三秋縋のレビュー一覧

  • さくらのまち

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    ネタバレ

    澄香が何を考えていたのか掴めずに物語が進行するが、最後に鯨井の手記から"尾上を自分のサクラにすることで、自分がサクラだという疑いを晴らして尾上にまた会いたい"という一心で突き進んできたことがわかるのが面白かった。
    腕輪型デバイスで自殺リスクを計測される近未来的で無機質な世界で、孤独だった尾上に澄香が突然好意的に近づいた理由はプロンプターに選ばれたからという推察は合理的で自然に思えるが、本当はただ何かが琴線に触れ、恋に落ちただけという人間的で温かい情動によるものだったのが異質で美しく感じた。
    英語タイトルのA Town of Fake Cherry Blossomsもサクラの

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    2025年08月30日
  • 三日間の幸福

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    ネタバレ

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    メディアワークス久しぶりだなぁ。
    個人的にはもっと長くてよかったよって思うぐらい優しい本。
    書いちゃうのも野暮なのかもしれないけど、もっと丁寧に書いてほしかったって思っちゃうぐらい
    クスノキ君の残り3ヶ月は綺麗だった。

    最初から綺麗に繋がって、「3日間の幸福」に繋がるラストは素敵だった。

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    2025年08月28日
  • 三日間の幸福

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    ダラけてばかりの余生を過ごす程、価値のない時間は他に存在しないと感じた。
    人生は有限だからこそ今を生きる価値がある。そして、期限が分からないからこそ今を必死に行きる姿は美しく、儚い。

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    2025年08月14日
  • 三日間の幸福

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    読みやすくて1日で読み終えたが、今一つな感じ。余り入り込めず泣くまでに至らなかった。
    寿命、お金ともう一つ「時間」と言う発想は凄く良かった。最後どうなるのだろうかと期待したが、自分には合わなかった。

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    2025年08月10日
  • 三日間の幸福

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    男の残り寿命30年分の査定価格は30万円。残された数ヶ月の命をどのように使うのか。
    寿命を売る話はたまにありますが、そこに監視員を置くパターンは斬新ですね。
    答え合わせは無慈悲かもしれませんが、自分の人生を思わず振り返りたくなりました。
    これがハッピーエンドなのかは分かりませんが、本人的にはいい締めくくりだったのではないでしょうか。

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    2025年06月28日
  • さくらのまち

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    あー、そっちの「さくら」かぁ。
    全くあり得ないといえないような、手錠でないにしろ何年か後には似たような状況の世界線もありえるような?
    この世界に身を置くと、自分も疑心暗鬼になるわ。なんとも切ない。

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    2025年06月26日
  • スターティング・オーヴァー

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    ネタバレ

    数年振りに読んだ。
    やっぱり三秋さんの切ない描写がたまらなく好きだな、と思った。
    けど、三日間の幸福に比べて色がないシーンが長すぎて、最後の最後に急に色がつき出す感じ。
    急すぎてなんかこう、追いつけない感じがあった。
    一度読んだから途中で色々思い出してしまったのも良くなかったかな。

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    2025年06月24日
  • 君の話

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    記憶改変技術によって作られた架空の記憶。その中に登場する幼馴染が目の前に現れた。幼馴染との記憶は本物か疑いながらも主人公は恋に落ちていく。後半では女の子目線での恋が描かれる。

    「一度も会ったことのない幼馴染がいる。」そんな一文から始まる存在しない幼馴染の話。記憶を弄る薬を服用したから何が真実で何が嘘かは分からない。複雑で切ない恋。

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    2025年05月21日
  • いたいのいたいの、とんでゆけ

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    自分の身に起きたことを(自身の死さえも)一時的に「なかったこと」にできる少女と、成り行きから彼女の復讐に手を貸すことになった主人公が織りなす、哀しく儚い物語。三秋ワールドの雰囲気や淡々としながら心に刺さるセリフ回しは期待を裏切らないが、同氏の小説の中でも特に悲惨でグロテスクな描写が多く、このあたりに少し入り込みにくさを感じる人もいるかもしれない(自分がそうだった)。主人公とヒロインの抱える闇ゆえに、とことん「救いのない死」の中にいるように感じられ、結末を経ても、重く悲しい気持ちが残った(二人にとっては、改めて素で互いに向き合えて、安らかなものであったとしても)。なお、タイトルの「いたいのいたい

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    2025年05月17日
  • さくらのまち

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    【さくらのまち】

    なんて残酷な世界だろうと思った
    虚しくて切ない…
    人間の弱さ悲しさが胸に突き刺さる衝撃的な小説だった



    この物語の世界では、国民健康管理システムによって健康状態が管理されている。
    そのデバイスは腕輪型で、着用は全国民に義務づけられており〈手錠〉とも呼ばれている。

    自殺リスクが高いと診断された人間には〈プロンプター〉と呼ばれる政府公認のサクラが友人として寄り添い、自殺を阻止する役目を担う。

    欺く側も欺かれる側も、悲しすぎる…


    こんな世界なので「さくら妄想」という病を発症してしまう人も多い。

    〝私を取り囲む人々は、ひょっとしたら〈システム〉によって宛てがわれたプロ

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    2025年05月16日
  • さくらのまち

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    テンポよく少しずつが謎が解き明かされていくワクワク感と爽快感はよし。情報が小出しに出されてノンストレス。
    しかしながら、いかにも中二ワールド全開思考な世界観と登場人物たちが見ていて白々しく、感情移入できない。
    主人公に至っては、酸いも甘いも経験済みの30代くらいかと思いきや、22歳?!そりゃ、18歳の女子高生と並びたっても誰も口を挟まないわけだ。
    20代までに出会いたかった作品。きっと抱く感想も違っただろう。

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    2025年05月09日
  • 君に贈る15ページ

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    15頁じゃ物足りないと思っていたけど、全然そんな事なかった。
    むしろ初めての作家さんに挑戦するには丁度良い長さ。
    『超能力者じゃなくたって』と『世界が十五になる前に。』が可愛くて好きだなあ。
    でも『息継ぎもできない夜に』や『初恋灯籠』のような切なげな雰囲気の短篇も良い。
    『朝の読書だ nyan』はあまりにも微笑ましすぎて、アンソロジーの締めにして大正解だわ。

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    2025年04月20日
  • スターティング・オーヴァー

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    口語体の文章は苦手だ。

    作者の若さ、癖みたいなものが文章から滲み出ているようで、ちょっと苦手だった。

    ただ、

    「今までそうだったから、これからもそうだろう」なんて考えは、捨てちまえばいい。そろそろ、反撃開始といこうじゃないか。

    それは、そうだ。間違いない。

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    2025年04月07日
  • スターティング・オーヴァー

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    誰もが一度は思ったことがあるであろう過去に戻れたらと。主人公は過去に戻ったのがそこでやり直すのではなくあえて過去と同じ生き方をする。途中の
    ダラダラとした文が気になったが、最後の終わり方は個人的には好きだった。

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    2025年03月27日
  • さくらのまち

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    中高生だった頃の青さがあれば
    もっとぐっと切なくなれたのかなー?
    人を救うためのアイテムが
    お互いを疑心暗鬼にさせ、余計に苦しめ
    とても狭い世界の中に
    ずーっと閉じ込めさせていて息苦しかった。
    誰もかれもが自意識過剰で
    独りよがりな感じだし…
    青春も死も
    そんなに特別なものじゃなく
    生というものの一部だったり
    つながりに過ぎないんだよー
    だから生きていこう、と
    年をとった者から言ってあげたい。

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    2025年03月26日
  • スターティング・オーヴァー

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    最高の人生を歩んでいた男が十年時を戻ってもう一度同じ人生を歩もうとするが一つのミスが歯車を狂わせそこからどんどん狂っていく

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    2025年04月01日
  • さくらのまち

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    ネタバレ

    木の桜をイメージして読み始めたので、すぐそっちのさくらかとビックリした。特殊な設定で登場人物の性格もかなり特殊で、そんなことになる?って感じで暗い。

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    2025年03月14日
  • さくらのまち

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    特殊なシステムで、登場人物達が翻弄された印象。
    ヒロインの行動や、ヒロイン妹とのやりとりは気になった。
    もどかしい気持ちにさせられる小説。

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    2025年03月12日
  • さくらのまち

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    ネタバレ

    面白かった。ストーリーというより物語全体の雰囲気が切ない感じで好きだった。特にカスミと凍死の予行練習に至る流れは、物語の転調を予感させるもので読んでいて熱が入った。
    設定や展開には都合が良すぎる点はあるものの特に気にならなったが、欲を言えば、実はスミカがドンデン返しで生きているラストを期待していた。

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    2025年03月09日
  • さくらのまち

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    途中まで全然乗り切れないまま読んで、どこに着地するんだ…と思ったら取り返しがつかない話すぎて読み終わってしんなりしてしまった。
    青春時代にありがちな人を信じられない話から異質な「手錠」の登場、人間関係など後半の展開はかなり面白くてすらすら読み進められるものの、疑心暗鬼を煮詰めた話の行き着く先がこの結末はあまりにも…みたいになってしまった。
    みんな言葉が足りなすぎて、それゆえに取り返しがつかなくなっていくし、少しでも自分をさらけ出せたならこうはなってないんだけど、そもそも心のうちをきちんと話し合えるような人間関係ならこう言った物語は展開しないから、このなんとも言えなさがすごい味がする。
    「3日間

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    2025年03月05日