【感想・ネタバレ】K町の奇妙なおとなたちのレビュー

あらすじ

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昭和30年代、東京のはずれにあるK町。あの頃、あの町には、こんな人びとがいたーーベティーとよばれる謎めいた女性、銭湯で潜水艦ごっこをする風変わりな中年男、戦争の影を引きずるアパートの管理人一家など、少年の目にうつった市井の人びとの悲喜こもごも11篇。小さな町に生きる大人たちの複雑な人間関係を織り交ぜながら、ファンタジーと現実とのあわいに生きる子ども時代の「不思議」の感覚をリアリティ溢れる筆致で再現。昭和の情緒をひしひしと感じさせ、過ぎ去った過去への郷愁と切なさに満ちた作品。

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ネタバレ

1番怖いと思った話が「ベティちゃん」です。マチコさんが亡くなる前に主人公の前に現れるがそばに居たおばさんは気づいていない。ちょっと背筋が凍りました。

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2024年08月03日

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著者・斉藤洋さんが自身の幼少期の思い出をベースに綴った11編のお話。「霊感が強い人?」と、斉藤さん自身の不思議な力にも興味がわきます。昭和30年代の雰囲気も満載です。

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2021年05月12日

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ネタバレ

なんか表紙がいいカンジだったので手にとる。
お話、お話の間にある挿絵もなかなか味わい深いものがあった。

奇妙なおとなたち。
なるほど。
ファンタジーではない。懐かしい、とゆーわけでもない。
奇妙、とゆー字面がぴったりの感じなお話。

ぼっちゃん、と呼びかけられるまで、主人公、女の子と思ってたぞ。
ちょっとしんみりしちゃったのはベティのおはなし。
あとあじ悪めだったのは月光仮面のおはなし。
なーんか気になったのは教頭先生のおはなし。

この子の家族は興味深い。
先生、と呼ばれる元ヤクザっぽい父。
あっ、今思ったが、先生って政治家系か??
そこそこ豊かなおうちっぽい。
そーいや、おとなたち、とあるように、友達との話とかはあんまなかったなあ。
商店街で迷ったとこは少しファンタジーはいってた。
最後は桜の木の下でみんな笑顔だったので、よかったよかった。

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2013年03月27日

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ネタバレ

昭和30年代、東京のはずれのK町。
わたしが回想する、就学前から小学生(低学年くらいまで)時代の、ちょっと不思議な連作短編。
両親をはじめ、隣のK荘(アパート)のいつもお小遣いをくれるおばちゃん、お父さんの下っ端野良部下(?)のサブロウさん、時々預けられたベティーさん、銭湯で潜水艦の乗組員ごっごをした普段は堅い顔したおじさん、知らず知らずのうちに わたしがつないだ、モデルガンの店主と近所のカズちゃんの恋。・・・

戦後日本の、なんだか陰影礼賛な建物がならぶ、東京とはいえまだまだ田舎の町の
奇妙な、でも、ありそうな物語。

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2014年08月10日

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ネタバレ

子供の頃に不思議に感じたことも、大人になって考えてみると、存外あっさりと解決してしまうことがある。
が、やっぱりどう考えても辻褄の合わないこともある。

『まれやまさんちのおばちゃん』
おばさんの家で見た、茶箱いっぱいの蛇の死骸。今考えると漢方薬か何かに使うんだろうけど、あの時箱の中から聞こえた音は一体何だったんだろう。そしておばさんは東京の高級住宅街へと引っ越して行った
『カズちゃんたち』
K町にいる3人の男女のカズちゃんが、おかめのお面をつけて夜の原っぱで踊っていた
『サブロウさん』
サブロウさんに聞かされた狸囃子を探して迷子になった私を助けてくれた灯りが、「おくりちょうちん」だと気づいたのは大人になってから
『ベティーさん』
私にだけ本名を教えてくれたベティーさん。ベティーさんが亡くなった時間に会ったベティーさんは、私にしか見えていなかったようだ
『教頭先生』
入院しているはずの教頭先生が、誰もいない校庭の池に飛び込んだのを見た
『せーばあんちゃん』
子どもたちに「カタ」を売って、その「カタ」を使って子どもたちが作った作品の優劣を決める「カタのおじさん」。何度も勝てば、ポイントがたまって良い賞品と交換してもらえる(ただし出品された作品の所有権は「カタのおじさん」にうつる)
目玉賞品を渡すのが惜しくて、一番上手にできたせーばあんちゃんの作品を優勝にしなかったテキ屋のおじさん。その日に私は丑の刻参りの音を聞いた。翌朝、いつもテキ屋のおじさんが座る後ろの木には釘がささっていた。それきりテキ屋のおじさんはこの町にはやって来なかった。
『浅間のおじさん』
八百屋のおじさんは、浅間のおじさんの亡くなる時期をお医者さんより的確に当てた。そして亡くなった浅間のおじさんの家に行った私を、八百屋のおじさんは呼び止めてお祓いをしてくれた
『写真屋のおじさん』
銭湯で海軍時代の潜水艦ごっこをしていた写真屋のおじさんと私。のぼせた私が見たおじさんの海軍仲間の上司のことを話すと、おじさんはそれ以後潜水艦ごっこをしなくなった。
『ガンショップのおじさん』
となり町の商店街は迷路のようになっており、やっと見つけた開いている店に入り込むと、そこではとっくに住んだはずの浅間のおじいさんのお葬式のようなものが開かれていた…。
『松風のお嫁さん』
和菓子屋「松風」に来たお嫁さんが電話ボックスに入るのを見た。お嫁さんは電話が終わると下半分が不透明な
電話ボックスの中にしゃがみ込み、一瞬後に立ち上がった時には洋装から着物へと変わっていた。それから半年後、お嫁さんはK町から出て行った。
『ジュンジロウさん』
結婚を反対していた父親に邪魔されないように、父親の嫌いな桜の樹の下で宴会のような結婚式をしたいというカズちゃん。木の上には、おじさんと、戦死した息子のジュンジロウさんが見えた

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2014年04月27日

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斉藤 洋 作
森田 みちよ 絵
偕成社 (2012/9)

続いて斉藤 洋 作

これはまだ戦後の名残があり高度経済成長に駈け出そうとする時代
奇妙なおとなたちを少年の目を通してユーモラスに描きます

疑問は残ったままなのがいいです
後味がとてもいいです

≪ あの時代 混沌として 親も子も ≫

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2013年03月21日

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奇妙なおとなたちが織り成す普通だったり普通じゃない話。

『世にも奇妙な物語』というほど完全に世界が変わっているわけではないけれど、K町を生物探知スコープ(そんなのないけど)で見たら、きっと何人か“unknown”って表記されそう。

しかも途中投げかけられたり疑問に思う謎が、そのまま謎で終わっていたり。リドル・ストーリーではなく、もちろん推理小説でもないんだけど、実に謎が多い。

挿絵もやや怖で、装丁からイメージする“黄昏”よりも“逢魔が時”があってるかな。(時間帯は同じだけど)

エピローグはちょっとジーンとした。

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2012年11月15日

Posted by ブクログ

著者の子ども時代と同じころ、昭和30年代の東京近郊のK町。そこに住む主人公の少年と町の大人たち。著者のノスタルジー的短編かと思いきや、それぞれにちょっとSFチックなラストが待っていたり…。まさに「奇妙な」連作短編集。

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2012年10月25日

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