呉座勇一のレビュー一覧

  • 頼朝と義時 武家政権の誕生

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    今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証を担当するはずであった呉座氏による同書は、鎌倉幕府の成立史を頼朝と義時という二人の人物を中心に叙述されている。しかし、伝記的な記述ではなく、彼らが朝廷、貴族社会といかに対峙し、武家政治を切り開いていったという点が重視されている(p.7)。また公武対立が運命的であったとみなす公武対立史観には立っていない。ここに本書の特徴がある。

    著者が有名になったきっかけであるベストセラーの『応仁の乱』(中公新書)と基本的には同じスタンスでの叙述かとは思うが、応仁の乱よりも登場人物たちの入り組み方は複雑ではなく、その点、『応仁の乱』よりもわかりやすいかもしれない。

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    2022年01月08日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    室町時代の動乱期をあるお坊さん2人の記録をもとに紐解く本書

    お坊さんのそれぞれの性格の差から来る事件等の評価の違いもおもしろいし、もちろん歴史の事実としての応仁の乱(とその前後)もおもしろい。

    ただ、登場人物の多さに誰が誰だかわからなくなってくるところがたまに傷であり、そこは乱れた世相だったから仕方なしとして頑張って読み解いていかなければならないのがすこし辛かった。

    自分は動乱の歴史とか読むのが好きなのでそういった人にはオススメ

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    2021年08月25日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    歴史書を読むことは人の名前を読むことで、その点でいつも苦労する。人名索引と行ったり来たりで、できれば索引にもフリガナを振っていただけると助かる。資料の綿密な読み時による詳細な説明と考察には敬服する。

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    2021年07月05日
  • 一揆の原理

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    旧来の『階級闘争史観』から脱し、史料の読み解きに立脚した「リアルな中世日本の、人のつながり」としての一揆を描き出した名著。

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    2021年05月29日
  • 陰謀の日本中世史

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    中世を中心に歴史上の陰謀論・俗説・珍説を検証。さらに陰謀論の発生の仕方、パターンまで検証していて面白い。自分も一時井沢元彦とかハマってた時期があるので耳が痛い部分も。
    まあ、本能寺の変秀吉陰謀説とか、義昭陰謀説とか、朝廷説とか、家康説とか、イエズス会説とか全部無理があると。歴史学者は普通そういうのは放って置くらしいが本書は丁寧にどう無理があるのか教えくれる。

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    2021年05月25日
  • 戦乱と民衆

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    単純に被害者としての民衆という視点だけでなく、兵士や加害者としての民衆の話も出てくるのが目新しい。さんざん戦争に揉まれているはずの京都の民衆が幕末の蛤御門の変ではすっかり平和ボケしているのが興味深い。江戸時代ってよっぽど平和な時代だったんだね。
    最後、京都人(洛中人?)への怒りが爆発してるしwww

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    2021年05月09日
  • 教養としての歴史問題

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    本書では、歴史認識問題の現状を把握し、「ではどうするか」というところまで踏み込んで考察。
    イギリスとの比較などにより、現代史の大きな流れの中で歴史認識問題を位置付け、単に歴史修正主義を批判するだけなく、それを克服するために歴史学に何が求められているかというところまで論じられており、歴史認識問題を考える上で有益な一冊であると感じた。ファクトに基づく「良質な物語」が必要という本書が示す処方箋にも納得感があった。
    一方、自分も歴史修正主義の問題性は強く認識しているが、第1章などの断罪的な論調には、少し違和感を覚えた。

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    2021年04月11日
  • 明智光秀と細川ガラシャ ──戦国を生きた父娘の虚像と実像

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    細川ガラシャの国内外での評価、美人とされるようになった変遷を文献をもとに丁寧に探っている一冊。歴史小説の引用もあり。章ごとに筆者が違うため重複箇所あり。まず「はじめに」「あとがき」を先に読むとこの本を出す経緯や目的がよくわかります。まあ親父の光秀の出自がわからないから玉もわからなくて脚色されていても仕方ないだろうなって感じがしました。

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    2021年03月16日
  • 教養としての歴史問題

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    歴史修正主義との対峙について、専門分野の異なった四名の著者の論述がまとめられている。植民地主義の精算についてや、歴史学会における課題など興味深かったが、課題解決の困難さが浮き彫りになる内容でもあった。

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    2021年01月28日
  • 南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から後南朝まで

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    洋泉社版は読んでるので事実上の再読。以前に比べ自分の知識も増えてるからか、すらすらと読めた。前後の時代との連続性を意識すると理解が深まると思う。

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    2021年01月07日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    今までほとんど関心のなかった時代だったので、新しい発見があって面白かった。この時代の権力者や武将の名前もほとんど知らないうえに、登場人物が多くて読むのに時間がかかった。

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    2020年12月08日
  • 陰謀の日本中世史

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    本能寺の変をはじめとする日本中世史における数々の陰謀・謀略(があったのではないかとされる事件)について、最新の研究成果も踏まえた先行研究を抑えつつ、歴史学の手法に則って客観的・実証的に分析し、陰謀論の誤りをただしている。
    「足利尊氏は陰謀家か」「日野富子は悪女か」「本能寺の変に黒幕はいたか」といった陰謀論の検証を軸に、日本中世史(政治史)の様々な最新学説を瞥見でき、知的な面白さがあった。20年ばかり前になる高校時代の日本史の教科書の記述も、だいぶ古びてきているんだなということを感じた。
    本書は、陰謀論に引っかからないための耐性を身につけるのに有意義な本であるといえる。当時の人々も未来が完全に見

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    2020年09月01日
  • 陰謀の日本中世史

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    陰謀論とは、「世の中(又は自分)がこんなにダメなのは、どこかで誰かが邪魔をしていて、それを取り除けばすべてうまくいく」という考え方だと内田樹の本から学んだ。最近のマスク不足にしても、需要超過(供給不足)が原因なのに、誰かが買い占めて高値で売っているのが理由だから転売禁止にすればいい、という考え方も一つの陰謀論だと思う。
    本書では、歴史の陰謀論について「誰かがあらかじめ仕組んだ筋書きどおりに歴史が進行した」という取りあえずの枠組みを提起し、保元の乱から関ヶ原の戦いまで、様々な大事件についての陰謀論について、それが世の中に受けていても、事実はそんな単純なものではないということが論証されている。その

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    2020年05月27日
  • 陰謀の日本中世史

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    日本史好きな私にとって
    第一章~第七章の内容も非常に興味深い内容でしたが,
    終章の『陰謀論はなぜ人気があるのか?』
    が一番勉強になりました。

    陰謀論の特徴を
    ①因果関係の単純明快すぎる説明
    ②論理の飛躍
    ③結果から逆行して結論を引き出す
    という3つに分類した上で、
    何故陰謀説が人々に受け入れられるのか
    という問題に対して納得のいく回答が得られ,
    満足しました。

    「フェイクニュース」「ポスト・トゥルース」
    といった言葉に代表されるように,
    誤った情報が蔓延る現代において,
    ここで記載された情報を
    自らのリテラシーとして吸収したいと思いました。

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    2020年04月26日
  • 陰謀の日本中世史

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    『応仁の乱』で有名な呉座勇一による一冊。

    保元・平治の乱から関ヶ原の戦いまで、主に武家が台頭して以降の中世史について。
    いわゆる陰謀論の大半を否定してるので面白みはない。

    ただ、以下の2点は陰謀論に与しやすい自分にとっても勉強になった。

    ・加害者(攻撃側)と被害者(防御側)の立場が実は逆である可能性
    ・最終的な勝者が全てを予想して状況をコントロールしてると考えるのが陰謀論の特徴

    つまり、陰謀論は結果から逆算してるから、後付けで何でも言えてしまう。
    陰謀論は単純明快だし、何よりロマンがあって面白いのですが、安易に信じないように気をつけねばと思った。

    P.S.疑似科学との類似性というのも

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    2019年08月24日
  • 陰謀の日本中世史

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    陰謀論で溢れかえる巷のトンデモ歴史観を、歴史学の視点からバッサバッサと痛快に斬って捨てる歴史マニア向けの心得本です。
    以前より私も歴史のトンデモ話には眉をひそめていた一人ですが、何で歴史学からの批判が無いのかなあと思っていたら、やはりアホらしくてまともに取り合ってられないということでしたね。
    ですがたとえアホらしくても、学界と一般大衆をつなぐ共有観念としてこのような取り組みは必要だと思っていたのですが、氏のようにある程度名が通った学者が徹底的に斬って捨ててくれたことで、とても良かったと思いました。

    日本中世の話がメインテーマなのでいまひとつ一般の人にはわからないトンデモ歴史もあったと思います

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    2019年08月25日
  • 陰謀の日本中世史

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    ネタバレ

    日本史の様々な事件を、確実性の高い資料を丁寧に読み込んで陰謀論の可能性を排除する。何よりも陰謀論が何故受け入れられるのかを述べていた部分が面白い。

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    2019年08月22日
  • 陰謀の日本中世史

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    「応仁の乱」で有名になった呉座先生の本。この本は陰謀論の本が書きそうなことを、その陰謀論が根拠としているものの脆弱性(同時代の記録ではない、そうでないことの根拠となる史料のほうが多い、など)を順に指摘して丁寧に粉砕してくというもので、叩き潰し方の丁寧さが見どころかと。

    なるほど、物事を単純化した陰謀論を唱えるのは簡単でも、それを否定するのはこんなに骨が折れることなのか!という思いが残る本です。

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    2019年08月20日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    応仁の乱で一躍有名になった著者の前著。
    最後に「ハト派こそがリアリズムに徹するべきである。そのために歴史学が貢献できることは、まだまだあると思っている。」また、あとがきに「私は軍事学の専門家ではないし、ミリオタでもない。にもかかわらず中世の戦争を取り上げようと思ったのは、この分野の研究が一番遅れているからだ。」と記載のあるように、鎌倉中期から室町期を通じての戦争(合戦)に向かう武士の姿を丁寧に描き出しつつ、戦争の姿、平和の姿を見いだそうとしている。教科書では単に年表的に過ごされ、歴史小説では武勇伝的に描かれる武士の姿が、単にそれだけではない様子で丁寧に論じられるのが好ましい。また、時折顔を出す

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    2019年07月07日
  • 戦乱と民衆

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    戦史というと記録に残りがちな武将や貴族の物語であることが普通だが、ここでのテーマのように民衆をフィーチャーしたものは珍しい。昨今歴史ブームと言われて久しいが、ブームのおかげでこういう広がりが出てくるから目が離せない。

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    2019年06月18日