ピエール・ルメートルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレモノローグでテンポのいい筆致のため一気に読み進められるけど、リアリティがなくていまひとつ。
フィクションだから非現実的なこと自体は否定しないけど、何となくの印象で言うと、こうしようという設定が先にあって、そのおぜん立てをするために無理なストーリを前に持ってきているような感じ。私立探偵のメスタクや元警察特別介入部隊警部のカミンスキーはその後の展開のために必ず必要になってくるけど、彼らを登場させるまでの設定があまりにも雑すぎる。
アランがロマンと共謀してエクシャル・ヨーロッパの裏金を盗んだという話も設定が雑すぎるし、裏金を追っているフォンタナや捜査をしていたはずの警察、検察がロマンのこと -
Posted by ブクログ
ネタバレ「その女アレックス」を中心としたヴェルーヴェン警部シリーズとは全く趣向の違った作品でした。
後書きでは冒険小説とのワードもありましたが、それもしっくりこない。
舞台はまさに第一次世界大戦が終わろうとしているフランス。
そこで戦った兵士(アルベール)が戦場で見た光景と自身の体験。
命を救ってくれた戦友(エドゥアール)と、その際におってしまった人生を狂わせる大怪我。
その後、始まった共同生活の中で彼等が取り戻す日常は、国中を巻き込む一大詐欺事件へ...
後半に入り、少し世界観には入り込めたが、暗いイメージは今までの著者の作品と同じとは言え、期待していただけに全体を読み終えても残念な気が -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「その女アレックス」と比較したが故の☆3つであり、本作も読み応え十分。
ソフィーとフランツの心理戦は読んでいてしんどくなる程に。
ストーカーってこんな風に相手(被害者)の肉体、精神、人間関係等を破壊出来るって事に恐怖を覚える。
説明
内容紹介
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。
内容(「BOOK」データベースより)
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス
狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らか -
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Posted by ブクログ
ネタバレ*1918年11月、休戦が近いと噂される西部戦線。上官プラデルの悪事に気づいたアルベールは、戦場に生き埋めにされてしまう!そのとき彼を助けに現われたのは、年下の青年エドゥアールだった。しかし、アルベールを救った代償はあまりに大きかった。何もかも失った若者たちを戦後のパリで待つものとは―?『その女アレックス』の著者が書き上げた、サスペンスあふれる傑作長篇。フランス最高の文学賞ゴンクール賞受賞*
とても壮大でスリリングな展開。最初はややまったりとしたテンポなのですが、途中から一気に加速し、この後どうなるのか見当もつかないワクワク感でいっぱいです。早く下巻読みたいです。 -
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Posted by ブクログ
「天国でまた会おう」がまさかの3部作の1作目だったと知ったときの驚きたるや、筆舌に尽くしがたい。あれはあれで、とてつもなく完璧に完成された一作だとおもっていたから。ただ続篇が出たとなれば、近いうちに買ってしまうだろう気はしていた。「天国~」が一時も目を離せない作品だったのに対し、本作はどちらかといえばじっくり読むのが合っている。単に恨みを晴らしたいだけではないマドレーヌの、失敗できない復讐劇。腹を決めた人間の逞しさは、倫理を度外視させる威力をもつ。そして、注目の第3作ときたら……あの人物が主人公だという!
(“道徳”と書こうとして、いやいやもっとクソみたいなやつがいたではないか、とおもいなおし