特殊な設定はあるものの、皆人間関係において嘘(と意識しないにせよ)や演技を日常的に纏っていない人間はいない。我々の生活と地続きである感触がした。
サクラの存在によって真の友情が破壊されてしまい主人公の数年も暗いものとなってしまったが実は…?と言う話。真相は終盤にかけて怒涛の勢いで明かされるが、澄香も霞も死なないでほしかった…。とくに霞は主人公が救えたのではないかと思うのはお花畑思想すぎるだろうか。両親の影の薄さ(主人公や姉妹の)は異常。娘の命をはなから諦めてる父親に腹が立った。文体はそっけなく飾らない風だが、内容は重く読後感もすっきりとはしない。
簡単に壊れてしまったからこそ三人で過ごした夢のような時間がこれからも主人公の中で特殊な輝きを持って(もう2人には二度と会えないこと含め)良くも悪くも深く刻まれてしまうが、この後どのように生きていけるのか不安になった。