あらすじ
平家一門の栄光と破滅を描いた一大叙事詩である『平家物語』。その影響を強く受け、後醍醐天皇の倒幕運動や南北朝内乱を叙述した『太平記』。日本史を語る上で外すことのできない二代軍記物を比較・考察した、歴史と文学の関係を見つめ直すきっかけとなる一冊。
【目次】
第一章 『平家物語』とは何か
第一節 『平家物語』の成立
第二節 『平家物語』の構想
第三節 延慶本『平家物語』をめぐる諸問題
第二章 『太平記』とは何か
第一節 『太平記』の成立
第二節 『太平記』の構想
第三章 史料としての『平家物語』
第一節 源頼朝の挙兵
第二節 頼朝挙兵後の展開
第三節 源義経の伝説
第四章 『平家物語』の合戦描写を読み解く
第一節 一騎打ちはあったか
第二節 馳組戦から組み打ちへ
第三節 戦闘様式はなぜ変化したのか
第五章 史料としての『太平記』
第一節 鹿ヶ谷の陰謀の虚実
第二節 正中の変の虚実
第三節 以仁王と護良親王
第六章 『太平記』の合戦描写を読み解く
第一節 攻城戦の実態
第二節 「後詰」作戦
第三節 「野伏」の実像
終 章 『太平記』研究の可能性と課題
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Posted by ブクログ
「平家物語」と「太平記」、日本を代表する軍記物語だが、実は多くの異本があるという。聖書のように、元となる物事がいくつかあり、時代を経て修正されていく。語られた事件、エピソードの信ぴょう性を丹念に検証しする。
一次資料としては完全でなくとも、日本人の心をとらえてきた古典の名作中の名作。創作の過程、ほかの作品との照合などから明かされる歴史事実が面白い。
Posted by ブクログ
著者の呉座先生はリハックで知りました。説明がわかりやすくて話を聞いていてとても面白く、もっとその時代を呉座先生の本で深掘りしたいと思い手に取ってみました。
誰が平家物語と太平記を書いたのがという所から始まるのですが、これがまた難しい。当時の人の名前がこれほど頭に入ってこないのかと嘆いてしまうほどです。そして文章も先のリハックでの呉座先生の語り方とは違い真面目過ぎる。例えるなら、学生時代に廊下では面白い先生なんだけど授業を受けたら真面目過ぎてギャップに驚いた。という感じでした。
とはいえ頑張って読み進めて第二章からの当時の実際の戦い方に話が移ると面白さを感じましたが、その後の章も難しい。
ただ、言葉が出てきた後に()で何ページで触れたという注釈があるのは親切に感じました。数回読んで当時の名前に慣れると頭に入ってくるのでしょうね。
Posted by ブクログ
マニアックな内容ではあったが、最終的に太平記を軍記物として学術的に役に立たないと切り捨てるのではなくて、ある程度史料としての価値を認めている事が意外ではあるが、共感できる。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 『平家物語』とは何か
第2章 『太平記』とは何か
第3章 史料としての『平家物語』
第4章 『平家物語』の合戦描写を読み解く
第5章 史料としての『太平記』
第6章 『太平記』の合戦描写を読み解く
<内容>
今までの歴史描写において、平安末は『平家物語』。鎌倉末~南北朝期は『太平記』に依るところは大きい。授業のネタとしても物語だからこそ、生徒の興味も惹ける。そこはわかっていたが、この本ではけっこう詳細にダメなところや研究者の依拠する間違いを指摘している。『平家物語』の時代は他に依る史料がないので、乗っかるしかないのだが、『太平記』は他にも貴族の日記類があるので比較はしやすく、物語的な部分を導き出すことも出来る。また合戦描写の研究はなかなか面白い。