あらすじ
教科書や小説に描かれる戦国時代の合戦は疑ってかかるべし。信長の鉄砲三段撃ち(長篠の戦い)、家康の問鉄砲(関ヶ原の戦い)などは後世の捏造だ! 戦国時代を象徴する六つの戦いについて、最新の研究結果を紹介し、その実態に迫る!
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Posted by ブクログ
第一線の現役研究者による合戦に関する最新研究状況。「川中島の戦い」「桶狭間の戦い」「三方ヶ原の戦い」「長篠の戦い」「関ヶ原の戦い」「大坂の陣」という六つの戦いと、「豊臣秀吉の天下統一過程」について解説している。
かつては偽書扱いだった「甲陽軍鑑」の位置付けが変わっている事や、徳富蘇峰の著書が後世に与えた影響の大きさなど、改めて知る事ができた部分が多かった。やはり第一次史料となる書簡等を元に説明されると説得力が違う。
⭐︎は4つ。個人的にはすごく面白いけど、研究書とかに縁が無い人にはちょっとハードル高めかと…。司馬遼太郎の「関ヶ原」「城塞」などと照らし合わせながら読むと無茶苦茶面白そうです(そんな読み方すんのはアンタだけだ)
Posted by ブクログ
川中島、桶狭間、三方ヶ原、長篠、関ヶ原、大坂、惣無事と、戦国史でも注目を浴びる大イベントそれぞれの歴史研究の最前線を紹介する新書。誰が何を主張してそれを誰が批判して、どちらの方がなぜ説得力があるのかという、学術的な観点からの紹介が面白い。最新の歴史研究を自分のようなただの歴史好きが知るにはこのような本がありがたい。
また通説がどう生まれたかというと旧陸軍参謀本部が軍記類など無批判に用いて作成した『日本戦史』と、それに依拠した徳富蘇峰『近世日本国民史』だということも勉強になった。
Posted by ブクログ
戦国時代の合戦の最新研究が平易にまとめられており、戦国時代ファン必見。英傑たちの偉大さを否定するわけではなく、しかし一方で神話のような世界で生きていたはずもない。そんなあたりまえのことに、旧日本軍も歴史学会も、なぜ気づかなかったのかと、暗い気持ちにもなる。最新研究で、ようやくニュートラルな戦国時代が見えてくると期待する。
Posted by ブクログ
戦国時代の有名なお話、桶狭間の戦いや長篠の戦いで、エポックメイキングな要素はほとんど後世の作り話だという最新の研究者達の論考の紹介本。
まぁ、そんなもんだろうな・・・と思われたものの、こういう(一般人をがっかりさせるような)研究をする人達のモチベーションって何だろうと不思議でならない。
Posted by ブクログ
サクサク読み進んで、とても面白かった。書籍等で最もメジャーな戦国時代の合戦史が、旧陸軍主導の研究という背景から、最も研究が遅れていた分野であることは、ある意味、新鮮であった。
研究者らで議論されている新説、反論説で戦国合戦をテーマにした新しい筋書きの歴史小説が生まれることを期待したい。
Posted by ブクログ
戦国時代後期の著名な合戦について最新研究動向を紹介する内容。旧来の通説・近年の研究史・現段階における諸説の解説という構成であり、論争を俯瞰的に見ている点で一般向けとして理解しやすい良書だと思う。