ピエール・ルメートルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「天国でまた会おう」がまさかの3部作の1作目だったと知ったときの驚きたるや、筆舌に尽くしがたい。あれはあれで、とてつもなく完璧に完成された一作だとおもっていたから。ただ続篇が出たとなれば、近いうちに買ってしまうだろう気はしていた。「天国~」が一時も目を離せない作品だったのに対し、本作はどちらかといえばじっくり読むのが合っている。単に恨みを晴らしたいだけではないマドレーヌの、失敗できない復讐劇。腹を決めた人間の逞しさは、倫理を度外視させる威力をもつ。そして、注目の第3作ときたら……あの人物が主人公だという!
(“道徳”と書こうとして、いやいやもっとクソみたいなやつがいたではないか、とおもいなおし“倫理”とした。道徳も倫理もさほど違いはない気がするし、その使い方は間違ってますよと言われるかもしれないが、それでもマドレーヌに道徳を説けるか? とおもう。
しょうじき前作のおもしろさでハードルが上がってしまったのか。作品に求めるものを間違えてしまったかもしれない。ただ、第3作目の主人公が誰だかを知り、ぜったいに読む! とは決めた。) -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦場でプラデルの悪事を見てしまったアルベールは、そのプラデルに生き埋めにされてしまう。エドゥアールがアルベールを助けたがそのせいで爆弾を浴びエドゥアールは顔に大怪我を負う。
戦後パリに戻った2人は貧しく暮らす。プラデルの出世を知った2人は落胆。国を相手に壮大な詐欺計画を企てるものの、エドゥアールはその成功を見ることなく、自分の父親が運転する車に飛び込み命を絶ってしまう。
エドゥアールの父の描写が印象的でした。息子が生きている時は父親らしいことを全くしなかったのですが、息子の死を知って、失意と遺恨に悩む父親像が見てとれ、とても悲しい気持ちになりました。
悪事を働いたプラデルが結婚し幸せに暮らす様を見て、貧乏暮らしのアルベールが、「僕のこの不幸な人生は一体何なんだ?」と嘆く場面。人生の不条理さを感じ悲しさを感じました。
貧乏のアルベールがどうにか着飾ろうと靴だけピカピカの安物を履き、そんな自分を滑稽に思う場面。取り繕おうとする人間の性とその虚しさに気づいた瞬間が印象的でした。
「プラデルさえいなければ僕の人生は変わっていた」と個人を恨むアルベールに対し、「戦争が悪い、戦争がなければプラデルののような奴も生まれない」とエドゥアールが言う場面。怒りの表われが違く、広い視点で捉えるエドゥアールに共感しました。
「どんなことでもいつかは慣れる。でも悲しみだけは昔のままだ」とエドゥアールが嘆く場面。感情の中でも深い悲しみは心の中に残ってしまうんだと思いました。その失意が、投身自殺に繋がったのかなと思います。
全体的に悲しさの残る物語でした。
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ピエール・ルメートル『炎の色 (上)』ハヤカワ文庫。
『天国でまた会おう』の続編。個人的には『天国でまた会おう』は今一つ受け入れることが出来なかったので、本作はどうかと一抹の不安を覚えつつページをめくる。
読んでみれば、続編と銘打ちながら、独立した物語のようだ。本作の主人公・マドレーヌが『天国でまた会おう』の主人公・エドゥアールの姉という設定が続編としての唯一の接点である。
莫大な父親の遺産を相続し、その葬儀の最中に息子が悲劇に見舞われる悲劇の主人公・マドレーヌがその相続を善しとしない親族や知人にはめられ、全財産を失い窮地に立ち、復讐を誓うというところまでが上巻の粗筋。
やや冗長気味なサスペンス・ストーリーに不安感と期待感が渦巻く中、下巻へ。 -
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ネタバレ# 天国でまた会おう
戦争で味方を殺すことによって実績を上げ、戦後は死者を冒涜することによって利益を貪ろうとした中尉は、悪事が発覚し、孤独のうちに死亡する。
中尉の悪事を目撃した兵士アルベールは、注意によって殺されそうになるが、エドゥアールによって助けられる。
エドゥアールはアルベールを助ける際に大けがを負い、二度と人前に顔を出すことも話すこともできない姿となる。エドゥアールは恨みから、戦没者記念碑の詐欺を思いつき、国中から金を集める。国外へ逃亡するというその日に、自分の父が運転する車に飛び込んで死亡する。
アルベールはエドゥアールの詐欺に手を貸し、大金を持って恋人とともに植民地へ逃亡する。
それにしても長すぎるのではないか。
アレックスのような劇的な展開がないだけに退屈感が否めない。
文章や構成は洗練されているとはいいがたい。 -
Posted by ブクログ
休戦間近の戦線において、主人公アルベールは上官が敵の攻撃に見せかけ部下を撃ち殺し、戦意向上させようとしていることを目撃する。
そして上官に生き埋めにされそうなところをエドゥアールに救出されるが、エドゥアールは大怪我を負ってしまい、戦後のアルベールはエドゥアールの世話に追われてしまう。
上巻はほんとに舞台設定の説明のみという感じ。
出てくる人々が大抵駄目で、いわゆるきれいなヒーローやヒロインは存在しな
い。特にエドゥアールの姉のマドレーヌがすごい。なんだこの迫力は。
エドゥアールのうつろな穴というか、なんだろう、モンスター化しているとこ
ろが怖い。あと運命の皮肉さ。
下巻が楽しみ。 -
購入済み
一気に読んだけど
他のコメントが良すぎて期待しすぎてしまった。
まあ、でもよくできた話です。
ただし、好き嫌いは別れるかも。
いい意見は他の方にまかせます。
とりあえず妄想が多いので読むのが面倒になって、早く展開して欲しいなぁと思っちゃった。
あと、物語の中に感情移入できる人物や、惚れるような人物が現れたらもっと楽しめたと思うけども、私にはいなかったねぇ。