三秋縋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(学生時代は星5を付けていたと思う)何度目かの再読。学生時代はそんなことなかったんだが、今回読んでいて1番思ったのは『女子高生と恋愛するおっさん気持ち悪いな』だった。ストーリーが面白かろうとこれはどうあがいても変わらない。そしてこういった気持ち悪い話から脱却を図ったのが『君の話』なのでは?と邪推している。たぶん著者は『君の話』以前の作品がもはや社会的に好ましくないのを自覚している気がする。で本題だけど、どうあがいても死へと突き進んでしまう人は実際にいて、本書ではそういった人が寄生虫によって救われているというのが面白かった。佐薙が話す寄生虫の話も面白い。ただ前述したように根幹が気持ち悪いのでこの本を読むことは二度とないんだろうなと思う。ただ過去作は見返していきたい。もしかしたら本書と同じ感想を抱くかもしれないし、自分が好きだった作品の思い出を汚すことになるかもしれないけど当時面白いと感じたのは事実だからそれを確かめに行きたい。そして三秋縋は大好きな作家だから次の作品も楽しみに待ってる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ澄香が何を考えていたのか掴めずに物語が進行するが、最後に鯨井の手記から"尾上を自分のサクラにすることで、自分がサクラだという疑いを晴らして尾上にまた会いたい"という一心で突き進んできたことがわかるのが面白かった。
腕輪型デバイスで自殺リスクを計測される近未来的で無機質な世界で、孤独だった尾上に澄香が突然好意的に近づいた理由はプロンプターに選ばれたからという推察は合理的で自然に思えるが、本当はただ何かが琴線に触れ、恋に落ちただけという人間的で温かい情動によるものだったのが異質で美しく感じた。
英語タイトルのA Town of Fake Cherry Blossomsもサクラの訳が秀逸で素敵。 -
Posted by ブクログ
自分の身に起きたことを(自身の死さえも)一時的に「なかったこと」にできる少女と、成り行きから彼女の復讐に手を貸すことになった主人公が織りなす、哀しく儚い物語。三秋ワールドの雰囲気や淡々としながら心に刺さるセリフ回しは期待を裏切らないが、同氏の小説の中でも特に悲惨でグロテスクな描写が多く、このあたりに少し入り込みにくさを感じる人もいるかもしれない(自分がそうだった)。主人公とヒロインの抱える闇ゆえに、とことん「救いのない死」の中にいるように感じられ、結末を経ても、重く悲しい気持ちが残った(二人にとっては、改めて素で互いに向き合えて、安らかなものであったとしても)。なお、タイトルの「いたいのいたいの、とんでゆけ」は、彼女の心の痛みを取る呪文として、さりげなくも効果的に使われており、最後まで読むと、とても印象深く感じられる。
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Posted by ブクログ
【さくらのまち】
なんて残酷な世界だろうと思った
虚しくて切ない…
人間の弱さ悲しさが胸に突き刺さる衝撃的な小説だった
この物語の世界では、国民健康管理システムによって健康状態が管理されている。
そのデバイスは腕輪型で、着用は全国民に義務づけられており〈手錠〉とも呼ばれている。
自殺リスクが高いと診断された人間には〈プロンプター〉と呼ばれる政府公認のサクラが友人として寄り添い、自殺を阻止する役目を担う。
欺く側も欺かれる側も、悲しすぎる…
こんな世界なので「さくら妄想」という病を発症してしまう人も多い。
〝私を取り囲む人々は、ひょっとしたら〈システム〉によって宛てがわれたプロンプターで、私と親しい間柄を演じているだけではないのか〟
自分以外の誰も信じられない。
全員がサクラに見える。
自殺を阻止する為のシステムが、逆に死へ向かわせてしまうのではないかと思う。
〈手錠〉のない世界でよかったな。
どうか、そんな未来がやってきませんように…