ピエール・ルメートルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ピエール・ルメートル『欲望の大地、果てなき罪 下』ハヤカワ文庫。
長篇連作小説『栄光の時代』シリーズの第1弾。
下巻では、レバノンの首都ベイルートで石鹸工場を営む富豪ベルティ家の恐るべき血に塗られた大罪が次々と明らかになり、驚愕の連続となる。ベルティ家の出来の悪い長男で、欲望のままに密かに殺人を繰り返すジャンが一番の悪人かと思えば……
果てなき罪……
一族が次々と窮地に追い込まれ、大切な物を失う理由も理解出来よう。しかし、一族はただでは転ばない。
パリの劇場で女優のマリ・ランプソンが惨殺された事件を巡り、何故かジャンの妻であるジュヌヴィエーヴが警察にジャンを目撃者の首実験の対象に加 -
Posted by ブクログ
ピエール・ルメートル『欲望の大地、果てなき罪 上』ハヤカワ文庫。
長篇連作小説『栄光の時代』シリーズの第1弾。
まともな人物が1人として居ないベルティ家を中心にベイルート、パリ、インドシナを舞台に混沌とした物語が展開する。ミステリーなのか、サスペンスなのか、歴史小説なのか、上巻を読んだ限りでは判然としないが、興味惹かれるストーリーだった。
1948年、レバノンの首都ベイルートで石鹸工場を営む富豪ベルティ家の長男のジャンは父親のルイから後継ぎとして期待されていたが、何をやっても上手く行かず、ベルティ家の稼業から締め出された挙げ句、郵便局長の娘のジュヌヴィエーヴと結婚し、パリに出奔する。
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Posted by ブクログ
ヴェルーヴェン警部三部作の完結編。
カミーユは一作目で最愛の妻を失い、二作目ではなんとか職務に復帰し、今作ではアンヌという恋人を作れるまでに回復している。
そのアンヌが武装強盗に巻き込まれて瀕死の重傷を負うところから始まるが、数日前に親友のアルマンも病死しており、冒頭からすでに傷だらけのカミーユ。
その後も執拗にアンヌの命を狙う強盗犯を追うカミーユだが、アンヌを守るために過去の傷をえぐることにもなったりと、とにかくカミーユが不憫で仕方がない。
作者には人の心とかないのか!と言いたくなるくらい傷だらけ…
今作でも巧みなミスリードで読者を驚かせてくれたし、一作目の因縁にもケリがつけられたと言える