ピエール・ルメートルのレビュー一覧
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パリ警視庁犯罪捜査部カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ、2013年発表の〝番外編〟。翻訳文庫本で約200頁の中編のため、読み応えでは物足りない面もあるが、その分、全編を覆う緊張感はより濃密になっている。比較的シャープなプロットの中に、技巧派ならではのツイストを効かせ、〝三部作〟同様に読後感は重い。
夕刻、パリ市内で爆破事件が発生した。幸いにも死者は出なかったが、テロ行為も視野に入れた大規模な捜査が始まる。間もなくして一人の青年が警察に出頭、自ら犯人だと名乗り出た。ジャン・ガルニエ。不可解にも〝交渉〟相手にカミーユを指名した。仕掛けた爆弾はあと6発。要求は3つ。現在拘留中の実母ロージーの釈 -
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見つけるとすぐさま読むことにしているルメートル。帯にヴェルーヴェン警部の話とあり、巻頭には著者によるこの作品の位置付けなどについての覚書もありました。本来は三部作で完結していてもう書くつもりは無かったそうですがふとしたきっかけで物語の方からやってきたとのこと。事件は深刻で大変なものだしその背景もなかなか救いがたいのですが、時折著者の人格がもの申すような描写もあって、読後感は悪くないです。ちょっとだけ読むつもりが2ページくらいでもう引き込まれて、読むのを止められませんでした。視覚的映像的な描写が見事で、ラストシーンも印象的で一時間くらいの映像作品を見終わったような感じです。
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購入済み
多くの方がおっしゃる通り
先にアレックスを読んでしまうと、結末が分かった上でストーリーを追うことになるため少し残念でした
とはいえ、アレックスとは全く違う仕掛けが施されているため後半に受ける驚きは色褪せることがありません
グロテスクな描写の多さではアレックス以上でしたが、男性でありながら女性の登場人物の造形がとても巧みな作家なので女性読者を多く獲得すると思います -
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Posted by ブクログ
ネタバレルメートルの単発作品。
ニューロティックなスリラー小説。
起承転結が綺麗に決まっている。
魅力的な謎を提示し、読者の興味を引き付ける。
ストーリー的には、土曜ワイドや火曜サスペンスにありそうかな笑
以下ネタバレ
ソフィーの章…いわゆる謎の発端部分。ソフィーは記憶の無いままに殺人を犯しているのか?どんどん追い詰められ、ついには逃亡生活を経て打開策として別人として生活を始めるまで。
フランツの章…前の章で描写されていたソフィーの異常行動の種明かし。フランツのソフィーに対する悪意を日記体で、短いセンテンスで描写する。底の知れぬ悪意と、不明瞭な動機が緊迫感を生む。
フランツとソフィーの章…ソフ -
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Posted by ブクログ
ネタバレさすがルメトール、ストーリーテリングは秀逸。ヒトラーが台頭する混乱のフランスを舞台にした没落貴族女性の復讐劇。ルメトールは、前半はこれでもかこれでもかという悲劇(わが子が車椅子になってしまったり、周囲に騙され資産を失ったり)を描き、後半はこれら騙された相手を秀逸に復讐する物語を描く。これだけの登場人物を魅了あるキャラクターに仕立て上げ、それぞれを絡ませながら、なおかつ面白く描くルメトールに脱帽の一冊。
ただ今までの作品に比べて鈍った印象。登場人物たちが多くてそれぞれの人物の描きわけが短かったり、はじめから全て関係した一つのストーリーだったからだと思う。今までの作品は、章によって登場人物が書き -