ピエール・ルメートルのレビュー一覧

  • わが母なるロージー

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    詩情溢れるハードボイルド。文化というか歴史というか、積み重ねたものが違うと本邦とはまた違う味わいになんねやなと。

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    2022年09月11日
  • われらが痛みの鏡 上

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    『天国でまた会おう』『炎の色』に続く第三部の上巻。今度の舞台は第二次世界大戦、ドイツがフランスに迫る時代の出来事。時代の波に翻弄される人々の群像劇。冒頭の強烈な出来事をきっかけに次々と新たな事実が明らかになっていく。ルイーズは、これからどうするのか?

    下巻に続く。

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    2022年08月24日
  • 監禁面接

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    あれ?なんか面接に行ったけど面接じゃなかった的な?
    ルメートルファンでハードカバーで買った。
    面白かったけどそんなアホなーって思ってたかな?
    もう1回読み返さないと思い出せない。
    グロとか胸糞はあんまりなかったはず。
    主人公がなんか切ない。

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    2022年07月21日
  • 炎の色 下

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    父が残した資産、邸宅を失ったマドレーヌが、彼女を裏切った人たちに復讐することを決意する。隣国ドイツでは、ヒトラーが首相となりファシズムが台頭する時代ならではの展開に、手に汗握る。当時のフランス史を知っていれば、より楽しめる作品。
    ポール・ペリクールとオペラ歌手ソランジュ・ガリナートとの交流が印象に残る。
    本書で初めて知った日本語がある。「身罷る(みまかる)」という言葉。久しぶりに国語辞典を手にした。
    三部作の第二部が本書、第三部『われらが痛みの鏡』を早速読み始めよう。

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    2022年07月18日
  • 炎の色 上

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    『天国でまた会おう』の続編だが、前作を読まずに本書を読んでも楽しめる。
    天国でまた会おうでは第一次世界大戦直後の物語だった。本書は第二次世界大戦の足音が聞こえてくる1927年〜1933年が舞台でペリクール家の物語となっている。
    7歳のペリクール家の子息が3階の窓から落ちるという悲劇的な場面から始まる。上巻の後半で真相がわかってくる。
    フランス人の名前は、聞き慣れておらず、最初は名前を覚えるのに少々苦労した。
    そんな苦労を乗り越えられたら、もう作者の世界にどっぷりハマってしまう。ここまできたら下巻一気読みに突入。

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    2022年07月18日
  • 炎の色 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    とはいえ、騙されて財産を失い、
    息子を傷つけられ車椅子生活になってしまったことを恨み、
    復讐をすることを決意するマドレーヌ。

    元夫の部下を金で雇うだけでなく、
    マドレーヌ自身も危ない橋を渡り、
    三人の男たちと一人の女性に
    (前作と違って)見事に復讐が果せて良かった。
    ナチスドイツに飛行機の情報を売ったと見せかけて、
    大金を手に入れ、かつ銀行家を陥れた手口は面白かった。

    息子の世話をする明るいポーランド女性や、
    息子が傾倒するディーバと
    印象的な女性たちも良かったので、
    前作より楽しめたが、
    実際の団体や事件が取り入れているらしく、
    そこらへんがわかっているとさらに面白かった

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    2022年07月04日
  • 炎の色 上

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    ネタバレ

    「天国でまた会おう」の続篇。

    前作で登場した、顔に穴の開いてしまった兵士の家族、
    銀行家の父の葬式から話が始まる。
    孫息子が三階の窓から落ち、
    一命をとりとめたが、歩けなくなってしまう。
    銀行家の唯一の相続人である母マドレーヌは、
    息子を看護するが…。

    前作で、容姿にひかれて結婚した夫を、
    詐欺を行ったと知り見捨てたマドレーヌ。
    今回もろくでもない男を息子の家庭教師として招き入れたり、
    長年勤めていた銀行の上級管理職員を手ひどく振ったり、
    しかもその男に資産のことを任せっぱなしにしたりと、
    ある意味、自業自得で財産を失う。

    (下巻へ続く)

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    2022年07月04日
  • わが母なるロージー

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    ネタバレ

    カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ、第四弾。

    カミーユ警部はかなり酷い目に遭っている。
    いや、遭い続けている。
    母を亡くし、父を亡くし、
    妻と子を連続殺人犯に殺され、
    親友を病気で亡くし、
    昔の部下から罠にはめられ、
    愛する女性に裏切られた。

    なので、このシリーズの最後に作品に、
    救いを求めてしまうのを当然ではないか。
    だが、その希望はかなわなかった。
    一応、また女性とつきあってるようではあったが。

    不発弾を利用した時限爆弾が爆発した後、
    あと6つ仕掛けたと名乗り出た爆弾犯が、
    殺人で服役中の母親を釈放するように要求する。
    爆弾はどこに仕掛けられているのか、
    爆弾犯の真の狙いは何なのか

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    2022年06月07日
  • 天国でまた会おう 下

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    原題 AU REVOIR LÀ-HAUT

    そして、明日は存在しない
    何らかの結末は必然的に訪れる

    前者はエドゥアールの、後者はマルセルの、彼ら父子の邂逅そのものを端的に表してる気がします。
    戦争が二人を分かたなくても既に交差する余地はなかっただろうし、それでも接点があるのであればああいう終わりしかなかったかな…と。
    〝感謝〟は、誰にも渡さないで済んだ親のエゴ…?でしょうか。

    さよなら、天国で
    タイトルはMartyrs de Vingréの一人、Jean Blanchardが妻宛に最後に記した言葉より。
    人の、底知れぬ悪意というものがどんなものか、
    人の、逃れ得ぬ義務とはどんなに悲劇で喜

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    2022年04月25日
  • わが母なるロージー

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    カミーユにまた会えた!と嬉しかったんですが読後すぐに思ったのは、あーカミーユ三部作ってやっぱりクローズした物語なんだなぁってことです

    無理矢理差し込んだ感じが凄いです
    やるなら『傷だらけのイレーヌ』の前の時系列のほうが良かったん違うかな?と

    御本人もカミーユシリーズはもうやらないって仰ってるようですが…残念ながら自分もそう思いました
    三部作の作りが完璧すぎるんですよね、多分

    そして本編ですが、面白かったし仕掛けも見事だったんですが…せっかく思いついたから作品にしとこう!みたいな…もったいないわー

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    2022年03月25日
  • われらが痛みの鏡 下

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    ネタバレ

    長い長いお話がようやく完結。
    一言でハッピーエンドなんて言うべきお話ではないはずだけど、ようやく帰結きた感はあります。
    しかし、初期の疾走感とノワール極まった小説はもう読めないのかな。

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    2022年02月15日
  • 監禁面接

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    スピーディーで予測のつかない展開、綿密なストーリー、さすがルメートル!とても面白かった。
    失業中のおじさんが社会復帰するために必死に努力するが、やること全てが裏目に出て思いもよらぬ事態に発展してしまう。

    主人公が最初から最後まで一貫していたのは、家族のために働きたいという想いだったのに…
    仕事を勝ち取るために嘘に嘘を重ね、その大切な家族を傷つけ自分自身も追い詰められていく。

    この人いったいどこまで堕ちてしまうのかと、ずっと心配しながら読んでしまった笑

    追い詰められていたとはいえ、割とすぐに人を殴ってしまうところだけは共感できなかったけど、失業というテーマは他人事ではない。
    本当に、安心し

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    2021年12月09日
  • わが母なるロージー

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    久しぶりのピエール・ルメートル。
    ページ数が少なめの中編だからなわけじゃないと思うけど、いつもと少し趣きが違うが、相変わらず面白い。

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    2021年11月14日
  • 監禁面接

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    現代ミステリの最重要作家、2010年発表作。私の場合、購入した本はしばらく〝寝かせる〟のが常だが、ルメートルだけは早々に積ん読から外している。一旦、冒頭を読み始めたなら、最終頁に辿り着くまで片時も本から手を離せない。しかも、一度も期待を裏切られたことがない。本作もプロットの骨格自体に大胆且つ斬新な仕掛けを施しており、劇的変転の見事さに圧倒された。物理的/心理的トリックを偏重する旧態依然のミステリでは味わえない重量級の読み応え。先鋭的アグレッシヴさでは当代随一だろう。

    アラン・デランブル、57歳。大企業で管理職にまで昇り詰めたが、会社買収であっさり解雇される辛酸を嘗めた。失業して4年目、雑多な

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    2021年09月18日
  • わが母なるロージー

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    カミーユシリーズを読んでいて初めて犯人の動機も理解可能なような。しかし最後まで意図を理解させないままに最後であっという間に幕引きというか、何というエンディング。中篇だが、さすがルメートル、インパクト大きい。

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    2021年08月25日
  • 炎の色 下

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    ネタバレ

    ダレることなく最後まで一気に読んだ。
    おっとりとしていた主人公が、冷徹に大胆にひとりひとり罠にかけていくさまは実に痛快。
    ポールとソランジュの美しいエピソードも素晴らしい。
    バカップルのドタバタコメディも復讐譚のなかで程よい分量。
    デュプレとの抑制の効いた愛情の芽生えで物語が閉まるという最高の読後感。

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    2021年05月08日
  • 監禁面接

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    いくら一流企業とは言え、そんな面接はごめんです!
    アランさん、あなたのやり方は「妻と子供のため」に大義を借りた自己中にしか思えません。

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    2021年02月16日
  • わが母なるロージー

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    パリ市内に7箇所に、砲弾を利用した爆弾が仕掛けられる。その犯人である青年・ジャンは早々に逮捕されるが、彼の要求は不可解なものだった。
    カミーユ警部シリーズらしく、残酷で壮絶な結末を迎える。

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    2021年02月08日
  • 監禁面接

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    邦題がイマイチなうえに、残酷な描写は今は見たくないな…と読むのをためらっていたけど、読み始めるとやっぱり止まらない。
    ルメートルお得意の残酷シーンはなかったものの、怒涛の展開はさすがだった。

    コロナウィルスによって人々の価値観と世界情勢が大きく変わった今だからこそ、痛烈な批判と皮肉を盛り込んだのかと思ったら、実は『その女アレックス』より前の2010年にフランスでは出版されたというのだから驚きだ。
    同時に、エンターテイメントが求められる今、Netflixでドラマ化して配信中だというから、これまたぴったりだと思った。

    ところで、フランス語の原題はなんというのでしょうか?

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    2021年02月01日
  • 死のドレスを花婿に

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    ネタバレ

    4.6
    翻訳が男性ということで、殺伐とした文体で、おもしろさを感じられなかった。

    ラストのインパクトはいつも大きい。

    同じ殺人者になってしまうのは勘弁と思ったけど
    自分で死んでくれるんだね。
    そして、お金もちになる?
    なんて気持ちがいいんだろう。
    女々しいのかなこの作者。
    後味を綺麗に収めてくる。
    よく主人公泣かせるし、女脳なのかな。

    ラストの報告書?
    普通に納得し、そこで、やっぱり好き!ってなったのに
    それも偽物だって? あぁ素敵。(笑)
    普通に騙してくれるの好きです。

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    2020年12月25日