あらすじ
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。
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Posted by ブクログ
タダでは起きないヒロインと、よくよく過去を知ると可哀そうな気になってくる犯人とダークホースの父親。
その女アレックスを読んだ後だったので、なるほど、なるほど!という感じで楽しめた。
この作家さんはとてもお気に入りです。
Posted by ブクログ
執念の物語です。あの「悲しみのイレーヌ」のルメートルの作品。
犯人の執拗さ、丁寧さに脱帽です。
以下、ネタバレありで。
自身の記憶の曖昧さと、それに拍車をかける不可解な出来事の数々。
そして行く先々で、関わる人々が殺されて殺人の容疑をかけられてしまう。
責任能力のない殺人鬼なのか、自分は??という疑惑にますます精神をやられる
ヒロインのソフィー。ところが、実は………
第2章から怒涛の展開でした。え、ソフィー関係ないよね??ってな動機で
どこまでもどこまでもソフィーを損なう「花婿」。
面白かったですけど、いや、コレ普通気づくだろって。
そもそもソフィーも、なんか高等教育を受けた才媛のわりにワキが甘々だし。
全くのとばっちりで植物状態になり、あげく殺されてしまったソフィーの
夫が気の毒でした。
最後はソフィーが反撃するんですが。
フランス人の底意地の悪さを堪能できるお話です。オススメです。
Posted by ブクログ
どはまり中のピエールルメートル氏。
読んでいるうちに、ソフィーの混乱が伝染して自分まで頭がおかしくなってくるような感じ。
イヤミス!
Posted by ブクログ
4.6
翻訳が男性ということで、殺伐とした文体で、おもしろさを感じられなかった。
ラストのインパクトはいつも大きい。
同じ殺人者になってしまうのは勘弁と思ったけど
自分で死んでくれるんだね。
そして、お金もちになる?
なんて気持ちがいいんだろう。
女々しいのかなこの作者。
後味を綺麗に収めてくる。
よく主人公泣かせるし、女脳なのかな。
ラストの報告書?
普通に納得し、そこで、やっぱり好き!ってなったのに
それも偽物だって? あぁ素敵。(笑)
普通に騙してくれるの好きです。
Posted by ブクログ
ルメートルの単発作品。
ニューロティックなスリラー小説。
起承転結が綺麗に決まっている。
魅力的な謎を提示し、読者の興味を引き付ける。
ストーリー的には、土曜ワイドや火曜サスペンスにありそうかな笑
以下ネタバレ
ソフィーの章…いわゆる謎の発端部分。ソフィーは記憶の無いままに殺人を犯しているのか?どんどん追い詰められ、ついには逃亡生活を経て打開策として別人として生活を始めるまで。
フランツの章…前の章で描写されていたソフィーの異常行動の種明かし。フランツのソフィーに対する悪意を日記体で、短いセンテンスで描写する。底の知れぬ悪意と、不明瞭な動機が緊迫感を生む。
フランツとソフィーの章…ソフィーの記憶障害の謎が明かされ、フランツの動機も明らかにされていく中で進行する復讐。同時に自分の身に起きた数々の悲劇の真相をしったソフィーも反撃の準備を進める。
ソフィーとフランツの章…ついにソフィーは反撃の機会を掴み、攻守逆転する。フランツは亡き母の診療記録を盗みだし母から自分が疎まれていた事を知り、一挙に精神を病む。更にソフィーによる薬物投与も重なり、母親同様にウェディングドレスを身にまとい自殺を遂げ、莫大な遺産はソフィーが相続する。
最後の一捻りが、フランツにショックを与え、気力を失わせた母親の診療記録は、ソフィーの父親が偽造したものである事が明かされる。なんとも言い難い読後感と余韻を残す。
Posted by ブクログ
『その女アレックス』の著者ピエール・ルメートルの作品。
物語は『その女アレックス』と似たように1人の女性ソフィー物語から始まる。
ソフィーの記憶障害や過去の近親者の死から彼女に良い感情は抱かないのだが139ページから物語は雰囲気を変える。
ソフィーの忘れ癖や近親者の死はフランツに仕組まれたものだった。フランツは自殺した母親の原因がソフィーの母親であるとし恨み、そのソフィーの母が亡くなっていたことでソフィーに狙いを変更していた。
フランツによるソフィーへの嫌がらせが想像を超えていてざわざわする。
ソフィーがフランツの正体に気づき、父の手助けもあり、フランツを自殺させることに成功し、ソフィーはマリアンヌのまま生きる。
フランツが弱った理由はソフィーの父による臨床総括。フランツの母は本当にそうした理由で死んでいなかったとすれば、少し複雑。
Posted by ブクログ
悪夢に苦しめされて眠れず、何でもすぐに忘れてしまう。思いもよらぬミスをする。幸せなキャリアウーマンだったソフィーは記憶にない奇行を繰りかえし、おぞましい汚名を着せられて逃亡する。
転落して行く女性の軌跡を追うサスペンス小説。
一章は最近気鬱や物忘れ、放心状態などの症状に悩まされているソフィーという女性の姿を描いており、ある日目が覚めると、ソフィーがベビーシッターをしている家庭の子どもが首を絞められて死んでいる。記憶がないうちに自分がやってしまったのかと逃亡するのですが、その先々でも次々と死体が転がる事に。ソフィーは狂気と不安に苛まれながらも身分を偽って生きるためある事を計画します。
そこから2章となるのですが、そこでまたがらりとストーリーを取り巻く風景が変わり、おぞましいたくらみが明らかになっていく……。
常人の理解の範疇を超えた動機と偏執的な行為に、気分の悪さを覚える事請け合いです。全編通してぞわぞわとした不快感がありました。
裏表紙のストーリー説明で『その女アレックス』の原点、と紹介されていましたが確かに似た所があるように感じます。
読み進めるにつれ、被害者と加害者が目まぐるしく入れ替わっていくような構成が最たる部分で、どうにもすっきりしないラストなども。
狂気と正気の境を考えさせられます。
イヤミスなど好きだったらおすすめです。
Posted by ブクログ
「その女アレックス」と比較したが故の☆3つであり、本作も読み応え十分。
ソフィーとフランツの心理戦は読んでいてしんどくなる程に。
ストーカーってこんな風に相手(被害者)の肉体、精神、人間関係等を破壊出来るって事に恐怖を覚える。
説明
内容紹介
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。
内容(「BOOK」データベースより)
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。
ソフィーは怯えていた。かつては優秀なキャリアウーマンだった彼女には秘密があった。ときに奇行を起こし、そのことをまるで記憶していないのだ。そのせいでソフィーは職も地位も失ったのだった。自分は正気を失ったのか。恐怖を抱えながらも、高名な政治家の家でベビーシッターをつとめるソフィーだったが、ある日、決定的な悲劇が訪れ、彼女は恐慌にかられて逃亡を開始した。自分は人を殺したのか? 自分は狂気に捕らわれてしまったのではないのか? そんな彼女をずっと見つめるフランツ。彼の暗い歩みとソフィーの狂気の逃亡が交差するとき、おそるべき罠が全貌を明らかにする!
底知れぬ狂気と悪意が織りなす恐怖の犯罪計画。驚愕の四部構成の最後に浮かび上がるのは恐怖の肖像――
あなたの心を凍らせる衝撃と恐怖の傑作サスペンス。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ルメートル,ピエール
1951年、パリに生まれる。教職を経て、2006年、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第1作Travail soign´eで作家デビュー。同作でコニャック・ミステリ大賞ほか4つのミステリ賞を受賞。シリーズ第2作『その女アレックス』は、イギリス推理作家協会賞を受賞したほか、日本で「このミステリーがすごい!」など4つのミステリーランキングで1位となり、ベストセラーとなった
吉田/恒雄
1947(昭和22)年、千葉県生まれ。市川高校卒、フランス文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)