ピエール・ルメートルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「どん底に落ちることになっても、誰かのためになにかを犠牲にできるっていうのは、そういう誰かがいるっていうのは、悪くないと思う」
カミーユの恋人が強盗に襲われ、瀕死の重症。カミーユは彼女との関係を隠し強盗の正体をひとり追う。
カミーユ警部シリーズの完結編。
一、二作目みたいなショッキングな描写は少ないが、一、二作目よりカミーユがやりたい放題でジャンやルイの気持ちを考えると胃が痛かった。
そして、個人的には最終章(三日目)に入るまでなんとなく乗り切れなくて読むのしんど~~~でした……が!三日目で様々なことがわかってきて全部繋がってきもち~~~!!!でした!!
救いがないしやはり誰にも共感できない話であったけれど……。
さて、残すところはスピンオフだけかな?
-
Posted by ブクログ
女性の誘拐事件がおこる。過去のある(イレーヌ)事件で第一線からは遠ざかっていたが捜査することになったカミーユ。
前作とおなじく、物語が進むにつれて謎が明かされていくタイプなので物語を愉しむ人向け。推理目当てで読むと後出し感を感じざるおえないかも。
善悪、真偽、道徳や倫理……この本を読んでいる時は何もかもわからなくなった。
読み終わったが、この物語をまだ理解しきれていない。
真実ではなく正義。どこまでも警察"小説"だ。
お気に入りキャラはルイ。スーパーエレガント冷戦沈着ジェントル!
だけど今作のMVPはアルマンだよ……!!!!!
地獄でアレックスはc'est toi qui t'es fait baiser!つって唾吐いててくれ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレあとがきで知ったけれど、これ災厄の子供たち三部作(未購入)の続きだったんだな……こちらから読んでしまった。いやしかし、それでも面白かった。曲者揃いのペルティエ一家を軸とした圧巻の群像劇。
全員異なるベクトルで狂人というか……。中でもスペック的には最も冴えない長男ジャンが冒頭からさらっと通り魔殺人をかましており、もはや悪癖のように語られるそれに戦慄。しかも弟フランソワは新聞記者で、兄が起こした殺人事件をそうとは知らずに取り上げ、出世街道を邁進するというスリリングすぎる展開。ジャンの妻で毒婦ポジションのジュヌヴィエーヴも絶妙に憎めないところがある。
三男エティエンヌのエピソードだと、シエウ・リン教団のパレードで教祖ロアンの正体に気付くシーンが好きだな〜。サイゴンという異質な街で存在感を示す教団のトップがまさかあの男とはね……。亡き恋人への愛故に静かに壊れていくはずだったエティエンヌが辿る数奇な運命、とても読み応えあった。
末っ子のエレーヌは何と言っても物語最後に母親とサイゴンを訪れた時に見せた、飾らない素のままの姿が1番魅力的なんじゃあなかろうか。憧れのパリで何者にもなれないと藻掻いていたけれど、エティエンヌを想ってなりふり構わず行動できる彼女は強いなと思った。まぁ事の決着を付けた母親が1番強いのは言わずもがな。
これが栄光の時代三部作の第一弾らしいので、新刊を楽しみにしている。 -
Posted by ブクログ
【2026年36冊目】
最愛の妻であるイレーヌを失ったカミーユ警部は、ブランクを経て難解な事件を解決に導くまでに回復していた。女性と関係を持つことなど考えもしなかったが、ある日一人の女性と運命的な出会いを果たし、少しずつ関係性を構築し始める。だが、そんなカミーユに寄り添う新しい女性が強盗犯に暴行されるという悲劇が発生してしまいまい――悲しみのイレーヌ、その女アレックスに続く三作目完結編。
一体全体、カミーユが何をしたっていうんです?作者さんの実生活にカミーユという名の人がいて、よほどいけ好かないとかそんな恨みつらみでも込めてるんですか?と聞きたくなるような悲劇。可哀想通り越して、最早お祓いに行けと言いたくなってくる。
相変わらず見事なプロットで、二日目の途中からおや?と思わされ始め、三日目でひっくり返されました。そ、そう来たか〜!なお、ちゃんと真相はカミーユが整理してくれるので混乱してても大丈夫です。
なんというか、どうして、という気持ちが強い。カミーユ、泣いてもいいんだよ?
三部作の中では、やはりその女アレックスが一番好きですが、完結作も見事な起承転結でした。