心にそっと寄り添う、優しい哲学の絵本。
この本は、姉弟の何気ない会話の中に、死や喪失、そして生きることの意味を静かに問いかけてくる。割れたお皿を見ても、それが悲しい終わりではなく、いつか壊れるものとして受け入れるメメンの言葉がとても印象的だった。日常の小さな出来事から大切な真理を見つけ出す力があり、忙しい毎日の中で忘れかけていた“今を生きる”ということを思い出させてくれる。心が疲れた時に何度も手に取りたくなる、やさしく温かい一冊だ。ヨシタケシンスケさんの細やかなイラストが言葉の余韻をさらに深めている。