ピエール・ルメートルのレビュー一覧

  • 僕が死んだあの森
     ピエール・ルメートル安定のイヤミス感。

     ラストに分かる、コワルスキー氏と母親の関係性、そして事の全てを知っていたという事実、自身の出生…。

     始めに可愛がっていた犬の死、その死に耐えられず意図せず自分を慕っていた子供を殺してしまうシーンは読んでいて胸が苦しくなりました。

     エミリーとの事は...続きを読む
  • その女アレックス
    いやー、驚いた。
    こんな手法があるとは。
    後半の展開は、驚愕した。
    幾多の賞をもらったのも
    頷ける。
  • わが母なるロージー
    第一次大戦時にフランス東部の農地に降り注いだ砲弾の不発弾が、この物語を形作る道具になっている。カミーユ作品の番外編だが、「天国でまた会おう」「炎の色」執筆で得た材料から拾ったという意味でも大戦関連作品番外編でもある小作品。短いから一気読みできる。
    パリで爆破事件が発生し、出頭した青年、ジャンはあと7...続きを読む
  • その女アレックス
    後半の展開、トリックを崩すのは面白かったけど、前半は分かりづらかった。
  • 死のドレスを花婿に
    『その女アレックス』の著者ピエール・ルメートルの作品。

    物語は『その女アレックス』と似たように1人の女性ソフィー物語から始まる。

    ソフィーの記憶障害や過去の近親者の死から彼女に良い感情は抱かないのだが139ページから物語は雰囲気を変える。
    ソフィーの忘れ癖や近親者の死はフランツに仕組まれたものだ...続きを読む
  • 監禁面接
    フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇ミステリ作品『監禁面接(原題:Cadres noirs)』を読みました。
    『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。

    -----story-------------
    『その女アレックス』の鬼才ルメートル、最新作。
    ...続きを読む
  • 炎の色 上
    上下一括感想下巻にて

    しかし、どいつもこいつも……
    嫌なやつがいっぱい!

    読むのが嫌になる……。
  • 死のドレスを花婿に
    悪夢に苦しめされて眠れず、何でもすぐに忘れてしまう。思いもよらぬミスをする。幸せなキャリアウーマンだったソフィーは記憶にない奇行を繰りかえし、おぞましい汚名を着せられて逃亡する。
    転落して行く女性の軌跡を追うサスペンス小説。


    一章は最近気鬱や物忘れ、放心状態などの症状に悩まされているソフィーとい...続きを読む
  • わが母なるロージー
    カミーユ・ヴェルーヴェンシリーズ四作目
    ただし時系列的には二作目「その女アレックス」と三作目「傷だらけのカミーユ」の間

    今作も二作目と同様主に「なぜ」という動機に焦点があてられた作品

    ある意味犯人は加害者でもあり被害者でもあるという可哀想な立場でもあった

    ラストは案外アッサリ

    ページ数も20...続きを読む
  • 天国でまた会おう 上
    久々のルメートル
    あれ、でもこれミステリーじゃないんだねとちょっとがっかり、壮大な復讐劇といったところか

    主人公のマイヤールはなんとなくぐずでのろまな印象、機転が利かないくせに、じっくり考えることもせずに自分からどんどん落とし穴にはまっていくタイプ、人はいいけど全くの善人でもないし

    ヒーロー要素...続きを読む
  • 悲しみのイレーヌ
    カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作の中の一作目

    目を背けたくなるほど描写が結構えげつない
    およそ文章で表現出来る限界までの悪魔の所業

    推理要素と言うよりはどんでん返しに重きを置いたような印象
    まさかの○○○だったとは...

    そして何より救われないラストが何とも言えない気分になる
    次作以...続きを読む
  • 悲しみのイレーヌ
    小説に仕組まれた仕掛けには驚いた、でもその後の展開にもう一捻り欲しかった気がする。

    もちろん衝撃的ではあるし予想はしてなかったけど、好きではないし拍子抜け。

    この捻りのなさが後2作で生きてくることを願いたい。
  • 傷だらけのカミーユ
    「カミーユ警部」シリーズ、第3作目にして最終作。その他、中編はあるものの、時系列としても本作が最終章であるようだ。

    傷つき続け、すべてを失ったカミーユが、再び何もかもを失う物語。それでも残ったものはある、と言いたいけれど、物語が終わっても生きていくことを選んだカミーユの姿は何処までも悲しい。

    ...続きを読む
  • 悲しみのイレーヌ
    ピエール・ルメートルの「カミーユ警部」シリーズ第1作。
    現実と虚構とが入れ替わるどんでん返しはとても良かった(原題『Travail soigne』が意味する「きちんとした仕事」「丁寧な仕事」というのも、主人公の入念な捜査を指すものから、犯人側の積み上げてきた犯行を指すものへと主体が逆転する)。
    仕掛...続きを読む
  • 天国でまた会おう 下
    「ピエール・ルメートル」の長篇作品『天国でまた会おう(原題:Au revoir la-haut)』を読みました。

    『死のドレスを花婿に』に続き「ピエール・ルメートル」作品です。

    -----story-------------
    膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
    真面目な青年「アルベール」は、...続きを読む
  • 天国でまた会おう 上
    「ピエール・ルメートル」の長篇作品『天国でまた会おう(原題:Au revoir la-haut)』を読みました。

    『死のドレスを花婿に』に続き「ピエール・ルメートル」作品です。

    -----story-------------
    膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
    真面目な青年「アルベール」は、...続きを読む
  • われらが痛みの鏡 上
    「天国でまた会おう」の三部作の最終作。

    小学校の教師で週1回レストランでウエイトレスとして働いているエレーヌ。
    レストランに訪れた客の男から、裸を見せてくれと頼まれる。
    逡巡したあげく望みに応じると目の前で拳銃自殺をされてしまう…。

    一方、ドイツ軍の侵攻に備える軍隊の軍曹。
    調子が良く賭け事や物...続きを読む
  • われらが痛みの鏡 下
    (上巻より)

    レストランのシェフと車で逃げる途中で銃撃され、
    シェフを残し見知らぬ赤ん坊三人と逃げだしたときには、
    いったいどうなるのかと思ったが、
    避難所となっていた教会にたどりつき、
    無事だった時には安心した。

    軍隊でずる賢く立ち回っていた部下の男がエレーヌの兄で、
    出生の秘密を知ったとたん...続きを読む
  • 監禁面接
    読み終わった後に、「何かに似てるな...」と思っていたのですが、ドラマのブレイキング・バッドに似てます(賛否両論あると思いますが)。

    ブレイキング・バッドのほうがよりクレイジーだし、失業が始まりだったわけではないけど、これまで地道に頑張ってきた中年男性が、貧乏がきっかけでどんどん邪の道に逸れていく...続きを読む
  • わが母なるロージー
    久々、のピエール・ルメートル。
    そもそもこの本も、だいぶ前に買ってはいたものの、なんとなく冒頭を少し読んだだけで中途半端に放置していた。(←今思うと、趣がそれまでの三部作とちょっと違っていたからかも。)

    比較的先が読みやすい(※悪い意味ではない)中編。猟奇殺人とか謎解きではなく、犯人が確定している...続きを読む