子供の頃に不思議に感じたことも、大人になって考えてみると、存外あっさりと解決してしまうことがある。
が、やっぱりどう考えても辻褄の合わないこともある。
『まれやまさんちのおばちゃん』
おばさんの家で見た、茶箱いっぱいの蛇の死骸。今考えると漢方薬か何かに使うんだろうけど、あの時箱の中から聞こえた音は一体何だったんだろう。そしておばさんは東京の高級住宅街へと引っ越して行った
『カズちゃんたち』
K町にいる3人の男女のカズちゃんが、おかめのお面をつけて夜の原っぱで踊っていた
『サブロウさん』
サブロウさんに聞かされた狸囃子を探して迷子になった私を助けてくれた灯りが、「おくりちょうちん」だと気づいたのは大人になってから
『ベティーさん』
私にだけ本名を教えてくれたベティーさん。ベティーさんが亡くなった時間に会ったベティーさんは、私にしか見えていなかったようだ
『教頭先生』
入院しているはずの教頭先生が、誰もいない校庭の池に飛び込んだのを見た
『せーばあんちゃん』
子どもたちに「カタ」を売って、その「カタ」を使って子どもたちが作った作品の優劣を決める「カタのおじさん」。何度も勝てば、ポイントがたまって良い賞品と交換してもらえる(ただし出品された作品の所有権は「カタのおじさん」にうつる)
目玉賞品を渡すのが惜しくて、一番上手にできたせーばあんちゃんの作品を優勝にしなかったテキ屋のおじさん。その日に私は丑の刻参りの音を聞いた。翌朝、いつもテキ屋のおじさんが座る後ろの木には釘がささっていた。それきりテキ屋のおじさんはこの町にはやって来なかった。
『浅間のおじさん』
八百屋のおじさんは、浅間のおじさんの亡くなる時期をお医者さんより的確に当てた。そして亡くなった浅間のおじさんの家に行った私を、八百屋のおじさんは呼び止めてお祓いをしてくれた
『写真屋のおじさん』
銭湯で海軍時代の潜水艦ごっこをしていた写真屋のおじさんと私。のぼせた私が見たおじさんの海軍仲間の上司のことを話すと、おじさんはそれ以後潜水艦ごっこをしなくなった。
『ガンショップのおじさん』
となり町の商店街は迷路のようになっており、やっと見つけた開いている店に入り込むと、そこではとっくに住んだはずの浅間のおじいさんのお葬式のようなものが開かれていた…。
『松風のお嫁さん』
和菓子屋「松風」に来たお嫁さんが電話ボックスに入るのを見た。お嫁さんは電話が終わると下半分が不透明な
電話ボックスの中にしゃがみ込み、一瞬後に立ち上がった時には洋装から着物へと変わっていた。それから半年後、お嫁さんはK町から出て行った。
『ジュンジロウさん』
結婚を反対していた父親に邪魔されないように、父親の嫌いな桜の樹の下で宴会のような結婚式をしたいというカズちゃん。木の上には、おじさんと、戦死した息子のジュンジロウさんが見えた