ピエール・ルメートルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物全員のキャラが立っていてとても良かった。
何が何でも家族を幸せにしたいがため、ダーティーな手段や、ハイリスクな行動すらも必要経費として取ってしまうアランに周りが振り回されるのが主なストーリーの流れだった。
前半はアランの凄まじい就活の準備に描写が裂かれる。50代後半の自分が、周りの若いエリートを蹴落とすにはこれくらいやらなければならないという覚悟のもと、実の娘から金をせしめる場面の緊迫感はもの凄い。ここまでやるか⁈とは思うが、採用側がアランに「頑張れば受かる」というような期待を持たせる行動をし続けたのがそもそもの元凶であると私は思う。
そんなアランの執念が、最悪の形で裏切られる場面は正に物語の転換点であった。物語の流れの大前提を揺るがす展開に、え?じゃあこれからどうすんの?と読んでいて思わずにはいられなかった。
後半はアランのぶっつけ本番の大計画が始動する。予想していなかった展開にも臨機応変に対応するアランの動きがとても痛快だった。
最後のビターエンドはこれまで好き放題やってきたアランの結末としてとても納得できた。アランは結局、自分の家族に自分が思う『幸福』を押し付けていたに過ぎなかったのだ。それに気づけないまま終わる彼の人物像は最初から最後まで一貫していてブレがない。
総じて、読んで損はない大傑作だったように私は感じた。 -
Posted by ブクログ
インドシナ戦争中のサイゴンが主要な舞台で、上下巻通していわゆる「ピアストル事件」が背景になっている。ベイルートで石鹸工場を営む夫婦と、その3男1女を軸に語られる戦争の傷痕、インドシナ戦争の裏側。ベトミンとフランスの関係。長男のジャンは石鹸工場の後継ぎだが、経営の能力はなくパリへ。フランソワはENSを期待される能力を持つが、彼もパリでジャーナリズムの道へ。エティエンヌは愛した男性レイモンを追ってサイゴンへ。ここで就いた職場、両替局から話は広がる。
途中、第一次大戦末期の記念碑詐欺の話が出てきて、あれ?どこかで読んだ記憶が…というのがうれしい驚き。記憶を辿りつつ、そういうことだったのか、という連鎖を楽しめる。次作が楽しみでもある。 -
Posted by ブクログ
すごいおもしろかった
優しい夫と充実した仕事
人生順風満帆なバリキャリの女性が
いきなり不幸のどん底に落とされ
社会の最底辺まで落ちるところからはじまります
第一部が終わり、これは一体どのように決着がつくのだろうか??と終わりが全く見えないまま
第二部で驚きの事実が発覚し衝撃を受けました
そこからもう本を読むのが止められず
気がついたら徹夜です
そして見事な終結
あんなに終わりが見えなかったのに
とっても綺麗に終わりました!すごい
主人公ソフィーの生きる力が逞しく
こんな状況になっても頭が良いので自分が今何をやるべきなのか
きちんと把握して行動するパワーに尊敬しました -
Posted by ブクログ
面白かった〜
まさかこんなラストだなんて。:゚(;´∩`;)゚:。
そして何より、読みやすいのが嬉しい。
海外ミステリーって、初心者の私にはちょっとハードル高めだったりするの。
でもこれは全く問題なし!
ブク友さん達のレビューから、絶対に読みたかった一冊。
もちろん私はピエール・ルメートル作品初読みです。
63歳の殺し屋マティルドは、体重78kgで厚化粧www
そして、認知症…
その症状に気付いたのは、マティルドに殺しを依頼しているアンリ、70歳。
二人は旧知の仲だ。
マティルドの暴走をなんとか止めようとするが…
作中何度も〝太った高齢女性〟の描写が出てくるが、いざ標的が現れると秒でマグナム弾を正確にぶち込む!
それは美しく無駄のない動き。
冴えわたる五感。
こうした動きは身体が覚えているのだろう。
その場面は、若く美しい殺し屋の姿かと錯覚してしまう。
また、マティルドのアンリに対する少女のような恋心が滑稽で悲しい。
愛しいアンリのもとへ業務用バンを走らせるマティルドの頭の中は、走馬灯のように様々な思い出が巡る…
あぁ、それにしてもいったい何人死んだのだろう。
人はこんなにもあっけなく、この世から消えていくのだ。
その直前まで抱いていた希望や何気ない日常は、パタンと終わりを告げる。
制御不能の殺し屋
恐ろしすぎる
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Posted by ブクログ
おもしろかった‼︎
主人公と同世代の私…思い当たること続々。
やったこと次々忘れる、前のことが思い出せない、まあいいか、と次へいく。
私の忘れるのは洗濯機に洗剤入れたかな?とか、炊いたご飯冷凍したかな?とか、かわいいものだけど、主人公は殺人の武器を始末したかな?とか、死体を処理したかな?とかなので、恐ろしい!
笑えるし、身震いするほど恐ろしい。さらに別の認知症患者が絡んできて、予測不能、まさに奇想天外な方向へと終盤なだれこむ。
私のような高齢読者には思い当たるところありありだし、若い人は若い人で、えっ?こうなるの?と驚きの連続だと思うし、唯一無二のここにしかないルメートルワールドです‼︎