斉藤洋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ斉藤洋のアラビアンナイトシリーズ4冊目。
ある国王に献上された黒檀でつくられた木馬。美しく、たくさんの宝石がちりばめられているというだけでなく、空を飛ぶのです。しかし、それを献上したペルシャの老人は、かわりになんでも希望をかなえると言われ、王の娘を妻に欲しいと言う。年がちがいすぎる!ところで、その国の王子は、木馬にのって異国へ行き、美しい姫と出会い、恋に落ちる。恋と冒険の物語。
もう一作「アブ・キルとアブ・シル」の話。腕がいい染め物職人だが、怠け者で人を騙してばかりのアブ・キル。腕がいい床屋で、やさしく、気前のいいアブ・シル。いつもアブ・キルのために食事をやったり、面倒をみてやっているアブ・ -
Posted by ブクログ
ネタバレ斉藤洋のアラビアンナイトシリーズ2冊目。
ディズニーの映画で「知ってる」気になっている子が多いと思われるが、(私もその一人)斉藤洋の再話はやはり良い。あとがきで、アラジンは運命に予定されていたランプの使い手だという不思議と、アラジンが途中からランプを使わなくなるということに注目して、「偶然手に入れたパワーに、いつまでもたよるような人間は、ランプの所持者としてふさわしくないということでしょう」というのがいい。
それにしてもアラジンははじめ、遊びほうだいで母親を悩ませ、母親もアラジンの言われるままに、過保護にも王様への謁見に行ったりと、ちょっとなあ、と思うが、アラジンも10歳とかから話がはじま -
Posted by ブクログ
ネタバレ斉藤洋によるアラビアンナイトシリーズ1冊目。
正式には千夜一夜物語。ペルシャの王が、ある女性に裏ぎられてから、夜は女をめとりながらも朝には殺していた。とうとう女性がいなくなり、大臣の娘が王のもとに。その女・シェヘラザートは、王に楽しい話しを語り、王は話しの続きが知りたいがために、シェヘラザートを生かし、ついに仲の良い夫婦になった。千夜一夜物語はシェヘラザートの語った物語としていくつもの話をまとめたもの、という枠物語とされています。
千夜一夜物語は、フランスのアントワーヌ・ガランが18世紀に、イギリスのRバートンが19世紀はじめに紹介しています。もともとはインドからギリシャにいたる広い地域 -
Posted by ブクログ
田舎のおじいさん・おばあさんが孫に語る自身の不思議な体験談を物語にしたかのような本。
怪談では無い、田舎という限られた空間の中で、そこに住む人々が信じるもの、都会にはない豊かな自然とそこの人々との関係から生まれたような現象。現象というと無機質に感じられるかもしれませんが、普段は目に見えないし感じられないのだけれど、確かに存在していて、ふとした瞬間に現れ出でる。この物語の形式が、大人になった自分が子どもの頃のことを思い出して書く、というものだからなのかもしれませんが、少し距離を取りつつその不思議さを観察するかのような視点で、あまり感情的でないからこそ、かえって「あれは何だったのだろう」という謎 -
Posted by ブクログ
シリーズ5巻の「天草の霧」は、文字通り天草四郎が登場します。
彼は、キリシタン一揆の大将として不思議な力の持ち主という設定です。
物語の最初は、南蛮堂という名のタバコ売りの人間が、白駒山にやってきて白狐魔丸に弟子入りします。その弟子が旅に出るというので、白狐魔丸も同行しますが、途中から南蛮堂は「用事ができた」と言って西へ向かいます。
このシリーズ1作目の源平は、笑いの要素多く子どもでも十分楽しめたのですが、人間と戦がテーマのような内容が作を重ねるにしたがってやや重たく感じられるかもしれません。しかし、大人にとっては読み応えがあり、このシリーズにますます魅かれていきます。