呉座勇一のレビュー一覧

  • 陰謀の日本中世史

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    人は物事に意味を持たせたがる。
    短絡的に関係を見い出したがる。
    好みのストーリーを作るために、家康が小野小町に書いた手紙を見つけ出してくる。

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    2018年09月17日
  • 陰謀の日本中世史

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    応仁の乱は読み途中、先にこちらを。


    研究者が放置している陰謀論やら"真実”系やらの論について論破していく感じ。
    中世史+関ケ原で多岐にわたっているので気になるところだけ読んでもいいかも。
    先行研究の紹介もされているので、どんな研究の流れがあるのか最低限がまとまっていて良い。
    巻末の参考文献一覧は代表的なもののオンパレードなので、気になったらその中から読んでいくといい気がする。

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    2018年09月12日
  • 戦乱と民衆

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    戦乱の中における民衆の生き方、というような視点で、日本史を見る視点を変えてみましょう、という啓蒙的新書です。その意味では現在の日本で十分役割は果たしていると思います。
    けれど、同じような視点での研究、著作ならこれまでも少なからずあったんじゃないの?という気がしてならないのですが。たとえば藤木久志さんとか。

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    2018年09月02日
  • 陰謀の日本中世史

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    プロの研究者は、トンデモ科学やトンデモ学説を撃墜している暇はないところ、よく頑張ってこういうのを書けるな、と感心する。インターネット文化はトンデモを定着増産してしまう、という危険はよく指摘されるところ。ふつーの人とアカデミアをつなぐコミュニケーターが必要だということかも。この本もベストセラーということは、歴史のことなら呉座のような学者がちゃんと説明すればふつーの人もわかってくれるのに。科学・技術の領域は、こういうコミュニケーターの育成はまだまだ手薄かな。

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    2018年10月14日
  • 一揆の原理

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    本書は武闘派で過激な一揆より、目立たなくも一般的な交渉のための一揆に主眼を置く。文中で「だろう」「思う」の語尾が多くことから、歴史として解明が難しいジャンルであることが想像される。

    中世の一揆を中心に、現代のデモとの相違やsnsとの類似性を指摘しながら、読む者の一揆に対する想像力を深める工夫が多い。また、戦後歴史学がテーゼとした一揆ニアイコール反体制運動という解釈を批判することも、一般的な一揆の輪郭を際立たせている。

    公家、武家、寺社、民衆とわずそれぞれの社会が徹底的な階級社会だった時代において、一味神水を経てフラットに同心した集団とは、交渉を求められる側からすれば異形の存在だったことだろ

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    2018年05月18日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    ネタバレ

    「応仁の乱」を読んで、さらに中世史を知りたくなって購入。歴史を正面から考察する書物が意外に面白い。語り口の平明さや少し砕けた解説のためか、非常にわかりやすい。
    中世に生きる武士、将軍や守護ではない、地方の一武士がいくつも紹介される。生々しいとも思える本音も見えてくる。中世史の少し難しめの本にも手を出してみようかと思える。

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    2017年08月08日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    応仁の乱と言えば、無気力な将軍義政に、好戦的な弟義視、狡猾な富子・・・とわかりやすい人物が描かれるのみで、戦闘の主役たちがなぜそのような行動をとったのかの観点で語られることは余りなかった。本書は奈良興福寺のトップ経覚と義尋の記録を基に、乱前の大和争乱から乱後の明応の変あたりまで、登場人物たちの行動を克明に描いていく。何故そのような行動をとったのか、10年もだらだらと戦い続けたのか、というような何故の答えまで用意されている訳ではないが、もうちょっと考えてみると面白い。

    思うに、細川勝元も山名宗全も、源平合戦以来の武士の行動原理に従っているが、現代の我々はその後訪れた戦国時代の大名の有り様を知っ

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    2020年11月17日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    元寇から応仁の乱にかけての武士たちの動向を分かりやすく解説しています。
    鎌倉時代後期からは戦で武功を立てても新しい土地がある訳ではなく、命を失えば家族が路頭に迷う可能性が高いので、なるべく無駄な戦には出たくない武士が多かった、という解説は、中世の武士たちが現代の人類と何ら変わらない、普通の人間であることが良く分かります。
    著者は全編を通じて、マルクス主義的に歴史を見るのではなく、あるがままに中世の武士、民衆を見ようと主張しており、この点も同意できますね。
    後、これは著者の責任ではありませんが、当時の武士の名前に偏諱が多いので、少し混乱するところはありました。

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    2017年01月24日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    悪党の話。家督相続。平和になると兄弟相続で戦時下だと嫡男相続。一揆が中世の頃の家中の概念。一揆が強いと領主権力が弱くなる。強くするためには粛清も必要だが、大義名分がないと他の家臣が納得しない。強引に進めると家中の一揆により領主が追放される。

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    2016年02月11日
  • 一揆の原理

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    ポスト社会史の一揆研究。
    従来の階級闘争史観を批判し、少し前の社会史の呪術的視点を批判し、等身大の一揆像を追求したあたらしい一揆研究(の一般向け教養書)。特に後半部で交換型の一揆に触れつつ、危機的な状況のなかで新たな「縁」の構築として契約を重視した中世人のマンタリテに言及しているのはよかった。

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    2016年01月28日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    蒙古襲来(元寇)から、応仁の乱まで、主に南北朝期を中心に、日本中世の戦争の歴史について、新たな見方を示している。本書の基本的な視点は、従来の歴史学が、階級闘争史観の影響で、中世の武士や民衆を社会の変革主体と位置付け、被支配階級が支配階級に立ち向かう階級闘争として「戦争」を捉えがちだったことへの批判だ。例として、従来、社会の変革主体として高く評価されてきた「悪党」を再検討し、史料に現れる「悪党」は多様で、「悪党」と一括りにできるような集団が存在したわけではなかったと主張している。また、当時の武士は喜び勇んで戦争に出かけて行ったわけではなく、戦の最中も家族を気にかけるなど、戦争に必ずしも積極的でな

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    2015年07月06日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    詳しいことはわからないが、従来のイデオロギーに影響された学説にとらわれず、一次資料から改めて当時の社会情勢を解き明かしてることは素晴らしいと思う。

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    2014年07月06日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    一般書。

    日本中世史を源平合戦や戦国合戦にも触れないで書いているところが凄い。マルクス主義歴史観という階級闘争史観で思考停止している本に飽きた人にお勧め。

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    2014年02月16日
  • 日本史 敗者の条件

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    勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。
    というわけで、歴史的な勝敗事を敗者の分析によって見ていく本。
    読みやすく、面白い本ではある。しかし、あまりに一般的に過ぎるというか、呉座に期待するものとはちょっと違うかも

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    2025年10月31日
  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    著者は、わけあって大河ドラマの時代考証を外れてしまった方。
    大河終了からしばらく経って読むと、理解がより深まった感じ。

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    2025年10月25日
  • 日本史 敗者の条件

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    作者の呉座先生はしっかりした学者さんらしい本を書かれる印象でしたが、こういう柔らかい本も書くのですね。
    それぞれの分析は最近の知見に基づいて書かれているようで、時に、ほう、と思われるような話も出てきて面白かったのですが、現代のサラリーマンに例えたり、サラリーマン向け教訓が毎回登場するので、ちょっとずっこけてしまいました。

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    2025年09月07日
  • 日本史 敗者の条件

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    ネタバレ

    不思議の勝ちを得た勝者から学ぶのではなく、必然の負けをしでかした敗者からこそ学ぶことが大事ではないか、過去の偉人(敗者)を個々の立ち位置別に分類して学んでみた

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    2025年08月13日
  • 南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から後南朝まで

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    南北朝次第の偉人として有名な足利尊氏・楠木正成などの最新な研究を紹介しつつ、通俗的な理解と実際の歴史研究における彼らの姿を比較して紹介している本です
    研究とついて入るものの、内容はかなり入門的で初心者の方にこそおすすめです

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    2025年07月26日
  • 戦国武将、虚像と実像

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    三英傑他の武将の評価の変遷を記述したもの。
    呉座先生らしくわかりやすく書かれているが、司馬遼太郎が蘇峰のパクリなどは谷沢永一も書いていたところ。
    内容はなるほどねと思ったが、結論のところの、歴史観を教訓にするなは無理でしょう。
    普通の生活人は専門書を読んでいる暇はないし、せいぜい大河ドラマと歴史小説が情報源。
    だいたい歴史よりスラムダンクを教訓にした方がいいと言うのもどうかと思う。
    そりゃ信長がとか、関ヶ原ではとか言った方がかっこいい。
    どの国でもその国の大衆史観は偏っているだろうし、正すのは歴史学者の仕事ではないか。
    そこは啓蒙書を多く出している呉座先生らしくない、責任逃れのように思えて残念

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    2025年06月10日
  • 日本史 敗者の条件

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     成功者についてそこから学ぶ類いの本は多いが、失敗にこそより多くの学びがあるというのは本当にその通りだと思う。境遇や幸運に恵まれていたため、それほどの才がなくても成功している人はたくさんいるけれども、単なる偶然だけで失敗した人はそれほど多くない。失敗には必ずその理由があるものだ。
     本書はそんな観点から日本史上有名な失敗者についてそれぞれの属性ごとにセグメントしてその失敗の理由を考察している。まあ、特別に新しい見解ではないのだが、失敗から学ぶという意味ではとてもいい本だと思う。「失敗の本質」は重いですが、これはオーディブルでも十分理解できます。

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    2025年04月24日