呉座勇一のレビュー一覧

  • 陰謀の日本中世史

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    日本史好きな私にとって
    第一章~第七章の内容も非常に興味深い内容でしたが,
    終章の『陰謀論はなぜ人気があるのか?』
    が一番勉強になりました。

    陰謀論の特徴を
    ①因果関係の単純明快すぎる説明
    ②論理の飛躍
    ③結果から逆行して結論を引き出す
    という3つに分類した上で、
    何故陰謀説が人々に受け入れられるのか
    という問題に対して納得のいく回答が得られ,
    満足しました。

    「フェイクニュース」「ポスト・トゥルース」
    といった言葉に代表されるように,
    誤った情報が蔓延る現代において,
    ここで記載された情報を
    自らのリテラシーとして吸収したいと思いました。

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    2020年04月26日
  • 陰謀の日本中世史

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    『応仁の乱』で有名な呉座勇一による一冊。

    保元・平治の乱から関ヶ原の戦いまで、主に武家が台頭して以降の中世史について。
    いわゆる陰謀論の大半を否定してるので面白みはない。

    ただ、以下の2点は陰謀論に与しやすい自分にとっても勉強になった。

    ・加害者(攻撃側)と被害者(防御側)の立場が実は逆である可能性
    ・最終的な勝者が全てを予想して状況をコントロールしてると考えるのが陰謀論の特徴

    つまり、陰謀論は結果から逆算してるから、後付けで何でも言えてしまう。
    陰謀論は単純明快だし、何よりロマンがあって面白いのですが、安易に信じないように気をつけねばと思った。

    P.S.疑似科学との類似性というのも

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    2019年08月24日
  • 陰謀の日本中世史

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    陰謀論で溢れかえる巷のトンデモ歴史観を、歴史学の視点からバッサバッサと痛快に斬って捨てる歴史マニア向けの心得本です。
    以前より私も歴史のトンデモ話には眉をひそめていた一人ですが、何で歴史学からの批判が無いのかなあと思っていたら、やはりアホらしくてまともに取り合ってられないということでしたね。
    ですがたとえアホらしくても、学界と一般大衆をつなぐ共有観念としてこのような取り組みは必要だと思っていたのですが、氏のようにある程度名が通った学者が徹底的に斬って捨ててくれたことで、とても良かったと思いました。

    日本中世の話がメインテーマなのでいまひとつ一般の人にはわからないトンデモ歴史もあったと思います

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    2019年08月25日
  • 陰謀の日本中世史

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    ネタバレ

    日本史の様々な事件を、確実性の高い資料を丁寧に読み込んで陰謀論の可能性を排除する。何よりも陰謀論が何故受け入れられるのかを述べていた部分が面白い。

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    2019年08月22日
  • 陰謀の日本中世史

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    「応仁の乱」で有名になった呉座先生の本。この本は陰謀論の本が書きそうなことを、その陰謀論が根拠としているものの脆弱性(同時代の記録ではない、そうでないことの根拠となる史料のほうが多い、など)を順に指摘して丁寧に粉砕してくというもので、叩き潰し方の丁寧さが見どころかと。

    なるほど、物事を単純化した陰謀論を唱えるのは簡単でも、それを否定するのはこんなに骨が折れることなのか!という思いが残る本です。

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    2019年08月20日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    応仁の乱で一躍有名になった著者の前著。
    最後に「ハト派こそがリアリズムに徹するべきである。そのために歴史学が貢献できることは、まだまだあると思っている。」また、あとがきに「私は軍事学の専門家ではないし、ミリオタでもない。にもかかわらず中世の戦争を取り上げようと思ったのは、この分野の研究が一番遅れているからだ。」と記載のあるように、鎌倉中期から室町期を通じての戦争(合戦)に向かう武士の姿を丁寧に描き出しつつ、戦争の姿、平和の姿を見いだそうとしている。教科書では単に年表的に過ごされ、歴史小説では武勇伝的に描かれる武士の姿が、単にそれだけではない様子で丁寧に論じられるのが好ましい。また、時折顔を出す

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    2019年07月07日
  • 戦乱と民衆

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    戦史というと記録に残りがちな武将や貴族の物語であることが普通だが、ここでのテーマのように民衆をフィーチャーしたものは珍しい。昨今歴史ブームと言われて久しいが、ブームのおかげでこういう広がりが出てくるから目が離せない。

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    2019年06月18日
  • 陰謀の日本中世史

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    読むのはなかなか骨が折れますが,歴史に対する知的興味を大いに刺激されました。

    一番目からうろこだったのは,「応仁の乱」というのは,実はそういう争いだったのだということ。
    室町時代は,ぱっとした印象がこれまでなかったのですが,「観応の擾乱」といい,愛憎激しく,複雑でドラマティックな時代だと認識を新たにしました。

    著者のベストセラーである「応仁の乱」も手に取ってみようと思います。

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    2019年04月24日
  • 陰謀の日本中世史

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    平安時代末期の保元の乱から関ヶ原に至るまでの、
    有名な乱や事件をたどりながら、陰謀論や諸説の誤りを論破する。
    第一章 貴族の陰謀に武力が加わり中世が生まれた
    第二章 陰謀を軸に『平家物語』を読みなおす
    第三章 鎌倉幕府の歴史は陰謀の連続だった
    第四章 足利尊氏は陰謀家か
    第五章 日野富子は悪女か
    第六章 本能寺の変に黒幕はいたか
    第七章 徳川家康は石田三成を嵌めたのか
    終章  陰謀論はなぜ人気があるのか?
    参考文献有り。重要なことは太字で強調。
    世に様々な“陰謀論”が溢れていますが、それらの誤りを指摘し、
    論破するという内容です。これがなかなか痛快(^^♪
    が、それ以上に、そもそもの乱や事件の

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    2019年04月20日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    鎌倉幕府末期から南北朝の争いを経て応仁の乱までの日本中世、戦乱は乱発し、武士たちにとって「死」は身近な時代だった。だから、その時代の日本人は今とは違って、喜び勇んで戦乱に身を投じていたと考えるかもしれない。

    しかし、どの時代だって、人間は死を恐れるし、平和に暮らしたいはず。そう考えて日本中世史をながめてみれば、違う世界、人間が見える。

    南北朝に分裂した天皇家と足利将軍が争い合う時代、武士たちは裏切りを繰り返し、複雑で混沌としていた。著者はこうした離合集散する武士たちのマインドについて、死を避け、富を得るために戦闘参加していたとシンプルに定義する。忠義、正義なんて言葉が登場する前の時代であれ

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    2019年02月11日
  • 一揆の原理

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    一揆といって一般に連想される「百姓一揆」は一揆の典型例ではなく、むしろ亜種である。
    一揆とは中世における人々の連携・連帯・コラボレーションの総称であり(意訳)、現代にも通じるものがあるというのが著者の見解である。
    ざっくりまとめすぎて、我ながら大胆かなと思う。

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    2018年12月31日
  • 陰謀の日本中世史

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    陰謀に繋がる考え方の実例・パターンを知ることができて面白かった。
    状況証拠に基づいているから、どうとでも解釈できてしまう。

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    2018年12月04日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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     「応仁の乱」よりずっと読みやすく分かりやすい。ぼくのような素人が応仁の乱の上っ面だけを知りたいのなら、本書最終章の「山名宗全と戦後レジーム」以降だけで充分。とは言え、そこに至る過程を知っておく方が遙かに理解は深まる。

    はじめに――「戦争の時代」としての日本中世
    第一章 蒙古襲来と鎌倉武士
    「戦争」を知らない鎌倉武士/蒙古襲来は避けられた戦争?/鎌倉幕府の“平和ボケ”/一騎打ちは本当にあったのか/鎌倉武士の装備/武士団の構成/日本軍の弱点/「モンゴル軍優勢」という虚構/「神風」は吹いたか/モンゴル軍撤退の真因/戦後日本の「平和主義」/遺言状を書いて出陣/幕府権力の変質/「戦時体制」と鎮西御家

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    2018年11月04日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    元寇から応仁の乱までの日本の戦争や体制の変遷を記述。著者は、外的な要因としての蒙古襲来よりも、その後の南北朝時代の方が、全国の普通の武士たちを本格的な戦争に巻き込んでいったとみる。
    著者は、民衆が権力を打倒するために決起するという「階級闘争史観」を批判的に見ている。例えば、鎌倉幕府の滅亡は、北条氏の専制支配への不満が高まり体制打倒の機運が生じた背景があると説明されることが多いが、当時の人たちは当初鎌倉幕府の滅亡を想像もしていなかった。楠木正成のゲリラ戦で人々の不平不満が一挙に噴出していったという。

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    2018年10月21日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    荘園制が終わりの始まりを迎えた平安後期から戦国大名が統合的な統治を実現する16世紀にかけて、天皇家・公家の統治は空洞化し、権力と経済力を蓄えてきた武家により解体されていく。このプロセスがあったからこそ日本版絶対王政というべき豊臣政権・徳川政権が実現したのだし、その前に「戦争の中世」があったのは欧州も日本も同じ。本書はその戦争の中世の中後期、13世紀末の蒙古襲来から15世紀の応仁の乱前までを考察し、武士や民衆の下剋上が線形に美しく進んでいく、という唯物史観に警鐘を鳴らす本。ただ、線形ではないが、トータルで見れば下剋上が進むことで新秩序の実現に近づいていくことは間違いないだろう。

    室町幕府の失敗

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    2018年10月07日
  • 陰謀の日本中世史

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    『陰謀』、そう、モワモワとして空気を包むような縮れ具合で、最近は男性でもツルツルに剃ると言われているそれではなく、ぶら下がった2個で1セットの袋の部分ではなく、『陰謀』です。
    陰謀好きは多いですよね。私も好きです。なんか夢がありますよね。そうであったら面白いとか。弊社の売り上げいまいち上がらないのはユダヤの陰謀とか、まさにそれです。
    そんな奴らに喝を入れたのがこの一冊。
    結果から逆算した陰謀論。
    最終的な勝者が全てを予測して状況をコントロールしていたと考える陰謀論者の特徴で、本能寺の変は豊臣秀吉の陰謀だとか、徳川家康が黒幕とか、まあ、勝者を基準にしたら何でも言えますわな、陰謀か黒幕がそうではな

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    2018年09月26日
  • 戦乱と民衆

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    戦乱の中における民衆の生き方、というような視点で、日本史を見る視点を変えてみましょう、という啓蒙的新書です。その意味では現在の日本で十分役割は果たしていると思います。
    けれど、同じような視点での研究、著作ならこれまでも少なからずあったんじゃないの?という気がしてならないのですが。たとえば藤木久志さんとか。

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    2018年09月02日
  • 陰謀の日本中世史

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    プロの研究者は、トンデモ科学やトンデモ学説を撃墜している暇はないところ、よく頑張ってこういうのを書けるな、と感心する。インターネット文化はトンデモを定着増産してしまう、という危険はよく指摘されるところ。ふつーの人とアカデミアをつなぐコミュニケーターが必要だということかも。この本もベストセラーということは、歴史のことなら呉座のような学者がちゃんと説明すればふつーの人もわかってくれるのに。科学・技術の領域は、こういうコミュニケーターの育成はまだまだ手薄かな。

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    2018年10月14日
  • 一揆の原理

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    本書は武闘派で過激な一揆より、目立たなくも一般的な交渉のための一揆に主眼を置く。文中で「だろう」「思う」の語尾が多くことから、歴史として解明が難しいジャンルであることが想像される。

    中世の一揆を中心に、現代のデモとの相違やsnsとの類似性を指摘しながら、読む者の一揆に対する想像力を深める工夫が多い。また、戦後歴史学がテーゼとした一揆ニアイコール反体制運動という解釈を批判することも、一般的な一揆の輪郭を際立たせている。

    公家、武家、寺社、民衆とわずそれぞれの社会が徹底的な階級社会だった時代において、一味神水を経てフラットに同心した集団とは、交渉を求められる側からすれば異形の存在だったことだろ

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    2018年05月18日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    ネタバレ

    「応仁の乱」を読んで、さらに中世史を知りたくなって購入。歴史を正面から考察する書物が意外に面白い。語り口の平明さや少し砕けた解説のためか、非常にわかりやすい。
    中世に生きる武士、将軍や守護ではない、地方の一武士がいくつも紹介される。生々しいとも思える本音も見えてくる。中世史の少し難しめの本にも手を出してみようかと思える。

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    2017年08月08日