ピエール・ルメートルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年はピエール・ルメートルの作品が二作立て続けに読めた年。しかも先に読んだ『僕が死んだあの森』の後は、ルメートルはミステリーをやめたという話もあるくらいだから、今後は本書のようにハヤカワ・ミステリで出版されてはいるものの、冒険小説に近い普通小説の枠で書いてゆくのだろうか?
本書は第一次と第二次世界大戦の間のフランスの大作三部作の最終編であって、確かにこれまでのルメートルお家芸の謎解きミステリーやスリラーとは縁遠いものがある。それにしても三部作といいながら時代と家系を組み立て繋ぎ語りつつ、一作一作が独立して読んでも楽しめるエンタメ性に満ちており、ルメートルならではの面白さには太鼓判といった味 -
購入済み
カミーユ大好き
悲しみのイレーヌ、その女アレックス、傷だらけのカミーユと順番通り読んでいたつもりが
こんな中編があったとは。。傷だらけのカミーユの前だから、アンヌの名前がちらほら。。わが母なるロージーは爆弾だけに時間軸で話が進み、ハラハラドキドキで読み進めました。最後はそうするしかなかったのかな、と思いながら切ないラストでした。 -
購入済み
やられたー!って感じ
読み始めはまたカミーユの愛する人がひどい目に。。えーこの人も死んじゃったらどうしよう。。と思いながら読み進めました。が!途中から思わぬ方向に話が進んでいき、なるほどねーそうきたか!という感じでした。全くやられました。。そこからは読む速度が上がるあがる。。でもやっぱり傷だらけのカミーユなんだなぁと思いました。
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購入済み
ドキドキしました!
Jディーヴァーの作品が好きで日本語訳の作品はよく読むのですが、最初は作品特有の流れに頭がなかなか慣れずにいましたが、読み進めるうちに予想外の展開が繰り広げられ、あっと言う間に読み終えてしまいました。悲しみのイレーヌも読んでいたのでカミーユの心情も理解できました。どちらも好きな作品です。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書備忘録547号。
★★★★★。
カミーユ警部シリーズの番外編的な中編小説。
時間軸としては3部作の中ほどの設定とのこと。
ほんと流石です。このボリュームでこの満足感。
パリの街中で爆破事件が起きる。幸いなことに死者はいない。直後に警察に自首してきた青年ジャン。
使った爆弾は第一次世界大戦で無数に降り注いだ砲弾の不発弾であると。しかもあと6発仕掛けてあるという。
青年の要求は、殺人罪で収監されている母親ロージーの釈放と、オーストラリアへの高跳びの容認。
毎日一発ずつ爆発する設定になっていると。
仕事を終わり、恋人のアンヌのところに行こうと思っていたカミーユは呼び戻され、同僚のルイと次の爆発ま -
Posted by ブクログ
現代フランス・ミステリの底力を見せつけるルメートル。2009年発表の本作でも繊細且つ大胆な仕掛けを施した超絶技巧が冴え渡り、暗い情念に満ちた濃密なノワールタッチの世界と相俟って読み手を魅了する。
ソフィー・デュゲは、悪夢から目覚め、現実の地獄へと戻る。膝の上には死んだ子ども、レオ。ベビーシッターとして世話をしていた6歳になる男の子だった。その首にはソフィーの靴紐が巻かれていた。レオの家に泊まり込んだ翌朝。まだ子どもが眠っていると信じたレオの母親が仕事に出掛けたのを見届け、自分のアパートへと戻る。身の回りの物を鞄に詰め込み、逃げ出す。行くあてなどない。銀行から有り金全部を引き出す。気を落ち着か -
購入済み
安定した良作
アレックスほどの衝撃はないが、主人公の魅力と予想もしない展開に毎度の事ながら一気に結末まで読み進めてしまう
今作も犠牲になるのは女性
ルメートルはカミーユシリーズの中で、社会の中で迫害され搾取される女性達を鋭く切り取り描いている
それに寄り添うカミーユ警部の繊細さと純粋さに心打たれる
日本の刑事物にはないロマンティックな描写も含め、女性ファンの獲得が大いに見込まれる作品である -
ネタバレ 購入済み
映画のように引き込まれる
暴力的でグロテスクな描写も少なくないが、展開のスピード感と脇役たちのユニークな個性に飽きる事なく最後まで読み進められる
動機や様々なテクニックが新鮮かと問われると厳しい部分はあるが、主人公のタフさとその裏に秘めた悲しみは女性読者を勇気づけるに余りある共感を誘うのではないだろうか
自らの受けた屈辱に対し華麗な復讐を(犯罪という形とはいえ)成し遂げるヒロインに胸のすく思いを持つ女性も少なからずいるように思われる -
Posted by ブクログ
カミーユ・ヴェルーヴェン警部のシリーズ)で一気に燃え上がった感のある作者ピエール・ルメートル。あちらは文春文庫。第一次大戦に纏わる物語を描いた『天国でまた会おう』は早川書房でハードカバーと文庫版の同時刊行。この作者特有の、とても奇妙な主人公の人生を描き、ゴンクール賞(フランスの芥川賞)・英国推理作家協会賞を受賞し、国内でも話題を読んだ(ルメートルはどの作品でも話題を呼んでしまうのだが)。本書は『天国でまた会おう』の続編ではあるが、一部登場人物が重なることと、時制が前作を引き継いでいることの二点だけであり、前作が未読であっても全く独立した小説として十分に楽しめる。単独でも、相応の推進力を蓄えた
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Posted by ブクログ
カミーユ・ヴェルーヴェン警部のシリーズ)で一気に燃え上がった感のある作者ピエール・ルメートル。あちらは文春文庫。第一次大戦に纏わる物語を描いた『天国でまた会おう』は早川書房でハードカバーと文庫版の同時刊行。この作者特有の、とても奇妙な主人公の人生を描き、ゴンクール賞(フランスの芥川賞)・英国推理作家協会賞を受賞し、国内でも話題を読んだ(ルメートルはどの作品でも話題を呼んでしまうのだが)。本書は『天国でまた会おう』の続編ではあるが、一部登場人物が重なることと、時制が前作を引き継いでいることの二点だけであり、前作が未読であっても全く独立した小説として十分に楽しめる。単独でも、相応の推進力を蓄えた
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購入済み
引き込まれました
題名作者を見ても全然わからずとりあえずは読んでみようと手に取ったのですが読み進めるうちにどんどん作中に引き込まれどんな終わり方になるのか全く予想出来ませんでした。登場人物像も個性的でありながら悩み苦しみを抱えつつ事件を解明して行く過程がとっても面白いと思いました。
最後の結末まで飽きる事なく読み終えることが出来た非常に秀作だと思います。