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Posted by ブクログ 2023年12月30日
タダでは起きないヒロインと、よくよく過去を知ると可哀そうな気になってくる犯人とダークホースの父親。
その女アレックスを読んだ後だったので、なるほど、なるほど!という感じで楽しめた。
この作家さんはとてもお気に入りです。
Posted by ブクログ 2022年06月09日
執念の物語です。あの「悲しみのイレーヌ」のルメートルの作品。
犯人の執拗さ、丁寧さに脱帽です。
以下、ネタバレありで。
自身の記憶の曖昧さと、それに拍車をかける不可解な出来事の数々。
そして行く先々で、関わる人々が殺されて殺人の容疑をかけられてしまう。
責任能力のない殺人鬼なのか、自分は??という...続きを読む疑惑にますます精神をやられる
ヒロインのソフィー。ところが、実は………
第2章から怒涛の展開でした。え、ソフィー関係ないよね??ってな動機で
どこまでもどこまでもソフィーを損なう「花婿」。
面白かったですけど、いや、コレ普通気づくだろって。
そもそもソフィーも、なんか高等教育を受けた才媛のわりにワキが甘々だし。
全くのとばっちりで植物状態になり、あげく殺されてしまったソフィーの
夫が気の毒でした。
最後はソフィーが反撃するんですが。
フランス人の底意地の悪さを堪能できるお話です。オススメです。
Posted by ブクログ 2022年05月17日
紹介文に『その女アレックス』の原点とあるがまさしくその通りでありました
話のシステムが『その女アレックス』の原形ですよね
章が変わるごとに衝撃の真実が明らかとなり見えてる世界をガラっと変えられる
大掛かりな仕掛け
そして最後に明かされるタイトルの意味
そしてこの作品の肝は犯人が持つ徹底的に理不尽...続きを読むな動機ですよね
もう終始一貫して気持ち悪くて赦せない
だけど最後に罰せられても特に爽快な感じにもさせられない
これで良かったんかな〜?って気にさせるあたりも『その女アレックス』に通じるところでした
Posted by ブクログ 2022年05月11日
第一章を読むときは主人公の女性に降りかかる不幸がメインの話となるため、ページを捲る指が進まなかったが、第三章からはページを捲るのが止まらなくなった。なんとも形容し難い最後だったけど、そうなるしかない感じで終わった
Posted by ブクログ 2022年04月15日
カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズを読んでいたので、この人の作品は面白いはずと読み始めた。中盤の「胸くそ悪いことこの上ない」空気に耐えると、そこから流れが変わった時の爽快感はすごい。でも、ラストはなんとも形容しがたい気持ちになる。実際の人間は、怒りや憎悪の方向へ気持ちを全振りできないのかも。私はこ...続きを読むのラストでそんな事をぼんやり思った。
Posted by ブクログ 2020年11月06日
現代フランス・ミステリの底力を見せつけるルメートル。2009年発表の本作でも繊細且つ大胆な仕掛けを施した超絶技巧が冴え渡り、暗い情念に満ちた濃密なノワールタッチの世界と相俟って読み手を魅了する。
ソフィー・デュゲは、悪夢から目覚め、現実の地獄へと戻る。膝の上には死んだ子ども、レオ。ベビーシッターと...続きを読むして世話をしていた6歳になる男の子だった。その首にはソフィーの靴紐が巻かれていた。レオの家に泊まり込んだ翌朝。まだ子どもが眠っていると信じたレオの母親が仕事に出掛けたのを見届け、自分のアパートへと戻る。身の回りの物を鞄に詰め込み、逃げ出す。行くあてなどない。銀行から有り金全部を引き出す。気を落ち着かせるためにカフェに立ち寄るが、目を離した隙に荷物を盗まれた。その場で知り合った女が好意をみせ、自宅へと招いてくれた。後刻。気付けば、その女が足元に横たわっている。刃物で滅多刺しにされた死体。またしても……。行動が思い出せない。重度の記憶障害。意識無き空白の時間。確かなことは、関わった人間が死に、ソフィーが殺人者であると告げていたことだった。連夜うなされる夢の中では、死んだ夫や義母も、その犠牲者だった。彼女は逃亡するための計画を練る。頬をひたすらに涙が零れ落ちた。
一行目から始まる重苦しいムードは、頁をめくるごとに息苦しさを増す。記憶を失った主人公が殺人を犯していたかもしれないという設定は、格別珍しいものではない。しかしルメートルが有り触れた着想で創作するはずがなく、予測不能の展開で読み手を翻弄する。四部構成の物語は、次のパートに移ると一気に様相を変えていく。導入部での最大の謎は、追い詰められた女は〝狂った殺人者なのか〟とうことだが、極めて異常な語り手(日記)が登場する第二部において事件の背景はあっさり明白となる。だが、本作はここから猛毒を放ち始めるのである。
絶え間なく悲劇に見舞われた一人の女の軌跡。徐々に明らかとなる真相への道程は、最大限の衝撃をもたらすよう緻密に構成されており、物語の核となるこの長いパートの中で、暗鬱な狂気に捕らわれた犯罪者の肖像が分厚く塗り固められていく。或る意味、読み手にとっては試練となるだろう。読み進めることが困難になるほど残酷非道を重ねる鬼畜に対し、フィクションであるにも関わらず心の底から憎悪を抱くであろうから。同時に、心身ともにズタボロとなりながらも、運命に抗い、常に次の一手を見極める女の屈強な精神に驚嘆するだろう。
第三部以降は鋭利なサスペンスを基調にして加速、急転する第四部へと雪崩れ込む。先手を打ち、出し抜く。より狡猾な者が勝つ。結末で鮮やかなツイストを決め、苦いカタルシスの生じる終幕へと導く。
本作の構成は、アイラ・レヴィンの〝あの傑作〟に通じると感じたのだが、殺人者が狂気に陥った要因を解き明かす終盤の流れは、その救いの無さにおいてはるかに凌ぐ。純粋無垢な善など幻想であり、程度の違う狂気を誰もが宿している。それが一旦解放されたならば、利己的な妄想は肥大化/暴走し、己のアイデンティティを満たすためだけに、暴力/破壊衝動を解き放つ。人間はどのように狂っていくのか。醒めた視点を崩さないルメートルの冷徹な筆致は徹底しており、撥ね返された汚辱の罪を背負い、殺人者が最終的には破滅するまでを生々しく描き切る。傑作だ。
Posted by ブクログ 2020年07月02日
ほんと私この人の本好き。まじでおもろい。
始めは読んでるこっちもすごく気分が悪くなる。不安で、体調も悪い気がしてすごく引きずられる。
そんであとはいつもの感じ。わあ面白い続き気になる気付いたら朝!!
最高!
Posted by ブクログ 2020年03月23日
あぁ、すごかったな…一章はこういうお話なのか、なるほど…と読んでいたけど二章で衝撃で、そこからは早く先が読みたくて読みたくてそわそわうずうずしながらページをめくった。
執念があれば(あとお金と時間と知恵も)ここまで人をコントロールできてしまうのか…(可能かどうかはさておき)怖すぎる…!とても満足で、...続きを読むいい意味の疲労感もある読書時間になったなぁ〜。
Posted by ブクログ 2020年02月21日
いい意味で何度も裏切られた
カミーユは出てこないが面白い
シリーズものではなので、ルメートルの他のどの作品の前でも後でも、どのタイミングて読んでも大丈夫
サイコー
Posted by ブクログ 2024年04月12日
記憶障害に苦しむソフィーという女性が、無自覚に殺人を犯してしまい逃亡生活を送りながら心を病んでいく…という話かと思いきや、第2〜3章でまさかの原因発覚、結末は意匠返し。
悪役の衰弱スピードが速すぎで、仕返しがやや物足りないかと思う。
Posted by ブクログ 2024年02月28日
『そのおんなアレックス』の原点と言われるだけあって、全体的なイメージはよく似ている。
主人公のソフィーのイメージが、最初、ぼんやりとしていて掴めなかったと思っているうちにどんどん変容していく感じが。
構成も面白い。
『その女アレックス』を読み返したくなった。
Posted by ブクログ 2023年10月22日
面白かった。個人的にピエール・ルメートルさんの小説は好きなので今回も期待して読めた。
最初は身の回りで不自然な事ばかり起こる主人公とその目線で語られた物語だったが、話が進むにつれ、どんどん雲行きが怪しくなる。最後まで読み進めると話の構成や登場人物の思惑に驚嘆させられた。1本の映画にして見てみたいと思...続きを読むった。
Posted by ブクログ 2023年10月21日
ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった…
ベストセラー『その女アレックス』の原点。
自身の狂気に怯えて涙を流すソフィーの導入部分からずっと目が離せません。フランス発の極上のイヤミスは必見!
Posted by ブクログ 2023年07月16日
ヴェルーヴェン警部じゃないノンシリーズ物。章が変わるとともに様相がガラッと変わる面白さは、この作品でも顕在。
ヒロインが容赦ない試練に次々と追い込まれる展開は、『その女アレックス』を思い出す。が、こちらの方が先(2作目)ということで、この経験を踏んでアレックスが書かれたんだなと思うと興味深い。つまり...続きを読む、アレックスほどには驚愕度を上回らない。でも発想には恐ろしいものがあり、よくこんなこと思いつくよなぁと脱帽した。
ヒロインのソフィーは冒頭から追い込まれている。一年前に夫が亡くなったりと不幸が続いただけでなく、精神が不安定で、時折昏睡してしまい、記憶がない時間があったりする。物忘れ、しまい忘れも激しく、自分自身が信じられない日々。そんな中でもベビーシッターの仕事に就いたのだが、その子が気づけば部屋で殺されていたのだ。ソフィーの靴ひもで首を絞められた状態で。そこからソフィーの逃亡生活が始まるのだが、行く先々で人が殺される。自分が無意識のうちに殺しているのだろうか。追いつめられたソフィーは違法に他人の出生証明を手に入れ、結婚相手を探すことに……。
目次にはもう一人の名が書かれているのだが、彼の側からの回想に入るとその異様な内容に驚愕する。アレックスと一緒でこれ以上は何でもネタバレになりそうで書けない(笑)。
ただ、アレックスと同様にある種の逆転劇はあるよとだけは言っておく。ルメートルの書いた決着に、若干モヤっとしたのは私だけではないと思いたいかな(笑)。
Posted by ブクログ 2023年05月08日
最初はソフィーが犯人かと思ったが認知症の理由も周りの人が死んでいくのも全部ある男が計画的に実行していた。
ソフィーを憎む理由は母親をソフィーの母に殺されたと思ったから。
Posted by ブクログ 2022年10月11日
「ピエール・ルメートル」の長篇ミステリ作品『死のドレスを花婿に(原題:Robe de marie)』を読みました。
「P・J・ランベール」の『カタコンベの復讐者』に続き、フランスのミステリ作品… 「ピエール・ルメートル」の作品は、2月に読んだ『その女アレックス』以来ですね。
-----story...続きを読む-------------
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
その〈偽装〉が「ソフィー」の運命を変える。
フランス産、恐怖の婚活サスペンス。
悪夢に苦しめられるのが怖いから、眠らない。
何でも忘れてしまうから、行動を逐一メモにとる。
それでも眠ってしまうと、死者たちが訪れる。
「ソフィー」の人生は、死と血、涙ばかりだ。
でも、ほんの一年前まで、彼女は有能なキャリアウーマンだった。
破滅への道は、ちょっとしたことから始った。
そしていつしか、「ソフィー」のまわりに死体が転がりはじめたのだった。
でも彼女には、天性の知能と強い生命力が備わっていたのだ。
自ら仕掛けた偽装結婚によって、新たな道を切り開いていくや、ついには、自分を取り巻く恐るべき真実に突き当たっていくのであった……。
歪んだ行為への、正しい対応が生むカタルシス、「ヒッチコック」も驚くであろう斬新な四部構成で読む、脅威のサイコサスペンス。
2009年度フランス国鉄ミステリ文学賞惜しくも次点。
「信田さよ子さん」(『母が重くてたまらない』著者・臨床心理士)推薦!
完全に人を所有するための計画は果たして成功するのか?
男女二人の目を通した見事な構成が残酷で美しい結末を生む。
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『その女アレックス』と同様にテンポ良く愉しめる作品でしたね… 面白かったです、、、
結果的には『その女ソフィー』的な作品でした… 第一部は「ソフィー」の視点、第二部は「フランツ」の視点、そして、第三部と第四部は二人の視点が切り替わりながら、主導権が「フランツ」から「ソフィー」に移っていく様が愉しめました。
「ピエール・ルメートル」って、巧いなぁ… と思いますね。
■ソフィー
■フランツ
■フランツとソフィー
■ソフィーとフランツ
■訳者あとがき 吉田恒雄
■解説 千街晶之
第一部は「ソフィー・デュゲ」という女性の行動を追いながら進行… 順風満帆の人生を送っていた筈の彼女は、いつしか記憶障害に悩まされるようになり、日常の細々とした記憶が失われることが度重なり、苦しみに満ちた日々を送っていた彼女が、ようやくありついたのはベビーシッターの仕事、、、
6歳の「レオ」の面倒を見ていたが、ある日、疲れ果てて眠りに落ちた彼女が目を覚ますと、そこには「レオ」の他殺死体があった… 誰もアパートに出入りした形跡がなく、犯人は「ソフィー」しかあり得ない。
しかも凶器は彼女自身のスニーカーの靴紐… 無意識のうちに、自分は人を殺してしまったのだろうか、、、
窮地に陥った「ソフィー」の逃亡生活がその日から始まる… 夫と母は既に死んでおり、唯一の肉親の父にもそう簡単に連絡を取るわけにもいかない。
「ソフィー」は身元を偽りながら警察から逃げ続けるが… 彼女の行く先々に、次々と無残な死体が転がるのだった、、、
彼女の曖昧な記憶には、「ハンドルに覆いかぶさった血まみれの夫の身体」、「階段の踊り場から義母の背中を押し飛ばした」等々、不穏な過去の断片的イメージが付きまとう… 「ソフィー」は無意識のうちに凶行を重ねる殺人鬼で、自分が殺人を犯したことすら、そう都合良く忘れてしまうものだろうか。
読む側は、彼女の精神が狂気と正気のどちらに傾いているのか判断がつなかい状態で物語は第二部へ… 第二部では「フランツ・ベルグ」という男性の行動が判明することにより、「ソフィー」の行動は「フランツ」により巧みに仕組まれた謀略だったことが徐々に判明、、、
そして、第三部では「フランツ」が主導権を握っているものの、「ソフィー」が次第に真実に気付き、第四部では立場が逆転、、、
天国から地獄へ、地獄から天国へと互いの境遇が乱高下する展開が愉しめましたね… ホントに悪を描くのが巧い!『その女アレックス』の「アレックス」と同様に、本作では「ソフィー」の生き方、そして、その描き方が抜群に巧いですよねぇ。
眼には眼を、歯には歯を… やられたら、やり返す的な展開は、道徳的には受け入れられないと思いつつ、物語だと割り切ってしまえば面白いんだよなぁ、、、
『その女アレックス』との共通点もありつつ、本作の方が、過激な残虐な描写が抑えられているので、読みやすかったですね。
意外な展開と、倫理観を破壊されてしまいそうな行動… これが魅力ですね。
以下、主な登場人物です。
「ソフィー・デュゲ」
ベビーシッター。別名マリアンヌ・ルブラン
「ヴァンサン・デュゲ」
ソフィーの夫。研究者
「パトリック・オーヴェルネ」
ソフィーの父。建築家
「ヴァレリー・ジュルダン」
ソフィーの親友。リヨン在住
「レオ」
ソフィーが世話する男児
「クリスチーヌ・ジェルヴェ」
レオの母
「ヴェロニック・ファーブル」
翻訳家
「アンドレー」
オークション会社社員
「フランツ・ベルグ」
?
Posted by ブクログ 2021年06月19日
読んでて思わず「うわっ」って声を出してしまいました。
ルメートルの作品は面白いんだけど、主人公の境遇が酷すぎて、読んでて辛くなります。どんでん返しがあるはず、と分かってるから読み続けられるのですが。あれだけのことをやってのける動機として、酷い目に遭っていたってことでしょうけど。
Posted by ブクログ 2020年12月25日
4.6
翻訳が男性ということで、殺伐とした文体で、おもしろさを感じられなかった。
ラストのインパクトはいつも大きい。
同じ殺人者になってしまうのは勘弁と思ったけど
自分で死んでくれるんだね。
そして、お金もちになる?
なんて気持ちがいいんだろう。
女々しいのかなこの作者。
後味を綺麗に収めてくる...続きを読む。
よく主人公泣かせるし、女脳なのかな。
ラストの報告書?
普通に納得し、そこで、やっぱり好き!ってなったのに
それも偽物だって? あぁ素敵。(笑)
普通に騙してくれるの好きです。
Posted by ブクログ 2020年10月07日
狂気をここまで見事に書いた小説は初めて出会ったと思ったら、どんでん返し。
たまらん。
ただ、狂気を体験したことないひとには序盤は不快な展開かもしれない。個人的には大好きだけど。
Posted by ブクログ 2020年08月21日
デビュー2作目の作品がこれらしいのだが、ビックリ。
4章からなっていて、第1章で主人公のソフィーが描かれ、
2章ではフランツという謎の人物が描かれ、3章4章では二人が接する場面が描かれるという構造になっている。
アレックス同様 最後にどんでん返しが待ち受けているのではなく、こちらは第2章で早くも「...続きを読むえっ!」となる。
最後の終わり方はもっと徹底的にやっつけてくれると思っていたのだが、意外と優しいやっつけ方で終わったのが物足りなく感じた。
Posted by ブクログ 2019年11月07日
ルメートルの単発作品。
ニューロティックなスリラー小説。
起承転結が綺麗に決まっている。
魅力的な謎を提示し、読者の興味を引き付ける。
ストーリー的には、土曜ワイドや火曜サスペンスにありそうかな笑
以下ネタバレ
ソフィーの章…いわゆる謎の発端部分。ソフィーは記憶の無いままに殺人を犯しているのか?...続きを読むどんどん追い詰められ、ついには逃亡生活を経て打開策として別人として生活を始めるまで。
フランツの章…前の章で描写されていたソフィーの異常行動の種明かし。フランツのソフィーに対する悪意を日記体で、短いセンテンスで描写する。底の知れぬ悪意と、不明瞭な動機が緊迫感を生む。
フランツとソフィーの章…ソフィーの記憶障害の謎が明かされ、フランツの動機も明らかにされていく中で進行する復讐。同時に自分の身に起きた数々の悲劇の真相をしったソフィーも反撃の準備を進める。
ソフィーとフランツの章…ついにソフィーは反撃の機会を掴み、攻守逆転する。フランツは亡き母の診療記録を盗みだし母から自分が疎まれていた事を知り、一挙に精神を病む。更にソフィーによる薬物投与も重なり、母親同様にウェディングドレスを身にまとい自殺を遂げ、莫大な遺産はソフィーが相続する。
最後の一捻りが、フランツにショックを与え、気力を失わせた母親の診療記録は、ソフィーの父親が偽造したものである事が明かされる。なんとも言い難い読後感と余韻を残す。
Posted by ブクログ 2019年07月14日
ルメートル節炸裂!
視点が変わることにより物語が一変。
後半の視点の切り替わりにによる緊張感。
女性主人公ソフィーの強さに感動。
もう一回、その女、アレックスが読みたくなる。
Posted by ブクログ 2023年08月21日
『その女アレックス』の著者ピエール・ルメートルの作品。
物語は『その女アレックス』と似たように1人の女性ソフィー物語から始まる。
ソフィーの記憶障害や過去の近親者の死から彼女に良い感情は抱かないのだが139ページから物語は雰囲気を変える。
ソフィーの忘れ癖や近親者の死はフランツに仕組まれたものだ...続きを読むった。フランツは自殺した母親の原因がソフィーの母親であるとし恨み、そのソフィーの母が亡くなっていたことでソフィーに狙いを変更していた。
フランツによるソフィーへの嫌がらせが想像を超えていてざわざわする。
ソフィーがフランツの正体に気づき、父の手助けもあり、フランツを自殺させることに成功し、ソフィーはマリアンヌのまま生きる。
フランツが弱った理由はソフィーの父による臨床総括。フランツの母は本当にそうした理由で死んでいなかったとすれば、少し複雑。
Posted by ブクログ 2023年02月21日
悪夢に苦しめされて眠れず、何でもすぐに忘れてしまう。思いもよらぬミスをする。幸せなキャリアウーマンだったソフィーは記憶にない奇行を繰りかえし、おぞましい汚名を着せられて逃亡する。
転落して行く女性の軌跡を追うサスペンス小説。
一章は最近気鬱や物忘れ、放心状態などの症状に悩まされているソフィーとい...続きを読むう女性の姿を描いており、ある日目が覚めると、ソフィーがベビーシッターをしている家庭の子どもが首を絞められて死んでいる。記憶がないうちに自分がやってしまったのかと逃亡するのですが、その先々でも次々と死体が転がる事に。ソフィーは狂気と不安に苛まれながらも身分を偽って生きるためある事を計画します。
そこから2章となるのですが、そこでまたがらりとストーリーを取り巻く風景が変わり、おぞましいたくらみが明らかになっていく……。
常人の理解の範疇を超えた動機と偏執的な行為に、気分の悪さを覚える事請け合いです。全編通してぞわぞわとした不快感がありました。
裏表紙のストーリー説明で『その女アレックス』の原点、と紹介されていましたが確かに似た所があるように感じます。
読み進めるにつれ、被害者と加害者が目まぐるしく入れ替わっていくような構成が最たる部分で、どうにもすっきりしないラストなども。
狂気と正気の境を考えさせられます。
イヤミスなど好きだったらおすすめです。
Posted by ブクログ 2021年10月18日
主人公の女性ソフィーは、あることがきっかけで精神的に異常な状態であった。そんなソフィーは、ベビーシッターの仕事の最中、子供が死んでいることに気づき、自分が殺してしまったのだと思い込み、逃亡した。
フランツという男性は、ソフィーの精神を壊した犯人である。フランツは、緻密かつ精巧な手口でソフィーの精神を...続きを読む壊していった。
そんなふたりの過去や、今後の運命を描いた狂気的なストーリー。
フランツの手口は、恐怖を感じるほど緻密かつ精巧で、現実に起きたら精神が崩壊するのも納得できます、、、。
ソフィーの心境の変化や様子がとても明確に伝わってくるような絶妙な表現で、作品の世界観に引き込まれてしまいました。
ピエール・ルメートルらしい狂気的な感じが存分に感じられるストーリーなので、好きな人はぜひ読んでみてください。
Posted by ブクログ 2021年08月14日
2002年5月ソフィーはジェルヴェ家で長男レオのシッターをしていたが、ある朝気がつくとレオはベッドで絞殺されソフィーは記憶が曖昧だったが、心の悪魔が逃げろと叫ぶ。
ソフィーは逃亡するが途中で知り合った女性ヴェロニックにもてなされ自宅に招かれるがここでも記憶障害で気がつくとヴェロニックは刺殺されて...続きを読むいた。
更に夫の交通事故、転落死、バイト先の上司の殺害、ソフィーの身の回りには不幸しか存在して居ない様だ。
ソフィーは何者? 二重人格者? 悪魔の手先?
ソフィーの悪魔的な行動と逃亡生活には原因が有った、、異常なフランツの行動には読み進めるのが辛くなる程に陰湿で執拗で変質的だ。また、ソフィーの過去は聡明で明るい未来が開かれていたが今のソフィーは殺人者で精神異常者だ。どうしたらそんな天から地獄の落差にも等しい転落人生になるのか、、
Posted by ブクログ 2020年06月22日
「その女アレックス」と比較したが故の☆3つであり、本作も読み応え十分。
ソフィーとフランツの心理戦は読んでいてしんどくなる程に。
ストーカーってこんな風に相手(被害者)の肉体、精神、人間関係等を破壊出来るって事に恐怖を覚える。
説明
内容紹介
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
...続きを読む狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。
内容(「BOOK」データベースより)
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。
ソフィーは怯えていた。かつては優秀なキャリアウーマンだった彼女には秘密があった。ときに奇行を起こし、そのことをまるで記憶していないのだ。そのせいでソフィーは職も地位も失ったのだった。自分は正気を失ったのか。恐怖を抱えながらも、高名な政治家の家でベビーシッターをつとめるソフィーだったが、ある日、決定的な悲劇が訪れ、彼女は恐慌にかられて逃亡を開始した。自分は人を殺したのか? 自分は狂気に捕らわれてしまったのではないのか? そんな彼女をずっと見つめるフランツ。彼の暗い歩みとソフィーの狂気の逃亡が交差するとき、おそるべき罠が全貌を明らかにする!
底知れぬ狂気と悪意が織りなす恐怖の犯罪計画。驚愕の四部構成の最後に浮かび上がるのは恐怖の肖像――
あなたの心を凍らせる衝撃と恐怖の傑作サスペンス。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ルメートル,ピエール
1951年、パリに生まれる。教職を経て、2006年、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第1作Travail soign´eで作家デビュー。同作でコニャック・ミステリ大賞ほか4つのミステリ賞を受賞。シリーズ第2作『その女アレックス』は、イギリス推理作家協会賞を受賞したほか、日本で「このミステリーがすごい!」など4つのミステリーランキングで1位となり、ベストセラーとなった
吉田/恒雄
1947(昭和22)年、千葉県生まれ。市川高校卒、フランス文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ 2020年02月21日
最後まで読むとタイトルの意味が分かる。
メイン2人による腹の探り合いは緊張感が走って読んでいてドキドキした。目には目を歯には歯をな感じの動機で犯罪が行われていくのに、折り重なる犯罪の尻尾も掴めないフランス警察どうなってるの?という疑問は残った。完全犯罪で終わるラストなので余計なものはいらないと言って...続きを読むしまえばそうなのかもしれない。
ラストの結末は個人的にスッキリした。ソフィーお前もなかなか狂気だな笑