栗本薫のレビュー一覧

  • グイン・サーガ外伝22 ヒプノスの回廊

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    グイン・サーガ、本当の本当の最終巻。

    この本に、「ヒプノスの回廊」と「アレナ通り十番地の精霊」が載っているのは、いいチョイスだなとちょっと思った。

    「ヒプノスの回廊」は、グインが、これまでのこだわり続けてきたランドックの世界を否定して、今のこの世界に生きることを宣言する話。
    ここからは、彼は、ランドックのグインではなくて、ケイロニアのグインであり、中原のグインである。
    彼が彼自身を見つけたと感じる物語であり、本当の物語のはじまりでもあります。

    そして、「アレナ通り十番街の精霊」は、英雄そのものを否定する話。どんなに英雄が凄かったとしても、世界を動かしているのは、煙とパイプの人々や、そこに

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    2012年04月01日
  • グイン・サーガ1 豹頭の仮面

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    ついにアニメ化されたグイン・サーガを、今しがた見終わったばかりです。

    1979年に、この第一巻『豹頭の仮面』が出てから、30年を経ての満を持した初めてのアニメ化ということで、ドキドキ期待して見ましたが、残念ながら、それほど、感心した出来栄えではありませんでした。

    あまりにも、子ども向けすぎるのでは?と思ったのは私だけでしょうか。

    もちろん、30年書き継がれた世界最長編のヒロイック・ファンタジーである孤高さを失わないで、などという気はもうとうありませんが、最も新しい読者である少年少女に対してだけに向けられた映像化のようで、大人の鑑賞に堪えられる部分をもう少し追及してほしかった、と思いました

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    2012年03月17日
  • 新・天狼星ヴァンパイア(下)

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    新 天狼星 は 竜崎晶の視点での話しです。
    真 天狼星 は 第三者の視点での話しです。

    新 天狼星 を 先に呼んでおけば、
    真 天狼星 が 三倍面白く読めます。

    全体を通して、世相を反映しているのは分かります。
    犯罪者も人間であることは分かります。
    栗本薫さんが,このシリーズで,何がいいたいのかがよくわからないところがありました。

    もう一度、天狼星 シリーズを全部読み直して見ます。

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    2012年03月15日
  • グイン・サーガ16 パロへの帰還

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    モンゴールが滅ぼされ、アムネリスが一皮むけました…なんか一気に惚れましたね。あとがきにもありましたが確かに女性は同性の幸福には厳しいが不幸には優しい(笑)。逆よりいいよね;;と思いながらも…。今までごめんなさいアムネリス。そしてパロの真珠たちもとうとう帰還。レムスの戴冠式が華々しく行われました…が!リンダの予言は…どうなることか;;そしてリンダの今後も心配です。イシュト男見せろよー無理かな。一番感動したのはエピローグです。ダンおかえりぃいいい!!そして次巻、御留守が多い主人公は出てくるのでせぅか…。

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    2012年03月11日
  • 天の陽炎 -大正浪漫伝説-

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    ネタバレ

    大正時代の女性の生き方を綴った物語。
    栗本馨の小説の源泉がどこにあるのだろう。

    長く潜伏する思い。
    外的な要因と内的な要因が重なるとき、
    新しい生き方が展開して行く。

    子爵夫人という立場と、
    人間としての思い。

    運命が動き出したばかりなので続編が読みたい。

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    2012年03月09日
  • グランドクロス・ベイビー

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    ネタバレ

    あとがきに,スポーツニッポンというスポーツ紙への連載であったことが紹介されています。

    各段落の終わりと,段落の始めに重複がある。
    連載物のわかりやすさのためのおまじないだということで推測がつきます。

    通勤電車のほんのひとときの間に読んでしまえるような内容で,興味を持ってよみつづけてもらうための努力の跡がうかがえます。

    作者の一つの挑戦のようなものを感じました。

    1999年を前にした
    世相を反映した内容になっていると思いました。

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    2012年09月13日
  • グイン・サーガ3 ノスフェラスの戦い

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    ネタバレ

    ノスフェラスの戦いが始まりました。
    不安と昂揚で一気に読み進めました。
    絶体絶命の状態から反撃に転じていく様子が爽快です。
    そしてグインが、堂々として勇敢で冷静で決断力もあって、このサーガの幹だとはっきり分かるほどの揺るがない存在感のあるところがとても好きです。
    ノスフェラスの戦いが終わるまでは、読むのを止められそうにありません。

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    2012年03月04日
  • セイレーン

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    ネタバレ

    単行本では小松左京が解説を書いている。

    次世代の作家として、持ち上げたり、褒めそやしたり、うらやましがったり。

    ラフイユテリブル
    スラン
    ミッドウイッチカッタ
    ディーセント
    サンタナ アブラクサス
    エレクトロニックエンバイラメンt

    などのわけのわからない単語が飛び交っています。

    「風俗が風俗としての一つのまとまりをもたせ、さらなる異なる風俗の間の翻訳可能性をなりたたせているのは、構造的一貫性をもった論理があり、また逆に論理そのものも、一つの風俗のように時代的歴史的制約をまぬがれない、というのが、いわゆるクーンのいうパラダイムというものでしょう」

    さすが大作家だけあって、構えが大きい。

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    2012年02月24日
  • 女郎蜘蛛 伊集院大介と幻の友禅

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    ネタバレ

    和服の似合う女性。
    和服の作家。

    女郎蜘蛛とはよくいったものです。

    伊集院大介が登場しなかったら、読まなかったかもしれない。
    透明感あふれる人物像なのに、憎しみとかを語らせる。

    延々と続く謎解き。
    真相に迫れたのはすごい。

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    2012年02月24日
  • 狂桜記 -大正浪漫伝説-

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    ネタバレ

    栗本薫の作品には、桜がよくでてくる。
    セイレーンは桜井だし、
    緑の騎士は、桜を切る話から始まる。

    栗本薫は、戦後の新人類(new generation)の日本人の典型なのかもしれない。

    そう気がつくと、大正浪漫を書きたくなった気持ちも推測できる。
    新撰組ものよりは、より現実味を帯びている。

    あとがきの
    「あまりに味気なく、そしてあまりにも色気も艶も、妖しさもふしぎな憧れも消えはてたいまのこの世であってみれば、なお。」
    で想像がつく。

    他人から見れば、栗本薫は味気があり、艶も妖しさもあり、
    不思議ちゃんとして憧れる人なのに。なぜ。

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    2012年09月14日
  • 聖者の行進 伊集院大介のクリスマス

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    ネタバレ

    樹(いつき)さんが事実上の主人公の物語。
    伊集院大介が登場する。

    クリスマスに知り合いが亡くなる。
    裏に麻薬取引などの非合法活動があり,偽装自殺。

    伊集院大介が語る真相。
    聖者の行進の歌が象徴となる。

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    2012年02月24日
  • 絃の聖域(下)

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    ネタバレ

    上ではボーイズラブの作品かと思いました。
    下に入ると,一転,三味線の家元の家での複雑な家族を背景にした連続殺人事件になっていきます。

    あるいは,最後は連続自殺事件なのかもしれません。

    伊集院大介が登場するが,最後の最後まで脇役です。
    特に,上では,主人公は家元の子供たちだったのが,最後に主役逆転。

    吉川英治文学新人賞受賞作品ナだけあって,
    小説としての完成度も高いということなのだろう。

    透明感ある伊集院大介が,それでも人間性を重視しているのが特筆できる。
    他の名探偵とは一線を画すると思うがいかがだろう。

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    2012年02月14日
  • 絃の聖域(上)

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    ネタバレ

    最初はボーイズラブの作品かと思いました。
    三味線の家元の家での複雑な家族を背景にした連続殺人事件。

    伊集院大介が登場するが,最後の最後まで脇役です。
    特に,上では,主人公は家元の子供たち。

    吉川英治文学新人賞受賞作品ナだけあって,
    小説としての完成度も高井。

    透明感ある伊集院大介。
    他の名探偵とは一線を画すると思うがいかがだろう。

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    2012年02月14日
  • 幽霊時代

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    ネタバレ

    栗本薫の時計台を収蔵している。
    初出が『オール讀物』1980年2月号で、
    文庫は「幽霊時代」(講談社文庫)に収蔵している。

    2人が時計台で見つめ合いながら、
    ある日に言葉をかけ、
    永久に出会えなくなる。

    SFと半ばホラーのような話。

    短編小説群
    幽霊時代
    時計台
    ケンタウロスの子守唄
    水の中の微笑
    エンゼルゴーホーム
    エンゼルゴーホームの後書き
    からなる。

    ps.
    栗本薫がSF(science fiction:科学小説)作家だったことが分かる作品。
    SFマガジンの編集者とご結婚されたためか,SF愛好者の間での人気はいま一歩なのかもしれない。

    伊集院大介が登場する推理小説や

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    2013年08月14日
  • 新装版 ぼくらの時代

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    乱歩賞第24回。読みやすいにょ☆アルキメデスより爽やか風味て感じ。
    キャラがユーモラスで親しみやすい。若者たちの心の葛藤を描いて、理解に苦しむ大人たちがいてと共感する部分が多々あったかな。エンタメ的にもよくできている話。
    非常に面白かった。

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    2012年01月27日
  • グイン・サーガ15 トーラスの戦い

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    思いがけずお互いに親近感を覚えるナリスとイシュトヴァーン。しかしナリスからリンダの話を聞き、出奔。そして驚くほどあっけないヴラド大公の死。暗殺などではなかったのが妙にリアルです。アンダヌスのたくらみも崩壊しつつあり、逃げながらも奮戦するアムネリスは…。物語の加速は止まりません!イシュトがいなくなってさびしがるナリス様を意外に思いながら、人間臭さを感じて少し好きになりました。今までと別の意味で…wイシュトの行く末がやはり心配です…。光の公女ってやっぱりアムネリスだったのかな?そして変なところ出てきたクムも…。

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    2012年01月26日
  • ゲルニカ1984年

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    ネタバレ

    ゲルニカ,エグゾゼ,1984年(オーウェル)という要素が、どう重なっているかよくわからなかった。

    1960年代に「1984年」という作品を読んで、将来が不安になったことがあるので、栗本薫の書いていることには思い当たることもある。

    ゲルニカには行った事がないことと、現物をゆっくりみたことがないので、安田修平の不安がまだピンと来ていない。

    最期に安田美穂が、子供とお腹の中の子供を思う気持ちは、栗本薫らしい女性として生きて行く前向きの姿勢が見えたところはほっとした。

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    2012年01月22日
  • 伊集院大介の冒険

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    ネタバレ

    伊集院大介の短編集。

    完全犯罪に関する話題がある。
    完全犯罪を誰の立場で見るかによって、見方が違うかもしれない。

    伊集院大介は、物語に対する著者のような、神の立場で物語っているのかもしれない。
    ちょうど、新冒険の解説で、「お坊さん」みたいと言われたことがより理解できるようになった。

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    2012年01月17日
  • グイン・サーガ21 黒曜宮の陰謀

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    『三人の放浪者』から始まるケイロニア陰謀編が、グイン・サーガの中では特に好きです。

    物語として、とても良くまとまっている。

    アリストートスが物語りに登場するあたりから、少々文章が乱れる著者ですが、この頃はそんな違和感もなく、物語にとっぷりと浸れます。

    グインの立身物語であり、ケイロン宮廷の陰謀劇であり、互いに隠したい過去をもつ若者達の不器用な恋愛物語であり……。

    ケイロニア陰謀編だけ抜き取って読み返したりした事が何度かあります。

    この巻は、その中でも物語の山場。象徴的な作品です。

    あと、カバーイラストの天野さん。
    この頃の作品の雰囲気が一番ツボだった。
    どんどんイラストのタッチがラ

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    2012年01月15日
  • 六道ヶ辻 ウンター・デン・リンデンの薔薇

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    ネタバレ

    栗本薫の女学園物。
    大導寺一族のものがたりの、「大導寺一族の滅亡」に続く、第二作。
    独立した物語であるので、第一作を読んでいなくてもよい。

    大導寺一族の不思議な巡り合わせは、恐怖小説でもなく、幻想小説でもないのかもしれない。

    文化と風俗を描写している。

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    2012年01月14日