呉座勇一のレビュー一覧

  • 陰謀の日本中世史

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    読むのはなかなか骨が折れますが,歴史に対する知的興味を大いに刺激されました。

    一番目からうろこだったのは,「応仁の乱」というのは,実はそういう争いだったのだということ。
    室町時代は,ぱっとした印象がこれまでなかったのですが,「観応の擾乱」といい,愛憎激しく,複雑でドラマティックな時代だと認識を新たにしました。

    著者のベストセラーである「応仁の乱」も手に取ってみようと思います。

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    2019年04月24日
  • 陰謀の日本中世史

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    平安時代末期の保元の乱から関ヶ原に至るまでの、
    有名な乱や事件をたどりながら、陰謀論や諸説の誤りを論破する。
    第一章 貴族の陰謀に武力が加わり中世が生まれた
    第二章 陰謀を軸に『平家物語』を読みなおす
    第三章 鎌倉幕府の歴史は陰謀の連続だった
    第四章 足利尊氏は陰謀家か
    第五章 日野富子は悪女か
    第六章 本能寺の変に黒幕はいたか
    第七章 徳川家康は石田三成を嵌めたのか
    終章  陰謀論はなぜ人気があるのか?
    参考文献有り。重要なことは太字で強調。
    世に様々な“陰謀論”が溢れていますが、それらの誤りを指摘し、
    論破するという内容です。これがなかなか痛快(^^♪
    が、それ以上に、そもそもの乱や事件の

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    2019年04月20日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    鎌倉幕府末期から南北朝の争いを経て応仁の乱までの日本中世、戦乱は乱発し、武士たちにとって「死」は身近な時代だった。だから、その時代の日本人は今とは違って、喜び勇んで戦乱に身を投じていたと考えるかもしれない。

    しかし、どの時代だって、人間は死を恐れるし、平和に暮らしたいはず。そう考えて日本中世史をながめてみれば、違う世界、人間が見える。

    南北朝に分裂した天皇家と足利将軍が争い合う時代、武士たちは裏切りを繰り返し、複雑で混沌としていた。著者はこうした離合集散する武士たちのマインドについて、死を避け、富を得るために戦闘参加していたとシンプルに定義する。忠義、正義なんて言葉が登場する前の時代であれ

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    2019年02月11日
  • 一揆の原理

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    一揆といって一般に連想される「百姓一揆」は一揆の典型例ではなく、むしろ亜種である。
    一揆とは中世における人々の連携・連帯・コラボレーションの総称であり(意訳)、現代にも通じるものがあるというのが著者の見解である。
    ざっくりまとめすぎて、我ながら大胆かなと思う。

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    2018年12月31日
  • 陰謀の日本中世史

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    陰謀に繋がる考え方の実例・パターンを知ることができて面白かった。
    状況証拠に基づいているから、どうとでも解釈できてしまう。

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    2018年12月04日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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     「応仁の乱」よりずっと読みやすく分かりやすい。ぼくのような素人が応仁の乱の上っ面だけを知りたいのなら、本書最終章の「山名宗全と戦後レジーム」以降だけで充分。とは言え、そこに至る過程を知っておく方が遙かに理解は深まる。

    はじめに――「戦争の時代」としての日本中世
    第一章 蒙古襲来と鎌倉武士
    「戦争」を知らない鎌倉武士/蒙古襲来は避けられた戦争?/鎌倉幕府の“平和ボケ”/一騎打ちは本当にあったのか/鎌倉武士の装備/武士団の構成/日本軍の弱点/「モンゴル軍優勢」という虚構/「神風」は吹いたか/モンゴル軍撤退の真因/戦後日本の「平和主義」/遺言状を書いて出陣/幕府権力の変質/「戦時体制」と鎮西御家

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    2018年11月04日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    元寇から応仁の乱までの日本の戦争や体制の変遷を記述。著者は、外的な要因としての蒙古襲来よりも、その後の南北朝時代の方が、全国の普通の武士たちを本格的な戦争に巻き込んでいったとみる。
    著者は、民衆が権力を打倒するために決起するという「階級闘争史観」を批判的に見ている。例えば、鎌倉幕府の滅亡は、北条氏の専制支配への不満が高まり体制打倒の機運が生じた背景があると説明されることが多いが、当時の人たちは当初鎌倉幕府の滅亡を想像もしていなかった。楠木正成のゲリラ戦で人々の不平不満が一挙に噴出していったという。

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    2018年10月21日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    荘園制が終わりの始まりを迎えた平安後期から戦国大名が統合的な統治を実現する16世紀にかけて、天皇家・公家の統治は空洞化し、権力と経済力を蓄えてきた武家により解体されていく。このプロセスがあったからこそ日本版絶対王政というべき豊臣政権・徳川政権が実現したのだし、その前に「戦争の中世」があったのは欧州も日本も同じ。本書はその戦争の中世の中後期、13世紀末の蒙古襲来から15世紀の応仁の乱前までを考察し、武士や民衆の下剋上が線形に美しく進んでいく、という唯物史観に警鐘を鳴らす本。ただ、線形ではないが、トータルで見れば下剋上が進むことで新秩序の実現に近づいていくことは間違いないだろう。

    室町幕府の失敗

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    2018年10月07日
  • 陰謀の日本中世史

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    『陰謀』、そう、モワモワとして空気を包むような縮れ具合で、最近は男性でもツルツルに剃ると言われているそれではなく、ぶら下がった2個で1セットの袋の部分ではなく、『陰謀』です。
    陰謀好きは多いですよね。私も好きです。なんか夢がありますよね。そうであったら面白いとか。弊社の売り上げいまいち上がらないのはユダヤの陰謀とか、まさにそれです。
    そんな奴らに喝を入れたのがこの一冊。
    結果から逆算した陰謀論。
    最終的な勝者が全てを予測して状況をコントロールしていたと考える陰謀論者の特徴で、本能寺の変は豊臣秀吉の陰謀だとか、徳川家康が黒幕とか、まあ、勝者を基準にしたら何でも言えますわな、陰謀か黒幕がそうではな

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    2018年09月26日
  • 陰謀の日本中世史

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    人は物事に意味を持たせたがる。
    短絡的に関係を見い出したがる。
    好みのストーリーを作るために、家康が小野小町に書いた手紙を見つけ出してくる。

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    2018年09月17日
  • 戦乱と民衆

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    戦乱の中における民衆の生き方、というような視点で、日本史を見る視点を変えてみましょう、という啓蒙的新書です。その意味では現在の日本で十分役割は果たしていると思います。
    けれど、同じような視点での研究、著作ならこれまでも少なからずあったんじゃないの?という気がしてならないのですが。たとえば藤木久志さんとか。

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    2018年09月02日
  • 陰謀の日本中世史

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    プロの研究者は、トンデモ科学やトンデモ学説を撃墜している暇はないところ、よく頑張ってこういうのを書けるな、と感心する。インターネット文化はトンデモを定着増産してしまう、という危険はよく指摘されるところ。ふつーの人とアカデミアをつなぐコミュニケーターが必要だということかも。この本もベストセラーということは、歴史のことなら呉座のような学者がちゃんと説明すればふつーの人もわかってくれるのに。科学・技術の領域は、こういうコミュニケーターの育成はまだまだ手薄かな。

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    2018年10月14日
  • 一揆の原理

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    本書は武闘派で過激な一揆より、目立たなくも一般的な交渉のための一揆に主眼を置く。文中で「だろう」「思う」の語尾が多くことから、歴史として解明が難しいジャンルであることが想像される。

    中世の一揆を中心に、現代のデモとの相違やsnsとの類似性を指摘しながら、読む者の一揆に対する想像力を深める工夫が多い。また、戦後歴史学がテーゼとした一揆ニアイコール反体制運動という解釈を批判することも、一般的な一揆の輪郭を際立たせている。

    公家、武家、寺社、民衆とわずそれぞれの社会が徹底的な階級社会だった時代において、一味神水を経てフラットに同心した集団とは、交渉を求められる側からすれば異形の存在だったことだろ

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    2018年05月18日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    ネタバレ

    「応仁の乱」を読んで、さらに中世史を知りたくなって購入。歴史を正面から考察する書物が意外に面白い。語り口の平明さや少し砕けた解説のためか、非常にわかりやすい。
    中世に生きる武士、将軍や守護ではない、地方の一武士がいくつも紹介される。生々しいとも思える本音も見えてくる。中世史の少し難しめの本にも手を出してみようかと思える。

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    2017年08月08日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    元寇から応仁の乱にかけての武士たちの動向を分かりやすく解説しています。
    鎌倉時代後期からは戦で武功を立てても新しい土地がある訳ではなく、命を失えば家族が路頭に迷う可能性が高いので、なるべく無駄な戦には出たくない武士が多かった、という解説は、中世の武士たちが現代の人類と何ら変わらない、普通の人間であることが良く分かります。
    著者は全編を通じて、マルクス主義的に歴史を見るのではなく、あるがままに中世の武士、民衆を見ようと主張しており、この点も同意できますね。
    後、これは著者の責任ではありませんが、当時の武士の名前に偏諱が多いので、少し混乱するところはありました。

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    2017年01月24日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    悪党の話。家督相続。平和になると兄弟相続で戦時下だと嫡男相続。一揆が中世の頃の家中の概念。一揆が強いと領主権力が弱くなる。強くするためには粛清も必要だが、大義名分がないと他の家臣が納得しない。強引に進めると家中の一揆により領主が追放される。

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    2016年02月11日
  • 一揆の原理

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    ポスト社会史の一揆研究。
    従来の階級闘争史観を批判し、少し前の社会史の呪術的視点を批判し、等身大の一揆像を追求したあたらしい一揆研究(の一般向け教養書)。特に後半部で交換型の一揆に触れつつ、危機的な状況のなかで新たな「縁」の構築として契約を重視した中世人のマンタリテに言及しているのはよかった。

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    2016年01月28日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    蒙古襲来(元寇)から、応仁の乱まで、主に南北朝期を中心に、日本中世の戦争の歴史について、新たな見方を示している。本書の基本的な視点は、従来の歴史学が、階級闘争史観の影響で、中世の武士や民衆を社会の変革主体と位置付け、被支配階級が支配階級に立ち向かう階級闘争として「戦争」を捉えがちだったことへの批判だ。例として、従来、社会の変革主体として高く評価されてきた「悪党」を再検討し、史料に現れる「悪党」は多様で、「悪党」と一括りにできるような集団が存在したわけではなかったと主張している。また、当時の武士は喜び勇んで戦争に出かけて行ったわけではなく、戦の最中も家族を気にかけるなど、戦争に必ずしも積極的でな

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    2015年07月06日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    詳しいことはわからないが、従来のイデオロギーに影響された学説にとらわれず、一次資料から改めて当時の社会情勢を解き明かしてることは素晴らしいと思う。

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    2014年07月06日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    一般書。

    日本中世史を源平合戦や戦国合戦にも触れないで書いているところが凄い。マルクス主義歴史観という階級闘争史観で思考停止している本に飽きた人にお勧め。

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    2014年02月16日