呉座勇一のレビュー一覧

  • 一揆の原理

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    「応仁の乱」で話題になった呉座勇一氏のデビュー作。
    一揆の全盛期が中世であり、この時代における一揆は「契約社会」の下「既存の秩序の大幅な変更を迫らない」枠内で人々が「一味同心」することで自己利益の増大を目指すものであることが理解できた。呉座氏も指摘するように、一揆のあり方は現代にも大きな意味を持っていると思う。
    本書はとてもわかりやすい文体で書かれており、初学者にもおすすめ。一方、「応仁の乱」でも感じたのだが、本論と結論が噛み合っていない部分が散見されるのが、玉に瑕といったところだろうか。

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    2018年03月19日
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱

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    本書は、応仁の乱の時代背景から終焉までを丁寧に説明した意欲作です。本書を読んで応仁の乱の原因がどう考えても、足利義政 の優柔不断であると思うに至りました。ベストセラー だけあり良書と思います。

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    2025年12月21日
  • 一揆の原理

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    歴史学に覆いかぶさっていたバイアスを払いのけるために書かれた本であり、言ってみれば蜘蛛の巣に対する竹箒のような本である。
    古代の呪術的な信仰は本気で信じられていたのかどうかについての考察や、鍬や鋤で戦うイメージはあくまで農民としての階級を受け入れたうえでの交渉であるとか、こういった当時の人々の考え方の背景が見えるのは面白い。
    その意味での目の振り向け方はそれなりに価値があるものの、運動論としての射程もそれほどあると言えないし、一揆の論としても、正直食い足りない。あまりよそ見せずに頑張って欲しい。
    ちょっと本文の内容になるが、宛先のあるものが一揆の核になる契約関係を示すとして、それならばそれを踏

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    2016年02月27日
  • 戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―

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    元寇から応仁の乱までの期間を戦争を通して概観する。
    やっぱり南北朝から観応の擾乱までの流れはすごすぎます。
    大将として全国を駆け巡り、何度も敗けながらそれでも立ち上がる尊氏ってどういう人物だったのだろう。立ち上がるというより担がれたんでしょうね。
    どんな国のあり方がベストなのかはいろいろあると思うけど、戦争のない状態を作り出すには高邁な理想よりも、身の丈にあった機会主義だったわけだ。それが後醍醐天皇と尊氏の違いでもある。仮そめの平和でも戦争状態よりはよっぽどいいよね。
    著者は階級闘争史観だけでは紐解けないっていうけど、俯瞰的に理解するにはやっぱり階級闘争と唯物史観のような気がしちゃうな。

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    2016年02月12日
  • 明智光秀と細川ガラシャ ──戦国を生きた父娘の虚像と実像

    ネタバレ

    便乗本の悪い例…。

    2025年6月読了。

    元々『京都ぎらい』で有名になった井上章一先生のファンなので、「光秀とガラシャの話かぁ」と何となく気になって拝読した。

    それぞれ立場の違う専門家が、この二人について論証(推論?)した本では有るのだが、興味は『細川ガラシャ(お玉)は美人だったか?!』に集中しており、それ以外は付け足し程度で読んでいて「力が抜けていく思い」で読了した。
    呉座先生の光秀考は一読に値した(確かに本能寺の変は“光秀単独犯説”が正解だろう)が、それ以外はバラバラに『細川ガラシャ』について、参考文献も統一せず思い思いに語ってしまっていて、「そんなにガラシャが美人だったかどうか、未だに気にしてる人なんて

    #切ない #笑える #じれったい

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    2025年06月16日