ピエール・ルメートルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フランスの作家ですが、日本ではミステリー作家として有名なようです。私は初めて彼の小説を読みました。
あとがきで知ったのですが、題名は第一次世界大戦で敵前逃亡の汚名で、見せしめとして銃殺された兵士が妻に宛てた最期の手紙の中の言葉、とのことです。
著者自身が言うように、戦争で人生を踏みにじまれた若者たちへのオマージュがこの作品の基調にあります。一方で主人公のエドウアール、アルベールによる社会への反抗が結末で達成され、主要な登場人物それぞれの物語が決着を迎えるところ、活劇のクライマックスのような高揚感を感じました。
”どんな問題にも結末は必要だ。それが、人生の定めだろう。耐え難い悲劇だろうと、 -
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フランスの作家ですが、日本ではミステリー作家として有名なようです。私は初めて彼の小説を読みました。
あとがきで知ったのですが、題名は第一次世界大戦で敵前逃亡の汚名で、見せしめとして銃殺された兵士が妻に宛てた最期の手紙の中の言葉、とのことです。
著者自身が言うように、戦争で人生を踏みにじまれた若者たちへのオマージュがこの作品の基調にあります。一方で主人公のエドウアール、アルベールによる社会への反抗が結末で達成され、主要な登場人物それぞれの物語が決着を迎えるところ、活劇のクライマックスのような高揚感を感じました。
”どんな問題にも結末は必要だ。それが、人生の定めだろう。耐え難い悲劇だろうと、 -
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Posted by ブクログ
悲惨な戦争を潜り抜けた戦友たちが主人公となり物語を繰り広げ、そこに戦争を経て肥え太った元兵士も絡んでくる…といった図式から、オールスンの「アルファベット・ハウス」が髣髴された。
「その女アレックス」で一躍我が国では有名になったピエール・ルメートルの作で、ミステリー仕立てではないが、行く末が気になって焦れてくる巧みな筆運びはさすが。
生々しい負傷の描写などをぼかさず、直截的に書き切るあたりも、"らしい"。
作中世界がとにかく濃厚で、読者は知らないうちにそこにどっぷりと引き込まれてしまっているので、カウントしてみると僅か1年余りのスパンの物語なのだが、なんだか長大な大河作品 -
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売れっ子のピエール・ルメートルの版権を獲得した早川書房は、その快挙に欣喜雀躍したに違いない。ハードカバーと文庫との同時出版となったのもその表れだろう。
しかし、実のところルメートルの作品は、あの怪作『その女アレックス』の登場後、即座に、過去に翻訳出版されていたにも拘わらずその時点では全く注目を集めなかったルメートルのデビュー作『死のドレスを花婿に』、そして少し後にカミーユ・ヴェルーヴェン警部のシリーズとしては第一作に当たる『悲しみのイレーヌ』も出版されるというルメートル旋風が、翻訳小説界に巻き起こることになる。
『その女アレックス』が世界に席巻するルメートルのブームの発端となったにせ -
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Posted by ブクログ
殺人事件ミステリーとは異なるとはいいたいが
殺人は行われて、ただその舞台が戦争(W.W.Ⅰ)。
しかし、犯人探しではなく、戦争を生き抜いた
戦争の中、生き返った・死んでしまったも同然の、
まるで生来持っていた気質が正反対の若者たちが、
戦争と生死を通じて結びつき、
周りの世界は欲望のなか結びつき、
生きながら死んでしまったような若者が
なにやら引き起こしそうな感じで下巻へ。
アルベールは、なんでそこまで、と思うほど
しかし絶対に思うだろう不満も抱きながら
かわいそう、可愛らしくなるくらいに、
献身的で、しかし上手くいかない人生を、
想定の母親の言葉で、ひとりつっこみ。
ままならない、しかし自 -
購入済み
新聞の書評で見て よかった
ネタバレになるので あまり書けないけど、
アレックス ドキドキして、強さに驚き、愛おしくおもい、3部ですべてが分かると 悲しい
出てくる人物もみんな個性豊かなで 優しい
いい
話 今年始めてで 当たりの本でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ本書がピエール・ルメートルの最後のミステリーという売り文句で世に放たれていたのは知っていた。
だが、その後ルメートルの新作らしき本も見かけることがあり、どういうことだ?と思っていた。
なるほど「ミステリー」は最後ということらしい。
他に取り組んでいるという″歴史小説″の方を読んだことないので何とも言えないのだが、別にこれも「誰か分からない犯人が事件を起こして警察なり探偵なりが手掛かりを追い犯人を突き止める」といういわゆる王道なミステリーというわけではなく、ノワールとかサスペンスといった着想や展開の妙で魅せる類の作品。
わざわざ最後とか言う必要あるのかな。
着想はユニーク。
老齢を迎えた主人