呉座勇一のレビュー一覧

  • 日本史 敗者の条件

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    とても読みやすかった。
    西郷隆盛は心身ともにかなり疲れていて、それが判断を謝らしめたのだなということがわかった。

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    2025年06月18日
  • 動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで

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    川中島、桶狭間、三方ヶ原、長篠、関ヶ原、大坂、惣無事と、戦国史でも注目を浴びる大イベントそれぞれの歴史研究の最前線を紹介する新書。誰が何を主張してそれを誰が批判して、どちらの方がなぜ説得力があるのかという、学術的な観点からの紹介が面白い。最新の歴史研究を自分のようなただの歴史好きが知るにはこのような本がありがたい。
    また通説がどう生まれたかというと旧陸軍参謀本部が軍記類など無批判に用いて作成した『日本戦史』と、それに依拠した徳富蘇峰『近世日本国民史』だということも勉強になった。

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    2025年02月02日
  • 武士とは何か(新潮選書)

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    武士の名ゼリフに関しての連載をベースにしていて、そこから武士の価値観を見出すことができるのではないかとの気付きがこのタイトルになっているので、タイトルから想像する内容とはかなり違った。でも最近の研究の成果を取り込んでわかりやすく書いているので勉強になったし面白かった。源義家から始まり、鎌倉時代、南北朝時代、室町時代、安土桃山時代の武士や武士を評した公家などの名ゼリフを取り上げている。終わりにあったような当時の武士の価値観は、すでに菅野覚明さんの本とかで目にしてたのでそんなに新しい感じはなかった。

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    2024年12月22日
  • 陰謀の日本中世史

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    先に著者の『応仁の乱』や、この本でも取り上げられている亀田俊和『観応の擾乱』を読んでいたが、そこで解説されていた関係者·関係勢力の動向、物事の推移の複雑さは、歴史の面白さをとても実感できるものだった。
    刻々と変わる利害関係、それぞれが状況把握できていない混乱、各々のもつ野望や利益追求や妥協や諦め、超個人的な要素の「本人のやる気」、状況をムダに引っ掻き回す人物、誰にも予測できない突発的事態…。
    これらが教科書なら数行で終わってしまう歴史用語のなかで蠢いているのは、わかりにくさも含めて「歴史って一筋縄ではいかないな!面白ろ!」と思ったものだった。

    そこを歩いた後、本書でも紹介されている陰謀論はど

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    2024年11月18日
  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    源頼朝と北条義時の軌跡を通して、武家政権の成り立ちを解説した本。

    教科書だけではわからない、源平合戦や承久の乱での主要人物の動向がわかりやすく書かれています。

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    2024年11月07日
  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    鎌倉殿の13人に触発されて読んだ本書。

    鎌倉幕府誕生から、執権政治の確率に至るまでの流れが解説されていて、同時代の理解が深まった。特に、鎌倉幕府の必ずしも公(朝廷)に対し武(武家)を統括、保護する立ち位置でない、というのは今までの自分の認識と大きく違ったところで、目から鱗であった。

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    2024年11月03日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    戦国乱世の扉を開いた応仁の乱はいかに起こり、なぜ長期化したのかを読み解いた本。

    高校日本史の知識が身についていることが必要。授業だけでは見えてこない、戦の経緯や室町時代の本質を学べます。

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    2024年07月13日
  • 明智光秀と細川ガラシャ ──戦国を生きた父娘の虚像と実像

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    細川ガラシャを中心に父・明智光秀を含めた論考4本からなる一冊。史料上に見える実像、ヨーロッパで展開・受容された人物像と近代日本への影響など興味深い内容だった。

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    2024年06月21日
  • 戦国武将、虚像と実像

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    歴史上の人物の評価はその時代によって左右されるという事。同様な事は八幡先生の著書でもあったが本書の方がより具体的で説得力があった。
    本人の発言や動画の残っている現代ですら人の行動の真意などは当てにならないから資料の少ない戦国時代などは受け手の考えにすり替わっているのかもしれぬ。
    日本人の歴史観は講談と司馬遼太郎で成り立っている様にも見える。
    井沢先生には推理小説家とその通りなのだがバッサリな批判なのは面白かった。

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    2024年06月17日
  • 陰謀の日本中世史

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    歴史上の陰謀論がなぜ学会で論じられないのかといったそもそも論を皮切りに、陰謀論の様々な特徴を発見していき本丸の本能寺の変の陰謀論へと突き進んでいく
    陰謀論の特徴についてはこのネット全盛期における陰謀論の氾濫に対する一種の防衛策になり得ると感じた

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    2024年05月21日
  • 戦国武将、虚像と実像

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    時代によってどのように人物像が書き換えられていったか、丁寧に分かりやすく説明されている本。ところどころ「司馬遼太郎を目の敵にしてるのか?」と感じてしまうところもありますが、それはそれだけ現代日本人に対する司馬遼太郎の影響が大きいからでしょう(あるいは、単に自分が司馬遼太郎好きなのでそう感じてるだけかもしれませんが)。
    ともあれ、繰り返しになりますが、人物像はその時代の都合(あるいはその時代の常識)により勝手に書き換えられてきたということを、丁寧に説明してくれている良書だと思います。

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    2024年05月05日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    主に南北朝の戦乱や応仁の乱前後の出来事を解説することを通じて、当時の人々がとのように戦乱と向き合ったのかを解説した本です。

    【こんな人におすすめ】
    南北朝時代の戦乱について詳しく知りたい人
    応仁の乱がなぜ起きたのかの経緯が知りたい人

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    2024年04月09日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    経覚・尋尊という奈良 興福寺の僧侶の眼を通しての、新しい「応仁の乱」像。
    経覚の父は関白・九条経教、母は浄土真宗大谷本願寺の出身。尋尊の父は関白左大臣一条兼良、母は中御門宣俊の娘と言う、所謂良家の出家者。当時はこのように公卿からの出家者は、大きなお寺の今で言う貫主の地位につけたようだ。

    さて新しい視点の「応仁の乱」と言っても、高校の授業で、恐らく教科書の数行程度の記述でしかなかったと思われ、自分にとっては新しいも古いもなく、そのまま素直に読解することを心がけた。

    この時代、敵になったと思ったら寝返ったり、親子・兄弟の間でも敵味方になったりと、実にややこしい。で、なかなか読み進めることが出来

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    2024年02月28日
  • 動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで

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     戦国時代の合戦の最新研究が平易にまとめられており、戦国時代ファン必見。英傑たちの偉大さを否定するわけではなく、しかし一方で神話のような世界で生きていたはずもない。そんなあたりまえのことに、旧日本軍も歴史学会も、なぜ気づかなかったのかと、暗い気持ちにもなる。最新研究で、ようやくニュートラルな戦国時代が見えてくると期待する。

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    2025年12月07日
  • 動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで

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    歴史小説等から定説となっている戦国の戦を最新の知見から再評価する。小説と歴史学は全く別物、それぞれの魅力がある。

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    2024年01月18日
  • 陰謀の日本中世史

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    保元平治の乱、源平合戦、鎌倉幕府の権力闘争、足利尊氏の幕府設立、応仁の乱、本能寺の変、関ヶ原合戦の7つについて、最新の歴史研究をもとに俗説を打破する一冊。

    必ずしも陰謀論の法則性が導けているとは言えないが、安易にわかりやすい結論に飛びつくのを戒める意味はあるだろう。

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    2024年01月08日
  • 動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで

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    戦国時代の有名なお話、桶狭間の戦いや長篠の戦いで、エポックメイキングな要素はほとんど後世の作り話だという最新の研究者達の論考の紹介本。


    まぁ、そんなもんだろうな・・・と思われたものの、こういう(一般人をがっかりさせるような)研究をする人達のモチベーションって何だろうと不思議でならない。

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    2023年12月31日
  • 陰謀の日本中世史

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    全ての歴史愛好家にお薦めしたい一冊。
    タイトルからすると一見、日本中世が陰謀に満ち、それを紹介する一冊のように思えるが、逆に、著者は、日本中世史における数々の陰謀・トンデモ説を、歴史学の手法に則って分析し、痛快に切り捨てていく。
    中世史だけでなく、検証もされない陰謀論が氾濫する現代に警鐘をならす一冊。
    終章「陰謀論はなぜ人気があるのか?」では、「田母神論文」「藤原正彦」「渡辺昇一」も俎上にあがる。

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    2023年12月15日
  • 動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで

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    サクサク読み進んで、とても面白かった。書籍等で最もメジャーな戦国時代の合戦史が、旧陸軍主導の研究という背景から、最も研究が遅れていた分野であることは、ある意味、新鮮であった。
    研究者らで議論されている新説、反論説で戦国合戦をテーマにした新しい筋書きの歴史小説が生まれることを期待したい。

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    2023年12月01日
  • 動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで

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    第一線の現役研究者による合戦に関する最新研究状況。「川中島の戦い」「桶狭間の戦い」「三方ヶ原の戦い」「長篠の戦い」「関ヶ原の戦い」「大坂の陣」という六つの戦いと、「豊臣秀吉の天下統一過程」について解説している。
    かつては偽書扱いだった「甲陽軍鑑」の位置付けが変わっている事や、徳富蘇峰の著書が後世に与えた影響の大きさなど、改めて知る事ができた部分が多かった。やはり第一次史料となる書簡等を元に説明されると説得力が違う。
    ⭐︎は4つ。個人的にはすごく面白いけど、研究書とかに縁が無い人にはちょっとハードル高めかと…。司馬遼太郎の「関ヶ原」「城塞」などと照らし合わせながら読むと無茶苦茶面白そうです(そん

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    2023年11月01日