呉座勇一のレビュー一覧
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<目次>
第1章 『平家物語』とは何か
第2章 『太平記』とは何か
第3章 史料としての『平家物語』
第4章 『平家物語』の合戦描写を読み解く
第5章 史料としての『太平記』
第6章 『太平記』の合戦描写を読み解く
<内容>
今までの歴史描写において、平安末は『平家物語』。鎌倉末~南北朝期は『太平記』に依るところは大きい。授業のネタとしても物語だからこそ、生徒の興味も惹ける。そこはわかっていたが、この本ではけっこう詳細にダメなところや研究者の依拠する間違いを指摘している。『平家物語』の時代は他に依る史料がないので、乗っかるしかないのだが、『太平記』は他にも貴族の日記類があるので比 -
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三英傑他の武将の評価の変遷を記述したもの。
呉座先生らしくわかりやすく書かれているが、司馬遼太郎が蘇峰のパクリなどは谷沢永一も書いていたところ。
内容はなるほどねと思ったが、結論のところの、歴史観を教訓にするなは無理でしょう。
普通の生活人は専門書を読んでいる暇はないし、せいぜい大河ドラマと歴史小説が情報源。
だいたい歴史よりスラムダンクを教訓にした方がいいと言うのもどうかと思う。
そりゃ信長がとか、関ヶ原ではとか言った方がかっこいい。
どの国でもその国の大衆史観は偏っているだろうし、正すのは歴史学者の仕事ではないか。
そこは啓蒙書を多く出している呉座先生らしくない、責任逃れのように思えて残念 -
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成功者についてそこから学ぶ類いの本は多いが、失敗にこそより多くの学びがあるというのは本当にその通りだと思う。境遇や幸運に恵まれていたため、それほどの才がなくても成功している人はたくさんいるけれども、単なる偶然だけで失敗した人はそれほど多くない。失敗には必ずその理由があるものだ。
本書はそんな観点から日本史上有名な失敗者についてそれぞれの属性ごとにセグメントしてその失敗の理由を考察している。まあ、特別に新しい見解ではないのだが、失敗から学ぶという意味ではとてもいい本だと思う。「失敗の本質」は重いですが、これはオーディブルでも十分理解できます。 -
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読むたびに通説と歴史の真実の差を思い知らされ歴史のロマンを減らされてしまう、それが呉座勇一。でもまあ何が真実なのかとか、どこまでわかっていて、どれが例えば江戸期以降の創作かとか知ると、歴史に対する客観性が増して良いのだけれど。本書は日本史上の偉人や最近評価を上げた8人(源義経、西郷隆盛、山本五十六、明智光秀、石田三成、田沼意次、後鳥羽上皇、織田信長)を取り上げて、その敗者たる所以を語り、現代に活かす知恵をそこから得るという構造。改めて知るとことも多いとはいえ、これまでの呉座氏の本を読んでいるとそこまで新しくはないかな。現代にどう活かすかという点はほとんど一言で終わっているし。大体呉座氏の本を読
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しくじり先生日本史編。
歴史上で敗者として語られることの多い人たちにスポットを当て、彼らの失敗から学ぼうという趣旨の本。
現場監督編、雇われ社長編、オーナー社長編という3項目に、8人の敗北者を振り分けたうえで、1人1人丁寧に解説されています。
歴史学者の著書だけあって、失敗までの過程がかなり詳しく書かれていて、知らなかったことも多くて勉強になりました。
通説では評価されてるけど実際はそんなに凄くなかったから失敗した、という論調が多いです。
私が一番面白かったのは田沼意次の章。
私自身もメディア等の影響で、彼には汚職政治家というイメージよりも、斬新な改革者という印象を持つようになってました。 -
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日本史上屈指の大乱ということであるが、応仁の乱が始まる前もそこかしこで戦いは始終起きているし、乱が終わった後もいろいろなところで戦が絶えない。京の都が思いっきり戦場になったというところや、動員された軍勢の規模が違うのだろうが、この情勢であればいつ大きな戦争が起きてもまったく不思議がない
著者は応仁の乱が当事者の意図を超えて拡大した様子を第一次世界大戦になぞらえるが、『八月の砲声』を読んだときも、「列強がそれぞれ軍事力で相手を潰すことしか考えていない。これは戦争にもなるよな」と思ったので、両者が似ているという点に関しては同意見である
名前がたくさん出てくるし、集合離散も激しいし、一族の中でい -
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ネタバレ日本史の中で一度成功を収めたものの最後には失脚し敗者となった者達を、失敗の原因を考察しつつ教訓を得ようとする書籍。
山本五十六の失敗には納得できないことがかなりあった。現場主義として取り上げるのなら実際に部隊の司令官として戦った南雲忠一を取り上げるべきであると考える。山本は作戦方針を上手く伝えなかったとあるが、南雲が上手く山本の意思を読み取らなかったことが原因であるとも言えるし、軍令部と連合艦隊の関係は山本五十六が問題の原因ではなく、連合艦隊司令長官の立場をうまく利用して作戦を遂行した山本を称賛すべきだと考える。山本五十六の欠点を粗探しし、敗戦の責任を押し付けている様に見えた。本来なら南雲を -
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何年も前に話題になった本で、ずっと読みたいとは思っていたのですが、ついつい後回しにしてしまい、このタイミングでようやく手に取りました。
応仁の乱については、小学校でも中学校でも高校でも習ったはずなのですが、戦いの中身についてはほとんど記憶に残っておらず…。
そんなわけで、新たに学ぶつもりで、読み進めました。
応仁の乱は、領地の争いや家督の争い、後継者問題、役職の争い、武士としての仁義、過去のしこりに由来する仇討ち、といったものが入り組んでの戦いであり、しかも、戦い開始時の東軍の総大将の細川勝元と西軍の総大将の山名宗全は、別にバチバチの関係にあるわけではなく、むしろ畠山氏の家督争いに巻き込ま -
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応仁の乱(1467-1477)は、日本史の画期と言われる。
画期というからには、日本史は「応仁の乱」前と、「応仁の乱」後に区分出来るということだ。
ということは、我々は「応仁の乱」後を生きている、と言える。
日本の文化、日本人の宗教観•意識、日本語は、この乱を境に大きく変貌した。
本書は、その画期を成す乱をコンパクトにまとめているが、その全容を掴むのは極めて難しい。
何故なら、保元•平治の乱のように、敵対勢力を明確に区分して、勝ち負けをはっきりさせることができないからだ。
最初は、敵味方、勝ち負けがはっきりしているように見える。
しかし、それがズルズルと全国レベルに広がり、10年以上もそんな