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ベストセラー『応仁の乱』の著者、構想三年の書き下ろし!
本能寺の変に黒幕あり?
関ヶ原は家康の陰謀?
義経は陰謀の犠牲者?
俗説、一蹴!
『応仁の乱』の著者が史上有名な“陰謀”をたどりつつ、
“陰謀論”を徹底論破する。
史実とフィクションは明瞭に違う!
◆本能寺の変に黒幕あり?→いない。光秀をバカにしすぎ
◆関ヶ原は家康の陰謀? →違う。家康も追い詰められていた
◆義経は陰謀の犠牲者? →誤り。義経の権力は砂上の楼閣だった
他、
■足利尊氏=陰謀家説は疑わしい
■後醍醐天皇は黒幕ではなく被害者だった!?
■富子はスケープゴートにされた
■騙されやすかった信長
■「三成が家康の伏見屋敷に逃げ込んだ」は俗説
■「小山評定」は架空の会議
「事実」はドラマや小説より面白い。
陰謀論の誤りを最新学説で徹底論破!!
トンデモ説やフェイクニュースが溢れる世の中で騙されないために。
陰謀論の法則まで明らかにする、必読の歴史入門書!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
タイトルはおどろおどろしいが、要は日本中世史に蔓延るトンデモ話を1つ1つ丁寧に斬っていこうと言う本である。どこかで聞いたことのある話から存在すら知らなかったもの、果ては部分的に信じていたものまでその内容は多岐にわたる。
大事なことは歴史であろうと情報のアップデートは必要ということ。たとえば頼朝義経初期から不仲説や日野富子悪女説などは30年前に歴史を齧って以降そのままという人は割と信じている可能性が高い。全てのアップデートについて把握することは不可能であるしまたその必要もないのだが、自分の頭の中に刷り込まれた歴史観が絶対ではないということを前提に情報を仕入れた方が良いのだろう。
またトンデモ論に関してある程度存在を把握しておくとともにその特徴を掴んでおくことも肝要だ。「因果関係が単純明快」「完全な反証が作りにくい」物に関してはすぐに飛び付かず、一旦話半分に聞いておいた方が良いだろう。
Posted by ブクログ
「応仁の乱」の著者による、中世史の大きな戦乱を、最新の学説を基に解説をした書。
例えば「本能寺の変」は、昔から様々な黒幕が挙げられてきたが、現在では信長の粛清を恐れた光秀が、軍事的空白をついた単独説が有力なのだとか(動機は長曾我部元親の勢力伸長による四国政策の変更)
文中で作者も書いているが、陰謀は関係者が多ければ多いほど情報漏洩の危険性が増す。勝負というものは双方が多くの過ちを犯し、より過ちが少ない方が勝利すのであるというのは、戦略論の基礎ともいえるのではないだろうか。
最終章で、前章までを引いて「陰謀論」が人々に受けいられる理由を述べている。「陰謀論」「オカルト」のみでなく、「ヘイトクライム」などについても当てはまるのではないか。警世の書でもある。
Posted by ブクログ
陰謀はある。
でもあれもこれも陰謀ではない。
という前提を持っているにも関わらず、特に日本の歴史上の陰謀論は楽しい。
幕末や本能寺、関ヶ原など、陰謀の存在を唱える人の分だけ、いろいろな説がある。
その中で、本書は「そこに陰謀はない。それよりも事実の方が面白い」と説く。
保元の乱以降の有名なトピックを順に解き明かしつつ、本来であれば歴史学者が俎上にも上げない、世にあふれるいわゆる陰謀論を論破。
併せて陰謀論の法則として、
「特定の人物・団体があらかじめ仕組んだ筋書き通りに歴史が進行したと考える」(=因果関係の単純、明快すぎる説明)
「結果から逆算して原因を引き出す」
「論理の飛躍」(存在の立証できない裏を読んで想定で進める)
「検証責任を批判者側に求める」(悪魔の証明)
といった項目を上げ警鐘を鳴らすと共に、学会の無関心が陰謀論を助長させると締める。
情報がどんどん入ってくる現代だからこそ、安易なもの受け入れず、あくまでそう言っている人もいるくらいの距離感を保ちつつそれらを楽しむくらいで良いんだろう。
Posted by ブクログ
先に著者の『応仁の乱』や、この本でも取り上げられている亀田俊和『観応の擾乱』を読んでいたが、そこで解説されていた関係者·関係勢力の動向、物事の推移の複雑さは、歴史の面白さをとても実感できるものだった。
刻々と変わる利害関係、それぞれが状況把握できていない混乱、各々のもつ野望や利益追求や妥協や諦め、超個人的な要素の「本人のやる気」、状況をムダに引っ掻き回す人物、誰にも予測できない突発的事態…。
これらが教科書なら数行で終わってしまう歴史用語のなかで蠢いているのは、わかりにくさも含めて「歴史って一筋縄ではいかないな!面白ろ!」と思ったものだった。
そこを歩いた後、本書でも紹介されている陰謀論はどうか?
何もかもお見通しで百戦錬磨の戦国武将を手玉にとる狸爺、己の利益だけでまわりを巻き込んだ大戦乱を起こした悪女、日本を支配してやろうと闇で蠢く宣教師たち。
……実に、つまらない。
やる気スイッチが微妙に入らない尊氏、良いところで物事をまとまらなくさせる桃井、あっちこっち振り回され歩く義視、みんなが自分の都合やベストな選択をやってるうちに纏らずグダグダになっていく応仁の乱、
といった複雑さを丁寧に追っていく時に見えた深みや面白さが、
単純明快でわかりやすく、「歴史の真実!」という蠱惑的なワードをまとった陰謀論になった途端に味気なくなってしまう。
おかしいな、マスコミや動画サイトでは面白いといわれるネタのハズなのに…?
逆にその反論は物事や人物がぐっと複雑になって、本人たちが移り変わる状況や思わぬ出来事のなかでジリジリと手を打ったり打たれたりどうにもならなかったりというモノになる。
あ、面白いぞ。
先に『応仁の乱』『観応の擾乱』そのほかを読んでおいたのが、逆に本書でも取り上げられた陰謀論の特徴を実感できる結果になった。
本書でもそれら物事を単純明快にする陰謀論について史料や当時の状況をもとに反論している。
何事もお見通しといわれる狸爺は実際には、刻々と変わる状況に応じて対応しなければならない。
彼らはゲーム全体を見渡せる万能なプレイヤーではなく、そのなかの駒のひとつだったということを忘れてはいけない。
終章の陰謀論の特色と引っかかる要因とあわせて、物事はやはり関わる人間や組織が多いほど複雑で、単純な黒幕にはなれない、ということもまたしかり。
あと、研究者サイドは慎重な研究が必要だが、歴史素人からしても、物事をかなり簡略化して単純にする陰謀論的見方は果たして歴史の面白さなんだろうか?と思った。
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