ピエール・ルメートルのレビュー一覧

  • 邪悪なる大蛇

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    ネタバレ

    いろんな目線で話が進んでいき、テンポも良いのであっという間に読んでしまった。感情移入したところで主要人物があっさりと死んでいくのもルメートルらしく面白い。最後どうなるのかと思ったらスッキリ、といったラスト。認知症の殺し屋が認知症の老人に制されるといった発想も面白い。

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    2024年10月08日
  • 天国でまた会おう 上

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    ネタバレ

    三部作の最初の物語ですって。
    舞台は第一次大戦下のヨーロッパ。もう終戦間近で、戦況も大勢は決していて、とっとと終わりたいってな状況。それなのに、最後に一発、ダメ元で手柄を立てようとするプラデル中尉の命令で、絶望的な攻撃に駆り出されてしまうアルベールとエドゥアール。からくも生還したものの、エドゥアールはアルベールを助けるために、顔を激しく負傷してしまう。終戦後パリに戻っても、障害者となったエドゥアールを抱えて、アルベールの生活は貧困を極めます。なぜか、エドゥアールが傷痍軍人向けの年金を受けとろうとしないし、大富豪の子息なのに身分を隠そうとするからです。
    どうも、エドゥアールは親と確執があるっぽい

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    2024年09月27日
  • 死のドレスを花婿に

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    第一章を読んでいて信頼できない&状況もあって倫理観すっ飛んでる系主人公なんですけども…第二章でうわあぁぁぁってなりましたね。
    殺された子供のことを思うとそういうエンドでいいんかいって思わなくはないんだけど、今までの処遇を思うと一概に責めきれもしないという。
    はぁ…一気読み系のお話でした。

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    2024年09月23日
  • 邪悪なる大蛇

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    六十三歳にして現役の凄腕殺し屋マティルド。しかし老いは容赦なく忍び寄り、彼女は自覚しないうちに認知症の症状に侵されていた。少しずついろんなことを忘れ、忘れたことも忘れ、自分の異変に気付かないままに残酷な殺しをやり遂げるマティルド。彼女の行動に危惧を覚えた司令官のアンリは、やがて苦渋の決断をすることになる。スリリングでハードボイルド、さらにブラックなユーモアも魅力的な、これはまさに残酷な喜劇といいえて妙です。
    部屋が片付かない。凶器の始末を忘れる。標的を間違える(この間違え方が酷い!)。いろいろやらかしながらも、殺しの腕自体はまったく鈍っていないがゆえに、マティルドの危険さがとんでもないです。彼

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    2024年09月15日
  • 邪悪なる大蛇

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    ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!
    ピエール·ルメートルは、やっぱりスゴい。11打数11本全てホームラン。
    彼にとって最後のミステリ作品と言っても、感慨に浸っている隙さえ与えないハイスピードな展開。

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    2024年09月05日
  • 邪悪なる大蛇

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    ★5 認知症の症状が出始めた凄腕の女殺し屋… 純真無垢な彼女の恐ろしい犯罪小説 #邪悪なる大蛇

    ■あらすじ
    63歳の女殺し屋であるマティルドは、かつては冷酷非道の凄腕であったが認知症の症状が出始めていた。昔ながらの上司アンリから指示を受けながら仕事を続けるも、徐々に捜査の手が及び始める。アンリはマティルドを心配するが、肝心の本人はアンリへかつて抱いていた恋心が蘇ってしまい…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    人間だれしも元気で健康的な生活を続けたと思ってる。しかしながら時間というのは残酷で平等、着実に老化や寿命はやってくるんです。社会の裏側で生きていた殺し屋が、認知症を患うとどうなってしまうの

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    2024年08月24日
  • 僕が死んだあの森

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    心の拠り所を目の前で喪い、衝動のままに12歳の少年アントワーヌは6歳の子を殺害してしまい・・・・・・おやおや、なんとショッキンな展開。

    一瞬にして自分の人生が狂ってしまう絶望、12歳の少年が背負うには重過ぎる十字架。

    隠したレミの死体がいつ見つかり、どのタイミングでアントワーヌが逮捕されてしまうかというハラハラ感やアントワーヌの抱える地獄のような苦しみ・怯えなどがたまらなく、神か悪魔か・・・運命の悪戯が介入しているかのようなストーリー展開も面白かった。

    一夜の過ちとか何しとんねん、アントワーヌ・・・・・・。

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    2024年07月14日
  • 僕が死んだあの森

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    ルメートルデビューでした。
    吸い込まれるように一日で読み切ってしまった。

    途中で先の展開が気になって数ページめくったら「白旗を掲げた」と書いてあって、見なきゃ良かったなとカンニングした自分を一瞬呪ったけど、思ってたのとは全然違った。これが2011年の章の話。
    2015年の最後のページでは思わず「うぁーーー」と声が出た。

    こんなに集中して本を読んだのはかなり久しぶりな気がする。しばらくルメートル特集になりそう。

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    2024年05月28日
  • 天国でまた会おう 上

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    読み終わったあーー!

    いざ三部作を読み終え
    感じるのは、

    戦争の悲惨さと人々の
    決裂が描かれてるのに、

    読後感が意外に爽やか
    なこと。

    悲惨な状況の中でこそ
    慈悲深い行いが輝くし、

    決裂の先に和解もある
    からかしら。

    パリっ子ルメートルの
    エスプリに富んだ表現
    の数々はさすが。

    ハッピーエンドという
    わけじゃないけれど、

    いずれの作品も読者に
    希望を抱かせる物語の
    畳みかたで、

    その点もまた良かった
    です♪

    0
    2024年04月28日
  • 天国でまた会おう 下

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    ここから始まる厄災の
    子供たち三部作。

    己を利するためならば
    他人の犠牲を厭わない
    将校プラデル。

    彼の犠牲となる一兵卒
    のアルベールとエドゥ
    アール。

    生埋めにされて下顎を
    吹き飛ばされて、

    身も心も息絶えた二人
    が再び息を吹き返し、

    と、まあシナリオは横
    に置いておくとして、

    搾取する者とされる者、

    いつの世にもある憐れ
    な人間模様が、

    心に掻き傷を残します。

    でも物語の畳みかたは
    好きです♡

    この喧騒まだまだ続き
    ます。

    なんてったって三部作
    ですから。

    0
    2024年04月28日
  • われらが痛みの鏡 上

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    あのときこうしてたら
    ああしてたらと、

    正しい選択と間違った
    選択があったかのよう
    に、

    私たちはあとから思い
    返しますが、

    どのように振舞おうが
    けっきょく行き着く先
    に大差はないのではと。

    フランスの歴史が転換
    する激動の時期に、

    戦争という極限の状況
    下で、

    すべては必然であるか
    のように進行する物語。

    千年の時を僅か一瞬に
    感じるような、

    大きな大きな存在から
    眺めれば、

    大河に浮かぶ木の葉の
    ように、

    私たちは運命という名
    の大きな流れに逆らえ
    ない存在。

    極端な喩えをするなら、

    静止画とさして変わら
    ない存在ではないかと。

    三部に及ぶ長大な物語
    の最初と最

    0
    2024年04月25日
  • われらが痛みの鏡 下

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    防衛線を次々突破して
    迫りくる独の装甲師団。

    我さきと逃げ出すパリ
    ジャン・パリジェンヌ。

    街道に溢れる何千何万
    もの避難民。

    そんな歴史的な背景の
    なかに描かれる、

    登場人物たちの数奇な
    運命。

    それぞれの抱く想いや
    様々な感情が渦巻き、

    個々の物語が重層的に
    絡み合い、

    やがて大きなうねりと
    なって、

    一つのテーマへと収斂
    されていく。

    誰か一人でも欠けたら
    到達しえない、

    明るい希望宿す結末に
    向かって突き進む。

    かくも壮大で読み応え
    ある贅沢な作品です。

    三部作ながら一作毎に
    異なる味わいがあって、

    そこがまたいいですね。

    0
    2024年04月25日
  • 傷だらけのカミーユ

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    ネタバレ

    ヴェルーヴェン3部作の最後、これまたあきれるほどの忘れっぷりで我ながら驚いた。それにしても再読して作品の魅力が倍増したように思う。ルメートルの他の長編も久々に挑戦してみようか。

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    2024年01月21日
  • 死のドレスを花婿に

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    ネタバレ

    タダでは起きないヒロインと、よくよく過去を知ると可哀そうな気になってくる犯人とダークホースの父親。
    その女アレックスを読んだ後だったので、なるほど、なるほど!という感じで楽しめた。
    この作家さんはとてもお気に入りです。

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    2023年12月30日
  • 傷だらけのカミーユ

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    昨夜、一気に本1冊読み上げました。
    ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」(文春文庫)。
    身長145センチの警部が主人公で、シリーズ第3作です。
    面白いですよ~!!!
    でも、今日お話したいのはこの本の中にある1つのフレーズです。
    『想像力のない人間はえてして形式にこだわる』
    何かうう~んとうなずかされてしまいます。
    所で、この所寒くて自ら外に出る機会も減り、
    かててくわえて内務大臣の司令であちこち御用達に翻弄されています。
    で、私の実感、『能力のない人ほど惰性に流される』、ジャンジャン!

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    2023年12月20日
  • 僕が死んだあの森

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    小学生、中学生の頃の自分を思い返すと、当時は当然だが未熟で今思い返すと恥ずかしいことばかりある。そんな中で主人公のように事故のような形で人を殺してしまうことが絶対にないと言えるだろうか、そしてあるとしたら、主人公のような人生を歩む可能性もあるのではと思ってしまう。

    人間描写が価値観同じ気がして好き

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    2023年11月16日
  • わが母なるロージー

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    ネタバレ

    カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ。

    三部作で終わりかと思っていたこのシリーズ2作目と3作目の間の時系列でもう1作品発売されていたことを知り直ぐにゲット。
    作者も述べているが、三部作に比べ短い小説なので三半冊だそう。

    面白くて半日とかからず読み終えてしまった。

    ピエール・ルメートルの作品の良さは読みやすさと描写の細さ。
    翻訳者が上手いのかもしれないが難しい言葉がなくすらすらと内容が頭に入ってくる。
    また、カミーユのコミュニケーションを取る相手に対しての洞察力についての表現がかなり細かく面白い。ルイが右手を使うか左手を使うかの流れが以前からとても好き。
    今回は残酷描写はないので苦手な人で

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    2023年09月25日
  • 傷だらけのカミーユ

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    ネタバレ

    三部作の三作目。

    一作目は脳がざわざわし、二作目は爽快感、三作目はなんとも言えぬ複雑な感情を抱いた。

    翻訳者の匙加減もあると思うが、海外の作品としてはかなり読みやすい。作者が心情や状態について本当に小説らしく紡いでるのもあると思う。

    冒頭でアルマンの葬儀で死んだことに衝撃だったが、今作の犯人はマレヴァルだったことだ。
    登場人物一覧にいるマレヴァルに疑問は感じたがこんなにしっかり絡んでいたとは。

    タイトル通り傷だらけのカミーユで終わってしまった。

    三部作全てどんでん返し的な要素満載で楽しめたので今作で簡潔なのが寂しい。
    個人的にはシリーズ物としてカミーユ、ルイ、ル・グエンの物語をもっと

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    2023年08月18日
  • 死のドレスを花婿に

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    ヴェルーヴェン警部じゃないノンシリーズ物。章が変わるとともに様相がガラッと変わる面白さは、この作品でも顕在。
    ヒロインが容赦ない試練に次々と追い込まれる展開は、『その女アレックス』を思い出す。が、こちらの方が先(2作目)ということで、この経験を踏んでアレックスが書かれたんだなと思うと興味深い。つまり、アレックスほどには驚愕度を上回らない。でも発想には恐ろしいものがあり、よくこんなこと思いつくよなぁと脱帽した。

    ヒロインのソフィーは冒頭から追い込まれている。一年前に夫が亡くなったりと不幸が続いただけでなく、精神が不安定で、時折昏睡してしまい、記憶がない時間があったりする。物忘れ、しまい忘れも激

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    2023年07月16日
  • 監禁面接

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    2023.06.03
    もし、「ワタシが今リストラされたら4年後にちょうどアランと同じ状況になる。」
    読み終えてそんなことを思わず考えてしまった。ルメートルにしては流血量が少ないため、そんな妄想を呼び起こす。
    しかし、解説で諸田さんが述べているように、カミーユのシリーズとどちらが「怖い」かというとなかなか判断に迷う。
    違うステージの怖さだからである。血を流すことだけが「怖さ」を表現するものではないとわかる良作。

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    2023年06月03日