呉座勇一のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
素直に「司馬史観批判」と。
2022年6月読了。
近著『頼朝と義時』が大変面白かったので、こちらも、と思い、購入。
さて本書、好き放題書いたりメディアで訳知り顔で喋ってる「在野の」歴史家さん達の振舞いが目に余るので、『本職の研究者』として、(歴史を)分かった風に勝手に語るな!って思いが沸き上がってきて書かれたのかなw?と云う様な印象を受けました。
自分はたまたま愛読紙で、東大史料編纂所教授である本郷和人先生の連載コラムをいつも読んでいるので、研究者ならではの「そんな事、どの一次史料にも書いてないんだってば!」と云う忠告(お怒りw?)の気持ちはよく分かります。
確かに、巷間言われている事で「ソレって -
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ネタバレ<目次>
第1章 明智光秀~常識人だったのか?
第2章 斎藤道三~「美濃のマムシ」は本当か?
第3章 織田信長~革命時だったのか?
第4章 豊臣秀吉~人たらしだったのか?
第5章 石田三成~君側の奸臣だったのか?
第6章 真田信繁~名軍師だったのか?
第7章 徳川家康~狸親父だったのか?
<内容>
戦国期の有名武将の真実は?むろん今となってはわからないのだが、その実像に迫るべく、近世から現代までのさまざまな文献にあたって、その実態を解明していく本。なので、かなりの歴史好きでないと、ついていくのが大変かもしれない。「あとがき」に書くように、「俗流歴史本」の流布による、「間違った」 -
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源平の時代や、鎌倉・室町時代は個人的には馴染みがなくてついていけなかった。
本能寺の変の各種陰謀論や、秀吉亡き後の徳川家康や西方の動向に関しては面白かった。
明智光秀の話に必ず出てくる、家康饗応時の失態で信長が激怒した話や、光秀が母親を人質に差し出して結局はりつけにされてしまった話は、江戸時代の創作だそうだ。それに基づく本能寺の変の怨恨説を否定している。
関ヶ原関連で必ず出てくる小山評定で、福島正則が東軍への参戦を表明し、秀吉恩顧の武将がそれに倣った、というのも創作としている。家康が西方の蜂起をさそうために会津征伐を行おうとした、というのも否定している。
トンデモ陰謀論がはびこっているの -
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ネタバレ応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 新書 – 2016/10/19
馴染みの無い登場人物が多すぎる為に途中で挫折する可能性高し
2017年6月24日記述
呉座勇一氏による著作。2016年10月25日初版。
1980年(昭和55年)東京都生まれ。
1999年3月 海城高等学校
2003年3月 東京大学文学部国史学科卒業
2008年3月 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学
2011年6月 「日本中世の地域社会における集団統合原理の研究 領主の一揆を中心として」で博士(文学)
2012年4月 東京大学大学院 人文社会系研究科 研究員
2014年4月 東京大学大学院 -
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ネタバレ難しかった。
この本は戦乱の中心地の京都ではなく大和国の興福寺の別当の二人、経国、尋尊から見た応仁の乱を記録したものを中心に書かれている。興福寺は守護が置かれず、実質的に興福寺が大和を治めていた。戦乱についてもだが、世間の噂や興福寺の所有する荘園の年貢の徴収など、いろいろと書きつけていたようだ。
人の世むなし(1467)応仁の乱、くらいの知識しかなかった私なので、難しく思えたのかもしれない。
家督相続争いが重なり、そこに所領問題が関係して、戦乱が起こっていったが、犠牲が出ると、それを埋め合わす何かを得ないと戦を止められない、という気持ちがどんどん戦を長引かせてしまった。仲間を引き入れると、 -
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ネタバレ白村江の戦いと民衆:ではなぜ、倭国軍は敗れたのか。答えは明らかです唐の軍勢は国家軍であり、訓練されて統制のとれた軍隊ですが、倭国軍は豪族軍の寄せ集めであり、国家軍ではありません
戦いにおいて最も重要なのは、実は戦意を支える忠誠心とモチベーションです。国家軍にはそれがありますが、豪族軍にはありません
応仁の乱と足軽:民衆が必ずしも反権力の動きをしていたわけではないと言う事実です。民衆は、その時の状況に応じて本権力的な動きを見せることもあれば、権力の手先として動くこともあった
私が不思議でならないのは、例えば新選組の視点に立って京都の幕末を見る人は極めて多いのに、先ほどご紹介したような、夏の暑い盛 -
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各メディアで紹介された話題のベストセラー。かつてない明快さと圧倒的な筆力!
室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(1467~77)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分に知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか・・・・・・。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。
(当書裏帯裏紹介文より)
2020年大河ドラマ『麒麟が来る』の主人公が明智光秀。描かれる時代が室町時代末期から安土桃 -
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森茂暁氏の『南朝全史』『闇の歴史、後南朝』と読んできて南北朝時代について関心が高まっていたので、本書が文庫で読めるようになったのは、とてもうれしい。
本書は、編者呉座勇一氏による全体構成が述べられた前書きと15の論考から構成されている。各論考とも、最前線の名のとおり、最新の研究水準に立脚した興味深いテーマが取り上げられている。
建武政権及び後醍醐親政の評価については、政権の政統治体制や宗教的特異性に着目する、例えば網野善彦の『異形の王権』があったが(自分も読んだ当時蒙を開かれたと感激した記憶がある)、大覚寺統の研究の進展により必ずしも後醍醐天皇に限ったことではないことが分かってくるなど -
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ネタバレガラシャ夫人は絶世の美女だったのかは何処にも書いてはいない
では、なぜヨーロッパ中に、忠興の虐待に耐えながらも宗教に準じて、最後には死に至るガラシャ夫人の音楽劇がイエズス会の手により作られたのか?
全ては情報を発信する側の都合による
イエズス会の設立とその直後の世界戦略は中々はかどらない
神の僕として信仰するレベルの人間は未開の地には無く、ようやく日本にてザビエルは見つけたのだ
それが信長の下で結実しかけた時の「本能寺の変」
全ては崩壊した(立花京子はこのイエズス会の歎きを知りつつも、信長暗殺の黒幕としたのはナゼだろう)
苦境の中に一筋の光明が・・・丹後大名夫人がキリスト教に知的好奇心から足