原島文世のレビュー一覧

  • パン焼き魔法のモーナ、街を救う

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    パン屋で働く14歳のモーナはパン作りに特化した魔法使い。
    ある日突然、店で死体を見つけてから不穏な街の様子と陰謀に気付く。

    可愛い表紙とコミカルな調子で語られるが内容は辛辣。
    何もしなかった統治者と大人たちへの怒り。
    「英雄になんてなりたくなかった」というモーナの言葉は重く刺さる。
    創意工夫してモーナの魔法で、魔力をギリギリまで使って街を守ろうとするシーンにハラハラさせられた。

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    2023年10月24日
  • メアリ・ジキルと怪物淑女たちの欧州旅行 2ブダペスト篇

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    面白かった!
    面白かったけど、色々詰め込みすぎて複雑になりすぎてしまい
    ところどころでけっこうちゃんとした「説明」が必要となり、冒険譚に最も大切なスピード感が損なわれてしまったのがマイナスでした

    いやー、それにしても色々仕込んであったのねー
    今回も色々出てきますよ
    おそらく自分では気付けない「古典文学」のネタなんかもあったんだろうなー
    今回は『ドラキュラ伯爵』がメインの元ネタとなっておりますが、面白いのはドラキュラたちのほうががっつり味方なんですよね

    わかるー
    わかるわー

    なんかあるのよ
    悪役に惹かれるみたいなあれが
    ほんとにこの怪物たちを悪と断罪していいの?人間と違うというだけの理由で

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    2023年09月01日
  • パン焼き魔法のモーナ、街を救う

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    お話が始まったとたん、かわいらしい表紙から受けた印象とは違う雰囲気が漂って期待が膨らんだ。
    「魔法」というものは、何かすごい力を使えるものというだけでなく、使う人にとってもリスクがあるのだ、という設定に激しく納得。
    これは拾いものでした。

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    2023年07月22日
  • パン焼き魔法のモーナ、街を救う

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    物語の設定が、まず面白い。
    何か一つのことだけしか魔法を使えない。それがこの世界の魔法使い。現実の世界でも、人は誰しも、大した役には立たないけど何か一つちょっとした特技を持っていたりするものだけど。それと同じかな、と思った。
    きっと、どんな人のどんな個性も無駄と言うことはなく、みんな世界を救えるだけの価値を持っているんだ、と言うことなのかも。
    ただし本書は、主人公モーナの明るさとコミカルな語り口に救われてはいるものの、けっこう重い話でもある。なぜか、ただのパン屋の娘が殺人の濡れ衣を着せられて逃げ回ったり、都市防衛の最前線に駆り出されたりしなければならない、この理不尽。街の魔法使いたちが協力して

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    2023年07月08日
  • メアリ・ジキルと怪物淑女たちの欧州旅行 2ブダペスト篇

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    前作に引き続きキャラクター達が生き生きしている。ただし、今回はそれぞれのキャラクター達が過去と同折り合いをつけるかに右往左往してる感はある。
    また謎が残る終わり方だったので続きがますます待たれるところ。

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    2023年06月18日
  • パン焼き魔法のモーナ、街を救う

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    モーナとジンジャーブレッドクッキーがとにかく可愛いです。癒し。お話し自体は重めだけど、モーナがお話を明るくしている。
    14才のモーナは発酵を促したりパンをふわふわにしたり、と言ったパンや小麦粉、お菓子に関することの魔法使い。

    「ただのパン屋です。どうやってパンで人を殺すんです?」と言っていたモーナが、どうやって街を救うのか。
    大人があまりにも不甲斐なくて、タビサ叔母さんの頼もしさだけが救い。

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    2023年05月14日
  • ピラネージ

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    特殊な設定のファンタジー。設定に馴染むと面白いと感じられる。状況が分かってから結末までが少々冗長に感じるが、主人公の暮らす美しい広大な館に惹きつけられ、子供の頃の世界の捉え方を思い出すようなノスタルジアに満ちた作品。学者の世界の光と闇を少々大袈裟に詩的に描いた作品でもある。

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    2023年04月11日
  • パン焼き魔法のモーナ、街を救う

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    ネタバレ

    タイトルと装幀に似ず意外とシリアスな戦いの物語。
    外敵と通じて国を売ろうとしたあの大臣はなんでそんなことしたんだっけね。
    いわゆる権力欲というやつなのか。なんか逃げ延びてるし、続編がありそうではある。
    ジンジャーブレッド人形かわいい。パン種のボブはキモカワ?(笑)

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    2022年10月03日
  • 吸血鬼ハンターたちの読書会

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    ネタバレ

    元看護師の主婦パトリシアは隣の家のおばあさんが変になっちゃう姿や義母が大量のネズミに殺されたり明らかにおかしいことが起こっていることに気づく。ジェイムズハリスが男たちをお金で取り込み、おかしさに気づいて警察に連れて行こうとしたら男たちに反故にされたり途中わかっているのにムズムズしてモヤモヤした。何百年も生きてきた相手を倒す方法を色々なドラキュラ本から探してみんなで実行する姿は本当の姿だと思う。そうでもしないと倒せなかった。生半可な方法じゃないところに納得。実際におかしなことが起こっても、見つけた本人が病気かおかしな人と思われるのも本当だと思う。ミセスグリーンやシックスマイルとの生活、パトリシア

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    2022年09月06日
  • 吸血鬼ハンターたちの読書会

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    殺人ノンフィクション系の読書会に参加する主婦パトリシアはある晩、近所の老婆がアライグマを喰らう所を目撃し襲われる。それをキッカケに老婆の親戚ジェイムズと出会う。その彼に魅力を感じるが、徐々に不可解な出来事が…。読書会仲間の主婦達と正体を暴こうとするが失敗、自身が孤立し悲惨な目に遭うあたりがなかなかリアル。ジェイムズに簡単に取り込まれる夫達。子供達を守るため奮闘するパトリシア。屋根裏のシーンが強烈で夢に見そうだった。適度にホラー、適度にエンタメで面白かった。

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    2022年08月30日
  • 吸血鬼ハンターたちの読書会

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    思った以上に良かった。映像が目に浮かぶ様だ。
    いつの時代でも男性は保守的だと、いつのまにかパトリシアの側にいる自分に気付いた。

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    2022年06月08日
  • トランクの中に行った双子

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    ネタバレ

    不思議の国の少女たちの続きの本。
    続きと言っても外伝的な役割。ジャクリーンとジリアンの双子の少女のお話。

    ジャクリーンとジリアンの親がちょっとどうしようもないというか、自分のために存在するかのように子供を扱い強要しているのが辛かった。小さい子供たちはまだ言われるがまま受け入れるしかないのが前半辛かった。
    不思議の国に行っちゃうよな、と思ってしまった。

    同じ、荒野の世界に行ったにもかかわらず、ジャクリーンとジリアンは別々の生活を始める。ジリアンの心はちょっと変になっていき、最後の事件に結びついてしまう。
    幼少期に、自分自身として生きることができなかったので、このようになってしまったのか、、、

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    2022年05月12日
  • 砂糖の空から落ちてきた少女

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    三部作の完結編。
    1作目で連続殺人事件にかき乱された学園。
    そんな学園の亀の池に、少女が空から降ってきた。
    少女はリニと名乗り、1作目で殺されたスミの娘だという。
    !?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?
    どうやらスミは帰ることができて、リニを産んだが
    現実の世界でスミが殺され、未来のリニが消えかけている。

    ケイドとクリストファーに加え、ナディアと
    新人コーラの4人がスミを復活させるため旅に出る。

    今回も面白かったです。
    骨になったスミを復活させる方法が仰天。
    あぁ・・ここで仰天するから、あちらの世界には
    いけないのねぇ~と自分に突っ込みましたよ。

    ・・・続きも出ているらしい(^◇^;)

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    2022年04月29日
  • トランクの中に行った双子

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    シリーズ第2弾。
    前作『不思議の国と少女たち』の続編といいますか
    ジルとジャックの前日譚です。

    外面と世間体だけを気にする夫婦が、ステータスとして
    子供を産むのだが、性格を築く上で重要な時期を
    束縛と強制で抑え込まれた双子が、祖母の残した
    トランクを開けたことで非日常の世界に突き進む。
    それぞれの双子が、それぞれの場所で経験して学ぶのだが
    そのせいで離れて行く双子。
    その結末は、前作の不思議の国と少女たちに続き
    そして、前作で荒野に戻ったジャックがどうしているか
    とっても気になります。

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    2022年04月19日
  • 不思議の国の少女たち

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    ファンタジー3部作の1作目。
    異世界へ行って戻ってきた少女たちが集まる学園での物語。
    いくつも異世界があるという異色の設定が光ります。

    転入生のナンシーは、学園に足を踏み入れる。
    突然、「死者の殿堂」という異世界に飛び、ナンシーには何年もそこで過ごして順応した記憶があるのだが、現実には半年間の行方不明。両親に何を話しても、空想としか受け止めてもらえないまま。
    この学園は、異世界に戻りたい気持ちを抱いている子のためのものだった。
    学長のエリノア自身、異世界に行った経験がある。しかも、何度も。
    それは異例なことで、普通は行くのは一度だけで二度と戻れないため、そのことをだんだんに受け入れ、こっちの

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    2021年06月26日
  • ミス・エルズワースと不機嫌な隣人

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    原題はSHADES OF MILK AND HONEY。milk and honey は富と芳醇さを表す表現のようなので、言い換えれば「豊かさの陰」の意味。邦題、ましてやショルダーコピーに掲げられた「幻想の英国年代記」では伝わらない本書のテーマがタイトルには込められています。つまり、19世紀初頭の英国郊外の上流層のまやかしをめぐるミステリーが本書です。

    「宇宙へ」の作者による2014年の作品。

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    2021年05月15日
  • 紙の魔術師

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    ファンタジー3部作の1作目。
    魔法が公認されている世界で、才能のある女の子が活躍します。

    1900年代初頭の雰囲気があるロンドンが舞台。ただし、女性が長いスカートをはいているぐらいで、歴史はほぼ関係ないです。
    魔法学校で優等生だったシオニーは、金属の魔術師になることを目指していましたが、あまり人気のない紙の魔術師の所へ配属されてしまいます。
    しかも、折り師である師匠のエメリー・セインはどうも変わり者らしい?
    ここで実習して師に認められなければ、一人前にはなれません。
    不満と不安を抱えつつ、同居しての研修が始まります。

    ガラスの魔術師、など物質に即した魔術がいろいろあるという設定が面白いです

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    2021年03月10日
  • 不思議の国の少女たち

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    不思議の国のアリスのように、異世界から帰ったものの
    戻りたいと切に願う少年少女たちが、現実と折り合う術を
    学ぶための寄宿学校が舞台。
    そこに既にある偏見と、起こってしまった殺人事件。
    それは連続殺人事件となり・・・

    十二国記「魔性の子」を連想しました。
    記憶を失ってはいたけど、帰って行った高里と、
    強く憧れながらも行けない広瀬。
    3部作というからには、続きを読まねば!
    ●トランクの中に行った双子 
    ●砂糖の空から落ちてきた少女

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    2021年01月24日
  • 仮面の帝国守護者 上

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    武人族が文人族を支配して帝国を築いている世界。帝国に捕えられた兄を救うため、奴隷となった妹は軍学校へ潜入し反乱軍の為に情報を探るが……というお話。
    軍学校が「特殊な仮面をつけたエリート兵士の養成校」だったり、主人公がイケメン兵士に一目惚れされて助けられ……とかちょっとラノベっぽいものかな~? と思ってたが意外と長く重く続きそうな感じでした。
    ただ主人公と兵士のロマンスなのか、ファンタジー帝国の興亡なのかややどっちもつかずな印象。

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    2020年08月23日
  • 不思議の国の少女たち

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    おもしろいいいい

    「自分の物語がどうやって終わるか教えられるのは自分だけ」

    スミの残したこの言葉にすべてが集約されてるように思える。

    物語に魅せられたかつての少女たちはみんなある意味自分の扉に執着しているのかも。

    続きも読まなくちゃ!

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    2019年05月10日