【感想・ネタバレ】明智光秀と細川ガラシャ ──戦国を生きた父娘の虚像と実像のレビュー

あらすじ

謎の武将・明智光秀と悲劇のヒロイン細川ガラシャ。戦国時代を生きた父娘は、どのような人物だったのか。光秀が織田信長を裏切った本能寺の変の背景には、何があったのか。キリスト教を学び改宗した娘は、石田三成率いる西軍の人質になることを拒絶して死に追い込まれた「気高い美女」とされるが、本当の彼女はどのような才覚、性格、容貌の持ち主だったのか。明智家の状況、当時の布教の様子、イエズス会の置かれた立場や日本戦略、近代化の過程で変容したイメージなど幅広い観点から、彼らの実像を浮かび上がらせる。

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Posted by ブクログ

細川ガラシャを中心に父・明智光秀を含めた論考4本からなる一冊。史料上に見える実像、ヨーロッパで展開・受容された人物像と近代日本への影響など興味深い内容だった。

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2024年06月21日

Posted by ブクログ

細川ガラシャの国内外での評価、美人とされるようになった変遷を文献をもとに丁寧に探っている一冊。歴史小説の引用もあり。章ごとに筆者が違うため重複箇所あり。まず「はじめに」「あとがき」を先に読むとこの本を出す経緯や目的がよくわかります。まあ親父の光秀の出自がわからないから玉もわからなくて脚色されていても仕方ないだろうなって感じがしました。

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2021年03月16日

Posted by ブクログ

大河ドラマ「麒麟がくる」の時代考証をされていた小和田哲男さんがYouTubeで勧めていたのをきっかけに読んだ1冊。
フレデリック・クレインスさんの論考が読みやすく大変参考になった。

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ガラシャ夫人は絶世の美女だったのかは何処にも書いてはいない
では、なぜヨーロッパ中に、忠興の虐待に耐えながらも宗教に準じて、最後には死に至るガラシャ夫人の音楽劇がイエズス会の手により作られたのか?
全ては情報を発信する側の都合による
イエズス会の設立とその直後の世界戦略は中々はかどらない
神の僕として信仰するレベルの人間は未開の地には無く、ようやく日本にてザビエルは見つけたのだ
それが信長の下で結実しかけた時の「本能寺の変」
全ては崩壊した(立花京子はこのイエズス会の歎きを知りつつも、信長暗殺の黒幕としたのはナゼだろう)

苦境の中に一筋の光明が・・・丹後大名夫人がキリスト教に知的好奇心から足を運び、人を出し、教えを聞く中で信仰をあつくして侍女17人を入信させ、その筆頭清原マリアにより受洗した玉ことガラシャ夫人
その一挙手一投足はフロイスが欧州全体に各国の言語で翻訳して知らしめ、何年もの間ガラシャ夫人の物語は注目を浴びていた

知らなかった (´・ω・`)

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2020年06月27日

ネタバレ

便乗本の悪い例…。

2025年6月読了。

元々『京都ぎらい』で有名になった井上章一先生のファンなので、「光秀とガラシャの話かぁ」と何となく気になって拝読した。

それぞれ立場の違う専門家が、この二人について論証(推論?)した本では有るのだが、興味は『細川ガラシャ(お玉)は美人だったか?!』に集中しており、それ以外は付け足し程度で読んでいて「力が抜けていく思い」で読了した。
呉座先生の光秀考は一読に値した(確かに本能寺の変は“光秀単独犯説”が正解だろう)が、それ以外はバラバラに『細川ガラシャ』について、参考文献も統一せず思い思いに語ってしまっていて、「そんなにガラシャが美人だったかどうか、未だに気にしてる人なんて居る?!」と云う感想しか出てこなかった。
井上先生も『美人論』の延長線上で、“別途書けば良い程度の事”までしか追えていない感ありあり。

それから、(当時の)イエズス会の活動については、ひたすら『布教活動に尽力した美談』ばかりで、貿易(鉄砲等の武器)や奴隷(人身)売買と言った『負の側面』を只管無視して書かれているのも、「よくもまぁぬけぬけと…」と云う感じで、読んでいてシラケる事ばかりだった。
秀吉が「バテレン追放令」を出した一番の理由は、宗教云々なんかより、日本から貧民を奴隷として、ドンドン海外へ売り飛ばす行為が目に余るからだったのは、最近の研究で明らかになっています。『独裁者のワガママ』だけでは酷過ぎます。

概して、こういうテーマで本を出したいなら、どなたか一人で別々に書いたら宜しいのでは?と、冷めた思いで本を置いた。『麒麟がくる』の頃に当て込んだ本なのだろうが、構成からしてバラバラなのだけはよ〜く分かった。

#笑える #切ない #じれったい

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2025年06月16日

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