呉座勇一のレビュー一覧

  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    なぜかこの難しい本がベストセラーになったらしい。
    なかなか理解が不足していると感じているが、中央の幕府の力が弱まって、地方の力が相対的に強くなったことで戦国時代が始まったとも言えるという側面は良く分かった。
    何度か読み返して、理解を深めたいと思うのと、大河ドラマ「花の乱」は出来が良かったらしいので、いつか見てみたい。

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    2022年09月15日
  • 戦国武将、虚像と実像

    ネタバレ 購入済み

    素直に「司馬史観批判」と。

    2022年6月読了。

    近著『頼朝と義時』が大変面白かったので、こちらも、と思い、購入。

    さて本書、好き放題書いたりメディアで訳知り顔で喋ってる「在野の」歴史家さん達の振舞いが目に余るので、『本職の研究者』として、(歴史を)分かった風に勝手に語るな!って思いが沸き上がってきて書かれたのかなw?と云う様な印象を受けました。

    自分はたまたま愛読紙で、東大史料編纂所教授である本郷和人先生の連載コラムをいつも読んでいるので、研究者ならではの「そんな事、どの一次史料にも書いてないんだってば!」と云う忠告(お怒りw?)の気持ちはよく分かります。

    確かに、巷間言われている事で「ソレって

    #タメになる #アツい #笑える

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    2022年06月29日
  • 戦国武将、虚像と実像

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  明智光秀~常識人だったのか?
    第2章  斎藤道三~「美濃のマムシ」は本当か?
    第3章  織田信長~革命時だったのか?
    第4章  豊臣秀吉~人たらしだったのか?
    第5章  石田三成~君側の奸臣だったのか?
    第6章  真田信繁~名軍師だったのか?
    第7章  徳川家康~狸親父だったのか?

    <内容>
    戦国期の有名武将の真実は?むろん今となってはわからないのだが、その実像に迫るべく、近世から現代までのさまざまな文献にあたって、その実態を解明していく本。なので、かなりの歴史好きでないと、ついていくのが大変かもしれない。「あとがき」に書くように、「俗流歴史本」の流布による、「間違った」

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    2022年06月16日
  • 教養としての歴史問題

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    歴史問題に対してどのような姿勢(立場)で向き合っていくかを論じた本

    ファクトがなく、ある種大衆扇動的な歴史修正主義についての批判が多かった印象。
    しかし何が悪く、どこが一般に受け入れられているかを考察し、歴史修正主義者から学ぶべきところも記載してあった。

    2020年出版の本ということで非常に新しく、共感できる点も多かった。

    前半は歴史問題の認識(の差)を説明するもので面白かった。後半は歴史学者や歴史認識について今後日本がどうあるべきか、的な内容であった。

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    2022年06月14日
  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    頼朝の後釜として義時がぐっと忍んでいたとする当書の基調・感じが良かった。義時は、旗揚げ以来あらゆる陰謀・殺戮に常に居合わせたため、首謀者に見えてしまうが、確かにこの本での説明上は義時が前面に立ち、全ての陰謀を主導したようには一見見えない。
    また、得た知識としてはこの時代の母方の影響力の強さ。しっかり認識させられた。

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    2022年04月01日
  • 陰謀の日本中世史

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    源平の時代や、鎌倉・室町時代は個人的には馴染みがなくてついていけなかった。
    本能寺の変の各種陰謀論や、秀吉亡き後の徳川家康や西方の動向に関しては面白かった。

    明智光秀の話に必ず出てくる、家康饗応時の失態で信長が激怒した話や、光秀が母親を人質に差し出して結局はりつけにされてしまった話は、江戸時代の創作だそうだ。それに基づく本能寺の変の怨恨説を否定している。

    関ヶ原関連で必ず出てくる小山評定で、福島正則が東軍への参戦を表明し、秀吉恩顧の武将がそれに倣った、というのも創作としている。家康が西方の蜂起をさそうために会津征伐を行おうとした、というのも否定している。

    トンデモ陰謀論がはびこっているの

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    2022年02月28日
  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    <目次>
    第1章  伊豆の流人
    第2章  鎌倉殿の誕生
    第3章  東海道の惣官
    第4章  征夷大将軍
    第5章  頼朝の「家子専一」
    第6章  父との相克
    第7章  「執権」義時
    第8章  承久の乱

    <内容>
    一昨年かな?SNSでやらかしちゃった呉座さんの新刊。巻末でこの本の執筆中だったことを暴露している。内容的には、『応仁の乱』と同じように、他の人の説への相違を述べつつ、話を展開していく。根拠の薄いところもあり、やや煩雑か?『鎌倉殿の13人』にあやかっているが、面白さには欠けるか?

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    2022年01月27日
  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    武家政権誕生までの道筋は、想像以上に紆余曲折しまくりの、どろどろの権力闘争の成り行きだった。

    しかし歴史というものは後からはいろいろ評価されるけど、その時は100年先、200年先のことなんて考えてなくて、今の地位、明日の命ぐらいを考えて動いてきた諸々の結果として立ち上がってくるものだろうから、ここで生まれた武家政権というものが、その後700年弱も続くことになるなんて、この時点ではみんな思ってなかっただろうなぁと思うと、歴史はやっぱり面白いと思う。

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    2022年01月15日
  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    2022年、
    今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に登場する源頼朝と北条義時、源平合戦から承久の乱まで武家中心の社会は、いかにして生まれたか?日本史を変えた「鎌倉殿」と「執権」という二人の政治家を。

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    2022年01月05日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    ネタバレ

    応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 新書 – 2016/10/19

    馴染みの無い登場人物が多すぎる為に途中で挫折する可能性高し
    2017年6月24日記述

    呉座勇一氏による著作。2016年10月25日初版。

    1980年(昭和55年)東京都生まれ。
    1999年3月 海城高等学校
    2003年3月 東京大学文学部国史学科卒業
    2008年3月 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学
    2011年6月 「日本中世の地域社会における集団統合原理の研究 領主の一揆を中心として」で博士(文学)
    2012年4月 東京大学大学院 人文社会系研究科 研究員
    2014年4月 東京大学大学院

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    2021年12月10日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    ネタバレ

    難しかった。

    この本は戦乱の中心地の京都ではなく大和国の興福寺の別当の二人、経国、尋尊から見た応仁の乱を記録したものを中心に書かれている。興福寺は守護が置かれず、実質的に興福寺が大和を治めていた。戦乱についてもだが、世間の噂や興福寺の所有する荘園の年貢の徴収など、いろいろと書きつけていたようだ。

    人の世むなし(1467)応仁の乱、くらいの知識しかなかった私なので、難しく思えたのかもしれない。
    家督相続争いが重なり、そこに所領問題が関係して、戦乱が起こっていったが、犠牲が出ると、それを埋め合わす何かを得ないと戦を止められない、という気持ちがどんどん戦を長引かせてしまった。仲間を引き入れると、

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    2021年09月23日
  • 陰謀の日本中世史

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    視点を変えれば事件の裏が見えるのかもしれません。
    本能寺の変や坂本龍馬暗殺についてはもっと色々知りたいです。

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    2021年06月15日
  • 教養としての歴史問題

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    自称リベラルの偏りがよくわかる。

    書名からして啓蒙書を気取るが、何の定義もせずにいきなり「歴史修正主義」を批判する当たり、内輪の自己満足を出ない。

    世間に受けないことは自覚しているが、マルクスの弁証法的史観にぶら下がっているようでは明るい未来はない。

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    2021年06月04日
  • 一揆の原理

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    「一揆」の定義が大きく揺さぶられ、さらにそれが現代のSNSに通じるという指摘に、決して軽くない衝撃。本書に敬意を評して「一揆」を定義するならば、「いつの間にか失われてしまった民主主義の1ピース」あたりか。

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    2021年05月22日
  • 明智光秀と細川ガラシャ ──戦国を生きた父娘の虚像と実像

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    大河ドラマ「麒麟がくる」の時代考証をされていた小和田哲男さんがYouTubeで勧めていたのをきっかけに読んだ1冊。
    フレデリック・クレインスさんの論考が読みやすく大変参考になった。

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    2021年02月14日
  • 戦乱と民衆

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    ネタバレ

    白村江の戦いと民衆:ではなぜ、倭国軍は敗れたのか。答えは明らかです唐の軍勢は国家軍であり、訓練されて統制のとれた軍隊ですが、倭国軍は豪族軍の寄せ集めであり、国家軍ではありません
    戦いにおいて最も重要なのは、実は戦意を支える忠誠心とモチベーションです。国家軍にはそれがありますが、豪族軍にはありません
    応仁の乱と足軽:民衆が必ずしも反権力の動きをしていたわけではないと言う事実です。民衆は、その時の状況に応じて本権力的な動きを見せることもあれば、権力の手先として動くこともあった
    私が不思議でならないのは、例えば新選組の視点に立って京都の幕末を見る人は極めて多いのに、先ほどご紹介したような、夏の暑い盛

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    2021年01月04日
  • 教養としての歴史問題

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    うーん、戦争とか植民地主義とか、正直まともに向き合ってこなかったから、この本でそれぞれの人たちが言うところの歴史修正主義がどういうものかよく知らないので、内容については何も言えない。

    小林よしのりとか百田尚樹とか、名前の知られている人たちはこの本では歴史修正主義者ということなんだろうか。

    学界と在野の研究家が対立することなくやっていけば、結局のところいいのになと思ったが、ことはそんなに簡単ではないのだな。

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    2020年12月28日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    各メディアで紹介された話題のベストセラー。かつてない明快さと圧倒的な筆力!
    室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(1467~77)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分に知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか・・・・・・。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。
    (当書裏帯裏紹介文より)

    2020年大河ドラマ『麒麟が来る』の主人公が明智光秀。描かれる時代が室町時代末期から安土桃

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    2020年12月21日
  • 南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から後南朝まで

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     森茂暁氏の『南朝全史』『闇の歴史、後南朝』と読んできて南北朝時代について関心が高まっていたので、本書が文庫で読めるようになったのは、とてもうれしい。

     本書は、編者呉座勇一氏による全体構成が述べられた前書きと15の論考から構成されている。各論考とも、最前線の名のとおり、最新の研究水準に立脚した興味深いテーマが取り上げられている。
     建武政権及び後醍醐親政の評価については、政権の政統治体制や宗教的特異性に着目する、例えば網野善彦の『異形の王権』があったが(自分も読んだ当時蒙を開かれたと感激した記憶がある)、大覚寺統の研究の進展により必ずしも後醍醐天皇に限ったことではないことが分かってくるなど

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    2020年11月15日
  • 明智光秀と細川ガラシャ ──戦国を生きた父娘の虚像と実像

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    ネタバレ

    ガラシャ夫人は絶世の美女だったのかは何処にも書いてはいない
    では、なぜヨーロッパ中に、忠興の虐待に耐えながらも宗教に準じて、最後には死に至るガラシャ夫人の音楽劇がイエズス会の手により作られたのか?
    全ては情報を発信する側の都合による
    イエズス会の設立とその直後の世界戦略は中々はかどらない
    神の僕として信仰するレベルの人間は未開の地には無く、ようやく日本にてザビエルは見つけたのだ
    それが信長の下で結実しかけた時の「本能寺の変」
    全ては崩壊した(立花京子はこのイエズス会の歎きを知りつつも、信長暗殺の黒幕としたのはナゼだろう)

    苦境の中に一筋の光明が・・・丹後大名夫人がキリスト教に知的好奇心から足

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    2020年06月27日