栗本薫のレビュー一覧
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グイン・サーガ、本当の本当の最終巻。
この本に、「ヒプノスの回廊」と「アレナ通り十番地の精霊」が載っているのは、いいチョイスだなとちょっと思った。
「ヒプノスの回廊」は、グインが、これまでのこだわり続けてきたランドックの世界を否定して、今のこの世界に生きることを宣言する話。
ここからは、彼は、ランドックのグインではなくて、ケイロニアのグインであり、中原のグインである。
彼が彼自身を見つけたと感じる物語であり、本当の物語のはじまりでもあります。
そして、「アレナ通り十番街の精霊」は、英雄そのものを否定する話。どんなに英雄が凄かったとしても、世界を動かしているのは、煙とパイプの人々や、そこに -
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ついにアニメ化されたグイン・サーガを、今しがた見終わったばかりです。
1979年に、この第一巻『豹頭の仮面』が出てから、30年を経ての満を持した初めてのアニメ化ということで、ドキドキ期待して見ましたが、残念ながら、それほど、感心した出来栄えではありませんでした。
あまりにも、子ども向けすぎるのでは?と思ったのは私だけでしょうか。
もちろん、30年書き継がれた世界最長編のヒロイック・ファンタジーである孤高さを失わないで、などという気はもうとうありませんが、最も新しい読者である少年少女に対してだけに向けられた映像化のようで、大人の鑑賞に堪えられる部分をもう少し追及してほしかった、と思いました -
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ネタバレ単行本では小松左京が解説を書いている。
次世代の作家として、持ち上げたり、褒めそやしたり、うらやましがったり。
ラフイユテリブル
スラン
ミッドウイッチカッタ
ディーセント
サンタナ アブラクサス
エレクトロニックエンバイラメンt
などのわけのわからない単語が飛び交っています。
「風俗が風俗としての一つのまとまりをもたせ、さらなる異なる風俗の間の翻訳可能性をなりたたせているのは、構造的一貫性をもった論理があり、また逆に論理そのものも、一つの風俗のように時代的歴史的制約をまぬがれない、というのが、いわゆるクーンのいうパラダイムというものでしょう」
さすが大作家だけあって、構えが大きい。 -
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ネタバレ栗本薫の作品には、桜がよくでてくる。
セイレーンは桜井だし、
緑の騎士は、桜を切る話から始まる。
栗本薫は、戦後の新人類(new generation)の日本人の典型なのかもしれない。
そう気がつくと、大正浪漫を書きたくなった気持ちも推測できる。
新撰組ものよりは、より現実味を帯びている。
あとがきの
「あまりに味気なく、そしてあまりにも色気も艶も、妖しさもふしぎな憧れも消えはてたいまのこの世であってみれば、なお。」
で想像がつく。
他人から見れば、栗本薫は味気があり、艶も妖しさもあり、
不思議ちゃんとして憧れる人なのに。なぜ。 -
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ネタバレ栗本薫の時計台を収蔵している。
初出が『オール讀物』1980年2月号で、
文庫は「幽霊時代」(講談社文庫)に収蔵している。
2人が時計台で見つめ合いながら、
ある日に言葉をかけ、
永久に出会えなくなる。
SFと半ばホラーのような話。
短編小説群
幽霊時代
時計台
ケンタウロスの子守唄
水の中の微笑
エンゼルゴーホーム
エンゼルゴーホームの後書き
からなる。
ps.
栗本薫がSF(science fiction:科学小説)作家だったことが分かる作品。
SFマガジンの編集者とご結婚されたためか,SF愛好者の間での人気はいま一歩なのかもしれない。
伊集院大介が登場する推理小説や -
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『三人の放浪者』から始まるケイロニア陰謀編が、グイン・サーガの中では特に好きです。
物語として、とても良くまとまっている。
アリストートスが物語りに登場するあたりから、少々文章が乱れる著者ですが、この頃はそんな違和感もなく、物語にとっぷりと浸れます。
グインの立身物語であり、ケイロン宮廷の陰謀劇であり、互いに隠したい過去をもつ若者達の不器用な恋愛物語であり……。
ケイロニア陰謀編だけ抜き取って読み返したりした事が何度かあります。
この巻は、その中でも物語の山場。象徴的な作品です。
あと、カバーイラストの天野さん。
この頃の作品の雰囲気が一番ツボだった。
どんどんイラストのタッチがラ