ピエール・ルメートルのレビュー一覧

  • 僕が死んだあの森

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    衝撃のラストが!

    ルメートルさん、相変わらず、人生は厳しいんですよ。を突きつけてくる。
    前半、あまりにもつらかった。
    どうしたら良かったのか。
    嘘をついて事故にしてしまえば良かったのか。

    最終的に、アントワーヌはどんな人生を送るんだろう。ほっとできるのは、死ぬ時だけかも?

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    2023年11月10日
  • われらが痛みの鏡 下

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    19世紀から始まった三部作は、1940年独が仏に侵攻した時間の苦しい時間が最も重きを置いたイメージの群像絵巻で幕を閉じた。
    表題「われらが痛みの鏡」は下巻160㌻に描かれているパリ市民が難民となって逃げ伸びる人々のあり様からとったとある。

    仏が独に宣戦布告したとは言うものの、「まやかしの戦争」とでもいえるような生煮えの時間が苦しめての時間が長かった。
    ルィーズを中心にガブリエル・ラウールとフェルナン・アリス、そして最後まで実像が分からないデジレが軸となっているが下地にあるのはDr.

    ルィーズの母と彼の紡いだ時間にジェルメールが絡まった恋の絵巻?と落とし物。
    余りロマンは感じないし、誰にも共

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    2023年10月05日
  • われらが痛みの鏡 上

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    まったく、だれることなく2部まで読んできた・・完結?しないかもしれないけどラスト3部作。

    この巻だけを読んでも十分に面白く、20Cドイツに蹂躙されたフランスの当時の社会を感じられる。
    ヒロインはパリ在住の元教師ルイーズ。伏線になっている若きエドゥアールとの関係はさらっとしていたが、彼自身の奇矯な存在感からすると、案外出だしは単調。

    しかし、数奇な因縁というのはこれこそと言えるほど面白い絡みで連なっていく。
    突拍子もない医師の自殺、親身に見守るジュール、ルイーズがけなげだけに身の上にほだされてしまう。
    一方、2人の脱走兵の動きや機動憲兵隊曹長の夫婦・・1点は繋がったが、もう一つのつながりが見

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    2023年10月01日
  • 炎の色 下

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    見事な着地、ポール中心のストーリー展開、1930年代の
    欧州の空気感が良く表れている。
    どこの国もつまるところ、金、女と権勢欲。
    よくも悪くも【これがフランス】って言うのを味わえる。
    映画にも小説にも最適の素材づくめ。

    ポールを取り巻く、歌姫ソランジュ、ヴラディの最期はストンと納得を。
    やせぎすのアクセサリーづくめの美女より、肥満体のおおらかな性格の勝利っていうのは面白い。
    この時代のプロパガンダの常軌を逸した盛り上がりが感じられ、ポールはもとより、ソランジェの描かれ方もなかなかひと方ならない。
    シュトラウス(ワグナーではなく)にはまっていく彼女、当初はナチズムへの傾倒がどこまで行くのか見者

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    2023年09月29日
  • 天国でまた会おう 下

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    歴史上、戦争が有する意義を書いた・・と言えば簡単だが、種々の自傷から筆者ル・メートルが読み取った推察、洞察力に舌を巻いた。
    題名の意、そして呟いた人物を初めて知った。
    そのJ・ブランシャールが真の主役と言えるかもと感じた。

    アルベールは無論、ブラデルは第一次世界大戦という商売市場で駆けずり回った小物。黒子 エドゥアールが天才の名を欲しいままに飛翔した詐欺のすべてが最期は血の結びつき・・で幕を閉じるとは。
    しかも植民地の服を着て羽を付けたという・・何という演技。

    そこから呟かれる作者の言葉は人生とは教誨語録の様。
    偶然性の複雑な絡まり、結末は必然的に訪れる。。。。

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    2023年09月23日
  • 傷だらけのカミーユ

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    必ず順番に読むべき作品。
    アレックスが強烈すぎて、次がつまらなかったら、、、と思いなかなか読めなかった。
    続きが読みたい気もするけど、ここで完結は正解かも。
    表紙がどれも怖い。

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    2023年09月10日
  • 炎の色 下

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    フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇作品『炎の色〈上〉〈下〉(原題:Couleurs de l'incendie)』を読みました。
    『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』、『監禁面接』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    1927年2月、パリ。
    一大帝国を築いた実業家の葬儀が粛々と進んでいた。
    しかし出棺のとき、思いがけない悲劇が起きる。
    故人の孫、七歳のポールが三階の窓から落ちたのだ。
    故人の長女マドレーヌは亡父の地位と財産を相続したものの、息子の看護に追われる日々を送る。
    しかし、そのあいだに、彼女を陥れる

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    2023年08月20日
  • 炎の色 上

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    フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇作品『炎の色〈上〉〈下〉(原題:Couleurs de l'incendie)』を読みました。
    『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』、『監禁面接』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    1927年2月、パリ。
    一大帝国を築いた実業家の葬儀が粛々と進んでいた。
    しかし出棺のとき、思いがけない悲劇が起きる。
    故人の孫、七歳のポールが三階の窓から落ちたのだ。
    故人の長女マドレーヌは亡父の地位と財産を相続したものの、息子の看護に追われる日々を送る。
    しかし、そのあいだに、彼女を陥れる

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    2023年08月20日
  • 傷だらけのカミーユ

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    フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇ミステリ作品『傷だらけのカミーユ(原題:Sacrifices)』を読みました。
    ここのところフランスの作家の作品が続いています… ピエール・ルメートルの作品は6年前に読んだ『悲しみのイレーヌ』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』のヴェルーヴェン警部シリーズ三部作の最終作。
    『その女アレックス』に続き、イギリス推理作家協会賞の2015年度インターナショナル・ダガー賞を受賞。

    アンヌという女性が二人組の強盗に殴られ瀕死の重傷を負った。
    警察からカミーユに電話がかかってくる。

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    2023年08月12日
  • 傷だらけのカミーユ

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    カミーユに危機、再び。彼はこの窮地を切り抜けられるか。
    圧倒的なスピード感が凄まじい。警察小説+ノワール小説+犯罪小説といったところでツイストに次ぐツイストが描かれている。視点の切り替えが鮮やかで頁をめくる手を止めさせてくれない。しかし暴力描写にしても展開にしても容赦のない展開ですっかり参ってしまった。

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    2023年07月01日
  • 傷だらけのカミーユ

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    カミーユの哀愁がすごいです……。もう勘弁してやってってなりました。でもその哀愁や展開が面白いシリーズなのでついつい読んじゃいます。

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    2023年06月19日
  • 傷だらけのカミーユ

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    いつか読もうと思ってずっと積読になっていた本作。

    前作(悲しみのイレーヌ、その女アレックス)からの流れも引き継いでいるので、所々前作のあらすじをググりながらではあったものの、テンポがよく楽しめました!

    しかし、主人公が気の毒すぎる...。
    途中、主人公が可哀想すぎて心が折れそうになりました。

    わが母なるロージーも買ってみたので、そちらでは少しでも主人公が救われることを祈ってます(期待は裏切られるに違いないとは分かっていつつ...)

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    2023年06月05日
  • 傷だらけのカミーユ

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    カミーユ3部作の最後の作品。イレーヌが殺されてしまってから出会ったアンヌが強盗に襲われるところから話が始まる。前作のアレックスのときにも思ったのだが、ルメートルの描写はすごく読んでいて痛い。顔をついしかめてしまうような痛い描写が多く、この作品も例外では無い。しかし、起こること全てがラストに繋がる伏線として重要であり、読後は納得した部分ともう一度頭から読み直そうと思う部分とがある。3部作と言いながら実はカミーユの出てくる中編があるようなのでそちらも読みたいと思う

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    2023年04月16日
  • わが母なるロージー

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    カミーユ3部作の後に書かれた3.5部作のような作品。流れからするとアンナが出ているので、最後の作品の前のスピンオフ作品のようなものですが、面白かったです。街中で爆発事件が起こり、その犯人として自首してきた男は、捕まっている母と共にオーストラリアへ行けるように航空券と大金を要求すると共に、全部で7発の砲弾を仕掛け、要求が通らない場合は1日に1発ずつ爆発していくという。ジャンは連続爆弾魔なのか。カミーユとの心理的なやり取りも面白いですが、ラストが…。何だか胸がキュッとなりました。

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    2023年04月16日
  • われらが痛みの鏡 上

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    上下一括感想
    下巻にて

    第三部は第二次世界大戦の始まりの様子から。
    主に三つのエピソードが、交互に語られる。
    それがどう繋がるか……。

    前半から、もう目が離せない展開。

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    2023年03月19日
  • 炎の色 下

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    「天国でまた会おう」三部作の第二部「炎の色」は、復讐劇の王道を行く痛快な物語。

    始まってしばらく、上巻はとにかくひどい奴ばかりで、腹が立って読めなくなるほど。
    主役のマドレーヌも、いまいちはっきりしないキャラで感情移入できないし……。
    ところが、後半に復讐劇が始まると、がぜん面白くなって、まんまと楽しんでしまった。

    前作「天国で…」はミステリーではなく文学作品?とされており、戦争で負って変わってしまった帰還兵の体と心の闇を、「顔のけが」「仮面」など暗示的でもあり、エドゥアールの最後も何かしらのメッセージが託されているような気にさせるものであった。
    本作の「炎の色」では、一部の登場人物が引き

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    2023年03月16日
  • 天国でまた会おう 下

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    戦後、称えられる戦没者、生きて行かねばならない帰還兵。
    いつの戦争でも、勝者も敗者も、苦しみしか残らない。

    上巻の前半は第一次大戦時の独仏前線での戦いが兵士目線で描かれていて、映画「プライベートライアン」のノルマンディ上陸場面のような迫力迫る描写で圧倒される。
    特に主人公の一人アルベールが生き埋めとなるシーン、それに続くエドゥアールの負傷と脱出の様子は、息つく暇もないほどの迫力がある。

    悪役ブラデルの戦後の描写でややスローダウンしたが、下巻、エドゥアールの仮面作りと大掛かりな詐欺計画が進み始めると、ブラデルの描写も結末へ期待をこめて大いに盛り上がっていく。

    「絶望からくる狂気に翻弄される

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    2023年03月13日
  • 傷だらけのカミーユ

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    カミーユ・ヴェルーヴェンシリーズ三部作のうちの三部作目もとい完結編

    これを読むにはまず一作目の「悲しみのイレーヌ」を読んでからこちらを読むことを強く推奨

    この三部作の中では特に推理要素が強いと感じた
    あれがこれに繋がるなんて予想もしてなかった

    この三部作が合わさって一つの作品であるかのように感じた

    スッキリするラストとは言い難いがこのシリーズを読み切ったあとの余韻的には色々と去来するものがあった

    どれか読むではなく三つとも読むことをオススメ

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    2023年01月26日
  • 天国でまた会おう 下

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    アレックスのヴェルーヴェン警部シリーズとはまた違うテースト。訳者が違うのもあるかも。第一次世界大戦後のフランスの様子も分かる。何とも落ち着かない、異様な、物語でしたが、巻末にあったように、一種の「冒険小説」とも言えるかと思います。でも、ヴェルーヴェン警部シリーズと異なり、なかなかページが進みませんでした。

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    2022年10月12日
  • 死のドレスを花婿に

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    「ピエール・ルメートル」の長篇ミステリ作品『死のドレスを花婿に(原題:Robe de marie)』を読みました。

    「P・J・ランベール」の『カタコンベの復讐者』に続き、フランスのミステリ作品… 「ピエール・ルメートル」の作品は、2月に読んだ『その女アレックス』以来ですね。

    -----story-------------
    『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス

    その〈偽装〉が「ソフィー」の運命を変える。
    フランス産、恐怖の婚活サスペンス。

    悪夢に苦しめられるのが怖いから、眠らない。
    何でも忘れてしまうから、行動を逐一メモにとる。
    それでも眠ってしまうと、死者たちが訪れる。
    「ソ

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    2022年10月11日