呉座勇一のレビュー一覧

  • 陰謀の日本中世史

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    プロの研究者は、トンデモ科学やトンデモ学説を撃墜している暇はないところ、よく頑張ってこういうのを書けるな、と感心する。インターネット文化はトンデモを定着増産してしまう、という危険はよく指摘されるところ。ふつーの人とアカデミアをつなぐコミュニケーターが必要だということかも。この本もベストセラーということは、歴史のことなら呉座のような学者がちゃんと説明すればふつーの人もわかってくれるのに。科学・技術の領域は、こういうコミュニケーターの育成はまだまだ手薄かな。

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    2018年10月14日
  • 一揆の原理

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    本書は武闘派で過激な一揆より、目立たなくも一般的な交渉のための一揆に主眼を置く。文中で「だろう」「思う」の語尾が多くことから、歴史として解明が難しいジャンルであることが想像される。

    中世の一揆を中心に、現代のデモとの相違やsnsとの類似性を指摘しながら、読む者の一揆に対する想像力を深める工夫が多い。また、戦後歴史学がテーゼとした一揆ニアイコール反体制運動という解釈を批判することも、一般的な一揆の輪郭を際立たせている。

    公家、武家、寺社、民衆とわずそれぞれの社会が徹底的な階級社会だった時代において、一味神水を経てフラットに同心した集団とは、交渉を求められる側からすれば異形の存在だったことだろ

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    2018年05月18日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    「応仁の乱」を読んで、さらに中世史を知りたくなって購入。歴史を正面から考察する書物が意外に面白い。語り口の平明さや少し砕けた解説のためか、非常にわかりやすい。
    中世に生きる武士、将軍や守護ではない、地方の一武士がいくつも紹介される。生々しいとも思える本音も見えてくる。中世史の少し難しめの本にも手を出してみようかと思える。

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    2017年08月08日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    元寇から応仁の乱にかけての武士たちの動向を分かりやすく解説しています。
    鎌倉時代後期からは戦で武功を立てても新しい土地がある訳ではなく、命を失えば家族が路頭に迷う可能性が高いので、なるべく無駄な戦には出たくない武士が多かった、という解説は、中世の武士たちが現代の人類と何ら変わらない、普通の人間であることが良く分かります。
    著者は全編を通じて、マルクス主義的に歴史を見るのではなく、あるがままに中世の武士、民衆を見ようと主張しており、この点も同意できますね。
    後、これは著者の責任ではありませんが、当時の武士の名前に偏諱が多いので、少し混乱するところはありました。

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    2017年01月24日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    悪党の話。家督相続。平和になると兄弟相続で戦時下だと嫡男相続。一揆が中世の頃の家中の概念。一揆が強いと領主権力が弱くなる。強くするためには粛清も必要だが、大義名分がないと他の家臣が納得しない。強引に進めると家中の一揆により領主が追放される。

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    2016年02月11日
  • 一揆の原理

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    ポスト社会史の一揆研究。
    従来の階級闘争史観を批判し、少し前の社会史の呪術的視点を批判し、等身大の一揆像を追求したあたらしい一揆研究(の一般向け教養書)。特に後半部で交換型の一揆に触れつつ、危機的な状況のなかで新たな「縁」の構築として契約を重視した中世人のマンタリテに言及しているのはよかった。

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    2016年01月28日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    蒙古襲来(元寇)から、応仁の乱まで、主に南北朝期を中心に、日本中世の戦争の歴史について、新たな見方を示している。本書の基本的な視点は、従来の歴史学が、階級闘争史観の影響で、中世の武士や民衆を社会の変革主体と位置付け、被支配階級が支配階級に立ち向かう階級闘争として「戦争」を捉えがちだったことへの批判だ。例として、従来、社会の変革主体として高く評価されてきた「悪党」を再検討し、史料に現れる「悪党」は多様で、「悪党」と一括りにできるような集団が存在したわけではなかったと主張している。また、当時の武士は喜び勇んで戦争に出かけて行ったわけではなく、戦の最中も家族を気にかけるなど、戦争に必ずしも積極的でな

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    2015年07月06日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    詳しいことはわからないが、従来のイデオロギーに影響された学説にとらわれず、一次資料から改めて当時の社会情勢を解き明かしてることは素晴らしいと思う。

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    2014年07月06日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    一般書。

    日本中世史を源平合戦や戦国合戦にも触れないで書いているところが凄い。マルクス主義歴史観という階級闘争史観で思考停止している本に飽きた人にお勧め。

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    2014年02月16日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    要約:応仁の乱は、家督や後継者を巡る利害と権力闘争が複雑に絡み合い長期化した。権力者の保身が優先され将軍の権威が失墜する一方、戦後に大名が全国へ散ったことで京都の文化が地方へ広まる契機ともなった。

    感想:以前は単なる不毛な権力争いという印象を持っていたが、一度失脚した者が情勢の変化で復権する姿を見て、諦めず行動すれば再起できると実感した。また、体制を動かすには実力だけでなく世間を納得させる名目や大義が必要だと感じた。

    アクション:目の前の状況に一喜一憂せず長期的な視点を持って挑戦を続けつつ、周囲から信頼と納得を得られるだけの実力を地道に磨いていきたい。

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    2026年08月09日
  • 軍師の日本史

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    <目次>
    序章   軍師とは何か
     第1節  日本における兵法
     第2節  日本における陣形
     第3節  戦国時代の合戦と軍配者
     第4節  「軍師」の誕生
    第1部  軍師の虚像と実像
     第1章  山本勘助の虚像と実像
     第2章  宇佐美定満の虚像と実像
     第3章  黒田官兵衛の虚像と実像
     第4章  徳川家康と軍師
     第5章  軍師と参謀
    第2部  戦後大衆文化の中の軍師
     第1章  山本勘助と宇佐美定満
     第2章  竹中半兵衛と黒田官兵衛
     第3章  太原雪斎と本多正信
     終章   私たちはなぜ軍師に魅せられるのか

    <内容>
    はっきり言って第2部はいらない。章立てはまだしもあれほど詳細に

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    2026年07月12日
  • 軍師の日本史

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    ネタバレ

    名軍師とされる山本勘助、黒田官兵衛、太原雪斎、本多正信。だか、戦国時代に軍師は存在しなかった。そのイメージは江戸時代の諸葛孔明ブームから始まる。

    山本勘助が実在しなかったとか、軍師では無かったとかの話は割と聞いたことがあったし、その他人たちについても軍記物やら小説のイメージって言うのは分かりやすい。宇佐美定満についての話ははじめてだった。
    軍師のイメージを創った現代の小説についての話も面白くて良かった。

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    2026年07月06日
  • 平家物語と太平記 通説の虚像を暴く

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    著者の呉座先生はリハックで知りました。説明がわかりやすくて話を聞いていてとても面白く、もっとその時代を呉座先生の本で深掘りしたいと思い手に取ってみました。

    誰が平家物語と太平記を書いたのがという所から始まるのですが、これがまた難しい。当時の人の名前がこれほど頭に入ってこないのかと嘆いてしまうほどです。そして文章も先のリハックでの呉座先生の語り方とは違い真面目過ぎる。例えるなら、学生時代に廊下では面白い先生なんだけど授業を受けたら真面目過ぎてギャップに驚いた。という感じでした。

    とはいえ頑張って読み進めて第二章からの当時の実際の戦い方に話が移ると面白さを感じましたが、その後の章も難しい。

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    2026年06月23日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    原因も結果もイマイチはっきりしない応仁の乱についてよく分かる本
    応仁の乱は当時の有力者たちがそれぞれ合理的に動いた結果、誰も勝者になれず、何も得られないまま舞台から去っていくところが面白い
    せめて華々しい結果があればもっと人気も出ただろうに

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    2026年06月15日
  • 平家物語と太平記 通説の虚像を暴く

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    マニアックな内容ではあったが、最終的に太平記を軍記物として学術的に役に立たないと切り捨てるのではなくて、ある程度史料としての価値を認めている事が意外ではあるが、共感できる。

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    2026年06月12日
  • 真説 豊臣兄弟とその一族

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    呉座勇一氏『真説 豊臣兄弟とその一族』(幻冬舎新書)
    詐欺本です、なんでも「豊臣兄弟」つけたらいいのかw
    大河ドラマ時期だと出版者もこーゆータイトルにするわな、案の定豊臣家に注目が集まる中でタイミングよく刊行され読まれた本です
    とはいえ通説の検証が素人には有難い、最新研究&呉座史観を披露してくれているので有名な時代の情報・動きをアップデートできます
    豊臣秀吉・秀長兄弟部分は少ないけど(⇦それな!)一族や周辺の人物像が丁寧に書かれていて嬉しい
    まず秀吉の「貧しい百姓出身」という定番のイメージを掘る掘る・・・面白い、「人たらし?誰それ?」や、秀長の「裏の顔・・・財務大臣&外務大臣」、ねね(北政所)

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    2026年05月15日
  • 真説 豊臣兄弟とその一族

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    今年度のNHKの大河ドラマが放送中であり、改めて豊臣秀吉とその一族に話題が集まっているようです。筆者の呉座さんは、その著書「応仁の乱」で歴史的に長期に渡る複雑な戦乱の背景を解き表し、ベストセラーを生み出しています。この本でも、歴史上、有名且つ人気の秀吉の実像に迫っています。
    低い身分の出自ながら最高の位関白まで上り詰めた秀吉は、後の人々の賞賛を集め、人たらしで陽気…のキャラクターのイメージが定まっているようです。しかし、筆者はこのイメージは江戸時代に出た読み物の影響を受けており、創作されたものと述べています。豊臣家はわずか二代で滅んでおり、一族の史料も少ないため、なかなか実像を捉えるのは難しい

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    2026年04月29日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    似た名前が多すぎて、かなり辛い部分もあるが、高校の教科書とは違う視点で見れたのは良かった。

    主役が経覚と尋尊と言うもんだから、この二人が応仁の乱のキーマンになるかと思いながら読んでしまったが、あくまでも観察者であり視点に過ぎなかった。ミスリードだなと感じた。

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    2026年04月25日
  • 真説 豊臣兄弟とその一族

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    RehacQで著者がお話ししているのを聞いて、購読。
    高橋さんが聞き上手なんだな、と思いました。
    文字で読むと、面白みはそんなに感じられませんでした。
    吉川英治さんの太閤記とか、読物としての面白さがあるので読みやすく、面白かった記憶があります。
    真偽はおいておく、物語の強さですね。
    記憶があります、もなにも、今から4,50年前(小学生の頃)の話ですけど。

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    2026年04月20日
  • 戦国武将、虚像と実像

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    織田信長は革新的な人物だったなどの、有名な戦国武将についての認識が江戸時代から現代にかけてどのように変化してきたのかを、それぞれの時代の資料から分析した本
    各時代ごとに儒教など支配的な思想があり、その思想に基づいて戦国武将が「評価」されてきたことが分かり面白かった

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    2026年04月16日